オルファ クラフトナイフ - タフに使える現代的な切り出しナイフ


刃を交換できる、現代的な切り出しナイフ


一言インプレ
  • カッターナイフとも本格ナイフとも異なる、他にない価値
  • 刃を交換できる、しかも安い、だから思い切って使える
  • シンプルな構造で分解が簡単。丸ごと水洗いも可能
  • 砥いで使えば、さらに経済的
  • 防災用品として、非常用持ち出し袋に入れておきたい

オルファ クラフトナイフ
画像は、オルファクラフトナイフに、NTカッターの「BVM-51P(ハガネ刃)」を換装したものです
錆には弱くなりますが、炭素鋼の方が切れ味が良いので、オルファの純正ブレードから入れ替えて使っています

かなりの小傷が入った使い込んだ年季物で、いつ頃購入したのかも定かではないのですが、ガタなどが出ることも無く、いまだに現役で使えています

手軽なミニナイフと考えれば、極めて高コスパでおすすめできる

カッターナイフには、できないことがある

オルファ
クラフトナイフ
L型 34B

オルファクラフトナイフは、切り出しナイフに似たブレード形状で、カッターナイフに比べ、かなりの刃厚があります。また、カッターナイフのように、刃の『折り目』がありません
そのため、安心して刃に力をかけることができ、ある程度ラフな用途にも耐えることができます

ブレード強度で考えると、オルファクラフトナイフは、一般的なカッターナイフに対して明らかに優位性があります

いざという時の緊急用、非常用のナイフとして、防災袋に入れておいたり、車に積んでおくと、もしものときにいろいろと役立ちます
包帯などが手元にない時に、衣類や布を裂いて紐状にし、止血帯を作る。車が水没した時に、刃を収納した状態で車の窓ガラスを叩き割って脱出(もしくは救出)、などなど…

クラフトナイフ
L型替刃
XB34

刃物が一つあるだけで、できることが大きく広がります
価格も決して高いものではありませんので、「使わないと、せっかく買ったのにもったいない」と気ぜわしい思いをすることがないのも良いところです

こちらに同程度の刃渡りのミニナイフの比較一覧表を作りましたが、オルファクラフトナイフと比較すると、実売価格で7~8倍の価格差となってしまいます
ナイフというのは、趣味性の高い商品ですので、ナイフメーカの作るしっかりしたナイフになると、サイズが小さくても高額になってしまうのは致し方ありません。少量生産・少量販売の製品はスケールメリットが出ないため、クラフトナイフのような大量生産品に比較すると、コスパで太刀打ちできないのです


オルファ クラフトナイフ L型34B 諸元

  • 鋼材:ステンレス刃物鋼(SUS 420J2)
  • サイズ: 全長176.5mm × 幅23mm、刃渡り55mm 刃厚1.2mm 実測重量50g

Camp Hack」のサイトでは、クラフトナイフについて、「特性ステンレス刃を装着」と表現していますが、「420J2鋼材」は、刃物鋼材としては何ら特別なものではありません(むしろステンレス刃物鋼の中では、非常にありふれた鋼材と言ってよいくらいです)

そもそも「特性ステンレス」という言葉自体がおかしいです。恐らく専門知識に乏しいライターが書いたのでしょう

ちなみに、クラフトナイフの鋼材については、切れ味優先なら炭素鋼(SK2)、耐蝕性なら純正ステンレス(SUS420J2) をご覧ください

価格も安く、刃の交換も可能なので、思い切って使える

シンプルで使いやすく、分解して洗浄したり、消毒したりすることも可能です
また、別売の替刃があり、手軽に刃を交換することが可能です

肥後守のように、刃が丸くなって切れなくなったら研ぐ以外に選択肢がないナイフとは、ここが大きく異なるポイントです

刃を交換するだけで手軽に新品の切れ味が手に入るというのは、砥石で研ぐ作業が苦手な方にとっては、この上ない価値かもしれません

もちろん砥石で研ぐこともできますので、自分好みの刃付けにすることもでき、用途に合わせて先端を尖らせたり、丸くしたり、刃の形状を変えたりすることもできます

上手に研げずに失敗しても、そもそもの替え刃の価格が非常に安いので、「刃物を研ぐ練習」としてもなかなか面白いでしょう
予備の刃をあらかじめ用意しておいて、自分で研ぎあげた刃の状態と、メーカー出荷時の刃の切れ味を比較するのも、研ぎの腕を上げるにはいい練習になると思います

