ブルーマジック メタルポリッシュクリーム
このページでは・・・、
ブルーマジックの使い方、研磨剤の粒度(番手)、成分、販売店(買える店)、使い方などの基本情報から、
塗装面には使えるのか、最適な布の選び方、「コンパウンド鳴き」、ガセ情報の真偽(研磨剤なしは本当か?)、鏡面仕上げの実例など、専門的でマニアックな見地まで、幅広く解説します
ブルーマジック - 目次
- ブルーマジックの基本 ← 今見ているページ
- 番手・粒度・成分 ← 次のページ
- 使用例と感想(鏡面仕上) (ページ3)
- 使い方上級編 (ページ4)
- 車のボディ磨き (ページ5)
- 家庭での使用 (ページ6)
使い方に関しては、基本編と上級編に分けていますが、初心者の方でも「
ウエスの選択」と「
コンパウンド鳴き」は、ご一読をおすすめします
ブルーマジックとは
ここで言う「
ブルーマジック(Blue Magic)」とは、金属パーツの研磨・艶出しに使用する「
ブルーマジック メタルポリッシュクリーム」の事です
(以下「ブルーマジック」と略)
ブルーマジックは、金属全般の研磨、艶出しに有効です
ラベルには、「クローム(クロムメッキのこと)、アルミニウム、マグネシウムホイールに」と書かれていますが、それ以外にもステンレスや炭素鋼(ハガネ)など、広く金属表面の研磨に使用可能です
金属以外の使用の可否については、
塗装面はOKか?、及び、
使用NGパーツの項目をご覧ください
最近では「
シンクを磨くとピカピカになる」と話題になりましたが、元々は自動車の金属パーツやトラックのメッキホイールを磨くための「カーケミカル用品」です
ライバル商品としては、海外製品では
マザーズの「
マグ&アルミポリッシュ」、国内製品では「
ピカール」や、
ワコーズの「
メタルコンパウンド」などが挙げられます
「ブルーマジック」という商品名で、「卵の上に座っても割れない!」というクッションがありますが、あれとは無関係です(ハニカム構造+ゲル素材の青い座布団)
他にもソウルR&Bグループ、歯科用切削器具、ビール醸造所など、世の中にはさまざまな「ブルーマジック」がありますが、最も歴史があり、名が通っているのは、金属磨き用の「ブルーマジック メタルポリッシュクリーム」になります(1967年から販売されており、この分野では草分け的な商品になります)
ブルーマジックの基本的な使い方
ブルーマジックの基本的な使い方
-
使う前に、一度よく撹拌します
-
柔らかいウエス(布)に、ブルーマジックを適量付け、磨きます
-
必要に応じて布を交換し、ブルーマジックを塗布しなおして研磨します
-
磨き終わったら、布を新しいものに交換し、きれいに拭き上げて完了です
ブルーマジックの分離と撹拌
ブルーマジックは、静状態で長時間保管しておくと、比重の違いによって自然に分離します(下の画像の状態)
撹拌(練り込み)をすると、上の画像のように、粘度の高いエマルジョンのような均質の液体に戻ります
上の画像は分離した状態です(撹拌が必要)
しっかり撹拌することで、研磨粒子が均一に分散し直します
液体コンパウンド製品は、「使用前によく振って下さい」と注意書きがありますが、あれと同じ事です
ブルーマジックは、やや柔らかめの「半練り」製品ですが、だからといって研磨粒子が下に沈まないとは限りません。底の方までよくかき混ぜてから使用することを推奨します
分離したからといって成分が劣化しているとか、そういうことはありません。混ぜれば元の状態に戻ります
分離していなければ、混ぜずにそのまま使っても構いません
ブルーマジックの塗布量
付け過ぎは、よくありません
磨いている際に、ヌルヌル滑る感じがするようでしたら、明らかに「付けすぎ」です
付けすぎると、研磨粒子がウエスに馴染んでくるまで磨けません
研磨粒子が布の上で動いている状態では、ワークに全く食い込まず、研磨にならないのです
加減が判らない場合は、「
最初はごく少量」から試してみて下さい
「
明らかに少なすぎる」と思われるくらいの量から初めてみて、そこから徐々に、ブルーマジックを付ける量を増やしていきます
ある一定量を超えると、「
ヌルヌルして磨けてない。付けすぎだ」というのが感覚で判ります
その一連の流れの中で、最適な塗布量の幅が、経験から判ってきます
「少なすぎ」と「付けすぎ」の2つの状態を、意図的に体感することで、無駄にならずに磨きやすい、ベストな塗布量が分かってきます
ブルーマジックをウエスに取り、ウエス上で広げてから使うのが基本です
ワーク(研磨対象)にブルーマジックを直接付け、布で塗り広げようとすると、布の一箇所にブルーマジックが「どちゃっ」と付きがちで、あまりおすすめできません
(局所的に「付けすぎ」となり、ウエスへの馴染みが悪いというのもありますが、磨きムラにつながる場合もあります)
どのような「布」を選ぶかについては、コンパウンドに最適なウエス の項目をご覧ください
磨き終わりをどう判断するか
「磨き終わり」をどう判断するかですが、目視で判りにくい場合は、耳で判断します
コンパウンド鳴きを、一つの判断基準すると良いでしょう
キュッキュッと鳴るようになったら、平滑度がかなり上がっている証拠です
ブルーマジックはどこで買える?
