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FLYING MOLE(フライングモール) 「CA-S3」


FLYING MOLE(フライングモール) 「CA-S3」

CA-S3 FLYING MOLE 「CA-S3」

フライングモールといえば、「DAD-M1」や「DAD-M100pro」あたりが有名です。

デジタルアンプの走りのような感があり、一昔前までは「知る人ぞ知る」存在でありました。

「DAD-M1」や「DAD-M100pro」は、小型のモノラルパワーアンプであり、値段がそれほど高額でない割には、駆動力が高いということで、他に類するものの少ない製品であったと思います。

実際、DAD-M100pro(黒モグラ)を5台使用し、ホームシアター用として使用しておられる方もおられるようです。
「CA-S3」は、モノラルではなくステレオアンプではありますが、電源スイッチとボリュームしかないという、相も変わらずフライングモールらしいシンプルな構成となっています。

この「CA-S3」、ちょっとばかし使う機会がありましたので、そのときのことを書いてみます。

CA-S3の全体像 【 特徴 】
・ とにかく、小さい (CDジャケットと同じくらいの大きさ)
・ 発熱も、少ない (おかげで、放熱用の穴すらない)
・ 消費電力も、少ない
・ スイッチの数も、少ない
・ 入力端子の数は、たったの一つ

・・・と、何から何まで「小さい・少ない」ずくめのシンプル・コンパクトな製品となっています。

なんとなーく、こういった「シンプル・コンパクト」な製品には、個人的に惹かれてしまう部分があるものですから、サブシステム用途にと、購入してみました。


【 音 】
サブ用に用意しても、やっぱり最初はメインに接続して「テスト」です。

ひととおりCDをとっかえひっかえして聴いてみましたが
とりあえず、駆動力、パワー感に関しては特に不満はありません。 (というよりかなり上出来です。)
楽器の定位や音場の広がり具合など、空気感、臨場感に関しても、値段を考えると充分すぎるレベルです。

少し眠そうな感じのシステムにムチを入れ、バリバリと力強く鳴らしあげるのに力を発揮しそうなイメージを持ちました。

「まあ、ちょっと音が硬めかな?」…と感じられる部分もありますが、買ったばかりでこなれてないせいでしょうか?
エージングが終われば少しは、柔らかくなるかも・・・と、思い、一週間ほど通電し続けました。
劇的に変わることはなかったものの、少しはマシになった感じもしましたので、本来の配属先であるサブシステムへと転属させました。


CA-S3の背面端子 【 サブシステムへの導入 】

「サブシステム」は、「操作ボタンが5つ以上あると、わけが判らなくなる」という、「機械に弱い家の人」も使用します。
用途は、主にNHKのラジオを聴くためです。(爆)

いままで、ONKYOの「integra A-927」という、標準的ながらも充分すぎる入出力機能を持ったアンプを使っていましたが、最後の最後まで家の人が操作を覚えられなかったこともあり
「CA-S3」のような、電源ボタンとボリュームしか付いていないアンプは・・・
「これなら判る!!! 操作がカンタン!!」ということで、非常に好評を持って受け入れられました。

「CA-S3」の、やたらとご立派なスピーカー端子に、ベルデンのケーブルをねじ込みながら、これで「操作がわからん、音が出んので見てくれ」・・・と、呼ばれることも無くなるし、全く同じことを何回も説明する必要も無くなるのだな・・・と、一人ほっとしておりました。


【 思わぬ落とし穴 】

なにはともあれ、改めて「音出し」です。
チューナーに接続して、「ラジオ専用アンプ」としての第一歩です。

・・・、・・・・・・・。  あれ?
なぜだか判りませんが、今まできれいに受信できていたはずのNHM-FMが入りません。
いえ、入るといえば入るのですが、局間ノイズのような雑音が混じってくるのです。

他の民放FM局はそんなことはないのですが、どうもNHKだけクリーンな受信ができません。

なーぜー??

とりあえず、チューニングモードをモノラルにすることで、何とか雑音を除去することができ、なんとか聴けるようにはなりましたが、これでは面白くありません。

「家の人」は、とにかく「操作が簡単になった」というのが良かったらしく、「これでいい」と云うのですが、こちらはどうにも納得がいきません。

肝心の音の方も、メインシステムでは現れなかった「音のとげとげしさ」が感じられ、音量をある程度以上には上げたくなくなるような、そんな「うるさい感じ」が耳につきまといます。

「何じゃこりゃ??? サブシステムに入れ込んだだけで、何でこうも酷くなるの?」
と、いぶかることしきりではありましたが、いくら首をかしげたところで音が良くなるわけではありません。

「ちょ、ちょっと、使ってみてよ。」 とか、云いながら

「こんな音じゃ、だーめーだー。」 と、頭の中のちゃぶ台をひっくり返していました。


【 その後の顛末 】
結局、いろいろと調べたり試したりした結果、「CA-S3」は、電波受信系の機器には、あまり相性がよろしくない。・・・ということが判りました。
それまで良好に受信できていた局のS/Nが、「CA-S3」に繋いだとたん、ひどく悪化してしまったのも、「CA-S3」の出すノイズを拾ってしまったから、というのかどうやら真相のもようです。(置き方や、機器の近接度にもよると思いますので、一概には言えません。)

CD専用機としては、悪くないかもしれませんが、今回は「CA-S3」をチューナー専用にと調達したものですから、チューナーと相性が悪いようではどうにもなりません。

「操作が簡単だからそのまま使わせてくれ」という家の人の言葉は、見事なまでに無視され、あわれ「CA-S3」は、我が家から去ることになったのでした。


その後、「CA-S3」の後釜として、「CR-D1 SE」を調達しました。
これは、全体的になかなか優秀なやつでした。どうかすると「ちょっとできすぎ」かもしれません、(詳細は、「CR-D1 SE」 のページにインプレがあります。)


「CR-D1 SE」は「今時のレシーバー」なので、フォノイコやテープの入力はありませんが、MDやらDOCKやら、CD、チューナー以外の入力もしっかりと対応しています。

当然といえば当然ですが、「CA-S3」よりもたくさんスイッチが付いており、多機能リモコンまで付属しています。
そしてまた、家の人は「扱い方が判らない」と・・・何度も、何度も尋ねてきて・・・
わたしも、何度も何度も説明し・・・

しまった、これでは何も変わっていないじゃないか。
図らずも、また、ONKYO製品に戻ってしまったか・・・

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