形状が「切り出しナイフ」なため、木製スプーンの自作などにもおすすめ

オルファ クラフトナイフ
画像は、ナイフハンドル製作の要領で、包丁の柄を自作しているところです
製作工程の詳細は、下記リンク先で紹介しています

● 関連ページ:包丁の柄を自作(DIY木製ハンドル)

茶色い方の木材は花梨で、チョコレート色の方はジリコテ(シャム柿)です
(間に挟まっている薄い木片は、マホガニー材です)

この花梨材はかなり比重の高い部材だったようで、ジリコテと同様にノコギリで切り出すのにかなり苦労しました(紫檀とさほど変わらない程度の硬さがありました)

かなり硬い木材であることが判っていたため、事前にクラフトナイフの刃を研ぎなおし、ピンピンに仕上げてから削ってみましたが、クラフトナイフ一本で大まかなハンドル形状を削りだすことができました

さすがにこれだけ削りますと、最後には刃がいくぶん甘くなってもきましたが、それでもたいしたものだと思います
ブレードには「NTカッター製の炭素鋼の替刃」を入れてありますので、どちらを褒めるべきなのかよくわかりませんが、両方とも褒めておきましょう
オルファさんありがとう、NTカッターさんありがとう。おかげで木製ハンドルがほぼ完成しました


このように、オルファクラフトナイフは切り出しナイフと同様に、木材を削る用途に向いています
木製スプーンのDIY自作など、小さな木工製作にはぴったりです

木を薄く削ぐという用途に関しては、「最適形状」と言って差し支えないですので、「フェザースティック」を作るといった用途にも高い適性があります
(同じブッシュクラフトでも、バトニングには全く向いていません)

モーラナイフのような、反りのある両刃のナイフでフェザースティックを作っている方は、一度クラフトナイフで試してみるとよいでしょう
先端まで反りが無く、片刃で、しかも「柄に対して刃筋に角度が付いている」ことの素晴らしさを実感できます

腕ごと振り回して使うような、叩き切る用途には向いていませんが、指先だけを動かして繊細に削るには、角度の付いた「切り出しナイフ形状」が一番なのです

クラフトナイフ」を「肥後守」と使い比べるてみるのも、たいへん面白いと思います
わたしは肥後守をリアルに使ってきた世代で、小学生の頃は肥後守で竹トンボなどを作って遊んだり、鉛筆を削ったりしていました
あれはあれで、昭和の郷愁をそそるステキなナイフではあります

肥後守は両刃で、反りがあり、柄と刃筋のラインが基本的に並行です(角度が付いていません)
そのため、切り出しナイフを模したクラフトナイフとは、かなり形状が異なります

刃の形状には、それぞれ意味と目的があります。「この形状は、何のためなのか?」と考えながら刃物を見てみると、実に面白いです

NTカッターの炭素鋼ブレードを装着できる(改造・カスタム)

BVM-51P 炭素鋼の替刃 (NTカッター製・片刃)

BVM-51P
オルファの純正刃は、ステンレス刃物鋼(SUS420J2)で、替刃も同じステンレス製です
切れ味的には充分なものがありますが、さらに切れ味の良いブレードが必要な場合は、NTカッター製の炭素鋼(ハガネ)の替刃に換装することが可能です

NTカッターの炭素鋼ブレードは、SK2材が使用されており、JIS規格的にはSK120となります
炭素量1.15~1.25で、油焼きならHRC硬度60程度、水焼きなら63まで出るそうです

この替刃は、もともと NTカッター「VM-2P」の純正替刃なのですが、オルファ製のものと刃の寸法が、(ネジ穴の内径以外は)ほぼ同じなため、付け替えることが可能です

BVM-21P ステンレスの替刃 (NTカッター製・両刃)

BVM-21P
VM-2Pの純正替刃は、炭素鋼(ハガネ)とステンレスの二種類がありますので、間違って購入しないよう気をつけましょう
型番:BVM-51Pが炭素鋼の替刃で、型番:BVM-21Pがステンレスの替刃です

NTカッターのステンレス刃も「SUS420J2鋼材」ですので、オルファの刃と同じ鋼材です。厳密には、焼入れや刃付けに微妙な違いがあるとは思いますが、それほど大きな違いはないでしょう
オルファもNTカッターも、技術的には非常に優秀ですので、両社とも鋼材のポテンシャルを限界近くまで引き出しています

