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スピーカーのセッティング


セッティング - スピーカー の「吊り設置」

スピーカー の "吊り設置"です

スピーカーを吊ろうなんて考えるのは、少々常識はずれかもしれません。


重いスピーカーを吊るのは、一苦労ですし
スピーカーケーブルという、重くてや"くせ"のあるものが付いているおかげで、なかなか思った方向を向いてくれないからです

スピーカーとの距離や角度を、厳密に求めるむきには、笑われてしまうかもしれません。


…ですが、"Lens"と"細径ケーブル"の組み合わせですと、そんなに難しいものでもありません。

Lens は軽量で、簡単に吊ることができますし、ユニットが一つしかないので、"各ユニットと耳の距離をそろえる"ことに、さほど神経を使わなくても済むのです。

"吊り設置" はどんな音 ?

通常メーカーは、鳴りにくいスピーカースタンドを作るために、高価な素材を使用して"重く"したり"硬く"したりしますが
吊り設置の場合は、スタンド自体が無いわけですから、鳴りようがありません

もちろん、余計な音の反射も、一切ありません、



「箱そのものが動いてしまって、ろくな音にならないのでは?」 という不安もありましたが

振動板の動きが速く、エンクロージアと振動板の重量比が充分に大きい、ということなのでしょうか・・・
 ・・・見事な音で鳴ります

また、遮るもののない、ナチュラルな音場の広がりや、そこに浮かんでいるかのような音像は、なかなか得難いものがあります。



(もしかすると、音の立ち上がりが遅く、振動板が重いスピーカーには向かない手方かもしれません。)

"吊り設置" に関する考察

吊り設置というのは、スピーカースタンド自体が持つ弊害を、極小に抑えようとするのではなく
最初から無くしてしまおうという発想で試みたのですが

どうやら振動を回避するのに、非常に効果的な方法の一つのようです。
(振動の減衰には、効果的ではありません)



例として挙げるのに、適切かどうかは判りませんが・・
携帯電話を、マナーモードにして着信させた場合

硬いテーブルの上に置いていると、設地面と干渉して暴れてしまいます
ストラップを持って吊リ下げていると
干渉するものが無いために、振動はしますが暴れることがありません


吊り設置は、本体は振動したとしても、他の構造物に振動を伝えにくいという特性を持っています。


一方、吊り設置の欠点として挙げられるのは
振動の減衰しにくい素材を吊り下げた場合、発生した振動が長時間持続してしまうことです。
(風鈴を、吊るして鳴らしたような状態です。)

ですが、床においた風鈴より、吊るした風鈴の方がきれいに鳴ることを考えると、それがはたして欠点なのかどうか、判らなくなってきます。
スピーカーの箱の部分を、弦楽器の胴のように、楽器の一部として捕らえるのであれば、欠点とは云えなくなるかもしれません。


携帯電話や風鈴と、オーディオ製品とでは、振動するものと受けとめるものの重量比が、大幅に異なりますし
鳴るように作ったものと、鳴らないように作ったものを、同列に語ることはできないかもしれませんが

非常に凝った造りのオラクルのプリメインアンプ Si3000などは、わざわざ電源トランスを吊っているといいますから、あながち馬鹿にできない手方だと思います。

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