ダマスカス包丁よりコスパが良いのは?


ダマスカス包丁よりも価格は安く、切れ味が優れる包丁は?

関孫六ダマスカスと10000CLを比較

ダマスカス包丁は、よく高額であると言われますが、実際のところどうなのでしょう?
具体的に、貝印の関孫六プレミアムシリーズの、「ダマスカス」と、「10000CL」を取り上げて、価格と鋼材を比較してみましょう(価格は三徳包丁のものです)

商品名 標準小売価格 切刃鋼材
関孫六 ダマスカス 12,960円 V金10号
関孫六 10000CL 10,800円 コバルトスペシャル

興味深いことに、ダマスカスと10000CLでは、切刃鋼材のグレードと商品価格の逆転現象が起こっています
10000CLの方が、グレードの高い鋼材を使用しているのに価格が低いのです

これは、「ダマスカス」の方が、高価なグリップを使っていることが主要因かもしれませんが、積層模様の装飾にコストが掛かっていることも否定できないだろうと思います
さらに、ダマスカス模様の積層材をSUS410に変更し、一般的な作りのVG10の包丁に仕立てていれば、機能的にはほぼ同一で、より価格訴求力のある製品に仕立てる事もできただろうに、とも思います
「コバルトスペシャル」と「V金10号」は、どちらも武生特殊鋼材が開発した鋼材です。コバルトスペシャルの方が上位グレードであり、V金10号は次点となります(個人的にもコバルトスペシャルの方が好みです。コバルトスペシャルの方が、ハガネに近い研ぎ味で、精緻な刃がつけやすく感じます)

切刃鋼材だけで包丁を評価するものではありませんが、それでも切刃鋼材は、切れ味と刃持ちの良さを左右する最重要要素です
外観よりも中身、見た目よりも切れ味優先というならば、この2商品を比較した場合、10000CLの方を評価せざるをえません

「ダマスカス」は、それだけで『切れ味が非常に優秀」というイメージが伴いがちですが、切れ味を左右するのは側面材ではなく、あくまでも切刃鋼材です

今回は、10000CLを取り上げましたが、ダマスカス包丁よりも低廉な価格で、切れ味が優秀な包丁はいくらでもあるという、良い見本だと思います(結局、実際に10000CLを購入しました)

 ● 関連ページ:関孫六10000CLを使った感想

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