VM-2P (NTカッター版クラフトナイフ)

VM-2P
NTカッターのVM-2Pは、NTカッター版のクラフトナイフです

オルファの製品と比べると、グリップやダイヤルが樹脂製になっており、全体的に大振りになっています

握った時に操作しやすいよう、背の部分にリブ状の突起が設けられており、フィット感を考慮した形状です

オルファ クラフトナイフは、いい意味でミニマムを追求したデザインになっており、その分コストが抑えられて価格的にも低廉になっています。一方のNTカッター VM-2Pは、コストを抑えるよりも、より握りやすい形状を追求したデザインになっています

結果的に、価格でオルファ製に一歩ゆずる形になっていますが、作業性を重視したい場合は、NTカッター製の方が、指に負担がかかりにくくおすすめできます
どちらも優れた製品ですので、価格を取るか使いやすさを取るかは、ユーザー次第です
ただ、屋外や納屋等での諸作業、冷凍倉庫など気温の低くくなる場所で使用する場合は、VM-2Pを選択した方が良いでしょう
もしくは、このページの下の方で紹介している第一精工のMCナイフもおすすめです
どちらも樹脂グリップのおかげで手が冷たくなりにくいですし、大きめのハンドル形状は、手袋を嵌めた状態でも比較的操作がしやすいです

ちなみに、NTカッターのVM-2Pに、オルファクラフトナイフの替刃を使うことはできません
ネジ外径よりも穴の内径が小さいため、ネジが入りません
また、VM-2Pの純正刃はステンレス製です(ハガネ替刃のBNM-51Pは、あくまでも後付け用の交換替刃としての位置づけです)

切れ味優先なら炭素鋼(SK2)、耐蝕性なら純正ステンレス(SUS420J2)

NTカッターの炭素鋼ブレードは、研ぎ方次第で、かなりの切れ味を出すことができます
SK2材は、鋼材としては高価なものではありませんが、このあたりはさすがハガネです。ステンレス刃物鋼で同レベルの切れ味を出そうとすると、やたらと高価格になってしまうのです

楽器や指物、寄木細工の制作などで、本当に高度な切れ味を必要とする人は、青紙や白紙など、安来鋼を使った手打ち鍛造の切出しナイフなどを使うのでしょうが、そういった商品は1万オーバーの品もあり、なかなか食指が伸びません

オルファクラフトナイフの最大の魅力は、シンプルかつタフであり、しかも安価というところです
決して高価な鋼材を使っているわけではありませんが、ワンコインで買える価格に抑えられているというのは、工場生産あってこそであって、個人の職人技ではとうてい真似ができません

この品質を、この価格で実現できるというのは、企業努力の賜物であって実に素晴らしいことだと思います

炭素鋼とステンレス鋼の、切れ味とコストの関係については、こちらのページ 「家庭用の「おすすめ包丁」とは?(限定予算で、最良の切れ味を)」で解説しています

また、クラフトナイフの純正ブレードに使用されているSUS420J2材については、こちらの ステンレス刃物鋼、種類別解説、および
こちらのミニナイフのインプレページ 「登山用ナイフのおすすめは?(軽量性と使い勝手、そして価格)」で解説しています

NTカッターの替刃を、より快適に使用する方法

NTカッターの替刃をオルファクラフトナイフに入れる場合には、特段気を付けるポイントはありません
普通に刃を交換するだけで、ポン付けすることが可能です

ただ、あえて言うならば、固定ネジとブレード穴との遊びが大きくなる点が、要注意ポイントです
収納時と使用時、つまりネジを締めている分には問題ありませんが、ネジを緩めて刃をスライドさせる際に、ノブが傾いてスライドさせ難く感じることがあります

気にするほどのことでもありませんが、これは手を入れることで改善可能です
わたしはプラ板を加工してブッシュを作り、ネジ穴に挿入することで内径寸法を合わせ、スムーズにスライドできるように改造しています(下記画像参照)

オルファ クラフトナイフをNTカッターの炭素鋼ブレードに換装(カスタム)
こうすることで、NTカッターの替刃でも、スライド時にがたつくことなく、快適に使用できます

