おすすめ包丁ランキング(人気の包丁=おすすめではない理由)


切れ味重視でコスパが良いのはどの包丁?(包丁の選び方)

関孫六プレミアシリーズの包丁を、おすすめ順にランキングしました

関孫六プレミアシリーズには、ダマスカスオールステンレス炭素鋼に、普通の(?)ステンレスと、人気の包丁がラインナップされており、よりどりみどりです

さてこの中で、どの包丁が最もおすすめなのでしょうか?
重要なのは、売れ筋の「人気の包丁」が、必ずしも「おすすめの包丁」とは限らないことです(むしろ逆です)

人気の包丁 = おすすめの包丁 ではない理由

包丁販売業者が積極的におすすめしている包丁は、消費者目線から見たおすすめではなく、「売り方視点のおすすめ」になっていることが多いです
語弊を恐れずに言ってしまうと、おおよそ切れ味とは関係ない部分にばかりコストをかけ、顧客訴求力を高めるために外観を良くし、その分商品価格も高くしている包丁です

これでは、消費者目線でのおすすめ包丁とは言えません

メーカーや販売業者からすると「本当はあまり売れて欲しくないけど、実はとても良い包丁」というものがあります。つまり、高価な鋼材を使用しているのに、商品価格が低めで利益率も低い包丁です

そういう包丁は、刃物に詳しい人からすると・・・
「この鋼材で、このお値段? 安い! 廃盤になる前に買っておこう!」  ・・・となるのですが、それが判断できるのは、刃物用鋼材に詳しい包丁マニアか、包丁業界の関係者、仕事で包丁を使っている職人さんくらいのものです

このページでは、以前仕事で包丁を使ったことがあり、今では、自分で包丁をカスタムしている包丁マニアの人が、関孫六プレミアシリーズの包丁をランキングしています
実際に自分が買うとしたら、どの包丁を選ぶか?という視点で、切れ味とコスパを重視して選んでいます。包丁選びに悩んでいる方は、ぜひとも参考にされて下さい

ネット上では、amazonの人気包丁ランキングをそのままコピペして作った、「人気の包丁ランキング」が溢れていますが、そのような○そコンテンツとは、一線を画したランキングにしたつもりです

とにかく、「売り上げを伸ばすこと重視の包丁」や「使う人の事を本当に考えていない包丁」は、厳しく切って捨てました
この記事が、本当に良い包丁を選ぶ一助になれば、幸いです

おすすめの包丁ランキング一覧表(関孫六プレミアシリーズ限定)

 ランキング一覧
順位 商品名 標準価格※1 切刃鋼材 特徴
1位 関孫六 10000CL 10,800円 コバルトスペシャル 高級鋼材で高コスパ
2位 関孫六 10000CC 10,800円 特殊炭素鋼 ハガネとステンのいいとこ取り
3位 関孫六 15000ST 16,200円 コバルトスペシャル 高級鋼材で中コスパ
4位 関孫六 10000ST 10,800円 V金10号 オールステンレス
5位 関孫六 ダマスカス 12,960円 V金10号 ダマスカス模様

VG10鋼材を使用した「関孫六ダマスカス」を最下位にランク付けしました
オールステンレス包丁は第4位、炭素鋼の包丁は第2位です

それぞれの包丁の解説と順位付けの理由は、各ページにて説明しましたので、下記「目次」から進んでご覧ください
※1:2018年時点の三徳包丁の標準小売価格(牛刀・ペティナイフなど、種類によって価格は異なります)

「おすすめ包丁ランキング」の目次(各包丁の評価、順位の理由)

それぞれのページで、各包丁を評価すると同時に、「なぜ、その順位なのか?」を詳しく解説しています(このページにあるのは、あくまでもワンポイント解説です)
単に、「価格と切れ味」コスパ比較であれば、1位と2位が逆転してしまいますが、家庭用包丁には、ある程度の錆にくさも必要かと思い、この順位にしています
(包丁を使いっぱなしにせずに、大切に扱う方であれば、ハガネの包丁でも錆が浮くことはないでしょうから、その場合は炭素鋼複合材の10000CCを1位にして良いと思います)


