シャープナーで包丁を研ぐコツ - 安易に使うと〇〇になる


シャープナーで、包丁を上手に研ぐコツ


一般的なシャープナー(回転砥石内蔵型・手動タイプ)

貝印
シャープナー

左の画像のような、回転砥石内蔵型のシャープナーは、価格も手ごろで誰でも使いやすい点が良いところです(砥石のように、使い方の技術を習得する必要がありません)

ただ、簡単な分だけ気を付けるポイントもいくつかあります
まず、シャープナーは刃をタッチアップすることはできますが、刃筋や刃欠けの修正には向きません(そういう意味でも、シャープナーで研ぐ場合は、高級で高硬度の包丁は避けた方が良いでしょう)

また、のこぎりのように前後に押し引きして刃を研ぐ方もおられますが、本来は、アゴの部分を回転砥石の中央に置き、そこから手前に引いて研ぐものです
ただ、このようなメーカー推奨のやりかたでも、刃先とアゴの先端部分は研ぎづらいものです。結果として、包丁の中央部分のみが研ぎ減っていきがちです (手動タイプは構造上どうしてもそうなります。仕方ありません)
そのため、簡易シャープナーだけで何年も研ぎ続けると、刃筋の中央部分が削れてきて、徐々にですが、鎌のような形状に変化していき、刃筋のラインが崩れて使いづらい包丁になっていきます

そのため、年に1~2回程度は、プロの研ぎ師さんに包丁研ぎを依頼し、刃筋のラインを整えて貰うと良いです
(見た目で判るほど、刃筋のラインが崩れている状態で刃研ぎを依頼すると、たいてい研ぎ代が別料金になりますので気を付けましょう)

実際にあった話 - シャープナーで研ぎ続けるとどうなるか?

「包丁の真ん中が凹んでくる」というのは、わたしが働いていた和食系外食店の厨房で、実際にあった話です。その店舗では、アルバイトの方が多数勤務されていましたが、全員に包丁砥ぎを習得させるのは無理がありましたので、上の画像と同タイプのシャープナーを、1店舗に複数個導入していました

10年近く勤続しておられる年季の入ったアルバイトの方は、前後にノコギリのように動かして研ぐと、真ん中が凹んで使いづらい包丁になるということを経験的に知っていましたので、独特の使い方をしていました

シャープナーを使う際に、包丁の先端までぐっと力を込め、手前に引き切るようにして使っていたのです

アゴの先端をシャープナーの刃に合わせ、そこから刃の先端まで一気に引き切るようなやり方です
このやりかたですと、刃先までおおよそ均等に研ぐことができますが、一方で力を込めすぎると、引き切った包丁が勢い良く振り下ろされることになり、とても危険でした
包丁の動かし方は間違っていないのですが、力を入れすぎなのです

アルバイトの方ではありましたが、いろいろと教えていただいた勤続十年以上の大先輩でしたので、こちらも(その方のやり方を尊重して)何も言いませんでしたが、引き切った包丁が、下に置いてあるまな板に時々当たり、ガーンと大きく音を立てていました。こうなると、逆に刃が痛んでしまいます

どうしてもこのやり方でやる場合は、手前側にボロ雑巾か何かを置いた方が良いと思います。
そもそも、そんなに力を入れないと研げないようであれば、すでにそのシャープナーは終わっているのです
また、包丁を引く角度がずれた状態で力を加えると、刃がパリーンと大きく刃こぼれしてしまうこともありますので、気を付けた方が良いです (高くて薄手の包丁にありがちです。安くて薄手の包丁は、刃がしなるのでなかなかそうはなりません)

シャープナーで包丁を研ぐ場合の重要ポイント - まとめ

  • ノコギリのように前後に押し引きして使い続けると、次第に包丁の真ん中が凹んでくる(包丁の先端とアゴが飛び出た形になってくる)

  • 刃を手前に引き切る際は、包丁の先端を台に当てないように気を付けましょう

  • 年に1~2回は、研ぎ師の方に包丁を研いでもらい、刃筋を整えると同時にきちんと切刃を付けなおしてもらうのが賢明です

  • シャープナーは「消耗品」だと認識すること(永久に使えるものではありません。使っているうちに粒子の角が落ちて研げなくなってきます)

  • 何度やってもあまり切れ味が復活しない、力を加えないとなかなか研げない。そのような場合はシャープナーの研磨粒子の角が落ちています。 内部砥石を交換するか、買い替える必要があります

  • シャープナーはあくまでも一時しのぎであり、包丁の切れ味を最大限引き出すのは難しいです

  • 高級な包丁(硬度の出ている包丁)をシャープナーで研ぐと、包丁側の硬度が高い分だけ、シャープナーの研磨粒子も早く摩耗します

  • 取り扱い説明書は、面倒くさがらずに全部読みましょう(意外に重要なことが書いてあったりします)

シャープナーのいろいろ、どのタイプを使うべきか?

