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関孫六10000ST - 包丁おすすめランキング・関孫六プレミア限定

最終更新日：　著者：月寅次郎
関孫六10000ST

第４位は、オールステンレス包丁の「関孫六10000ST」がランキング

４位には、オールステンレス包丁である、「関孫六10000ST」をランキングしました

オールステンレス製の包丁は、吉田金属工業がスタイシッリュな外観デザインのグローバル包丁を世に出して以来、高い人気と一定の評価を確立しています

オールステンレス包丁は、刃と柄の継ぎ目がありませんので、衛生的で包丁全体の滅菌も容易です
弁当製造業や食品製造工場など、高い衛生基準が必要とされ、包丁の日常的な完全滅菌が不可欠な環境下では、代えがたいメリットがあります
ただそれが、一般家庭でも必要なのか？と考えると、いささか疑問に感じます

 オールステンレスならではのデメリットというのもあるからです

オールステンレス包丁のメリットは、一般家庭で活きるのか？

水分が付着した時の滑りやすさ、持った時の硬質で冷たい感覚、冬場の朝一番で使う時のことも考えると、家庭内一般用途としては、やはり木を主体とした積層強化木ハンドルに軍配が上がります

そのような理由で、一般家庭で使う場合には、オールステンレス包丁を積極的におすすめすることは難しいと言わざるをえません
（デメリットを理解した上で、どうしてもオールステンレス包丁を使ってみたい方、包丁も絶対に食洗機で洗いたいという方、包丁を毎日滅菌したい方、を除きます）
　ちなみに、包丁を食洗機で洗うと、水圧で思わぬ方向に刃が跳ねたり、刃先がラックに接触した状態で振動が加わることで、せっかくの精緻な刃付けが丸刃になってしまう恐れがあります。食洗機で洗浄する場合はくれぐれも置き方に気をつけましょう。また、そもそも包丁は食洗機で洗うものではありません

水濡れ時の滑り易さについては、各メーカーそれぞれに対策を講じており、ディンプルを設けたり、溝を付けたり、シリコン製のアタッチメントパーツを付けるなどして工夫しています （吉田金属工業「グローバル包丁」、ツヴィリング 「ツインフィン」「センス」など）
とはいえ、「継ぎ目がないので衛生的！」という謳い文句の製品に、汚れが溜まりやすいディンプル（凹み）や溝が設けられているのは、本末転倒と言わざるを得ません
 （かえって非衛生的です。商売として「売れる製品」を優先した結果であり、包丁としての本質・機能を見失っています。はっきり言ってしまうと「アホか！」…なのです

 関孫六10000STの場合は、ガラスビーズショット加工による微細な凹凸で滑りを防止しているため、汚れも溜まりにくく、よく考えられて作られていると思います
つまり、オールステン包丁のデメリットをしっかり認識し、それらを可能な限り消そうとしていることが判ります
他社製のオールステン包丁と比べると、この点は、優秀かつ良心的です
ただこのような表面仕上げは、外観からはなかなか判りにくいものです
実際に手に取って握ってみないと実感しにい部分ですので、見た目で損をしていると思います

「関孫六10000ST」は、プロ用の包丁としては、どうなのか？

それでは、仕事で使う包丁としてなら良いのでは？と考えたくなりますが、この場合はまた別のデメリットが挙げられます
プレミアシリーズだけに、仕上げを良くすることにもコストがかけられているため、他社製のV金10号を使用した「業務向けの包丁」※１に比較すると、価格的に高いと言わざるを得ません
※１藤次郎プロ DPコバルト合金鋼割込シリーズなど

また、目新しいコンポジット接合を採用していますが、仕事用としては、耐久性の担保が取れている枯れた技術の方が安心して使えるでしょうし、接合部分は（非常に小さいですが）溝状になっているため、衛生面的に好まれないと思います
また、デメリットではありませんが、「割り込み」や「3枚合わせ」とは異なり、「切刃鋼材がここまでしか入っていない」というのが見た目で判ってしまいますので、研ぎ減ることを肌身で感じているプロ・本職の方にとっては、刃が早く終わってしまいそうで敬遠されるかもしれません （これは、毎日段ボール数箱分の玉ねぎを処理するなど、業務レベルの仕事量をこなす場合の話です。家庭用として使う分には全く問題となりません）

結論：ダマスカスと同じVG10使用で、ダマスカスより安いところを評価

貝印としては、売れ筋のオールステンレス包丁を、どうしてもプレミアシリーズに加えたかったのかもしれませんが、プレミア化したおかげで業務用としてはコスパが悪くなってしまい、コンセプトがあやふやになってしまいました

また、衛生的に好ましいとされるオールステン包丁は、握った感触の良さを犠牲にして成り立っており、二律背反（トレードオフ）になります
それだけの衛生環境が必要な環境下であれば構いませんが、一般家庭用としては、握った時の感触の良さ、水濡れ時の滑りにくさの方を優先すべきだと思います

切れ味については、鋼材がVG10ですので、「関孫六ダマスカス」と同じと考えて差し支えありません
製品価格はダマスカスよりも安いですので、その点をダマスカスより高く評価し、４位にランキングいたしました

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オールステンレス包丁の真実
オールステンレス
包丁の真実
「グローバルの包丁」は、オールステンレス包丁の嚆矢であり、高級タイプのオールステンレス包丁として高い人気を誇ります。

オールステンレス包丁についての詳しい解説については、こちらの オールステンレス包丁は、滑る・冷たい・汚れが溜まる にて詳しく解説しています。

追記
当サイトのオールステンレス包丁に関するページを一つにまとめ、「オールステンレス包丁の真実」として書籍化いたしました。

コンテンツの有料化に伴い、無料Webページ版の方は、一部の画像・文章を非公開としています。
（恐れ入りますが、何卒ご了承のほどよろしくお願いします）

合わせて読みたい、オールステンレス包丁の解説ページ

 ● グローバル包丁のレビュー - 海外での評価は？

● オールステンレス包丁の折損問題

● オールステンレス包丁 関孫六 匠創

● 包丁ブランドの解説 グローバル（吉田金属）

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