「タイムドメイン・ミニ」 のスピーカーユニット交換
前回は、
「タイムドメイン・ミニ」 に、SONY SRS-Z1のアンプを接続
でした。
かなり「聴ける」ようにはなりましたが、いかにもペーパーコーンといったような、
紙っぽい音をなんとかしたくなってきました。
現状のこのシステムから、「紙っぽさ」を取り除くには・・・
それはもう、
ユニット交換しかありません
(というか、・・最初から交換するつもりでした)
「タイムドメイン・ミニ」 は、スピーカーユニットをバッフル面ではなく、背面からネジ止めしているので、ユニット交換も一筋縄ではいかないような気がします。
「上手くいかなかったらどうしよう?」 と一抹の不安を感じながらも、 「まあ、なんとかするわいな・・」 と、ユニットを発注いたしました。
AURASOUND製スピーカーユニット NSW2-326-8A 「WHISPER」
ネット上で、 「タイムドメイン・ミニ」 には、AURASOUNDの2インチフルレンジユニット 「NSW2-326-8A WHISPER」 が合うとの情報を得て、早速注文
・・待つことしばし、商品到着です。
見た目は、・・口径大きめの逆ドーム型ツイーターにしか見えません。
なんともかわいいフルレンジユニットです。
ただこのユニット、なかなか優れた(コストのかかる)素材を使用しています。
まず、
マグネットがネオジム磁石です。
さらに、ラジアル着磁という、ボイスコイルが前後に移動しても均一な磁束が得られるような、凝った着磁技術が施されています。
振動板がチタニウム(チタン)というのも、珍しいところです。
金属系の振動板としてはアルミの方が一般的で、こちらの方がコスト安で成型も簡単なはずですが、高価で扱いにくい素材でもある 「チタン」 を採用したのには、設計側に明確な何らかの意図があってのことでしょう。
世の中には、「ジョーダン」のユニットのように、アルミ振動板を採用した優れたフルレンジユニットというものもありますが、より剛性の高いチタンを採用することで、「アルミでは出せなかった音」というものを目指しているのかもしれません。
NSW2-326-8A WHISPERの概要
口径 : 2インチ(51mm)
重量 : 113g
振動板材質 : チタニウム
磁性体材質 : ネオジム ラジアル
ボイスコイル材質 : アルミ
ボイスコイル直径 : 32.6mm
インピーダンス : 8Ω
能率 : 84dB
Fレンジ : 200-15kHz
Q0値 : 0.68
横浜ベイサイドネット(購入先)
NSW2-326-8A 緒元一覧(PDF)
コルゲーションダンパーはどこ?
それにしてもユニークな設計の 「NSW2-326-8A WHISPER」、コルゲーションダンパーはどこにあるのだ?
・・・と、背面から覗き込んでしまいました。
メッシュ網の向こうには、ドーム形状の 「振動板の裏面」 が 「こんにちは」 をしています。
「WHISPER」 は、ボイスコイルの大きさが、振動板の口径とさほど変わらないので、金網の奥は、そのまま振動板の裏側となっています。
そのため、振動板の背圧が直線的に真後ろに抜ける構造となっています。
もちろん、コルゲーションダンパーなど見えるはずもありません。
「フルレンジユニットというものは、かくあるもの」 という先入観でこのユニットを考えていると、驚かされるものですが、何のことは無い、
「低域も出る逆ドームツイーター」だと思って考えれば、この形状も納得することができます。
「タイムドメイン・ミニ」 のユニット
取り外した 「タイムドメイン・ミニ」 の純正スピーカーユニットです
この純正ユニットは、
4Ωというローインピーダンスユニットです。
単純に 「純正ユニット」 から 「NSW2-326-8A WHISPER」 に交換するだけの場合は、ユニットのインピーダンスが4Ωから8Ωへの変更となりますので、特に気をつけることはありません。
(逆に、8Ωユニットを4Ωユニットに交換する場合は、アンプの負荷が高くなるので、微妙なところです)
現在アンプとして接続している、SONY SRS-Z1のスピーカーユニットのインピーダンスは8Ωとなっていましたので、SRS-Z1のアンプで8ΩのWHISPERを駆動することは、SRS-Z1本来の設計値に近似した状態での駆動となり、こちらも問題ありません。
スピーカー取り付け穴を開ける
ユニットの解説はこれくらいにして、
NSW2-326-8A WHISPERの取り付けに移りましょう。
「タイムドメイン・ミニ」 のスピーカーエンクロージアを分解して、ユニット取り付けステーを取り出します。
(ステー背面のネジを取り外すと、純正ユニットが外れます。)
WHISPERは、純正ユニットのように「背面1本ネジ」での取り付けはできませんので、WHISPERが取り付けられるよう、ユニット取り付け用のボルトを通す穴をステーに開けます。
穴開けの前に、穴の位置決めです。
ユニット諸元表を元に型紙を作り、正確にラインを引いて、穴の中心を求めます
型紙をユニット取り付けステーに合わせ、ケガキ針や千枚通しなどで印をつけます。
位置決め後は、M3サイズのボルトを通すための穴を開けます。
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