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シャープナーで包丁を研ぐコツ - 安易に使うと〇〇になる

最終更新日: 作者:月寅次郎

シャープナーの解説、注意点、選び方など

包丁裏話

 シャープナーで包丁を研ぐコツ  目次

  1. 一般的なシャープナー

  2. シャープナーのデメリット

  3. シャープナーの弱点

  4. シャープナーのポイント(まとめ)

  5. おすすめのシャープナーはどれか?

  6. 電動型シャープナー

  7. 手動シャープナー

  8. スパイダルコ トライアングルシャープメーカー

  9. ツヴィリング V-エッジ

  10. スティック型シャープナー

  11. V字型シャープナー

  12. 砥石で研ぐ場合は?

一般的なシャープナー(回転砥石内蔵型・手動タイプ)

回転砥石内蔵型のシャープナーは、価格も手ごろで誰でも使いやすい点が良いところです。
砥石のように、使い方の技術を習得する必要がありません。

ただ、簡単な分だけ気を付けるポイントもいくつかあります。
まず、シャープナーは刃をタッチアップすることはできますが、刃筋や刃欠けの修正には向きません(そういう意味でも、シャープナーで研ぐ場合は、高級で高硬度の包丁は避けた方が良いでしょう)

また、のこぎりのように前後に押し引きして刃を研ぐ方もおられますが、本来は、アゴの部分を回転砥石の中央に置き、そこから手前に引いて研ぐものです。

ただ、このようなメーカー推奨のやりかたでも、刃先とアゴの先端部分は研ぎづらいものです。結果として、包丁の中央部分のみが研ぎ減っていきがちです (手動タイプは構造上どうしてもそうなります。仕方ありません)

そのため、簡易シャープナーだけで何年も研ぎ続けると、刃筋の中央部分が削れてきて、徐々にですが、鎌のような形状に変化していき、刃筋のラインが崩れて使いづらい包丁になっていきます。(下の画像のようになります)

そのため、年に1~2回程度は、プロの研ぎ師さんに包丁研ぎを依頼し、刃筋のラインを整えて貰うと良いです。
見た目で判るほど刃筋のラインが崩れた状態で刃研ぎを依頼すると、たいてい研ぎ代が別料金になります。そうなる前に研ぎに出すのが賢明です。

シャープナーのデメリット

シャープナーで包丁を研ぎ続けるとどうなるか?(実話)

シャープナーの使い方

シャープナーで安易に包丁を研ぎ続けると、次第に包丁の真ん中が凹んできます
これは、わたしが働いていた和食系外食店の厨房で、実際にあった話です

その店舗では、アルバイトの方が多数勤務されていましたが、全員に包丁砥ぎを習得させるのは無理がありましたので、京セラのシャープナーを、1店舗に複数個導入していました。

10年以上勤続しておられる年季の入ったアルバイトの方は、前後にノコギリのように動かして研ぐと、真ん中が凹んで使いづらい包丁になるということを経験的に知っていましたので、独特の使い方をしていました。

シャープナーを使う際に、包丁の先端までぐっと力を込め、手前に引き切るようにして使っていたのです。
アゴの先端をシャープナーの刃に合わせ、そこから刃の先端まで一気に引き切るようなやり方です。

このやりかたですと、刃先までおおよそ均等に研ぐことができますが、一方で力を込めすぎると、引き切った包丁が勢い良く振り下ろされることになり、非常に危険でした。
包丁の動かし方は間違っていないのですが、力を入れすぎなのです

アルバイトの方ではありましたが、いろいろと教えていただいた勤続数十年の大先輩でしたので、こちらもその方のやり方を尊重して、何も言いませんでしたが、引き切った包丁が、下に置いてあるまな板に時々当たり、ガーンと大きく音を立てていました。こうなると、逆に刃が痛んでしまいます

どうしてもこのやり方でやる場合は、手前側にボロ雑巾か何かを置いて、刃が当たっても大丈夫なようにした方が良いです。

そもそも、そこまで力を入れないと研げないようであれば、すでにそのシャープナーは終わっているのです。

また、包丁を引く角度がずれた状態で強い力を加えると、刃が大きく刃こぼれしてしまうこともあります。これには気を付けた方が良いです。
(高くて薄手の包丁にありがちです。安くて薄手の包丁は靭性が高く、刃がよくしなるので、なかなかそうはなりません)

