犬用流動食(老犬介護用・栄養強化版) - 自作調理レシピ(猫にも)


犬猫用流動食を、自分で作る

老犬介護用流動食

自分で作るペット用の流動食(栄養強化版)です
(犬用として作っていますが、タウリンを加えていますので、猫にも応用できると思います)

このレシピは、歯が抜けて食欲も落ちぎみな老犬介護用として作成しました
必要栄養素やカロリーを摂取しつつも、腸内環境を整え、快適な排便を促すレシピにしています

若く元気な犬・猫の場合は、脂質と糖質を抑えて高タンパクな配合にした「自作ちゅ~る」のレシピを参考にしてください

介護用流動食を作るにあたり、これまで実際に試したり、使用材料や栄養成分を参考にしたもの
いなばの「CIAOちゅ~る」、メディコート ライフアシスト(市販の老犬用流動食)、ヤギミルク、ドッグメンテナンスミルク

犬用流動食(老犬介護用・栄養強化版)のレシピ・材料

材料

 鶏胸肉   2~3枚(300~350g程度)
 ツナ缶   350g(70g x 5缶)
 卵     4個
 納豆    2パック
 魚油(EPA DHA) 8錠(8g)
 鰹節粉   大さじ 4
 砂糖    大さじ 6
 黒砂糖   大さじ 2
 水     800cc
 タウリン  4錠(2000mg)
 乳酸菌   2錠

出来上がり分量は、おおよそ2000mlです

何食分(何日分)になるかは条件によってさまざまです
食欲がどれだけ残っているか、小型犬か大型犬かなどによって変わってきますが、わたしの犬(体重約10㎏の雑種犬)の場合はこの分量で約1週間程度持ちます
上記分量で作ると、820mlのジップロックコンテナ3個にきれいに納まりますので、調理後に冷蔵保管しています

犬用流動食(老犬介護用・栄養強化版)の作り方

  1. 鶏胸肉は皮を取り、小さく刻む
  2. 鍋に水を半量(400ml)入れ、タウリンと乳酸菌以外の材料をすべて投入する
  3. 中弱火で加熱し、火を通す
  4. 肉に火が通ったら、ハンドブレンダーやミキサー、フードプロセッサーなどを使用してペースト状にする
    この際、数回に分けて残りの水を投入し、その都度攪拌して、徐々に粒状感をなくしていく
  5. きれいなペースト状に仕上がったら、粗熱を取る
  6. 粗熱が取れたら、タウリンと乳酸菌を加え、混ぜ込む

手際よく、時短で作るコツ
先に、鶏肉と水を鍋に入れ、加熱しながら他の材料を順次投入していく
(材料をすべて鍋に入れてから火を点けるよりも、時短になる)

肉に火を入れる作業と、ハンドブレンダーで肉を細かくする作業を、同時並行で行う
肉に完全に火が入ってからブレンダーを使って一気に処理しようとすると、ブレンダーの連続運転になるため、内蔵モーターが過熱し、連続使用時間の制限を超えてしまうため、モーターが冷えるまで待たなくてはならないため(連続運転限界は、機種にもよるが、たいてい3~5分程度の設定が多い)

ある程度火が入ったら先にブレンダーで粗めにミキシングするなどして、ブレンダーの連続運転にならないよう、鍋の加熱とミキシングを上手に並行して行うと、効率よく作業できる

フィッシュオイルのソフトカプセルは、中身を出さずにカプセルごと投入する(熱でゼラチンカプセルが溶けるので、わざわざ中身を出す必要はない)

タウリンと乳酸菌のカプセルは、デンプンカプセルであればそのまま入れても良い、水分でふにゃふにゃになるので、使用前の攪拌で混ぜ込むことができる(セルロースカプセルの場合は、カプセルを開けて中身だけを投入する)
カプセルの素材が判らない場合は、カプセルを口内で含んでおくと判る
オブラートのように溶けるようであればデンプン由来であるし、溶けないようであればデンプンではない(おそらくセルロースカプセル)

調理完成後の保管・保存

ちゅ~る・自作

完成後は食品保管容器やフリーザーバックなどに小分けし、すぐ使用する分は冷蔵保管、それ以外は冷凍保管が望ましいです

ただ、冷蔵状態でも1週間程度は持ってくれます(個人的にはすべて冷蔵保管にして一週間以内に使い切るようにしています)

犬種の大小や、一匹か多頭かなどにより、消費ペースは様々だと思いますので、冷蔵にするか冷凍にするかは、適宜状況に応じて判断してください
(衛生的に問題ない場合でも、納豆菌の増殖を意図的に抑えたい場合は冷凍がお勧めです。冷蔵で1週間保管すると、いくぶん納豆系の芳香が増す感じがします。納豆香によって食いつきが悪くなる犬もおられると思いますので、食べ具合をよく観察してみてください)

「自作ちゅ~る」との違いについて

自作ちゅ~るのページはこちら

今回の「老犬介護用流動食」は、自作ちゅ~るのレシピをベースに、タウリンやDHA、EPA等を加え、栄養成分を強化しています
また、納豆菌と乳酸菌を加えることで、腸内環境を整えます

