月寅次郎のサイト

新聞取材での苦しい言い訳(みそ製造業者)


高いと言えば高いが、うちは卸元だから…


製造元である若宮みそは、神田屋の訪問販売についての西日本新聞の取材に対し、「高いと言えば高いが、うちは卸元だから」 …と、語ったそうである

うちは卸元だから、何だというのだろうか、「悪くない、責任はない」とでも言いたいのだろうか? だとしたら、堂々と商品供給を継続すればよいではないかと思う

「販売業者のために特別の工程で造り」とは本当か?


また、記事には、「販売業者のために特別の工程で造り」とあるが、「材料も特別に仕入れ…」とは語っていないところに注目したい

異なる材料を使用しているならば、具体的にどこが異なるのかを明確に主張するはずである
その点について何も語らないということは、要は、材料は同一と見てよいだろう

「特別の工程」というのも、どこまで信用してよいものだろうか?

「麹蓋を使用する」というのは、通常販売の若宮みそでも行われており、ホームページでもしきりに強調されていることなので、「販売業者のための特別の工程」とは言えない

他になにか、味噌の製造における「特別工程」があるかというと、一般的には「長期熟成」や、「冬季低温時の加温なし、自然温度での仕込み(年一回のみ)」あたりである

神田屋に卸す味噌を、通常商品よりも長く熟成していたのだとすれば、「特別」ということもできるだろうが、神田屋から購入した味噌は、熟成が浅く、間違っても長期熟成とは言えるものではなかったことを、事実として断言しておこう
(むしろ、熟成は購入後に進んだことを強く感じた)

「冬季低温時の加温なし、自然温度での仕込み」については、現実的にありえないだろう。これは味噌醸造におけるかなり特別な条件であり、発酵に日数が掛かるために、製造量が限られてしまう。若宮みそのような大規模醸造者でない業者が、この条件で年間6トンもの味噌を醸造するのはかなり難しいと言わざるを得ない


そもそも、「特別な工程」というのは何がどう特別なのだろうか?
本当に神田屋のために特別な工程経て製造しているのであれば、「通常のものより3ヶ月間長く熟成させています」とか、「加温せずに天然醸造で作っています。加温を行わないと発酵速度が遅くなるので大量に生産できません。ですがその分おいしい味噌に仕上がります」…というように、具体的に答えるのではないだろうか?

この製造工程が異なるというのは、若宮みそに事情を聞いた時にも同様の回答であり、どこが異なるかについては明確な回答がなかった


「特別な製法とは何なのか」を、当該業者が具体的に語らないところからすると、特別というのは偽りであり、同じ味噌であることをごまかしていることが容易に推測できる

要は、ラベルが異なるだけで中身が同じ商品が、約4倍の価格差で売られていることを、製造元としてなんとか正当化するための方便であり、「バレちゃマズイ」と感じていることの現れである



商売の姿勢として、いかがなものか?


「販売業者のために特別の工程で造り…」という何気ない一言に、赤塚氏の商売に対する姿勢が見え隠れするように思えて他ならない


食品を製造する業者は、なによりも信用第一である
商品に対する安全と信頼が求められるために、偽装表示などを行うと、一瞬で信用は地に落ち、誰も買わなくなってしまう

西日本新聞だけでなく、当方も以前、若宮みそに対し、「神田屋は販売に際し、製造元を食品ラベルに表示していない」ということを伝えたことがある(2017年12月のことである)


常識ある商売人であれば、「すぐに神田屋に連絡し、食品表示ラベルを修正するように言います」と言うと思うのだが、赤塚氏の口からそういう言葉が出ることは無かった
自分が製造している商品だというのにである

また、「そういう怪しい商売をしている業者と関わっていると、こちらの商売に傷がつく、即刻取引を停止します」と言うこともなかった

最終的には、神田屋との取引を「これからも継続する。すぐに停止することは考えていない」と、言ってのけたのである。これは本当に驚くべき発言である

「自分は卸元だから、神田屋が何をやろうが、知ったこっちゃない」のだろうか?


「神田屋の商売の片棒を担いでいた」と言われても、仕方がない


若宮みそは、宮若市のふるさと納税対象品にもなっているが、宮若市の担当職員がこの事実を知ったらどう思うだろうか?
また、当該商品は、小説家の小川糸さんに取り上げられたりもしている。小川糸さんがこの事実を知ったらどう感じるだろうか?

当該業者が、何も知らずに商品供給したのであればただの被害者だが、実際は神田屋の商売を知った上で、長年商品を卸していたのである。
「神田屋の商売の片棒を担いでいた」と言われても、仕方がないだろう


商売人が悪行に関わってしまった場合、それを知り得ていたかどうかを問わず、速やかに発表し、お詫びをするとともに改善策を発表するのが最善の対処だと思うのだが、赤塚氏からは、そのような姿勢は全く感じられなかった。

そもそも赤塚氏は、神田屋の悪徳訪問販売の実情を知っていたにもかかわらず、長年に渡り商品供給を継続したことを、悪いとは全く感じていないようである
若宮みそ(赤塚商店)の商売に対する姿勢は、このようなものである

記事内にある、「今月いっぱいで取引をやめる」という言葉も、聞かれた相手が新聞メディアだからなのだろう。公に神田屋と取引継続と言ってしまうのは、流石にマズイと思ったのだろうか?

わたしに対しては『取引継続』と言っていたのに、人によって言うことがコロコロ変わるようでは、この発言もどこまで信用してよいのかわからない


神田屋が屋号を変えた時、若宮みそはどうする?


このページで説明したように、悪質な訪問販売業者は、旗色が悪くなってくると一旦水面下に潜み、屋号を変更することで過去との繋がりを消し、再び同様の商売を始める。そうやって摘発を逃れ、生き延びてきた

神田屋もおそらく、そう遠くないうちに、味噌販売業者としての屋号を変更するだろう
(もしかすると、すでに屋号を変更済かもしれない)
そう、神田屋代表の保田氏がこれまでと同様の商売を続けても、屋号さえ変えてしまえば「神田屋」は世の中から消えてしまうのだ

若宮みそは、西日本新聞に対し、『今月いっぱいで神田屋への商品供給を止める』と語ったそうだが、どこまでが本当なのだろうか?
神田屋が屋号を変更した場合、若宮みそは商品供給を続けたとしても、『神田屋への商品供給は停止した』と言うことができる。これは詭弁ではあるが、嘘にはならない


責任者である赤塚氏は、神田屋の商売を知っていたにもかかわらず、長年に渡り商品供給を継続し、なおかつそれを秘匿してきた。
要は、若宮みそは、神田屋と「ぐる(共謀者)」なのである

このような業者の発言は、まったくもって信用することができない
当然ながら、製造商品についても同様に、信用に値しないことは、言わずもがなであろう

次ページ:味噌の手造り表記と食品ラベルについて

悪質な味噌の訪問販売、目次に戻る