シャープナーのデメリット - 研ぎ終わりの判断が難しい

シャープナーの弱点として挙げられることの一つは、「どこまで研いだらよいのか、判りにくい」ということです。

爪を使って刃の状態を確認したり、指先感覚で刃の付き具合が判る人なら問題ありませんが、それができる人は、そもそもシャープナーを使いません(そういう人は、たいてい砥石で研ぐものです)

結局のところ、メーカーの説明を鵜呑みにして「まずは、軽い力で10回引いてみる」…しかありません。
ですが、それできちんと刃が付くようであれば、かなり摩耗の少ない状態と言ってよいでしょう。

ストローク回数だけでは、判断ができない

包丁の摩耗度合いは、本当にさまざまです

1年以上使いっぱなしで、刃が完全に丸くなった包丁は、10回程度では、まず刃がつきません。
20回~30回でも難しいかもしれません。

また、単純にストロークを何回繰り返せば研ぎ終わるというものでもありません。
刃の摩耗具合だけでなく、包丁の硬度にも大きく左右されるためです。

耐摩耗性の高いVG10鋼材などの場合は、硬いだけでなく、砥粒へのかかり具合も弱く、どちらかというと滑りがちな傾向にあります。
(逆にクロム分を含有しないハガネの包丁は、砥粒の目にもよくかかり、空走せずに良く研げてくれます。食材に対するかかり具合の良い包丁は、砥粒にもよくかかってくれるのです)

バリが出ないので、研ぎ終わりが判りにくい

このように、ストローク回数だけでは研ぎ終わりを判断できないのが、シャープナーの弱点です。
もちろんこれは、砥石で研ぐ場合でも同様ですが、砥石の場合は『カエリ』の出方で判断が可能です。
一旦カエリを出し、反対側からカエリを取れば、一応の刃はできあがるわけで、それが一つの判断材料となります。

これがシャープナーで研ぐ場合は、両面から同時に刃を削る構造のため、基本的にバリが出ません。
このため、研ぎ終わりのタイミングが計りづらく、研ぎ足りないことも多いのです。
(もしくは研ぎすぎて、包丁とシャープナーの双方を、無駄に消耗させている場合もあります)

※ 『カエリが出た』という言い方は、研ぎ作業における独特の言い回しです。

要は「指で触って判る程度にまで、バリが出た状態になった」ということです。
この『バリ』は、片側から研ぎ進めることで、鋼材が次第にめくれ、反対側に飛び出てくるものです。

デメリット2 - 力を入れすぎると、(まれに)刃が欠ける

シャープナーで研ぐ場合、まれに力を込めすぎて、刃を欠けさせる方がおられます。
回転型シャープナーの場合、左右から刃を挟み込む構造のため、力を入れると刃が僅かに曲がりますが、荷重が強すぎて曲げに耐えられなくなると、刃がパリンと欠けます。

安い包丁は靭性が高いため、しなってなかなか割れないのですが、高い包丁は鋼材自体が硬く、あまりしなりません。そしてなおかつ、薄く繊細な刃に仕上げられていますので、力を込めて引くと、大きめの刃欠けが生じることがあります。

これは、ユーザー側の使い方が間違っているのであって、製品側に瑕疵があるのではありません。

力の入れ具合というのは個人差が大きく、定量的に説明しづらい面もありますが、シャープナーは基本的に軽い力で引くものです (力の入れなさすぎもダメですが…)
刃の摩耗が激しく、かなり研ぐ必要がありそうだと感じた場合は、力の入れ方を強くするのではなく、ストロークの回数を増やすのが正解です。

何度ストロークさせても刃が付かず、力を少し強めにしてみてもダメなのであれば、それはもう、シャープナーとして終わっています。

内蔵砥石の研磨粒子の角が丸くなり、研磨力が落ちているのです。
サンドペーパーも、ずっと使っていると、食い込みが悪くなって効率的に研磨できなくなります。
それと全く同じです。

セラミックではなく、ダイヤモンド砥材のシャープナーを使っているから大丈夫!」と思っている方も多いと思いますが、その場合は、こちらの 電着ダイヤモンド砥石とは? のページをお読みください

デメリット3 - シャープナーは消耗品

シャープナーは消耗品です。

砥石は、使用に伴ってすり減るため、表面の角の落ちた粒子は砥泥となって剥がれ落ち、下から新しいフレッシュな研磨粒子が顔を出します。
このため、基本的に使い切るまで研磨力が低下しません。

