オピネルを鏡面に(最終仕上げ)


コンパウンドの番手を上げて、オピネルを鏡面に仕上げる

ある程度の下地は出ましたので、コンパウンドで番手を上げて磨いていき、最終仕上げの鏡面まで持っていきます(ここまでくると、あとはもう楽なもので、作業の85%は終了したと言って良いでしょう)

今回は、細目の研磨剤として「ブルーマジック・メタルポリッシュ」を使用し、極細目としては、「ウィルソンの超微粒子コンパウンド」を使用しました

ブルーマジックの粒子サイズは5ミクロン、ウィルソン超微粒子は0.7ミクロンです ちなみに、今回は使用していませんが、ピカール液とピカールケアは3ミクロンです

ホルツのラビングコンパウンドが50ミクロンでしたので、50μ → 5μ → 0.7μと、順次番手を上げる形になります
実際のところ、50ミクロンの研磨剤でも、下地がしっかりしていれば、(前ページのように)充分鏡面になります
それ以上は、表面の薄い「くすみ」を取って、反射をクリアにする程度の違いになってきます
5ミクロン以下になると、人の目では差が判りにくくなります(2つ揃えて見比べれば、判るとは思います)

同じことの繰り返しになりますが、ピカールやブルーマジックなどの粒度の高い研磨剤を持ち出す前段階で、どれだけ傷を取り、どれだけの平滑度を出しているかが、鏡面の仕上がり具合を左右します

オピネルをコンパウンドで磨く

ちなみに、ブルーマジックを使う手前で、99工房コンパウンド細目(10~15ミクロン)も試してみたのですが、こちらは研磨粒子がアルミナではなく、アルミニウムシリケートであったため、焼入れしたハガネには歯が立たちませんでした
50ミクロンと5ミクロンの間を埋める研磨剤として、10~15ミクロンというのは良さげな粒度だったのですが、きちんと研磨素材を確認してから購入すべきでした。反省。(実際、ほとんど削れていないので、研磨に使用したペーパーが、金属粉で黒く汚れていません)

これは別に99工房の品質が劣っているわけではなく、自動車の塗装面を磨くために最適な硬度のコンパウンドを使用しているだけです。硬度の高い金属にこのような製品を流用するわたしの方が間違っています

関連ページ:ピカールの粒度と材質

オピネルとブルーマジック

焼入れが施された刃物用の高硬度鋼材(V金10号やハガネなど、HRC硬度で60以上)を磨くコンパウンドとしては、やはりアルミナ(※1)が適しているなと、改めて感じました
ウィルソンの超微粒子コンパウンドは、車の塗装面用ですが、研磨剤がアルミナですので問題なく使用できます

今回はコーヒーフィルターを使って磨いていますが、柔らかめの素材を磨く際は、ウエス(布)を使いましょう。今回は、研磨対象の硬度が高めなので、コンパウンドが裏抜けしにくく、保持力が高いという特性を評価して使用しています。紙はセルロースですのでそこそこ硬い素材であり、柔らかめの素材に使用すると、思わぬ傷が場合があります

※1:アルミナとは、酸化アルミニウム(Al2O3)のことで、大まかに言うとセラミックでもあります。鉱物としては、ルビー、サファイア、コランダム等の形で産出され、モース硬度は8~9です

鏡面に仕上がったオピネルのブレード


オピネルの刃(鏡面仕上げ)
手をかけて作業してきた、オピネルのブレードです
時間はかかりましたが、ようやく鏡面と呼べるような仕上がりになってきました

オピネル ミラーフィニッシュ
これまで何度も、下地出しまで戻って作業をやり直しましたが、鏡面仕上げは、ダメだと思ったら前段階(必要があれば下地まで)戻って作業することが重要です

鏡面のオピネルブレード
鏡面仕上げの失敗は、今回のように、そこそこ番手を上げて初めて露呈する場合も多いです
とはいえ、下流工程の不備を、最終仕上げの段階でカバーしようとするのは無理があります

「せっかく苦労して番手を上げてきたのに、これまでの苦労が無駄になる」と思いたくなることも多々ありますが、急がば回れで、下地まで戻った方が良いケースがほとんどです

オピネル・鏡面の完成
こういう作業は、『自己満足』なので、どこまで仕上げるかはその人次第です
長らくやってきた「オピネルの鏡面仕上げ」ですが、今回はこの状態で『鏡面仕上げ完了』ということにして、『組み立て・刃付』の工程に進もうと思います
 



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