最終更新日: 作者:月寅次郎

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ヴェルダン(下村工業)- 包丁ブランドの解説(5)


包丁・ブランド

下村工業 - 安いのにお上手

低価格の包丁を上手に売っている、マーケティング上手な会社
オールステンレスの包丁(ヴェルダン)を低価格で販売することで人気を博している
新潟三条の会社なので、金属モナカハンドルを作るのも上手いのだ

歴史は古く、会社として設立したのは昭和32年(1957年)とされているが、会社組織以前の刃物鍛冶であった頃を含めると、140年以上の歴史がある

包丁のラインナップの中で興味を惹かれるのは、オールステンの「ヴェルダン」でも、ダマスカスの「UN-RYU」でもない。むしろ、見た目はあまりぱっとしない「村斗」の「Sharp」

「村斗 Sharp」の鋼材にはAUS10が奢られているが、ハンドルはコストを落とした樹脂製となっており、口金すら省略されているため恐ろしくコスパが高い (「Fine」の方は、「かぶせ」の口金が設けられており、若干高くなっているが、それでも良コスパであることに変わりはない)

鋼材グレードで言うと、AUS10(愛知製鋼)は、VG10(武生特殊鋼材)とさほど変わらないレベルであり、若干耐摩耗性が落ちるくらいで硬度はほぼ同等と言って良い(炭素量もほぼ同じだ)、耐摩耗性についても研ぎやすさとの二律背反なのでデメリットとメリットは相殺されるものだ
これほど高グレードな鋼材を、(包丁としての使い心地には影響させず)どれだけ安く作れるかというコンセプトで仕上げたのが「村斗 Sharp」だ (そうとしか思えない)

一般的には、グレードの高い鋼材には「一体口金・本通し・積層強化木」など、高コストの部材を合わせて高級感を醸し出し、製品価格を吊り上げて売るのがセオリーである。どの刃物会社もそういう手法で売上を上げている

「村斗 Sharp」は、その手法を真っ向から否定した掟破りの包丁ということができる
包丁のラインナップの中に、こういう製品をこっそり忍ばせている下村工業には、称賛を贈りたい

わからない人には、ただの安い包丁だと誤解されるかもしれない
だが、判る人はわかるものだし、逆に、この製品の良さが判る人だけが買えば良いのだと思います

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