電動型シャープナー

京セラ
電動包丁研ぎ器

電動シャープナーは、内蔵砥石が電動で回転してくれますので、アゴや刃の先端など、手動タイプでは研ぎにくい部分もさほど苦となりませんので、刃筋が崩れにくいというメリットがあります

そういう意味では、手動型シャープナーの弱点を克服した商品と言えるでしょう

あえて注意点を挙げるとすれば、一定のスピードで刃をゆっくりと動かすことです
刃の動きを止めると、そこだけ余計に削れてしまいます。刃の手前から先端まで均等に研ぐには、「一定のスピード」で動かすことが重要です

どうしてわざわざ電動の製品を買う必要があるのか? 手動シャープナーで充分じゃないの?」と、感じる方が多いようで、電動式シャープナーは、今一つ人気が薄いようです
とはいえ、包丁の先端からアゴの先まで均等に研げるというのは、非常に重要なポイントです
前述の、手動シャープナーの弱点をきちんと理解している方で、予算的に余裕のある方は、最初から電動タイプのシャープナーを使用した方が良いでしょう

シャープナー(手動型で、業務用のタイプ)

藤次郎プロ
シャープナー

この商品は、藤次郎プロのシャープナーで、製品本体ががっちりした高さのある構造で、業務使用を考慮したタフな造りになっています(プロの名は伊達ではありません)

このような大型のシャープナーは、一般家庭の台所に置くと、サイズが大きくて邪魔になるかもしれませんが、プロ目線で見ると「使う人のことを良くわかっているシャープナー」とも言えます

刃を差し入れる溝が高い位置に据えられていますので、前述のように、刃を引き切るようにして先端まで研ぎ切っても、高さのある分だけ、刃が調理台に当たりにくいのです

このあたりはさすが藤次郎プロです、よくわかっています
あえて言うなら、筐体がしっかりしている分だけ高価格になっている点が残念ですが、使い捨てタイプではありませんので、内部砥石を交換して長く使って元を取るしかありません(そういう意味でも業務用です)

この商品は、回転砥石が交換可能で、パーツ単体で購入可能です(長期間使用すると、砥材の角が丸くなり、研ぎ味が落ちてきますので、そうなったら交換して下さい)

角砥石(平たい板状の砥石)は、研ぐとともに表面の粒子が剥がれ、砥石が減ることで角の立った新しい粒子が下から顔を出します
そのため、使い終わるまで、切削力が基本的に変わりません
回転砥石型のシャープナーは、表面の粒子の角が丸くなったら、切削力が落ちて研げなくなります
「なかなか研げなくなってきたな」と思ったら、内部砥石を交換して使いましょう

スティック型シャープナー

貝印
シャープナー
スティック型
スティック型シャープナーは、肉屋さんや洋食系の調理人の方がよく使っています
使い方を習得し、慣れてしまえば手軽にシャッシャッとタッチアップすることができ、シンプルで汎用性も高いです

角度があらかじめ決められている内蔵砥石タイプとは異なり、刃の角度も自分で(ある程度は)変えられます
言い換えると、刃の角度を自分できっちり決められる人が使う商品でもあります
構造がシンプルな分だけ価格が安いのがメリットですが、使い慣れていない方が安易に使うと、刃角が徐々に鈍角になっていきやすいという点が、デメリットとして挙げられます

とはいえ、手動の回転砥石内蔵タイプと比べると、刃先やアゴの先端まで均一に研ぎ易いという点は評価できるポイントです(そのため、使い続けても刃筋が鎌状にえぐれたりしません)

使い方をマスターすれば、アゴから先端まで、刃筋の全域をきれいにタッチアップすることが可能です


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