ブルーマジック
ブルーマジックは、amazon等の通販サイトで購入可能です
実店舗で購入する場合は、オートバックスなどの自動車用品店で販売されています
(どちらかというと、マニアックな商品です。自動車用品店なら、どこでも確実に取り扱っているというわけではありません)
また、実店舗の場合は、店頭在庫があるかどうかは、個別に確認するしかありません
工具専門店の「
ストレート」や「
アストロプロダクツ」などでも取り扱われており、店舗に行けば置いてあることが多いです(自動車用品店よりも置いてある可能性が高いです)
一方、ホームセンター等ではあまり取り扱いがありません
※ 補足
「ストレート」は工具販売業者です。単にブルーマジックを取り扱っているに過ぎません。
(通販サイトによっては、なぜか商品名に「ストレート」が入っている場合がありますが、あれは単なる入力ミスです)
なお、ブルーマジックのことを、ストレートの製品であるかのように説明しているサイトもありますが、これも完全に間違いです。
(ストレート社が独自にブルーマジックを製造しているわけではありません。輸入元でも代理店でもメーカーでもありません。数ある販売会社の一つです)
ブルーマジック - 今の価格と通販サイト
現在の実売価格は、下のリンク先でご覧ください。
(amazonと楽天の通販ページです)
使用上の注意
気化成分の吸引と、乳幼児の誤飲に注意!
気化した成分は、なるだけ吸い込まないようにしましょう(アンモニアが含有されています。決してよい臭いではありません、はっきり言って臭いです)
屋内で作業する場合は、気化した成分が室内にこもりがちです。換気に配慮して作業しましょう
注意喚起表示として、
CAUTION! READ SIDE PANEL. HARMFUL OR FATAL IF SWALLOWED. と、ラベル下部に書かれています
日本語にすると、
「注意! 説明書きを読みましょう。誤飲すると致命的に有害です。」となります
保管する際は、子供の手の届かないところに置きましょう
※ ブルーマジックは臭気が強いですが、ニオイが強烈なおかげで、子供の誤飲防止につながっている部分もあります
シャバシャバした極細目の液体コンパウンドは、ツンとくる溶剤系の匂いが殆どしないものもあります(ウィルソンの超微粒子などは、このタイプです)
これはこれで、気をつけたいところです
● サンドペーパーの選び方 については、左記のページをご覧ください
有名どころのNCA(ノリタケ)、三共理化学、コバックス等について解説しています
当ページの内容には、わたしが長年ブルーマジックを使用して得た情報が、多数含まれています
キュレーションサイトのライターの皆様、当ページの内容を換骨奪胎してページを作らないでください
最近安易に内容をパクる人が多いので、先に釘を刺しておきます。YouTuberや個人ブロガーの皆様も同様です
某ゲーム系ユーチューバーの方には警告を行いました。パクリに対して使用料を請求し、費用を回収した実例
金属以外での使用例
上の画像は、黒檀材を切り出して自作した「鍋つまみ」です。
表面に
漆を塗って、最終工程にブルーマジックを使用しています。
(各工程の詳細は、下記リンク先で紹介しています)
こちらは、貝印のペティナイフ「関孫六 4000CL」のカスタム品
ブレードや口金の鏡面仕上げに使用するだけでなく、ハンドル材に施した塗装の平滑度を上げる目的でも使用しています。
こちらは、包丁のハンドルを自作したものです。
木材の色の淡い部分は花梨材で、濃い部分はジリコテ(シャム柿)を使用しています。
こちらも同様に、木材に施した塗装の表面平滑度を上げる目的で使用しています。
(塗料はカシュー漆を使用)
本来
ブルーマジックの用途は「金属磨き用」ではあるのですが、使い方を間違えなければ、このように
金属以外の素材を研磨することも不可能ではありません。
(磨きすぎて地肌が出ないように、配慮しながら研磨する必要があります)
月寅次郎の本(著作)
※ 月寅次郎がこっそり明かす、包丁と刃物の裏話。 大人の事情で『核心部分』は書籍版のみの公開です。当サイトの内容が本になりました!
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