■ 通報して初めてわかったこと


■ 国民生活センター

味噌の訪問販売業者が、高齢で認知力の低下が始まっている母に対し、通常では考えられない高額な味噌を販売している経緯を説明し
購入者本人が納得して購入しているためクーリングオフする意志がないこと、そして、息子として苦慮していることを伝えた

担当オペーレーターの説明によると
「商品にどのような価格を設定するかは自由であるし、いくら高額な価格をつけても、それ自体は違法ではない。ましてや、消費者が納得して購入している限り、如何ともしがたい」とのことであった

このときは「確かにその通りであり、何の法令違反にも問うことができないのも仕方ない」と感じた

だが、その後いろいろと調べてみると、 必ずしもそうとはいえないことが判ってきた

  • 商品説明に偽りがあったり、購入の決め手となる重要な事柄を説明しなかったり、消費者に不利益となる事柄を説明せずに販売契約を結ぶことは、特定商取引法違反である
  • 認知力の低下した高齢者などに対し、判断力が低い事につけこんで販売契約を結ぶことも特定商取引法違反である
  • 本来そのような価値のない商品を、特別な価値を持つ商品であると偽り、法外な価格で販売契約を結ぶことは、民法90条の公序良俗に違反し、無効である
  • 製造者情報を隠蔽して販売することは、食品表示法違反である

上記事項は、あとでネットでいろいろと検索し、判ってきたことである
国民生活センターに相談しても、クーリングオフのやり方などは説明してくれるものの、法令違反の該当箇所を教えてくれるわけではない

各オペレーターは、法律の専門家ではないので無理もない話である
(たとえ弁護士であったとしても、訪問販売における消費者トラブルが専門でない限り、なかなか即答は難しい)

悪質な訪問販売業者も、「消費者が納得して購買しているのだから、何の問題もない」と開き直ることは多々ある
それを言われると「確かにそうだ」で終わってしまいがちなのだが、その「納得」自体が、虚偽の説明に基づいているのではないか?と思いを巡らすことが重要である

■ 全国味噌工業協同組合連合会

質問事項:「味噌商品における「手作り」という表記は、どのような条件をクリアした場合に表示可能なのか」

電話をかけ、経緯を説明した後に質問しようと思ったのだが、経緯説明の時点で苦情の電話と早とちりされたようで
「そういう案件は消費生活センターに連絡して下さい」と、面倒くさそうに言われてしまった。
正直言って、けんもほろろの対応であった

改めて、「手作り」の表記について聞き取ったところ
  • 酒精以外の添加物を加えない
  • 加温して発酵を促進するなど、室温管理をしない
  • 麹蓋を使用して麹を作る
上記三点をすべて守る必要があるとのことだった

神田屋の販売する味噌には、ラベルに「手作り」との表記があったので、これらの条件が厳正に遵守された状態で製造されているはずである

が、しかし、神田屋に味噌を納入している若宮みそのWebページには「若宮みその特徴」として「温度管理をしながら味噌を熟成」との記載があった
これが事実ならば「手作り」の表記は虚偽に該当し、食品表示法違反である


■ 福岡県味噌工業協同組合

地元の組合なら、すこしは真摯に受け止めてくれるのではないかと思い連絡した
「このような事実があるので、組合内で情報共有をお願いします。記録すると同時に、知っておいてください」…という意図で連絡した

担当者からの回答としては…
味噌の価格としてはありえない、理事会にて報告する  この件は『持っておく』ので、何かあったら連絡ください」 とのことだった

地元には地元意識というものがあるので、(担当者にもよっても異なるだろうが)全国味噌組合に比べると問題意識を感じているようだ
信州志賀一についても、「(最近はあまり見なくなったが)以前は志賀一の営業車を時々見かけた」と言っており、悪質な業者が存在しており、問題であるという認識はあるようだ

実際のところ、あまりにも訪問販売業者がのさばってしまうと、その土地で商売をしているまっとうな味噌業者が割りを食う形になり、機会損失となってしまう
正直言って、どの製造業者が悪質な訪問販売業者に対して味噌を卸しているのか、とても気になるところであろう

そのときには判らなかったが、後日消費者庁の調査により製造元が特定されたので、その情報を伝えた


■ 消費者庁 食品表示企画課


神田屋の販売する味噌の商品ラベルに、「A3」という表示があり、製造者固有記号と推測されたので、消費者庁の提供する「製造所固有記号制度届出データベース」で該当番号を検索してみたが、「登録なし」との結果だった

そこで、製造者の情報や、製造者情報の開示義務について知りたかったので連絡してみた



【 得られた情報 】
食品販売業者は、製造者を商品に表示しなくてはならない(製造していないのに製造者を装う、製造者情報を問われても応えない。…などはもっての外である)
製造所固有記号制度届出データベースは、あくまでも消費者の利便性を高めるためのものなので、登録義務はないし、登録していないからといってなんらの違反に問われるものではない

神田屋の情報を伝え、改めて調査してもらったところ、製造元が特定された
製造所固有記号データベースへの登録はされていなかったが、それとは別に、消費者庁の記録として神田屋の製造業者が登録されていたとことだった

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