オルファ クラフトナイフは、砥石で研いで刃付も可能

オルファ クラフトナイフを砥石研いで刃付け

刃の切れ味が落ちてきたら、古い刃を捨てて、新しい刃に交換することもできますが、自分で研いで刃を付けることも可能です

わたしは左利きですので、左利き用に刃を付けなおして使っています(片刃の向きを、削って逆に付け替えています)

片刃を反対側に付け直すのは、荒砥を使ってもそこそこ手間のかかる作業で、完全な逆片刃に仕上げると、刃の長さ自体が短くなってしまいます。そのため、7対3くらいの割合の、半端な片刃に仕上げています
画像では刃の光沢が鏡面のようになっていますが、これは切刃を6000番程度の仕上げ砥で研ぎ上げ、側面をコンパウンドで軽く磨いているためです
純正ブレードはそのまま捨てずに残してありますので、水場で使用するなど、切れ味よりも耐蝕性を優先させたい場合は、純正ステンレスブレードに換装して使ったりしています

片刃ではあるものの、段付の片刃になっている

オルファ クラフトナイフは、刃が二段の片刃になっており、これをどう研ぐかは研ぐ人次第です

二段になっている部分を研ぎ落として、通常の片刃のように仕上げると、刃角がより鋭角になりますので切れ味が増します。しかし一方で、鋭角になった分だけ刃持ちが悪くなりますので、元々のエッジの角度を維持して研ぐというのもありでしょう(ただ、そのままずっと研ぎ進めると、大きな段付きの二段刃に成長してしていきますので、どこかで調整は必要になると思います)

さらには二段刃の角を落としてハマグリっぽく仕上げるとか、自分で二段階の刃付を行い「二段刃をそのまま維持し続ける」というのもまた面白い選択です

両刃の刃物しか研いだことがない方でしたら、少々苦戦するかもしれませんが、そういう部分も含めてよい経験になると思います

刃物を研ぐことが好きな方は、さまざまな刃付を試してみて、いろいろと楽しんでみてください
こういうことを気軽にできるのも、「オルファ クラフトナイフだからこそ」です

「刃が片刃」と書いていますが、これは、オルファクラフトナイフのブレードと、NTカッターの炭素鋼ブレードの話です

NTカッター VM-2Pの純正刃(ステンレスブレードの方)は、刃付の仕様が「両刃」となっています



オルファ クラフトナイフ以外の、魅力的な製品

リミテッドCK - 樹脂グリップのおしゃれなヤツ

リミテッドCK
(樹脂グリップ)


同タイプの製品で、グリップが樹脂製になっている「リミテッドCK」という製品があります
ブレードは全く同じで、グリップが異なるのみです
見た目もスタイリッシュで指あたりも柔らかく、デッサン用の木炭を削るために美大性が筆箱に忍ばせておくと似合いそうな感じです

クラフトナイフ S型26B

クラフトナイフ
S型26B


同じ「クラフトナイフ」の名が付いた製品に、「S型26B」という製品があります
こちらは、L型34Bのサイズをやや小さくしたものだと捉えてよいでしょう

L型34Bのサイズは、176.5mm x 23.0mm(刃を出した状態)ですが、
S型26Bのサイズは、140.0mm x 21.0mm となっており、一回り小さくなっています

S型26B用替刃
XB26


また、S型26Bのブレードは両端に刃が付いており、一枚の替え刃で2度使えるようにもなっています(L型34Bは、片方のみ)

第一精工 MCナイフ#55

ブラック

グリーン

アース
「第一精工 MCナイフ#55」は、第一精工が釣り具用として販売しているナイフです

ブレードにOLFAの刻印がありますので、刃がオルファ製であることは間違いありませんが、ハンドル部分も含めてオルファのOEM供給かどうかまでは不明です

第一精工の商品説明には、「メバル・アジなどのライトゲームでの〆、さばきに便利」となっていますが、フィッシング以外でも、アウトドアにおける小型ユーティリティナイフとして、様々な用途に使えそうです


オルファクラフトナイフとの大きな違いは、フィッシングギアを想定して開発されているだけあって、「アウトドア・フィールド用」として扱いやすいものになっているということです

刃の部分は同一なのですが、ハンドル部分は比較的大ぶりで、ある程度の厚みもあるため握りやすい形状になっています
また、滑り止め用の「溝」が刻まれており、ダイヤルも厚みのあるものが装着されています

