月寅次郎のサイト

オーディオインシュレーター(自作・吊り下げ式)


自作インシュレーター(信楽トラポ専用)


信楽CDトランスポート専用インシュレーター:正面拡大画像 自作インシュレーターと、信楽CDトランスポート
インシュレーターを造ってみました。
(振動を押さえ込むのではなく、フローティングして開放するタイプです)

「インシュレーター」とはいっても、フルカバー形状(Full-covered)となっています。
フルカバーではありますが、底板はありません。
紐で吊ることによって、トランスポート本体を、床面から5mm程度浮かせています

見た目からすると、どう見てもインシュレーターには見えませんが、造った当人が、「これはインシュレーターだ。」 と、申しておりますので、ケース形状のインシュレーターなのだとお思い下さい。

作成の意図としては・・・
  • 外部からの振動の遮断と、内部発生する振動の開放。結果的な再生音の向上と、外部振動による音とびの回避
  • 試聴時に発生する、微小なピップアップ作動音やCD板回転に伴う風切音の低減と遮断
  • 埃よけとしてのカバー
・・・などを、目的として設計いたしました。

単なる、「制振や防振目的のインシュレーター」としての機能だけでなく
四十七研究所製のCDトランスポートを使用する上で、わずかながらも気になる部分を補完できるようにと考慮した結果、フルカバードのケース形状になってしまったというのか本当のところです。

信楽トランスポート専用インシュレーター:全体像 インシュレーター外観(全体像)

先代の自作インシュレーター(TL5100用吊り下げ式インシュレーター)は、機能だけを考えて、仕上げに手をかけなかったため、見た目が貧相でありました。

今回は、調度品としても周囲のインテリアに馴染むようにと配慮し
「革張り」の外装といたしました。

革も、まっとうな品を購入すると、結構な値段がしますので、「廃材」を使用しています。(\500円ぐらいでした。)

革張りにしてしまうというのは、Sonus faber(ソナス・ファーベル)のスピーカーバッフル面のように、素材表面を伝播する振動のダンピングには効果的であるとは思いますが
今回の「革張り」は、ダンピング効果よりも、見た目を重視した結果です。

・・・蛇足ですが、スピーカーバッフル面の表面伝播振動を抑える対処法としては、SONYの「ESPRIT APM-8」に採用された、「バッフル面にキャラメルの表面のような細かい切れ目を入れる」という、凝った対策法もありました。

エスプリAPM-8は、SONYらしく技術的に凝っており、正方形の平面振動版を使用した、一本百万円もする「高嶺の花スピーカー」でした。
1979年の話ですから、思い出せる方は、かなり年季の入ったオーディマニアです。
蛇足ついでに、一本百万円というと忘れられないのが「ONKYOのGS-1」(グランセプター)ですが、こちらは1984年発売の、オールホーンシステムです。
オールホーンシステムというと、今では独アバンギャルドアコースティック社が有名ですが、個人的には「GS-1」の、当時としては突き抜けた革新性が印象深かったです。

話をインシュレーターに戻しましょう。
インシュレーターのフロントパネルには、3mm厚程度のアクリル板を使っています。

採寸などは、おおよそ適当な「現物合わせ」で造っていますが、原材料の木材に若干の「反り」があったため、なかなか寸法が合わず、修整するのにそれなりの時間がかかってしまいました。
他には、1mm程度の厚みのある革の切断面を、外観上目立たないように接合させるために、裏側の要所を漉いたりするのに、時間を要しています。

いい加減な道具と、いい加減な腕で、「それなりの精度を出す」というのは、まこと素人には、難しいものです。
もう少し、「ぴっちり」と合わせることができれば見栄えもするというものですが、まあ今回は、素人なりにはうまく仕上がったというべきなのかもしれません。

次ページは、自作インシュレーターの「音の傾向」です

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