ですがシャープナーは、表面の粒子の角が取れて丸くなり、研磨力が落ちたらほぼ終わりです。

もちろん砥石も消耗品なのですが、一般家庭で砥石を一本使い切るには、数十年以上かかります。
包丁が何十年も使えるように、砥石も何十年も使えます。
刃物研ぎを趣味にしない限り、一般家庭で砥石を使い切ることは、ほとんどありません。

包丁研ぎ

一方のシャープナーは、極小の面積で刃を研ぐだけでなく、表面の粒子のみに頼っていますので、消耗度合いも比較的激しいものがあります。

シャープナーを使っていて、「あまり研げなくなってきたな?」とか、「なかなか刃が付かなくなってきたな?」と感じたら、その感覚を大事にしてください

そこで「おかしい、おかしい」と言いながらも、へたったシャープナーを使い続ける人もおられますが、それは思考停止というものです。
研げなくなったシャープナーは、買い替えるか内部の研磨パーツを交換しない限り、何をどうやっても研げません。

しまいには、切れ味が元に戻らないのを包丁のせいにして、包丁を買い替える人もおられますが、切れ味が戻らないのは、包丁のせいではありません。

きちんと研げてないだけであり、大抵の場合は、シャープナーの研磨粒子の角が丸くなって、研げなくなっているのです。

シャープナーで包丁を研ぐ場合の重要ポイント - まとめ

  • ノコギリのように前後に押し引きして使い続けると、次第に包丁の真ん中が凹んでくる(包丁の先端とアゴが飛び出た形になってくる)

  • 刃を手前に引き切る際は、包丁の先端を台に当てないように気を付けましょう

  • 年に1~2回は、研ぎ師の方に包丁を研いでもらい、刃筋を整えると同時にきちんと切刃を付けなおしてもらうのが賢明です

  • シャープナーは「消耗品」だと認識すること(永久に使えるものではありません。使っているうちに粒子の角が落ちて研げなくなってきます)

  • 何度やってもあまり切れ味が復活しない、力を加えないとなかなか研げない。そのような場合はシャープナーの研磨粒子の角が落ちています。 内部砥石を交換するか、買い替える必要があります

  • シャープナーはあくまでも一時しのぎであり、包丁の切れ味を最大限引き出すのは難しいです

  • 高級な包丁(硬度の出ている包丁)をシャープナーで研ぐと、包丁側の硬度が高い分だけ、シャープナーの研磨粒子も早く摩耗します

  • 取り扱い説明書は、面倒くさがらずに全部読みましょう(意外に重要なことが書いてあったりします)

おすすめのシャープナーはどれか?

シャープナーにも様々なタイプがあり、数多くの製品が市販されています

どのタイプのシャープナーがおすすめなのか、砥石を何本も持っている包丁マニア目線で、種類ごとに解説してみましょう

  1. 電動シャープナー
  2. 業務用手動シャープナー
  3. スパイダルコのトライアングルシャープナー
  4. ツヴィリングのV-エッジ、5.スティック型シャープナー
  5. V字型シャープナー
 …の順に解説します
(この順でおすすめという意味ではありません)

電動型シャープナー

電動シャープナーは、内蔵砥石が電動で回転してくれますので、アゴや刃の先端など、手動タイプでは研ぎにくい部分もさほど苦となりませんので、刃筋が崩れにくいというメリットがあります

そういう意味では、手動型シャープナーの弱点を克服した商品と言えるでしょう

あえて注意点を挙げるとすれば、一定のスピードで刃をゆっくりと動かすことです
刃の動きを止めると、そこだけ余計に削れてしまいます。刃の手前から先端まで均等に研ぐには、「一定のスピード」で動かすことが重要です

どうしてわざわざ電動の製品を買う必要があるのか? 手動シャープナーで充分じゃないの?」と、感じる方が多いようで、電動式シャープナーは、今一つ人気が薄いようです
とはいえ、包丁の先端からアゴの先まで均等に研げるというのは、非常に重要なポイントです
前述の、手動シャープナーの弱点をきちんと理解している方で、予算的に余裕のある方は、最初から電動タイプのシャープナーを使用した方が良いでしょう

でなければ、後述のスパイダルコのトライアングルシャープナーを使うかです

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手動シャープナー(業務用)

この商品は、藤次郎プロのシャープナーで、製品本体ががっちりした高さのある構造で、業務使用を考慮したタフな造りになっています(プロの名は伊達ではありません)

このような大型のシャープナーは、一般家庭の台所に置くと、サイズが大きくて邪魔になるかもしれませんが、プロ目線で見ると「使う人のことを良くわかっているシャープナー」とも言えます