水塗れ時や手袋をした状態、立ちこみ、低温などで手がかじかんでいる時など、繊細な操作が難しい環境下でも、使いやすいように考慮されたデザインになっています
グリップエンドの開口部は、肉抜きを兼ねたソングホールとしての機能を持ち合わせており、ピンオンリールとの相性もよさそうです

カラーバリエーションは3色で、ブラック/フォリッジグリーン/ダークアースと、フィールドに溶け込む色合いとなっています

デザイン・カラー、ともに渋みがあって格好良くアウトドアや登山に携行するミニナイフとしては、正直おすすめだと思います(個人的にも欲しいなと思います)

両刃の方が使いやすいと思うのであれば、NTカッターのステンレスブレードに交換するか、自分で両刃に刃付すればよいと思います
直線の刃筋よりも、やや反りがあった方が使いやすいと思う場合も、同様に、自分でそのような刃に研ぎなおせばよいだけです
万一失敗しても、安価で交換用の刃が購入できますので、安心して刃のカスタムが可能です

OLFA WORKSのブッシュクラフトナイフ

ブッシュクラフト
ナイフ BK1
サンドベージュ



オリーブドラブ


専用替刃
OWB-BK1

「OLFA WORKS」(オルファワークス)というのは、オルファが立ち上げた新ブランドですが、この3タイプの商品の中に「クラフトナイフ」も含まれています

商品名は「替刃式ブッシュクラフトナイフ BK1」となっており、画像を確認すると、ノーマルのクラフトナイフをベースに、若干のモディファイを加えた商品であることが判ります

ノーマル品と異なるポイントは…
 ・ハンドルに塗装を施しアウトドア感を強調(オリーブドラブとサンドベージュの2色)
 ・グリップエンドの穴に紐(細引き)が装着されている
 ・刃の一部が波刃に加工されている
 ・刃の根元に切り欠きがある(ラインカッターや栓抜きのようにも見えるが、そのような機能はない)
 ・・・です

個人的な感想を言わせていただくと、「ちょっと微妙かな?」と思います
価格にしても、ノーマルのクラフトナイフの3倍前後の価格となっており、正直言って「商品価値に見合わない高価格」と言わざるを得ません
これだったら、第一精工のMCナイフの方が、よっぽど良いではないですか!

改めて、細かいポイントを検証してみましょう

まず、「パラコード(ひも)」は、ノーマルタイプでも後付け可能ですので、さして訴求力を感じません

次に、カラー塗装のボディです
これは一見魅力的にも見えますが、アウトドア用途のナイフグリップが「カラー塗装」というのはいかがなものだろうかと、少々疑問に思います

アウトドアユースのナイフハンドルは、無垢材の素材の色が生かされているものがほとんどです
塗装でカラーリングされたハンドルのナイフも皆無ではありませんが、そういう製品は、奇をてらったノーブランドの商品か、機能を重視しないディスプレイ品であることがほとんどです

アウトドアでタフに使用する用途に対しては、「塗装されたハンドル」は、本質的に合わないのです
塗装ですと、使い込んで塗膜が剥げてきた場合に、非常にみすぼらしく感じられるというのもあります

そもそも塗装が無ければ、どんなに酷使されても塗装が剥げることはありません。結局のところカラー塗装というのは「演出」でしかなく、「格好付け」でしかありません
「ブッシュクラフトナイフ」と名の付くアウトドア志向の製品に、「カラー塗装」が施されているというのは、本質的に似つかわしくないのです(個人の意見です)

波刃(セレーション)付きのブレードにしても、いかがなものかと思います
波刃は、ロープの切断時などに刃が食い込みやすく、サバイバルナイフやダイビングナイフ、アルパイン用の登山ナイフなどに設けられています

波刃には波刃のメリットがあり、ストレートエッジにはストレートエッジの良さがあります
ですが今回のクラフトナイフのように、短い刃渡りの長さで両方のエッジを共存させてしまうと、どちらも「非常に短い刃渡り」になってしまうため、実使用においては使いづらくてかないません

「OLFA WORKS」のプロモーション映像には、実際に木を削って木製のペグを作っている映像があるのですが、波刃部分を避けて使う必要があるために、なにやら使いづらそうにも見えてしまいます
むしろ、ノーマルのクラフトナイフの方が、約5.5㎝の刃渡りをフルに使えるため、かえって使いやすいことこのうえないでしょう

みんなで見よう!「OLFA WORKS」のプロモーション映像!

