オピネルナイフのブレード取付 刃付して完成


オピネルナイフのブレードの取付


ブレードを取り付けます


ブレードの下に敷いているのは、紙製の簡易ナイフシースです

今回の「オピネルナイフの鏡面仕上げ」は、作業を何度にも分けて行っているため、作業中断時にブレードを安全に保管するため、このような簡易シースに納めていました



工具を用意して、組み立てに入ります
ブレードの穴の部分と、その周辺箇所は、シリコングリスを薄く塗っておきました
画像は刃を納めてピンを挿入した状態です

オピネルナイフの組立

  1. ブレードにマスキングテープ貼って、作業時の養生を行う
  2. ブレードを柄に挿入、柄の穴とブレードの穴を揃える
  3. ピンを挿入し、ハンマーで打ち込む
  4. セーフティリングを上からかぶせた状態で、マイナスドライバー等でこじって切り欠き部分を広げ、元通りに嵌める
分解時にピンのカシメ部分を削り取っているので、再度かしめることはできませんが、セーフティリングを嵌めてしまえば、まず問題はありません

ピンの挿入抵抗がゆるゆるだったとかいう場合は、ブレードの保持に不安が出てよろしくないと思いますが、そういうケースは、無理な分解時に作業をしない限りならないと思います


とはいえ、こういう作業に慣れていない場合は、『いろいろやったけど元に戻せない』という可能性もあります
DIY作業の得手不得手は、人によってかなりの開きがあります

作業難易度と自分の練度、使用できる工具、これまでの経験などを総合判断して、自己責任で作業しましょう!

オピネルナイフの刃付

組み立て後は、刃付けを行いました

なんといってもやはり刃物です。いくら鏡面仕上げのオピネルといっても、刃が切れない状態であれば、片手落ちです
ピンピンに刃付して、キレキレに仕上げることで、刃物として復活していただきましょう

今回は、作業開始時に刃引きを行い、意図的に切れなくしています
研磨時の怪我を防止するために、必要な措置です

刃引きを行った上でさんざん研磨を行ったため、刃がきれいに丸くなっており、全く切れません

下地だしに使用した800番の砥石で刃筋と整え、6000番の仕上げ砥石で刃を付けました
(掲載画像は、刃付前のものです)



オピネルを砥ぐ - アゴがないので根本が砥ぎにくい

オピネルのブレードは、アゴがないので、根元の部分が研ぎにくいです
根元の部分まできっちり砥ごうとすると、砥石がセーフティリング上部に当たり、その周辺に傷を付ける恐れがあります

もともと、この手のアゴの無い形状のナイフは、ブレードの根元周辺はあまり活用しませんので、やっきになってブレードの根本まで入念に刃付を行う必要はありませんが、それでも柄の先端を、砥石の角に当ててしまうことはあったりするものです

丁寧な作業を心がけたい方は、セーフティリング周辺をマスキングテープ等で養生すると良いでしょう
砥石に当ててしまったときなどに、予期せぬ傷を防止することができます



オピネルを砥ぐ - ブレード先端の反った箇所が砥ぎにくい

普段よく研いでいる刃物が、三徳包丁やペティナイフ、あとは薄刃包丁(鎌刃)などなので、オピネルのようにブレード先端(ポイント)が、峰方向に大きくカーブしている刃物は、砥ぎにくく感じます

普段ナイフばかり砥いでいる方なら、慣れたものかもしれませんが、包丁などの刃筋が直線に近いものを多く砥いでいるためでしょうか、小刃の角度を先端まで揃えるのに神経を使いました

ブレードの根本からネイルマークまでところは、ほぼ直線ですので、砥石に対して『線で砥ぐ』ことができますが、そこより先の刃筋は『点で砥ぐ』感じになり、適正な角度で柄を持ち上げて砥がないと、刃の角度を一定にすることができません




オピネルナイフ カーボンスチールブレードの切れ味

砥ぎに関して、いろいろと文句ばかり垂れましたが、最終的にはスパスパに切れるように仕上げました
このブレードは、JIS規格でいうところのSK材相当のハガネではないかと推測します

炭素鋼としてはそんなに高級なものではないとは思いますが、刃の厚みが薄いこともあり、刃付をしっかり行うことで、切れ味的にはかなりのものを引き出すことができます

前述のように、ブレード形状的に砥石を当てにくい部分はありましたが、ハガネですのでパリッとした良いカエリが出ます。鋼材として見た場合の研ぎにくさはありません

わたしはそれほど砥ぎの腕が無いため、一度ではうまく刃筋を出すことができず、再度やり直すはめになりました

ハガネの丸焼きブレードではありますが、ブレードが薄いのに助けられた感があります(こういう全ハガネの鋼材で厚みがある場合は、形を整えるのに苦労すると思います)

切れ味を試してみましたが、コピー用紙のS字切りや、刃を上に向けた状態での押し切りが、割と容易にできますので、そこそこ良い刃が付けられたのではないかと思います



オピネルナイフのブレード形状を考える

ピクニックナイフとして考えると、オピネルの標準ブレードは、もう少しポイントが下がった形状のほうが、食材をカットしやすいと思います

とはいえ、オピネルはジビエ文化の盛んなフランスで生まれたナイフですから、スキナーとしても、ある程度は使用可能である必要があったのでしょう(スキナーとは狩猟時の皮剥ぎに使うナイフ形状のことで、反リ上がった刃の曲面が特徴です)

さらには、この上方に反ったポイントは、魚をさばく際にフィレナイフとして使う際にも生きてきます

キャンプにオピネルを持ち出して、人参やじゃがいも、玉ねぎなどをカットしていると、ブレードにアゴがなく、先端が上に反っている形状をネガティブに感じることがありますが、そのときは「オピネルはナイフなのだから…、包丁ではないのよね」と、そう思って納得することにしています


すでに食材として仕上がった状態のものをカットするのと、獲物のに刃を入れて、骨や皮、筋を取り、部位ごとに切り分けて、食材の状態にまで仕立てるのでは、要求される刃の形状が異なります

ナイフにはそういう役割も求められますので、オピネルで食材ばかりカットしていると、このような印象を持つことがありますが、このような背景を理解の上で使用すると良いと思います


オピネルには長い歴史と伝統があり、このブレード形状を大切に守っています
あらゆる用途に万能なブレード形状というものはありませんので、自分の用途に最適なブレード形状がどんなものかを考え、改めてブレード形状を考えてみると新たな発見があるかもしれません