刃を差し入れる溝が高い位置に据えられていますので、前述のように、刃を引き切るようにして先端まで研ぎ切っても、高さのある分だけ、刃が調理台に当たりにくいのです

このあたりはさすが藤次郎プロです、よくわかっています
あえて言うなら、筐体がしっかりしている分だけ高価格になっている点が残念ですが、使い捨てタイプではありませんので、内部砥石を交換して長く使って元を取るしかありません(そういう意味でも業務用です)

この商品は、回転砥石が交換可能で、パーツ単体で購入可能です(長期間使用すると、砥材の角が丸くなり、研ぎ味が落ちてきますので、そうなったら交換して下さい)

角砥石(平たい板状の砥石)は、研ぐとともに表面の粒子が剥がれ、砥石が減ることで角の立った新しい粒子が下から顔を出します
そのため、使い終わるまで、切削力が基本的に変わりません
回転砥石型のシャープナーは、表面の粒子の角が丸くなってくると、切削力が落ちて研げなくなります
「なかなか研げなくなってきたな」と思ったら、内部砥石を交換して使いましょう

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スパイダルコのトライアングルシャープメーカー

スパイダルコ・トライアングルシャープメーカー

特別なシャープナーとして、スパイダルコのトライアングルシャープメーカーを挙げておきます
(実はこの製品、わたしも持っています)

スパイダルコをご存じない方もおられるかもしれませんが、アメリカはコロラド州に在る著名なナイフメーカーで、サムホール付きのナイフで有名です

一般的なロールシャープナーとの大きな違いを列挙すると…
1.回転砥石ではなく、スティック状の砥石を台座に立てて使用
2.刃角の設定は、30度と40度の2通りが可能
3.刃の先端やアゴの部分など、ロールシャープナが苦手とする部分も研ぎやすい

 …などが挙げられます

やろうと思えば、一旦30度で小刃付けした後に、40度の糸刃を付けて仕上げるといった、ハイテクニックも可能なのです

砥石は上手に使えないけれども、砥石で研いだような精緻な刃に仕上げたい人にとっては、実に良いシャープナーだと思います

スパイダルコのトライアングルシャープメーカーのより詳しい解説は、こちらのページでご覧ください

スパイダルコ トライアングルシャープメーカー を見てみよう

ツヴィリング V-エッジ

ツヴィリングの「V-エッジ」です

こちらは2020年に発売された割と新しい製品です。スティック状の砥石を斜めに配置した「本格的な」シャープナーになっています
スパイダルコのトライアングルシャープメーカーと双璧をなす製品と言っても良いでしょう

スパイダルコ製と同じく、全面が使用可能なスティック型砥石の採用で、耐久性に富んでおり、(手前に引くだけでなく)上から下に押し込んでも研ぐことができます
そのため、研ぎにくいブレード先端とアゴ付近も難なくこなします

スパイダルコ製が「組み立て型」に対し、こちらのV-エッジは「筐体型」です
そのため、収納時にコンパクトに納まるスパイダルコに対し、V-エッジはそこそこ嵩張る点が難点です

とはいえ、V-エッジはスティック砥石がV字状の稼働式になっており、スパイダルコのように左右片面毎に研ぐ必要が無く、高い性能と扱いやすさを両立させている点は、高く評価することができます

スティック砥石は「荒砥(#150)」と「仕上げ砥(#360)」の二種類が付属しています。研ぎ角度は固定であり、ユーザー側で変更することはできません
実際に使用する場合は、別売の「#1000 仕上げ砥石」(白色のスティック砥石)を導入することをおすすめします
#360番は一般的には荒砥の番手です。#1000番砥石を導入することで、ようやくの「中砥」の域に達するからです


スパイダルコのトライアングルシャープメーカーと、ツヴィリングのV-エッジに関しては、わたしのような刃物マニアでも「よくできている…」と感心してしまう製品です。なにしろ、(砥石が細身なだけで)実質的に砥石で研いでいるのと、さほど変わりはないのです

イージーな使いやすさを求めるのであれば、V-エッジがおすすめですし
「研ぎ」に対する探究心の高い方には、トライアングルシャープメーカーをおすすめします。刃の角度を2段階に設定できますし、別売の超仕上げ砥石も導入可能だからです。(V-エッジは優れた製品ですが、別売砥石を使用しても、#1000の番手までしか上げることができません

ツヴィリング V-エッジ を見てみよう

ツヴィリング V-エッジ (amazon 商品ページ)

ツヴィリング V-エッジ (楽天で検索)

