外国人から見たツエルト


ジナルのキャンプ場には小型テントが多かった


雄大な氷河を堪能した後に、降りてきたのはジナルのキャンプ場でした
なぜかこのキャンプ場は、1~2人用のウルトラライト系のテントが多いです

周りのキャンパーと言葉を交わして判ったのですが、ここジナルは、有名な山岳トレイルランレースのゴール地点で、この日はちょうどその、レース当日だったとのことでした(※1)
小さなテントに1人で泊まっていたのは、そのレースを走り終えたランナー達だったのです

奥のテントの住人は、スペインからレースのために来たそうで、ニコニコと屈託のない笑顔でいろいろと話してくれましたが、手前に張っていたテントの住人は、レース後の疲労感でぐったりとしており、言葉も出すのもしんどい感じでした。
実際、テントからキャンプ道具がはみ出ていても、片付ける気力すらないという感じでした(無理もないです。山なら3日かけて歩くコースを一気に走り切るのですから、疲労困憊になるのも無理ないと思います)


※1:Sierre-Zinal(シェール・ジナル)
40年以上の長い歴史を持ち、ヨーロッパでも有名なトレイルレース
距離は31km、累積獲得高度は+2200mというもので、トレイルルートではあるものの、走りやすくフラットな箇所も多い
男子の上位ランナーであれば、3時間を切るというから恐ろしい。ちなみにこの距離と累積高度は、山登りとして計画した場合2~3日分に相当する、気が遠くなりそうな数字です

小型テントは多くても、ツエルトはわたしの一張りのみ


小型テントが多いキャンプ場では、わたしのような小型軽量のツエルトに興味を持つ方もおられる、複数の方から、「このテントは、どういう製品なの?」と話しかけられました
大型テントばかりのキャンプ場では、こういうことは一度もありませんでしたので、とても珍しいことです

聞かれることは、大抵…
「どういうマテリアル(材料)なのか?」、「重量は?」、「テントポールは無いのか?」といった具合で

それに対して…
「ウォータープロテクション、ベイパースルーマテリアル」
「テントウェイト340g、アンダー450gインクルード ペグ&ガイライン」
「ノーテントポール、ザット イズ ホワイ ディス テント イズ ソー ライトウェイト」
 ・・・とか答えていました

時代の流れというものでしょうか、ドーム型テントしか見たことがない方も多かったようで、ツエルトという三角テントを、不思議なものを見るような目で、興味深く見る方が多かったのですが、重量を聞くと「そんなに軽いのか!」という驚きが目の奥に(一瞬だけ)垣間見えたりするのでした

「一瞬だけ」と書いたのは、誰でも自分が選んで買ったテントが一番であってほしいようで、あまり顔には出ませんでしたが、彼らの頭の中には・・・

「340g!? 軽い、軽すぎる!!」
「・・・で、で、でも、オレのテントの方が室内有効スペースが広くて快適なんだからねっ!」
という言葉が浮かんでいるのは、紛れもない事実のようでした


ジナルでのキャンプ

地元スーパーで食料を買い込みます
日本に比べると、チーズが恐ろしく安いです(日本が高いだけですが)
大好きなブリー・ド・モー、もっとたくさん買って、たらふく食べるんだったと、あとで後悔しました
リンドウがトレードマークのフローラルプのバターは、素晴らしいです。とても美味しいです

「オレは、バターとパンさえあれば、生きて行けるんじゃないだろうか?」そんな考えが脳裏をよぎるほど美味しかったです

スイスのキャンプ場って、どうしてこんなに美しいんでしょうかね?



ツェルマットのキャンプ場にて

何日かの山小屋泊とホテル泊を経て、オートルートのゴール地点、ツェルマットまでたどり着きました
キャンプ場の名前は、「キャンピング・マッターホルン」

キャンプ場の奥は、スイス鉄道が走っています
ツェルマットの街は、自動車乗り入れ禁止(電動自動車と馬車はOK)ですので、このキャンプ場はキャンピングカー用の設備がありません。規模も小さく、こじんまりとしたキャンプ場です

ほとんどの人が鉄道で来るために、大型テントが少なく、手荷物として運搬可能な、比較的小さめのテントが多いです





キャンプ場の横は建物は、幼稚園のようです

ツエルトの向こう側に見える、一人用の小さなテントは、どこかで見覚えがありました
「ジナルのキャンプ場でもテント張ってなかった?」と聞くと、「うん、張ってた」とのこと
アメリカからオートルートを歩くために来たそうで、装備はすべてウルトラライト系で統一されていました
この後仲良くなって、お互いのテントや装備に興味津々で話が尽きず、日米ウルトラライト装備の自慢合戦が始まるのでした

ちなみに、アメリカ人のソロトレッカーはウルトラライト志向の方が多かったです
一方のヨーロッパの方は、質実剛健系が多い感じで、多少重くても、その分タフで耐久性の高い装備の方が多かったように思います

アジア人でオートルートを旅しているのは極少数で、「ほとんどいない」と言ってかまわないくらいです
シャモニーからトリヤンまでのコースは、「ツール・ド・モンブラン」とコースが重複するため、歩いている人も多く、ガイド付きの日本人団体登山客とすれ違う事もあったのですが、その後の工程で日本人と会うことは、一度しかありませんでした
実際、ウォークスルーでオートルートを歩いているのは、ヨーロッパ系が8割、アメリカ人が2割といった感じでした


キャンプ場には、マッターホルンを登り終えた日本人パーティーもおられまして、みなさま一様に、高地で浴びた紫外線の日焼け跡が痛々しいものの、表情に無事登頂の喜ばしさが溢れており、こちらまで嬉しい心持ちになりました

その後、みなさんがキャンプ場を去る際、多量に買い込んだ「食料物資」を、同国人のよしみで分けていただき、わたしのツエルトの前には残置食料の袋がドカドカと置かれたのでした

キャンプ場の撤収風景
ツエルトの下にはタイベック(住居用防水透湿シート)を敷いておりました
グラウンドシートに透湿性は必要はないのですが、軽さを優先したかったですし、透湿性があるといっても、床面からもうもうと湿気が上がってくるわけでもないので、なかなか使える素材であります


外国人からみたツエルトのまとめ


  • 外国人にとって、ツエルトはあまり馴染みがない、「見たことないタイプのテント??」という印象
  • 外国人のウルトラライトマニアに、ツエルトを見せると、かなりの確率で興味を持ってもらえる
  • ジョン・ミューア・トレイルやシェラネバタトレイルなど、ロングトレイルをやる人なら興味津々
  • キャンプ場にリゾート目的で訪れ、のんびりと日光浴を楽しんでいる西欧人からは、「何あの妙なテント??」という目で、遠目から見られている感じ