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ワクチン冷蔵庫の電源プラグ抜け事故、事例と対策

最終更新日: 作者:月寅次郎

ワクチン廃棄事故について

Twitter上で「#プラグを抜こう」のハッシュタグ付き投稿が広がったのは2021年5月下旬であり、電源プラグ抜け事故の頻発と時期を同じくします

それ以前は同様の事故が確認されなかったことからも、これらの事故のほとんどは、人為的な破壊行為である疑いが濃厚です
つまり、事故ではなく事件(犯罪)です

ワクチン廃棄事故の一覧は以下のリンクからご覧ください

2021年7月( 6件・6,494回分廃棄)

2021年6月(13件・4,092回分廃棄)

2021年5月( 4件・ 516回分廃棄)
(解凍ミスや再冷凍など、人為的ミスが明らかなケースは基本的に除外しています)

このページに掲載している分だけでも、11,102回分のワクチン廃棄が生じており、2千4百万円以上の金額損失です
(ここに掲載しているのは一部の事例でしかありません。未掲載事案はまだまだあります)

これらのワクチンは国が購入しているものであり、国民の税金から支払われています
いわば、国民財産の損壊です

※ 金額の試算
上記の廃棄ワクチンの中には職域接種用のモデルナ製ワクチンも含まれているため、すべてファイザー製として試算するのはおかしいですが、仮にすべてファイザー製ワクチンとし、一回あたりのワクチン金額が2150円とした場合、23,869,300円の毀損額となります
モデルナ製ワクチンはファイザー製よりも高額なため、実際にはこれより多い金額の毀損が生じています

英フィナンシャルタイムズの報道によると、新型コロナワクチンの価格は、ファイザー製19.5ドル、モデルナ製25~30ドルとされています(1回あたりの価格です。1人あたり2回摂取するため、1人あたりの費用はこの倍となります)
日本円換算では、ファイザー製は約2150円、モデルナ製はおおよそ2750~3300円となり、当サイトの試算はこれらを元にしています

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「#プラグを抜こう」対策

新型コロナウイルス用ワクチン保冷庫の電源プラグ抜け事故対策です

市販品でできる簡単な防止策ですが、事故防止と犯罪抑止のダブルの効果があり、防犯カメラが設置できない場合におすすめです
(ワクチン管理担当の方は参考にされてください)

この対策方法は、当初ツイッターで拡散していましたが、Webページ化した方が世の中の目に留まりやすいと思い、ページ化しました
Twitter版は、こちらのページ

ワクチン電源抜け防止策・プラグを抜こう対策
防犯ブザー
この対策は、主に2つの効果があります

1.事故の防止

プラグが抜ければアラームが鳴動しますので、事故の発生が音で判ります
少なくとも、事故を引き起こした者が「気づかなかった」という不思議な現象が無くなります。

掃除をしていてモップが当たったかもしれないが、プラグが緩んだことには気づかなかった」という言い訳が効かなくなるわけです

万一本当に「事故」が発生した場合は、大音量アラームで異常事態の発生が判りますので、事故を引き起こした当人、もしくは音を聞きつけて駆けつけた担当者などが速やかに電源プラグを差し直すことが可能です

2.犯罪の抑止

悪意を持ってワクチンを毀損させようとするものに対し、一定の犯罪抑止効果があります

ひと目で「プラグ抜け対策」が施されていることが判るため、意図的に解除してプラグを抜くと痕跡が残り、「偶発的な事故」とは言えなくなります

こうなると器物損壊という犯罪扱いとなり、警察も捜査せざるを得なくなります

当然ながら、プラグを抜こうとする側に対しては、「見つかれば確実に手が後ろに回る」という覚悟を迫ることになり、プラグを抜くことを思いとどまらせる効果があります

※ アラームを鳴らさずにプラグを抜くには、結束バントを切断するためのニッパーか、木ネジを緩めるためのドライバーが必要になります
テープを併用して固定した場合は、手袋をした状態でテープを剥がすのは容易ではないため、手袋を外して素手で作業せざるを得ません
結果的に指紋が残る可能性が高まりますので、より犯罪抑止効果が高まります