なお、V-エッジと似た構造の「バイエルンエッジ」という製品も販売されていますが、これは全くおすすめできません。

「ツヴィリング V-エッジ」と比べると、『似て非なるもの』と言わざるを得ません。
研ぎ上がりのクオリティが劣悪な割には、製品価格が高すぎます(コスパ最悪です)

スティック型シャープナー

スティック型シャープナーは、肉屋さんや洋食系の調理人の方がよく使っています

エッジに荒めのギザギザを付けることで、刃の食いつきを一時的に復活させるための製品で、刃筋の修正や精緻な刃付には向いていません

しかしながら、使い方を習得して慣れてしまえば、手軽にシャッシャッとタッチアップすることができ、シンプルで汎用性も高いです

角度があらかじめ決められている内蔵砥石タイプとは異なり、刃の角度も自分で(ある程度は)変えられます
言い換えると、刃の角度を自分できっちり決められる人が使う製品でもあります
構造がシンプルな分だけ価格が安いのがメリットですが、安易に使うと、刃角が徐々に鈍角になっていきやすいという点が、デメリットとして挙げられます
ですので、時折砥石を併用して刃を付けなおし、スティック型は一時的な回復用と割り切って使用するのがベストです

とはいえ、手動の回転砥石内蔵タイプと比べると、刃先やアゴの先端まで均一に研ぎ易いという点は評価できるポイントです(そのため、使い続けても刃筋が鎌状にえぐれたりしません)

使い方をマスターすれば、アゴから先端まで、刃筋の全域をまんべんなくタッチアップすることが可能です

シャープナー スティックタイプ を見てみよう

シャープナー スティック (amazonで検索)

シャープナー スティック (楽天で検索)

V字型シャープナー

V字型シャープナー

最も単純な構造で、価格的にも廉価になるのが、このV字型シャープナーになります

このタイプは低コストで作ることが可能ですので、上の画像のようにナイフシースに組み込まる場合もあります(鞘の先端、スリットの奥に見える白いパーツが研ぎ棒です)

細いスティック状の砥石が、V字型に組み込まれており、Vの角度がそのまま刃角となる構造です

デメリットとしては、点接触でブレードを研ぐため、研磨粒子が摩耗したり、目詰まりしやすいことが挙げられます。上の画像では少々奥まっていて判りにくいですが、ブレードと接する白いシャープナーに、部分的に黒い金属粉が固着しており、目詰まりしていることが判ります

ちなみに、回転砥石内蔵タイプのシャープナーも点接触ですが、回転することによって疑似的な線接触にもなっており、V字型に比べると比較的耐久性があります
とはいえ、実際の円周長(接触可能な長さ)を考えると、数センチあるかないかです

前述のスパイダルコやツヴィリングなど、充分なサイズのスティック砥石型製品と比較すると、耐久性において分が悪い感は否めません

V字型シャープナーの例を見てみよう

シャープナーのタイプ別 まとめ

● 耐久性:V-エッジ = スパイダルコ > 回転砥石型 > V字型

● わかりやすさ:V-エッジ > 回転砥石型 = V字型 > スパイダルコ

● ブレード先端とアゴが研ぎやすい製品:電動型、スティック型、V-エッジ、スパイダルコ

● 使い手に最低限の技量が必要:スティック型

● 左右の刃付割合が変えられる:スパイダルコ、スティック型

● 超仕上げ対応:スパイダルコ(別売の超仕上げ砥石が必要)

● 内蔵砥石が交換可能な物は、交換することでフレッシュな研ぎ味が蘇る。交換不能のものは製品自体が消耗品

砥石で研ぐ場合は?

砥石で包丁を研ぐのは、決して難しいことではありません
最初は思い通りにいかないかもしれませんが、自転車と同じで、一度できるようになれば、その技術は一生役に立ちます

わたしが実際に研いでいる様子は、下の動画で見ることができます
5分少々の時間で、さくっと刃を付けています
後半の「最終仕上げ」は、やらなくても構いません(自己満に近い部分です)

重要なのは、角度をぶらさないことと、砥石を当てたい部分にしっかり指を当てることです


※ 解説は字幕で補足しています。日本語字幕をONにしてご覧ください
でないと、単に手を前後に動かしているだけの動画にしか見えません

研ぎ音がよく聴こえる音量で、大きめの画面で視聴すると、「何をどう研ごうとしてるか?」が判ると思います
月寅次郎チャンネル (YouTube 動画一覧)は、こちらです(「いいね」をもらえると嬉しいです!)


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