47研究所 - Model 4706c "Gain Card" パワーアンプ
ゲインカード、これがすべての始まりでした
このゲインカードこそが、47研究所のフィロソフィを最も体現しているのではないでしょうか?
一般的なオーディオファンをして
「これは何?」と思わせてしまうような
存在感のある電源部
そして、
回路と外観の双方が、ミニマムシンプルにデザインされていながらも、それゆえに光を放ち続ける、アンプ部
発売されてから、すでに年月は経っていますが、いまだに、唯一無二でありつづけています。
外観・デザイン
ブラックヘアライン仕上げの筐体には、一見、中央に47研ロゴが在るだけのように見えます。
・・・が、よく見ると黒色の文字が隠れています。
正面パネルには
中央上部に、モデル名
"model4706"
オペレートスイッチ上部には
"operate"
左右アッテネーター上部には
"attenuater"
・・・の文字が、それぞれあります。
闇夜のカラスのようなこれらの文字は、意識して目を凝らさなければ、ほとんど判りません。
ですが、これらの処理は、
47研究所の美意識をかいまみるような感があります。
余談ですが、47研究所が黒の筐体に黒文字をプリントするよう業者さんに依頼した際
「本当にこれでいいんですか?」 と
何度も何度も念を押された。と、いう逸話があるそうです。
構造・構成
上から見ると、この
アンプの構成のユニークさが見て取れます。
二つのモノラルアンプをアルミ引き抜き材の中に収め、前後から肉厚のあるアルミ板で挟むことにより、
左右のチャンネルを、電気的に分離しながらも物理的に一体化
製品として、アッテネーター付きステレオパワーアンプに仕立てています。
筐体のサイズ自体が小さいため、
重量に対するシャーシ全体の相対的強度は相当に高いと思われます。
インシュレーター・スパイク
インシュレーターは、非常に小さな
3点支持スパイク形状ですが、
前後のアルミパネルを上下に貫通する柱形状となっており、
上部がスパイク受け形状となっています。
(画像は、アンプの底面です。銀色の小さな三つの突起が"スパイク"です)
この部分は、よく考慮されて設計・デザインされています。
単体でも優れた構造ですが、別売のインプットチューザーを上部に乗せた場合には、
"アンプの上に乗る"というよりも、
"アンプに保持されたステンレス柱の上に乗っている"状態になります。
結果として、振動が双方の筐体に伝わりにくく、柱状スパイクを通じて、床面にアースされる構造になっています。
また、スパイクの材質はステンレスですが、
筐体との接合はネジ止めではなく、"接着"でなされています。
筐体に掛かるストレスを回避する目的で、このような手方が取られているのでしょうか?
純正スパイク受けは、スパイクと同様にステンレス製で、小型です。
もしも、
純正品以外のスパイク受けを使用する場合は、
"受けの深さ"に注意が必要です。
スパイクが小さい(長さが短い)ために、
スパイク受けの底にスパイクが届かない場合があるのです。
スパイクの長さを測ってみたところ、実測 4.7mmでした。
浅めのスパイク受けの場合は大丈夫ですが、深めのスパイク受けの場合、スパイクが浮いてしまうと思われます。
(無理にスパイク受けで受けなくでも、平面で受けることも可能だと思いますが、この場合、アンプの自重が軽いため、操作をする度に滑って動く可能性があります。)
背面・端子
電源トランスへ接続するケーブルが2本、直接筐体から伸びています。
ケーブルは太くはありませんが、それなりに硬く、柔軟とはいえません。
メッシュチューブで覆われていますが、おそらく単線が入っているものと思われます
他には、
アース端子、
スピーカー端子、
RCA入力端子 ・・・それしかありません。
特徴的なスピーカー端子が見えますが、内径は 4.5mm、外径は 10mmです。
極太ケーブルを接続した場合、
アンプの自重が軽いために"脚が浮く"ことがあります。
これに関しては、
"重し"を乗せて対処されている方が多いようです。
トラブル・対処
アッテネーターを廻した時に出る音
アッテネーターを動かすたびに、「プツッ」というノイズが入ることがあります。
・・・が、これは、固定抵抗切り替え式アッテネーターの宿命であって、故障ではありません。
(ノイズが全く出ないときもあります。)
どうしても気になる場合は、オペレートスイッチをOFFにして、アッテネーターをぐりぐり廻してみてください。
接点がリフレッシュして、ノイズ音が小さくなる場合があります。
(一般的なボリュームの、ガリ音対策と同じです。)
ただ、あまりにも症状が酷い場合には、メンテナンスに出してみるというのも、選択肢の一つです。
アッテネーターの"つまみ"が空回りする
アッテネーターノブを固定するボルトが緩んでいます。画像のように、
六角レンチで増し締めすれば元に戻ります。
スパイク脚が、抜けた(外れた)
エポキシ系接着剤などで、
DIY修理が可能です。
(鉛や御影石などを置いて、負荷をかけていたわけではありませんが、一度だけ抜けたことがあります。)
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