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インシュレーターの比較(吊り下げ式と上乗せタイプ)


インシュレーターの比較(吊り下げ式と上乗せタイプ)

吊り下げ式インシュレーター製作風景

まずは、一般的なインシュレーターの種類を列挙してみましょう
(画像は、試作テスト中の「吊り下げ式インシュレーター」です。)

インシュレーターの種類には・・・
  • 三点のピンポイント支持によってがたつきをなくし、床面との接触面における二次振動の発生を抑制する
     (スパイク、スパイク受けによる支持)
  • 弾性素材によって振動をダンピングする
     (ゲル状素材、ソルボセイン、ブチルゴム)
  • 特定の共振周波数を持ちにくく、内部損失の比較的大きな素材を使用する
     (J1プロジェクト、コーリアン)
  • 高度が高く、質量の大きな素材を使用することで、振動しにくくする
     (御影石、金属)
  • 共振周波数帯域を高くすることによって、振動による悪影響を出にくくする
     (水晶、カーボン素材)
  • 振動モードの異なる素材を組み合わせることによって、共振周波数を分散し、共振の絶対値を低減する
     (複合素材の積層インシュレーター)
  • 「好ましい振動モード」を持つ素材を使用することによって、あばれが少なく、整った振動に持っていく
     (ハーモニクス、山本音響工芸の黒檀、神木)
  • 振動しても構わないものを、あえて振動させることによって、本体そのものを振動から回避させる
     (タオックの振動子付きスピーカー台、オミクロン、レゾナンスチップ)
  • フローティングさせることで物理的に床面と切り離し、振動を押さえ込むのでなく迅速に開放させる
     (SAPのRELAXA "リラクサ")
・・・など、があります
さまざまな方式、素材などが百花繚乱の呈をなしていますが、今回作成した「吊り下げ式インシュレーター」は、機能・効能的には「リラクサ」などのフローティングタイプに近似している…と、いうことができます。


ただ、RELAXA(リラクサ)のような磁気フローティングボードタイプは、どうしてもオーディオ機器本体を浮かすための「浮き板」に乗せることになってしまうので、仮想グラウンドである「浮き板」との振動干渉は回避することができません

その点、「吊り下げ式」は、そのようなシャーシと床面の間に発生する振動の二次干渉とは全く無縁の状態を造り出すことができますので、下手をすると「磁気フローティング」よりも「音に効果的」かも知れません。  (あくまでも想像です。実際に耳で聞いて比較したわけではありません)


磁気フローティングタイプのインシュレーターは、ネオジウム磁石などを使用し、高い精度で仕上げられているためか、インシュレーターの中でもかなりの高額品の部類に入ります。
実際にリラクサは、どうかするとCDプレーヤーより高額な価格設定です。

ですが、「吊り下げ式インシュレーター」ですと、特殊な素材を使用する必要もなく、「ひも」で擬似的にフローティングさせることによって、床面とのほぼ完全なアイソレーションを、お手軽に実現できてしまいます。
(とはいえ、現時点でこのような市販品は見当たりませんので、自作以外に道はありません)

通常の「素材系インシュレーター」は、自分好みの音にあわせるための、最後のスパイス的な位置づけであり
それは「香り付け」のレベルにとどまるのが通常ですが、「吊り下げ式」ですと、本体シャーシの造りこみの度合いにもよるのでしょうが、上手くはまると、音場再生の質感を大きく前進させる場合があります。

自分で製作したので、手前味噌で思い切り褒めていますが…、冗談抜きで良いですよ、これは。


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