「OLFA WORKS」のプロモーション映像は、とてもステキな映像なので、2分25秒のフルバージョンを最後まで見てあげてください!(下にリンクを貼っておきました)

OLFA WORKSの公式ページ

アウトドアにマッチした素晴らしいウエア! そしてシューズ!
今どきフレームザック! なによりその帽子、帽子、帽子!

取ってつけたようなアウトドア感が満載で、見ていてこちらが恥ずかしくなるくらいスバラシイ映像です。山に登らない広告代理店の人がイメージするアウトドアって、こういうものなのでしょうね(それにしても、「山であのコートは…」と思います)

ちなみに、筆者の主なアウトドア歴は、ページ下部に記載しています
ブライトホルン登山のページは、それなりにボリュームがありますが、よろしければご覧ください

プロモーション映像を見て思うこと

木を切ってペグを作るくらいなら、フェザースティックを作る方が、より「アウトドアでのブッシュクラフト」を演出できて良いだろうにと思うのですが、おそらく演出プランを企画した方が、ブッシュクラフトについてあまりご存じなかったのでしょう
(クラフトナイフは、形状的にはほとんど「切り出しナイフ」ですので、フェザースティックを作る分には一般的なドロップポイントのナイフよりも適しています)

さらに言うと、冗談でもいいからこれ見よがしにバトニングでもして、薪割りの演出でもできれば、アウトドアでのナイフ使いを演出できたのではないかと思いますが、実際のところブレードが小さすぎるので、ちょっと難しいでしょうね

「ブッシュクラフトナイフ BK1」とう大仰な名前が付いている割には、少々名前負けしている感が否めません(残念です)

畑違いから、アウトドア分野へ進出する難しさ

オルファの公式発表によると・・・
「OLFA WORKS」は、「アウトドアギアとして新しい価値を提供するブランド」
 ・・・とのことですが、実際にリリースされる製品群を見てみると、「アウトドア感を出してみました」といった域を抜け出ていません

同じブランド内の「フィールドナイフ FK1」や「フィールドノコギリ FS1」にしても、「既存商品をアウトドア調のカラーで仕上げただけ」と揶揄されても仕方のない完成度です
酷いこと言ってスイマセン。あくまでも個人の意見です。オルファの製品にはいつも大変お世話になっています

実際のところ、「アウトドア用として恥ずかしくない製品」をデザインする場合は、やはり金型を新調して新製品を一から作る必要があると思われますが、大量販売の見込めない商品に対して、そこまでコストを掛けることはできないでしょうから、こうなってしまうのも無理からぬことかもしれません

これらの新商品群から伝わってくるのは、「新しい顧客層を開拓せねば!」という意気込みなのですが、同時に、「予算がないからコストはかけられない」とか、「リスク冒してまで、新しい金型作れない」という、ネガティブ方向へ引きずられる気持ちも見え隠れする気がいたします(個人の感想です)

「OLFA WORKS」は、この先生きのこれるか?

時代が少し異なりますが、同じく畑違いのアウトドア分野に進出した例として、「パール金属株式会社」の「キャプテンスタッグ」ブランドがあります

パール金属は、新潟に所在のある、鍋をはじめとした家庭用金物を作っている金属メーカーです

キャプテンスタッグの発祥は、パール金属の創業者の方がアメリカ視察時に屋外バーべーキューの様子を見て、大きな衝撃を受けたのが始まりとされています

会社のトップの方が、日本でもバーベキューコンロを作って販売しようと、本気で考えたのでしょう
今ではキャプテンスタッグは、パール金属のブランドを超えて、グループ内子会社として会社組織にまで発展しました
そもそも時代が違いますので、一様に語ることはできませんが、会社のトップが本気を出して、畑違いのアウトドア分野に進出し、成功を収めた好例と言えるでしょう

「OLFA WORKS」が、今後どれだけの発展と成功を収めるのは未知数ですが、カッターやクラフトナイフに関しては、個人的に愛着を持って使用しているだけに、「がんばってほしい!」という気持ちで、生暖かい目で見ています

