『 自分の歌 』 リチャード・バック


人間が学校というフェンスを出ると
そこはドラゴンワールド(現実の悪意に充ちた世界)なわけだ。

地球上には30億だか 40億だかの人間がいて
おまえは 30億プラス1の余り者に過ぎない

おまえのことなんか 誰も感心を持っていやしない
生きていようと死のうと こっちの知ったことか

 …みたいな扱いを受けることになる


ある人間がだめになるというのは そういうことなんだよ

どうやって それに対抗するかといったら
やっぱり 自分の歌をうたい続けることだと思うね


「うるせえ、おまえのその変な歌をやめねえと張り倒すぞ」…とか、なんか言われて
それで だめになっちゃうことだってあるけど

張り倒されても、まだ歌い続けることだ


もちろん、ドラゴン・ワールドにあっては 明日の飯代をどうしよう
今日の部屋代をどうしよう …なんていうわずらいもある

それはしょうがないから 思いわずらい 駆けずり回りながら
でも 自分の歌だけは歌い続けるわけだ



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