納豆(腸内環境の改善と大便状態の向上)
納豆を入れるようになってから、大便の状態が明らかに向上しました
納豆を入れずに作っていたころ(「自作ちゅ~る」のレシピ)では、便の状態が緩く、排便後の処理が大変でした
納豆をレシピに加えるようになってからは、便の硬さが程よくなり、本人も排便の兆しが把握しやすくなったのか、鳴き声で訴えてくるようになり、大便で粗相をすることがほとんどなくなりました(このため、介護側の負担が少なくなりました)

さらに特筆すべきは、便の悪臭がほとんどしないことです
あまりにも悪臭がしないため、便の回収時に匂いを確認してみたのですが、胸元まで近づけたところで、ようやく便らしい匂いを感じ取ることができました

納豆を入れることで、味的には「う~ん、なんだかなぁ」という印象になりますが、それは人間が味見した場合であって、犬的にはおいしく感じているようで、食いつきも良く喜んで食べています

ただ、若い時に納豆を食べた経験のない犬が好んで食べるかどうかは、実際にやってみないと判らないかもしれません
うちの犬は、どちらかというと納豆好きで、元気な時にもあげると喜んで食べていました(どちらかというと購入直後の納豆が好きだったようで、発酵が進んだ納豆は食べませんでした)


乳酸菌
腸内フローラの環境を整え、大便の状態を良くするのは納豆のみでも充分な効果がありますが、乳酸菌を加えることで、より腸内フローラの多様性を確保することができます

納豆が苦手な犬の場合は、納豆を加えずに乳酸菌を倍量にするなどしてレシピを調整すると良いと思います
納豆菌はかなり熱に強い菌ですので鍋に投入して加熱していますが、乳酸菌は納豆菌ほどの熱耐性はありませんので、調理完了後に粗熱が取れてから加えています

タウリン(アミノ酸)
タウリンは、市販の老犬用調整食などにも入っており、有用なアミノ酸です
(猫の場合は、タウリンを自力合成できないため、食餌で与える重要性が増します)

タウリンもアミノ酸の一種ですので、熱で変性しない様に粗熱が取れてから混ぜ込んでいます
以前は、カプセルを手で開けて中の粉だけを入れていましたが、わたしが加えているタウリンのカプセルはデンプン組成のものだと判ったため、すぐ使用する場合を除いてカプセルごと投入しています
冷蔵保存している間にカプセルが水分で溶けるため、コンテナを開けたときにかき混ぜて使用しています
(セルロースカプセルの場合は溶けないので要注意ですが、たいていデンプンカプセルだと思います)

魚油(EPA DHA)
こちらも介護食によく入れられている栄養成分です
たいていゼラチンのカプセルに入っており、1カプセル1gのものがほとんどです

最初はカプセルを切って中の魚オイルのみを投入していましたが、ゼラチンカプセルは調理時の熱で自然溶解するということが判ったため、それ以降はカプセルのまま鍋に投入しています
ゼラチンはタンパク質であり、語弊を恐れずに言ってしまえばコラーゲンの素みたいなものですので、栄養的にも加えた方が良いです

飼い主の方へ(お願い)

調理後は、ご自分で実際に食べてみて、味や舌ざわりなどを確認してください
使用材料によって味などが微妙に異なる場合があります。また一見ペースト状になったように見えても、実はまだ粒状に残っている場合があります
塩気、甘み、うま味などの味のチェック、そして、咀嚼しやすい粘度か、繊維状のものや粒子状の固形物が残っていないか、実際にご自分の舌でチェックしてみてください
それが最も確実です。(大丈夫です。安心して食べてください。人間が食べてもおいしいです)

元気なうちに一度作って食べさせて、好みに合うか確認を!
このレシピは介護食として作成しましたが、できれば若くて元気なうちに一度食べさせて、本人の好みに合うかどうか確認してみてください

なぜかというと、固形物が食べられなくなってから流動食を食べさせようとしても、流動食に慣れていない場合、粘度のある食品を飲み込むのがうまくいかないことがあり得ます
また、あまり食べてくれない場合に、味や匂いが本人の好みに合わないのか、それとも、好きだけれども食べられないほど弱っているのか、判断が難しくなるからです

元気なうちに何度か食べさせて、本人の好みに合うかどうかを確認し、味を覚えさせておくのが一番です
(本人のご馳走になるようであれば、言うことありません。ご褒美をあげたいときに、積極的に作ってあげましょう)

小鉢などに取り分ける際は、必ずかき混ぜてから行ってください
比重の違いにより、糖分は下の方に沈んでいきます
そのため、一定時間保管した状態のものをかき混ぜずに取り分けると、上の方は甘くなくて、下の方は甘みが強くなります
(実際に食べてみると、よくわかります)


介護が長期にわたる場合は、(可能であれば)味のバリエーションをつけてあげてください
本人の好きなものを加えることで、味のバリエーションを付けることができます

うちの犬の場合は、ふかしたサツマイモやカボチャが好きでしたので、これらを少量加えるなどして、味のバリエーションを付けてあげれば良かったと思います
(残念ながら、わたし自身に時間的精神的な余裕が無く、そこまで気が回りませんでした。この介護食を作って、一定の時間おきに食べさせるだけで、かなりいっぱいいっぱいでした)

うちの犬が亡くなった後、残った介護食700ml分を、自分で全部食べて、本人への弔いとしたのですが、食べながら「ほんの少しでも味に違いをつけてあげれば、もっと喜んで食べてくれたかな」と、そう思ったのです


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