効果的な対策とするために

布製ストラップのままでも良いですが、切断しにくいワイヤーに交換すると、抑止効果が上がります

諸事情で木ネジ固定が難しい場合は、テープ等で固定し、境目に「割判」やマジックで書き込みを施し、「一度剥がすと判ってしまう」ようにすると効果的です
(手を加えると痕跡が残るようにするのが重要です)

事前の作動テストと、定期的な作動チェックは必ず行いましょう

電源プラグは自然に緩まない、人為的に抜かれている

抜け止めコンセント

Twitter上で「#プラグを抜こう」というハッシュタグ付き投稿が広がったのは5月下旬頃からです
一方、「電源プラグ抜け事故」が頻発したのも、全く同じ5月下旬以降になります

これはつまり、ワクチン冷蔵庫の電源プラグを抜いて、ワクチンを廃棄させようとする悪意のある者が実際に存在し、暗躍していることを意味します

COVID-19ワクチンは、国が購入して配布しているものであり、いわば税金で購入された国民の財産です
これを意図的に毀損させる行為は、犯罪(器物損壊罪)に他なりません

防犯カメラ等を設置して対策をするのが一番ですが、すべてのワクチン保管場所にカメラを置くのは現実的ではありません
上記のような簡易的な手法でも効果は充分発揮できます。ワクチンの人為的損壊を防止しましょう

なお、左上の画像のような「抜け止めコンセント」を併用すると、より効果的です
電源プラグを抜くには、一度ひねってから抜く必要があり、人為的に抜かない限りプラグが抜けることはありません

ワクチン管理体制の整備が望まれる(自治体の責任)

電源プラグが自然に緩むということは非常に考えにくく、悪意を持ったものが人為的にやっている可能性が濃厚です

にもかかわらず、自治体側の説明は 「特に不審な点がなく不思議だ」や、「原因は分からない」といった要領を得ない説明に終止しています

足を引っ掛けたり意図的に抜いたりしない限り、通常プラグがコンセントから外れることはありません
自然に抜けるということは、通常ありえないことなのです

ならばこれは、「誰かがワクチン毀損を目的として、意図的に電源プラグを抜いた」という帰結になるはずですが、なぜかそうはなりません
なぜかと言うと、そういう流れに持っていくと、犯罪として捜査の手が入るため、非常に面倒なことになり、それを避けたいわけです

始末書や顛末書などの書類仕事が増えるというのも避けたいでしょうし、警察の捜査に協力することで通常業務が滞るのも避けたいところです

さらに言うと、「その時の出退勤記録などから、誰がやったのかは薄々判っている」のだけれど、警察の捜査で新たな証拠が出て、「犯人が内部の者であることがバレてしまうと、非常にまずい
 …なので、それだけは避けたいわけです

結果として、「プラグが抜けた」、「扉がいつの間にか開いていた」、「冷蔵庫の不具合(ただしはっきりした原因は未特定)」、という理由で処理されているものと思われます

このような穿った見方をされなくないのであれば、自治体側は詳細な報告書を作成し、事故の詳細を明らかにすべきです

解凍ミスや希釈ミス、配達ミスなどの案件に対しては、詳細な報告書がPDFファイルで作成され、自治体のホームページにて公開されていることがほとんどですが、
「プラグ抜け」と「扉の開放」「冷蔵庫の故障」の3つの事故に対しては、詳細が明らかにされないまま、メディア報道だけで済まされているケースがほとんどです

このような対応では、「意図的に隠蔽している」と疑われても、仕方がありません

責任逃れに終止する自治体

なぜだか自治体職員は、「電源プラグ抜け」を「事故」であると訴えることがほとんどである
このあたりは市民感覚とは大幅なズレがあり、「そんなことは、通常はありえない」というのが、ほとんどの人の考え方である

こちらのニュース記事では、自治体職員が「コードを踏んで外れた可能性はある」と報じられているが、これは事象として不自然極まりない(そんなありえないことを堂々と言ってのけるとは、よほど何かを隠蔽したいのだろうか?)

