ツエルトを寒冷時に使うとどうなるか? - テントウォールが凍る

最終更新日: 作者:月寅次郎

霜のついたツエルト(テント)

ツエルトの内側に霜が付く

ファイントラック
ツエルト2ロング

3月終わりに祖母傾山完全縦走をした際、2日目に、祖母山9合目小屋直下のテン場でツエルトを使いました
使用したツエルトは、ファイントラックの「ツエルト2ロング」、防水透湿生地を使った居住性の改善されたツエルトです

夜中に気温が下がり、結露した露が凍って霜になりました
ツエルトは軽量であることが一つのメリットですが、一般的な山岳テントに比較すると保温能力が低く(そりゃそうだ)、低温時にはその分保温力の高い寝袋が求められます
そのため、シュラフの重量増の分だけ、メリットが相殺されてしまいます

この時は、当初の予想よりも気温が下がったため、このような状態になったのですが、ここまで気温が下がると、普通の山岳テントの方がよいですね。低温時、悪天時には、高い耐久性を持つ山岳用テントの方が、安心して使えます

ファイントラック「ツエルト2ロング」を使用、傾山~祖母山縦走にて

低温時には、テントの中で雪が降る この雪状のものは、外から雪が吹き込んだのではありません
夜間にツエルト内側に張り付いた霜が、剥がれて落ち、溜まったものです

朝起きると、ツエルトの中がこのようになっていました

自分の息から出た水分が、ツエルトの内側に付着して凍り、霜となります
風でツエルトがはためくと、その霜がツエルト内で飛び散り、ツエルトの中で雪が降ります

シュラフカバーを使っているので、シュラフは濡れることなく、快適に寝ることができましたが、顔に霜がかかって時だけ、冷たくて目が覚めてしまいました
シュラフの口紐をギリギリまで絞り、口と鼻だけを出して寝ていましたが、それでもたまに「開口部」に霜が落ちてきたためです

この時の様子、祖母傾山縦走をちょこっと紹介

祖母山のテン場
ツエルト撤収時の様子です
祖母山九合目小屋の少し下にあるテン場です

今回は、山経験の豊富な3人の仲間たちと共に入山、テントは各自個別という状況でした
山頂付近はかなり雪が残っていましたが、このあたりまで降りてくると、一部残雪が残っている程度でした

濡れた靴下の素早い乾かし方

登山・靴下を乾かす
ツエルト内で濡れた靴下を乾かしている様子です

コッヘルの左奥で湯気を立てているのが、乾いている途中の靴下です
ナルゲンボトルに沸かした熱湯を入れ、それに濡れた靴下をかぶせておくと、短時間で靴下を乾かすことができます
ガス残量に余裕がある時は、こういう手段も取れますが、残量が心もとない時は「着干し」ですね
注意:ペットボトルで真似をしないでください。耐熱性が低いので容器が歪み、熱湯漏れや火傷の可能性があります。必ずナルゲンボトルなどのポリカーボネート製の容器を使用しましょう、シグボトルなどのアルミ製ボトルでも可能ですが、金属製ですので熱伝導が良すぎます。熱湯を入れたあとの火傷に気をつけるか、最初からお湯の温度を低めにするなどして配慮しましょう


登山靴が凍るとどうなるか?

靴下の左横にスカルパのゼログラビティ(靴)が見えますが、今回は靴の選択を誤りました
予想以上に残雪がありましたので、軽登山靴ではなく、より防水性と防寒性の高い登山靴を靴を履いてくるべきだったと思います(反省)

朝方の冷え込みで、濡れた靴が凍りついてしまい、カチカチに固まってしまいました
まるで、シンデレラのガラスの靴です。いくら足を入れようとしてもなかなか靴の中に入っていきません

最終的には、足の熱が靴に伝わったのか、すこしだけ柔らかくなって、履くことができましたが、大いに反省いたしました

「冬山で靴が濡れた時は、凍らないよう抱いて寝る」…知識としては聞いたことはありましたが、すっかり忘れておりました

冬山の霧氷
霧氷の美しい、傾山の縦走路

冬山登山
道が険しくなってきたところに、雪がどんどん降ってきた…。の図
今回のメンバーは、お互いに信頼できる力量がありましたので、安心して見ていられました

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