47研究所 - Model 4715 "Shigaraki" DAコンバーター
俺たちに "脚"は無い
信楽DAC が世に出る以前、47研究所のDAC は、4705 Progression (Gemini)という、
アルミシャーシモデルしかありませんでした。
ゆるやかな曲面の天板を持つそれは、デザイン的に完成されており、
「デジタルフィルター・レス」という回路上の魅力も加わって、個人的な"垂涎の的"でありました。
…が、いかんせん値段も高額で、財布を開くには勇気のいるものでありました。
そして、 年月が流れ、信楽シリーズがお目見えし…
いつかは、DACも47研究所で… と、思い続けていた私の手に、手のひらに納まるような、 黒いお豆腐のような、
立方体のDACがやってきたのでした。
まず、 カタログにも、雑誌にも掲載されていない、秘密の部分?からお見せしましょう。
・・・
「底」 です。 「底面」 です。
底面のみ、"うわぐすり"がかかっておらず、茶色っぽい色をしています。
そしてなによりも、・・・特筆すべきことに、まっ平らです。
オーディオ製品には必須の (そしていじり甲斐のある) "脚"がありません。
馬脚のあらわしようが無い・・・とでも申しましょうか、
これは、信楽シャーシに対する、"47研の信頼"を示しているものといえるでしょう。
「下手な脚など、いわんわい。」
「振動を、脚でごまかしてどうする。 シャーシで処理をしろ、 シャーシで・・」
・・・ と、そう云わんかとでもするような、取り付くしまの無い、塗り壁のような底面です。
これを、潔いと云わずして、何といいましょうや。
底面まで、シンプル にしてしまうとは、・・・恐れ入りました。
ちなみに、底面の表面処理についてですが、引っかかるような"ざらざら感"は、ありませんが、小さな凹凸があり、やはり陶器であることを感じさせます。
傷つきやすいラックなどに配置する場合は、配慮が必要かもしれません。
「底」 の次は 「天」 です。
(順序が逆じゃないか、というむきもあるかもしれませんが…)
陶器とはいえ、精度よく作成されています。
ですが、インジケーターも、操作を必要とする一切のスイッチ類もありません。
うっかりしていると、見逃してしまいそうなロゴマークは、"型押し"です。
外観を一言で云うと "渋い" です
47研のアルミシャーシモデルは、一言でいうと"Cool"でしたが、信楽DAC は "芋のお湯割り、…濃い目で" ・・と、ぼそっと呟きたくなるような、そんなたたずまいを 見せてくれています。
背面 です。
背面を見て、初めてオーディオ製品と判るというのは、いかがなものかと思いますが、47研究所製品であるからこそ、許されることです。
背面は、金属製の板を、陶器が取り囲むような形で構成されており、異質な素材同士が相対するさまは、端子の配置バランスの良さともあいまって、調和の取れたデザインとなっています。
私はここで、大きな声でこっそり言いたいと思います。
「信楽DACは、正面より、背面の方が、格好いい」
肝心の ・・・音 です。
音は、システム全体があってこそ、音として聴こえるもので
「このDACが、どんな音なのか、語れ!」 と、云われても、DACだけでは音が出ないので、なんともいえないのが本当のところなのです。
・・が、敢えて云うならば、やはり「47研の音」がします。
デジタルフィルター・レス(アナログフィルターも無い)が、どのように作用しているのか、よくは判りませんが。
すべての"薄皮"を取り除いたような音、だと思います。
まんま、まんまの、そのまんま・・・です。
最後に 使いこなしの 注意 ですが・・
"電源インレット" と "DACへの電源端子" の距離が近いため、画像のような、丸型の電源プラグを使用すると、「DAC部への電源ケーブル」の接続が上手くいきません。
(無理やり挿入することもできますが、少し無理があります。)
角型の電源プラグを使用すると、スペースに余裕が生まれるため、"電源インレット" と "DACへの電源端子" の双方が、お互いに干渉することなく接続することができます。
これは、FURUTEC の角型電源プラグ(ロジウムメッキ仕様)です。
丸型プラグの方が人気があるせいでしょうか、角型はあまり店頭で見かけませんが、品揃えの豊富なところでは、取り扱っているようです。
● オーディオのメインページに戻る