「足を引っ掛けたり意図的に抜いたりしない限り、通常、プラグがコンセントから外れることはない。自然に抜けたとも考えづらい」というのは、上記記事における「ワクチン保管用冷蔵庫メーカー担当者」の意見だが、これが正常な考え方というものだろう

外部だけでなく、内部犯行の可能性も視野に入れる

ですが、最も困るのは、「内部犯行の可能性が否定できない」ということです
内部犯行でないとしても、内部に協力者や内通者が存在する場合があります。ワクチン保管場所や、ワクチンの管理体制を外部に漏らすなどは、充分考えられることです

事実としてこれだけのワクチン毀損が発生しているわけですので、もはや何もしないというのは怠慢でしかありません
自治体の管理責任者は、「内部」と「外部」の両方の可能性も熟考の上、しっかりした対策を施すべきです

他に可能な対策

警察に協力を依頼し、昼間はワクチン保管場所、夜間は接種会場周辺を巡回してもらうだけでも、大きな犯罪抑止効果があります

「犯罪」は、起こさせないことが一番です

一度発生してしまうと、事後処理に忙殺されます
各方面への説明、挨拶、お詫びなどに追われ、書類仕事やメディア対応なども大変です。当然ながら「人事評価」も落ちます

自分自身が「ワクチンは既存して構わない(むしろそちらのほうが良い)」と考えているのでなければ、確実な対策を施しましょう

電源プラグ抜けによるワクチン廃棄の一覧

電源プラグ抜け等によるワクチン廃棄事故を、時系列でまとめました

綿密に調べたわけではないので、掲載漏れもあるかと思いますが、主要な事故案件だけでもこれだけあります

日本の津々浦々で接種が行われているとはいえ、あまりに件数が多いです
人為的ミスで発生する解凍ミスや配達ミス事案などを、件数で大幅に上回っており、人為的な犯罪である疑いが濃厚です

特に、朝の時点で発見されたケースは、まず間違いなく「人為的な犯罪」と言って差し支えないでしょう

誰もいない夜間に、自然にプラグが抜けるというのはありえないことで、「うっかり脚が引っ掛けて抜けた」という事例は、人のいる昼間でなければ起こりえないからです

2021年7月 ワクチン廃棄案件

7月18日 福岡県赤村(2160回分廃棄、464万4千円分の損害)
この朝日新聞の報道では、「冷凍庫も冷蔵庫もコンセントが外れかかっており」とのことだが、2つのコンセントの接続が同時に緩むなどありえないことです

毎日新聞の報道では、「プラグが何らかの弾みで少し抜けたのが原因」とされている
一方、西日本新聞の報道では、「16日に停電時に備え、非常用電源の増設作業をした際、業者がプラグとコンセントの接続を緩ませた可能性が高い」と、かなり突っ込んだ書き方をしている。この表現だと、あたかも電設業者が犯人であるかのようだが、本当にそうなのであれば、容疑が固まり次第、担当業者や容疑者についての追加報道が望まれる

村の人口2776人に対し2160回分が廃棄となったことから影響は甚大で、村のワクチンは底を突き、接種再開のめどは立っていない

発見は17日正午頃であり、零下75度前後に保たれているはずの冷凍庫の温度が4度まで上がっていたというので、そこそこ長い時間電源が落ちていた疑いが濃厚である
朝の時点で温度確認をしていれば、おそらく17日朝の時点で発見されたものと思われる

7月17日 滋賀県東近江市(1494回分廃棄、321万2100円分の損害)
16日午後3時の段階では異常は無く、17日午前7時20分ごろ、コンセントがほとんど抜けている状態になっていたのが見つかったとのこと
「原因は特定できていないが、冷蔵庫周辺に置いていた段ボールを移動させた際に抜けた可能性もあるとしている」とのことですが、可能性としてはあまりにも低いと言わざるを得ません。「人為的にプラグを抜かせた可能性が考えられる」と、なぜ言えないのでしょうか?