5位関孫六ダマスカス(ダマスカス包丁)
はたして模様で切れ味が良くなるのでしょうか? もちろんそんなことはありません
「関孫六ダマスカス」は、VG10鋼材を使ったステンレス割り込み包丁と、機能的に何ら変わりはありません。側面に、ステンレス単層材を使う代わりに、装飾用の積層材を貼り付けただけの、外観重視の包丁です
4位関孫六10000ST(オールステンレス)
オールステンレス包丁は、刃と柄の継ぎ目がありませんので、衛生的で包丁全体の滅菌も容易です
HACCPを導入している食品工場など、包丁の日常的な完全滅菌が不可欠な環境下では、代えがたいメリットがあります
ただそれが、一般家庭でも必要なのか?と考えると、いささか疑問に感じます
オールステンレスならではのデメリットというのもあるからです
3位関孫六15000ST(ステンレス包丁)
関孫六15000STは、プレミアシリーズの中では最も高価な包丁であり、いわゆるフラッグシップ的な位置づけです
コンポジット接合のブレードが目を引きますが、割り込みや三枚合わせと比較して、特段のメリットが有るというわけでなく、どちらかというと「特殊技術のひけらかし」的な感も、無きにしもあらずです
鋼材は10000CLと同一なのですが、10000CLが割安価格の設定になっているだけに、相対的に値段が高く感じてしまいます
とはいえ、コバルトスペシャル鋼材の採用を考慮すると、充分安いといえるのですが、これは10000CLの方が安すぎるのだと思います。VG10の包丁で満足している方は、一度この鋼材を試して欲しいものです

2位関孫六10000CC(炭素鋼のハイブリッドブレード)
炭素鋼とステンレスのいいとこ取り。切れ味のみを優先するなら、これ一択です
炭素鋼複合材の包丁は、非常に実用的で優れた包丁なのですが、その良さを理解する人が少なく、あまりにも人気がないため、大手メーカーでこのタイプの包丁を作っているところは、ほとんどありません
包丁としては素晴らしいのだけれど商品としての魅力が理解されず、なかなか日の目を見ることのない、無冠の帝王のような包丁です
包丁メーカーとしての貝印の素晴らしいところは、こういった、分かる人にしかわからないような需要の少ない包丁でも、きちんと作り続けているところです
ダマスカスで利益を出しているので、このような「売れない包丁」でも、ライン落ちさせずに作りつづけられるというのもあるかもしれませんが、それを差し置いても、評価したいところです


1位関孫六10000CL(ステンレス包丁)
炭素鋼を彷彿とさせる切れ味で、プレミアの中では高いコストパフォーマンスを誇っています
貝印は、よくこの価格でコバルトスペシャルの包丁を出したものだと思います(拍手)。仕上げにも手抜きがなく、親指がピタリと決まる口金の形状や、柄尻にいくに従って丸くなる三次元形状のハンドルは、高く評価できます
この、握った際の具合の良さは、画像では判りにくいので、実際に持ってみないと分からないかもしれません
また、自然に手に馴染むので、最初はなんとも感じないかもしれません(わたしも最初はそうでした)。他の包丁をしばらく握った後に、10000CLを握ると、「おっ…」と、どこにも違和感が無いことに気付かされます


包丁の選び方について(砥石で研ぐ場合と簡易シャープナーで研ぐ場合)
この事について指摘する人はほとんどいませんが、包丁を研ぐ時に、砥石と簡易シャープナーのどちらを使うかでも、包丁を選ぶポイントは変わってきます
砥石は面が広く、研磨粒子が摩耗しても下から新しい粒子が出てきますので、硬い鋼材の包丁でもさほど問題がありません
ですが簡易シャープナーの場合は、そもそも研磨面の面積が極小で、その面の研磨粒子の角が摩耗して、丸くなってしまうと「それで終わり」です
そのため、適度な硬度の鋼材の包丁を使用した方が、研ぐ際に硬度負けを起こさず、確実な刃付けができ、なおかつシャープナー自体も長持ちするのです



おすすめ包丁のランキング:評価ポイントは?

包丁の選び方にはさまざまなポイントがありますが、最も重要視すべきは、やはり価格に対する切れ味のコストパフォーマンスです
ですが、それだけで考えると、炭素鋼の包丁がおしなべて「オススメ包丁」になってしまいます
家庭用の包丁としては、ある程度の錆にくさも必要ですから、切れ味、コスパ、耐蝕性(錆にくさ)の3点を総合的に判断しなければなりません

見た目は地味で人気がなくても、包丁としての本質がしっかりした製品は、高く評価しています
一方で、財布の紐を緩くする事しか考えていない外観重視の包丁、もしくは、単に流行に乗っただけの包丁は、低評価にして切り捨てています
そのため、包丁の人気順ランキングとはかなり異っており、いやむしろ正反対に近いかもしれません

わたしは包丁メーカーや包丁販売とは無縁の立場ですので、歯に衣着せぬ物言いでバシバシ切り捨てています
刃物販売業者の方からすると、「人気の包丁が売れなくなる~」と嘆かれるかもしれません
逆に、研ぎ師の方からすると、「よく言った、もっとやれ」と言われるかもしれません
異論もあるかと思いますが、包丁の選び方に対する一つの考え方、個人的意見として捉えて頂けると幸いです
また、関孫六には、プレミアシリーズ以外の普及価格帯の包丁もありますが、それらは今回除外し、プレミアシリーズのみのランキングといたしました(ノーマルシリーズについては、機会があれば、後日改めて書いてみたいと思います)



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