悪質な訪問販売に商品供給していたのは、どの業者なのか?
神田屋は製造業者を隠蔽するため、食品表示ラベルに製造業者を表記しておらず、また製造元を開示するよう要求しても「教えることはできない」と解答していた
だがしかし、消費者庁 食品表示企画課の調査により、
味噌を製造納入していた業者は,
福岡県宮若市の赤塚商店(若宮みそ)であると判明した
神田屋の味噌の中身は、「若宮みそ」
若宮みその特徴の一つは
「伝承の室蓋製法」となっている
一方の神田屋の味噌樽には
「伝統の室蓋製法」との文言が踊っている
また、味噌の熟成の浅さや色相、粒味噌特有の粒度感も酷似している
さらに、神田屋は「あこうの塩」を使用していると力説していたが、塩の産地まで同一である
神田屋は
「販売している味噌は、他社から仕入れて自社のラベルを貼り、梱包しているだけ」と名言しているので、商品がそっくりであるのは、当然といえば当然である
要は、神田屋の味噌の中身は、「若宮みそ」なのだ
若宮みそ\2,560円/4kg、神田屋\9,880円/4kg
若宮みそ(赤塚商店)の「特上米みそ」は、640円/1kgであり、4kg換算では2560円となる
神田屋の味噌 = 9880円/4kgであるので、その差額は
9880円 - 2560円 = 7320円 …となる
なんともまあボロい商売である
ゲスニックマガジンの西条記者なら、
「い~い~仕事だなあ~~~!!!」と言い放つことだろう
(西条記者は、NHK番組「LIFE~人生に捧げるコント~」に登場する名物キャラクター)
一般的に高価格帯の味噌というのは、1kgあたり500~800円程度が相場であり、長期の発酵期間を経るなどの特別仕様の製品でも、1200円から1500円程度に留まっている
当該業者の「特上米みそ」は1kg640円の商品だが、神田屋がこれを1kg換算2450円で売っていたとしたら、約4倍の価格で販売していたこととなる
何も知らされずに購買契約を結んだ消費者は、この事実を知れば、「騙された!」と言うだろうし、「ボッタクリ」だと思うだろう(不利益事実の不告知に該当する)
民法第90条の公序良俗にも抵触する可能性があり、悪質だと言わざるをえない
若宮みそを「手造り」と表記すると食品表示法違反になってしまう
みその表記において、「手造り」と表示できるのは…
- 酒精以外の添加物を加えない
- 加温して発酵を促進するなど、温度管理をしない
- 麹蓋を使用して麹を作る
上記の三点をすべて遵守する必要がある
若宮みそのホームページには、
「6.発酵 温度管理をしながら味噌を熟成させます。」とあり、発酵の際に室温管理していることが判る
そのため、
この味噌商品に「手造り」と表示すると、食品表示法違反となってしまう
もちろん、若宮みそ自体には「手造り」の表記はなされていないので、何ら問題はない
だがしかし、神田屋の味噌には「手造り」の表示がなされている
となると、これは虚偽表示に該当し、食品表示法に違反することとなってしまう
当の神田屋は、「手造り」であることをしきりに強調して味噌を販売している
この「手造り」というのは魅惑的な表現だが、その表示が許されるのは上記三点をすべて守っている場合である
誰が商品を製造しているのかが重要事項であることはもちろんであるが、「手造り」かどうかということも、消費者が購入の可否を決定する際の重要事項といえるだろう
複数の重要事項を偽って販売契約に至らせているとすると、不実告知に基づいた契約となり、非常に悪質であるとともに、公序良俗に反していると言わざるを得ない
平たい言葉で表現するならば、まさに、
「嘘をついて消費者を騙している」ということに他ならない
次ページ
製造元は、知りながら商品を卸したのか?
悪質な味噌の訪問販売、目次に戻る