● 7月11日 神奈川県相模原市(72回分廃棄・3ヶ月連続3回目)
「保管用冷蔵庫の電源プラグが壁のコンセントから抜け落ち、常温になっていた」とのこと
市の担当者によると、「施設には夜間、警備員がおり、二重三重に鍵がかかるため、人為的に抜かれたとは考えづらい。プラグに緩みがあったのかどうか」と話しているそうだが、こういう場合はまず内部犯行を疑うのが定石です
入室用の鍵を使用可能な者が犯人である可能性を、まず疑うべきでしょう
事件の発生場所が集団接種会場か医療機関か、職域接種会場なのかは、明らかにされていません
報道しているメディアも神奈川新聞くらいで、どうしてこんなにリリース情報が少ないのが、逆にうがった考えをしたくなります

大事なことなので繰り返して書きますが、相模原市は5、6、7月と3ヶ月連続でワクチン廃棄事故が発生しており、これが3回目のワクチン廃棄となります


7月9日 北海道室蘭市(168回分廃棄)
市内の医療機関での発生案件です(市立病院か、民営病院かも不明)

「7月9日朝、医療機関スタッフが、ワクチン保管冷蔵庫のコンセントが抜けていたことに気がついた」とあります
職員がよく通る場所に冷蔵庫が設置されていたため、偶然の接触により電源コードが抜けた可能性がある」とありますが、これはあくまでも「室蘭市による説明」でしかありません
誠に信憑性に乏しいものがあります
恐らく、人気のない夜間に犯行に及んだものと思われます

また、事故が発覚したのは9日朝ですが、室蘭市が発表したのは14日であり、発見から発表まで日数が開いている点が他の事案とは異なります
(この間、何をしていたのでしょうか?報道メディアは、具体的にどの医療施設で発生したのかも含めて、鋭く追求して欲しいものです。室蘭市側も、せめて病院名は開示すべきです。)

追記 (メディア未発表の独自情報
「室蘭市役所健康推進課新型コロナワクチン係」によると、市側が把握したのは13日であり、翌日の14日に発表したとのことです
言い換えると、病院側は、9日朝にワクチン毀損を確認したものの、13日まで室蘭市に連絡していなかった。ということです
病院側は、9日にワクチンが足りなくなった旨を室蘭市に連絡したとのことですが、なぜワクチンが足りなくなったのかという理由(ワクチン毀損)について市に説明しなかったというのは、「隠蔽しようとした」と疑われても仕方がありません

また、同課によると、「事件性が無いため、病院名は開示できない」とのことですが、これは逆に嫌疑を深める対処と言わざるを得ません

本当に事件性が皆無であれば、那覇市で発生した配達ミスによるワクチン廃棄事例のように、把握事実を仔細に開示できるものです
この事案では、「那覇市津波避難ビル3階の集団接種会場」で「宅配業者が同じビルの別の階に午前11時頃配達」、「7月7日午前8時50分の配送開始時刻から約7時間が経過」と、詳細が明らかにされています(いつ誰が、どこでが、ほぼ明確になっています)

ちなみに、新潟県加茂市の事案では「県立加茂病院」と病院名が明らかになっています。室蘭市もこのあたりは見習うべきでしょう(仔細を明らかにしない報道リリースは、より一層疑いの目を向けられるだけです)


7月6日 東京都中外製薬(1600回分廃棄)
製薬会社内で事案が発生し、廃棄件数も1600回分と多量だったため、会社の面目丸つぶれのケース
「冷凍庫の電源アダプターの接続が緩んでいた」とのことだが、何もしないのに自然に緩むことなどありえない
また、社内発生事案であるため、(自治体の事案に比べると)内部犯行である可能性が高いと言わざるを得ない
「内部犯行の可能性を考慮し、対策を施す必要がある」ということを痛感されされる事例

職域接種であるため、ワクチンメーカーはモデルナ製と思われます
モデルナワクチンの価格を、1回あたり3000円とした場合、480万円の購入費用が無駄になったことになります

