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オピネル分解2 - ロックリングの取り外し

最終更新日: 作者:月寅次郎

ロックリングを外す

ロックリングを外した状態 ロックリングの正式名称は「ヴィロブロック」なのですが、「ロックリング」の方がわかりやすいので、以後ロックリングで統一したいと思います

ロックリングは、回転させることでブレードを固定することが可能な、金属製の円筒パーツです

【 注意しましょう 】
ペンチでブレードを挟み、ブレードをロックした状態で、無理やり引き上げて外している方もおられるようですが、非常に危険です。パーツの破損に繋がります。絶対にやってはいけません!

何でもそうですが、ロック状態のものを力ずくでこじ開けると、壊れます
(分別のある大人の方は、真似をしないようにして下さい)

また、ブレードをペンチで挟み、大きく握力をかけると、ブレード自体に噛み傷が入る場合も考えられます
ブレードはかなり硬めの鋼材でできていますが、工具も焼入れの入ったクロムモリブデン鋼です。そのため、ブレードに負けない程度の硬度が出ており、ブレード表面に傷が入る恐れがあります
(ちなみに、カーボンスチールよりもステンレスのブレードの方が硬度は低いですので、ステンレスのオピネルで作業する場合は、特にやめたほうが良いです

当ページでは、安全かつ簡単で、ブレードを傷つけずにロックリングを外す方法として、スナップリングプライヤーを使用する方法を紹介しています

スナップリングプライヤーでロックリングを外す

ロックリングの外し方

1.スナップリングプライヤーの先端を、リング中央の膨らんだ部分に差し込みます
2.プライヤーを握って、リングを少しだけ開きます
3.そのままの状態で、上方向に抜く

この方法で外すと、いとも簡単にリングを抜くことができます

スナップリングプライヤーは、本来はスナップリング(サークリップ)を脱着するための工具ですが、握ると先端が開くようになっていますので、このような用途にも応用が効きます

注意:決して必要以上にリングを開かないで下さい。塑性変形を起こして、リングがバカになる可能性があります

画像に写っているのは、20センチを超える、かなり大型サイズのクニペックス製スナップリングプライヤーです
今回は、使いやすいので大きめの工具を使用しましたが、ここまで大きくて(しかも高額な)工具を使わなくても、充分作業は可能です。一般的に使用されているスナップリングプライヤーは、もっと小さいものが多く、ラジオペンチと同程度のサイズのものが普通です



ラジオペンチでは、ロックリングを外せないのか?

スナップリングプライヤーは、一般的にはあまり馴染みのない工具ですので、持っている人も限られていると思います
そのため、「ラジオペンチで代用できないのか?」と、思う方もおられると思います。そこで、実際に検証してみました

試してみてよく分かりましたが、ラジオペンチでロックリングを外すのは、一人でやろうとすると、なかなかの難作業です
片手の指の力だけでは、リングがわずかに緩みはするのですが、外れるまでには至りません

スナップリングプライヤーは、広げるための工具ですが、ラジオペンチは挟むための工具です。この違いだけは、どうにもなりません。握力と異なり、指を開く方向には力が入りづらいため、絶対的な力不足となり、リングを広げることができないのです
また、ラジオペンチの場合は、スナップリングプライヤーと異なり、工具の先端外側に、引っ掛けるための溝や凹みがなく、確実な保持が難しいという点も、作業を難しくしています

結果として、ラジオペンチでの片手作業では、ロックリングを外すのはかなり難しいという結論に至りました
なんとか外すことができたとしても、組み立て時には、さらに苦労すると思いますので、最初からスナップリングプライヤーを用意するのが得策だと思います

ちなみに、ラジオペンチを両手で持って作業すれば、力も入れられますので、なんとかなるとは思いますが、この場合は、オピネルを誰かに持ってもらうか、ミニバイスなどで固定して作業にあたるなどの必要があります

オピネル分解:詳細ページ一覧(1~6)

 オピネル分解 1:必要工具と準備作業

 オピネル分解 2:ロックリングの取り外し ← 現在のページ!

 オピネル分解 3:ピンの頭を削って叩き出す

 オピネル分解 4:ピンを抜いて、ブレードを外す

 オピネル分解 5:分解完了、ピンの外径と分解時の注意

 オピネル分解 6:ピンを代用品で作り直す

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● 併せて読みたい1:オピネルのオイル漬けは、最悪のカスタム

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