ブライトホルン


登山の様子に移る前に、ブライトホルンがどんな山なのか、簡単に解説しておきましょう

実際の登山の様子を読みたい方は、ブライトホルン登山2(すり鉢状の氷河を渡る)
山頂からの景色をご覧になりたい方は、ブライトホルン登山4(山頂到達、360度のパノラマ)を、ご覧ください

ブライトホルンとは

ブライトホルンは標高は4,164m。スイスとイタリアの国境に位置する山です

西側にはマッターホルン(4478m)、東側にはモンテローザ(4634m)があり、著名な山々に挟まれているおかげか、ブライトホルンの知名度は今ひとつ高くありません

このあまり知られていないブライトホルンですが、イタリア側に広がるすり鉢状の氷河は、雄大で開放感が素晴らしく、ここから見上げる南斜面は、白くたおやかに雪をまとっており、優しい美しさを湛えています

イタリア側から見るブライトホルンの南斜面

イタリア側から見るブライトホルンの南斜面
画像は、ブライトホルンの南斜面を、登頂前に撮影したものです
ザイルを繋いだ手前の登山者が印象的ですが、山の麓で黒い粒のように見えているのも登山者の人影です(よかったら探してみて下さい。山の大きさを感じられます)

さきほど「白く、たおやかである」という表現を使いましたが、北杜夫さんが著した「白きたおやかな峰」の舞台は、カラコルムの「ディラン峰 」であり、ブライトホルンとは異なります

さらに言うと、ここで言う「モンテローザ」は、スイスの最高峰であり、アルプス山脈で2番目に高い山のことです
(居酒屋チェーンの会社名に同名のものがありますが、ここでは関係ありません)

スイス側から見たブライトホルン北壁

スイス側から見るブライトホルン北壁
ブライトホルンには様々な副峰があり、2~5までの峰々全体がブライトホルンではありますが、単に「ブライトホルン」と言った場合は、最も標高の高い、画像「5」の西峰(4164m)を指します
ブライトホルンの主な登山口は、画像「6」のクライン・マッターホルンという岩山に設けられた、「マッターホルン・グレーシャーパラダイス駅」(3883m)になります

この登山口までは、ツェルマットの村からロープウェイ等で登れるため、山頂との標高差が少なくなり、体力的負担があまりかかりません
等高線で確認してみると、ブライトホルンプラトーを渡る際の標高が、おおよそ3780mなので、登りは実質390m程度だと思われます

また、クレバス帯や、雪庇の出たナイフリッジなどの危険箇所が少なめで、雪崩の危険性も少ないため、スイスアルプス4000m級の山々の中では、技術的難易度が低めだとされています
とはいっても、登山経験の浅い方が単独で登るような山ではありません

マッターホルンに登る方が、身体の高所順化を進めるためにブライトホルンに登ることもよくあるようです(現地でそういう方に何人もお会いしました)

このブライトホルンは、(北側から見ると)溶けたアイスクリームのような掴みどころのない山容をしていますが、西側にあたるクライン・マッターホルンから見てみると、とてもスタイリッシュな山に見えてきます


クライン・マッターホルンから見たブライトホルンの北西壁

クライン・マッターホルンから見たブライトホルンの北西壁
画像は、クライン・マッターホルンのロープウェイ駅に乗車する際に撮影したものです
(下山後、ツェルマットに降りる際に撮影)

ツェルマット方向から見るのとは趣が異なり、山頂直下の黒々とした山肌が、実に凛々しく映えています

山腹に溜まった雪塊の量感も素晴らしく、氷河化して切れ落ちているところの躍動感も素晴らしいものがあります
また、この近さから見ると、氷の厚みの程度や、割れ目が入ってクレバス状になっているところまで視認でき、(非常に微速ではあるのですが)氷河の動く様子が伺い知れます

また、頂にちょこんと載ったアイスキャップが実に可愛らしく、端の方は大きな雪庇になっています
この氷冠の側面には、斜めにトレースが走っているのが判ります(よかったら目を凝らして探してみて下さい。これが登頂ルートです)

ブライトホルンの北西面は、このように雪と岩とのコントラストが美しく、なかなか絵になるスタイリッシュな山でもあります

画像は著作権を放棄しておりません。無断転載や盗用には厳正に対処いたします

ブライトホルンを遠方から望む

朝焼けのブライトホルン
これはヨーロッパヒュッテから見た、ブライトホルンの朝焼けです(モルゲンロート)

ヨーロッパヒュッテは標高2220mの山中にあり、ここからツェルマットまでは歩いて丸一日かかる距離です(直線距離で、約10キロほどだと思います)
ある程度距離を取り、標高のあるところから望遠で撮影しましたので、ブライトホルンを真横から見るようなイメージで撮影できていると思います
(オートルート16日目に撮影)

遠方から見たブライトホルン
こちらはさらに遠方から撮影した、ブライトホルンの画像です
マッター谷のかなり後方、ガセンリードの村から山中に入ったところで撮影しています
ツェルマットまでは、歩きで1日半~2日程度離れています

左上の山塊がブライトホルンです。メッテルホルンの山陰からマッターホルンの山頂も顔を出しています
右端のヴァイスホルンは実に美しく、この位置から見るボリューム感は素晴らしいです
また、ランダの大崩落(1991年に発生した大規模な岩屑流)の様子もよく判ります
(オートルート15日目に撮影)

このように、グレッヘンを起点として山道に入り、マッター谷を遡るようにして進み、ヨーロッパヒュッテを経由してツェルマットまで足を伸ばすのは、「ヨーロッパウェグ」と呼ばれる定番のコースです
「ツール・ド・モンテローザ」、「ウォーカーズ・オートルート」の一部でもあります



ブライトホルンの簡単な解説が終わったところで、次のページからは、実際の「ブライトホルン登山」の様子に移ります

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