7月5日 新潟県加茂市(1000回分廃棄)
市民センターなどの集団接種会場ではなく、「県立加茂病院」で発生した案件(職域接種・モデルナ製ワクチン)
清掃業者がACアダプターにモップを当ててしまったために、電源接続が緩んだ」とされている事例
マンガでしか起こり得ないような説明で、虚偽の説明の疑いが濃厚ですが、現状では「そういうこと」として扱われています(個人特定されていますので、そう言い逃れるしか、他に方法がなかったのでしょう)

しかしながら、事故の発生要因が誰によるもので、「何日何時に温度上昇が開始したか」まで特定されているため、比較的事実関係が明確なケースに相当します(このあたりは、事実を隠蔽しがちな自治体の集団接種会場案件とは、「違い」を感じるところです)

本当に事故であるのであれば、清掃業者も正々堂々とお詫びのコメントを出せば良いのですが、そうしないところに闇を感じます
どこの清掃業者かは存じませんが、すくなくとも清掃を担当した人は判明しているわけですから、この後干されるかもしれませんね
温度上昇開始は3日、発見が5日、報道は9日の記事です

2021年6月 ワクチン廃棄案件


6月30日 北海道旭川市 (90回分廃棄)
市内医療機関で発生した事案、内部犯行の疑いが濃厚すぎて「闇が深い」としか言いようのないケースです

報道では…、「ワクチンを保管している冷蔵庫がある部屋のブレーカーが落ちていることに気づき、適温は維持されていたので別の部屋の冷蔵庫にワクチンを移動させたものの、7月1日朝、改めてその冷蔵庫の温度を測ったところ、適温を超えていてワクチンの使用はできないと判断」…とあります

「電気を使い過ぎてブレーカーが落ちた」ではなく、「ブレーカーが落ちていた事に気づいた」というのが、実に意味深です
また、移し替えた冷蔵庫の温度が適温を超えた原因については、全く言及がありません

ブレーカーを人為的に落した、別の冷蔵庫に移されたワクチンの保管温度を上昇させた、という二重の犯行と思われます
外部の者では、とてもここまではできませんので、内部の者が意図的にワクチン毀損を狙ったとしか考えられません
「電源プラグ抜け」とは異なりますが、類似例として掲載です

6月30日 秋田県由利本荘市(42回分廃棄)
個別接種のための医療機関で発生した案件(そのため、比較的小規模の廃棄数となっています)

冷蔵庫の扉が開いており、庫内温度が20度になっていたという事例
例によって例のごとく、「翌朝に気づいた」となっています
市民センター等の集団接種会場ではなく、医療機関での事案ですので、外部の者の侵入による犯行は考えにくいです
ヒューマンエラーによる閉め忘れの可能性は、皆無ではありませんが、内部犯行の疑いの方が濃厚であり、医療機関でこれをやられると、医療に対する信頼が失われかねません
「電源プラグ抜け」とは異なりますが、類似例として掲載です

6月28日 神奈川県相模原市(1200回分廃棄)
集団接種会場のグッディプレイス相模原にて発生、発見時間は「朝」であり、人気のない夜間の犯行が疑われます
庫内温度や温度調整ダイヤルの数字まで詳細に把握されている珍しい例です
このあたりは相模原市の担当者を褒めたいところですが、当市は5月18日にも一度24件分のワクチン廃棄事故を起こしているため、ワクチン管理の徹底が指示としてなされ、現場の「確認と記録」もある程度しっかりしていたものと推測されます
にもかからわず、事件が起こってしまったというのは残念でなりません
結局のところ、庫内温度が10度まで上がった原因については明らかにされておらず、対策としては「当該冷蔵庫の入れ替え」がなされています
言ってみればディプフリーザーのせいにされているとも言えなくもありません

恐らく、夜間に部屋に入れるものが、こっそり温度調整ダイヤルを上げ(もしくは電源を切る、扉を開けるなど)の工作を行い、気づかれる前に元の状態に戻した、…ということが考えられます