補足 : キャプテンスタッグは、アウトドア愛好家からは、親しみを込めて「鹿番長」とも呼ばれています
わたしもキャプテンスタッグのラーメンコッヘルを、コーヒーのお湯沸かし用として、毎日使っています
とても便利です。キャプテンスタッグありがとう、ありがとう。話が脱線してすいません

アウトドア用のナイフを考える

ガーバー・フィレナイフ キャンプに使えるフィレナイフ
個人的に使っているガーバーのフィレナイフを題材に上げ、バーベキューキャンプなどで本当に使いやすいナイフとはどういうものかを考えてみました

女性には、洒落た北欧デザインが可愛い、ラパラのフィッシュフィレナイフを、男性にはブラックアウトされたブレードが渋くて格好いい、プレゼンテーションラミネートを推します
(実用性ならEzGlide7か、モーラナイフのフィッシング コンフォートスケーラーが良いでしょう)

本当はカービングナイフがおすすめですが、フィレナイフでも塊肉や鶏も丸焼きを切り分けることは可能です。カービングフォークも併せて使いこなせば、キャンプの主役になれますよ

登山用ナイフのおすすめは?(軽量性と使い勝手、そして価格)
登山用のナイフについて、まじめに考えてみました
日本一周の旅で使用したのは、ビクトリノックスのソルジャーでした(10ヶ月半連続使用)、アメリカ横断時はBackのミニナイフ(約2ヶ月半)、その後オピネルNo.10を使うようになり、登山やキャンプに最適のナイフを探すようになりました
現在登山時に携行しているナイフは、カーショーAce1710です。オートルートや大雪山、後立山縦走などで使用しましたが、25gの軽さは重量軽減に貢献しています
このページでは、Ace1710以外で「私ならこれを買う」というナイフを挙げてみました
総テント宿泊回数600回超の経験を踏まえて選びました。見た目やインスタ映えよりも、用途毎に合った実用性と価格を重視しています(本当に山が好きな方は参考にしてみてください)

筆者のアウトドア歴(主な山行・旅・キャンプ)

登山(主なもの)

 ブライトホルン登山(中央峰・4164m)

 ・ 後立山 縦走登山(テント泊:栂池~小蓮華山~白馬岳~唐松岳~五竜岳~鹿島槍ヶ岳~爺が岳~鳴沢岳~赤沢岳~スバリ岳~針ノ木岳~蓮華岳~針ノ木雪渓)

 ・ 表銀座 縦走登山(テント泊:燕岳~大天井岳~槍ヶ岳~北穂高岳~奥穂高岳~上高地)

 ・ 大雪山 縦走登山(テント泊:層雲峡~黒岳~北海岳~忠別岳~五色岳~化雲岳~ヒサゴ沼~トムラウシ山~ヒサゴ沼~化雲岳~天人峡)

トレッキング、歩き旅など

 ウォーカーズ・オートルート全工程踏破
(フランス・シャモニー~スイス・ツエルマット 16泊17日、水平距離200km、累積標高12,000m)

 ・ 西表島南西海岸トレッキング(南風見田~鹿川~落水崎~パイミ崎~崎山湾~網取湾~サバ崎~舟浮)
 ・ 西表島縦断トレッキング(仲間川展望台付近より山中に入り、マヤグスクの滝、マリュードの滝を経て浦内川に抜けるコース)
 ・ 知床岬トレッキング(相泊~知床岬先端往復)
 ・ 礼文島歩いて一周&利尻富士登山

オートバイによる長期ツーリング旅行(テント泊)

日本一周 (約10か月半)
アメリカ大陸横断・往復(約2か月)

長期キャンプ生活

某南の島にて海浜釣り生活
(ガス無し・電気無し・水道無し(小川有り)で、3か月x3回)

● テント宿泊日数
 正確には不明ですが、長期のテント泊をカウントするだけで、軽く600日を超えています
 おそらく700日前後ではないだろうかと思われます

● アウトドア調理回数
 こちらも正確な回数は不明ですが、テント泊で自炊しなかったことは、数えるほどしかありません(貧乏旅行ばかりでしたので、自炊せざるを得ませんでした)
 通常は一泊につき夕食+朝食の2回調理しますが、滞在型長期キャンプの場合は昼食も作ります
 そうしますと、野外での調理回数は、合計1500回を超えているものと思われます
 夕食時は白米を炊くことがほとんどでしたので、お米の炊飯回数も600回を越えていると思います

 包丁・ナイフ・刃物 のメインページに戻る