6月25日 兵庫県芦屋市(156回分廃棄)
市民センターで発生した案件です
「冷蔵庫のコンセントはテープで固定しており、誤って抜いた事実は確認されていません」との報道があります
「誤って抜いたことが確認できない」ならば、「誰かが意図的に抜いた」意外にはありえない事になります

残念ながらワクチンは毀損しましたが、テープで固定していたという事実があったため、「これは事故ではなく犯罪」だと言い切れる数少ないケースです
だからといって警察の捜査がなされているわけでは無いところが残念です


6月20日 大阪県寝屋川市(510回分廃棄)
「冷蔵庫の電源プラグが抜けていたため、中にあったワクチン510回分を廃棄した」とのこと
担当者によると「ちょっと足が掛かった程度で(電源プラグが)抜けないのは検証した」と別の報道であります。何者かが意図的に抜いたとしか考えられないケースです
場所は、集団接種会場

6月20日 東京都町田市(48回分廃棄)
麦茶を入れて、ワクチン冷蔵庫の温度上昇」ということで話題になったケースです
「誰が麦茶を入れたのかは分かっていない」とのことです

この事案は集団接種会場ではなく、高齢者施設で発生したもので、当然ながら出入りする人員は限られています
「麦茶の容器」という証拠物件が残るため、容器の指紋を拭き取るなどの仕込みをしなければ、簡単に足がついてしまう難易度の高いケースです

犯人は特定されていませんが、この施設関係者でありながら、ワクチン接種を受けない人がおれば、当然疑いの目を向けられることでしょう
「電源プラグ抜け」とは異なりますが、類似例として掲載です

6月20日 北海道釧路市(1002回分廃棄)
設定温度は3度だが、庫内温度が12度になっており、温度が上昇した原因は不明とのこと
「冷媒抜け」などの故障が生じなければ、ここまでの温度上昇は考えにくいが、そのような故障ならば事後検証で容易に発覚すると思われます

報道では機器の故障は報告されていないため、なんらかの妨害工作がなされた疑いが否定できません
考えられる可能性としては、「一旦電源プラグを抜き、見つかる前に元に戻す」や、「一度扉を開放し、見つかる前に扉を閉める」(もしくはその両方)といった犯行が考えられます
「電源プラグ抜け」とは異なりますが、類似例として掲載です

6月10日 大阪府堺市(456回分廃棄)
集団接種会場「ホテル・アゴーラリージェンシー大阪」にて発生
「冷蔵庫の電源が入っていなかった原因は、コンセントが非常用電源に差し替えられており、その非常用電源のスイッチがオンになっていなかったため」とのこと
発見は、例によって例のごとく早朝(午前8時30分に会場の運営責任者が発見)であり、発見時の庫内温度が23度であることから夜間の犯行が疑われます

この集団接種会場では、6月1日にも210回分のワクチン廃棄が発生しており、同一会場で2回目という珍しいケースです(犯罪の疑いが極めて濃厚です)
NHK報道によると、「市は(状況を詳しく調べるとともに)警察にも相談する」となっています

「自治体側が警察に相談する」ということが明確に報じられているのは、(わたしの知る限り)この案件のみです(報道されていないだけであり、他にも自治体側が警察に相談している事案がある可能性は高いです)


6月9日 島根県太田市(158回分廃棄)
民間医療機関で発生したケースです
「冷蔵庫のコンセントが抜け、温度管理に不備が生じた」とあり、発見は8日午後6時50分ごろ、発見時の温度は15度とのことです
この手の電源プラグ抜け事案は早朝に発見されることが多いですが、夕方発見された珍しいケースです
原因は(市によると)「医療機関職員が冷蔵庫からコンセントにつながるコードを誤って踏み、外れたのが原因」とされています
繰り返しになりますが、「誤ってコードを踏んだ」くらいでは、電源プラグが外れることはありません

6月8日 埼玉県川越市 (60回分廃棄)
原因:電源プラグ抜け、発見:8日朝、正常確認:7日午後6時半時点で異常無し
医療機関で発生した案件です
「最後に誰が何時に帰ったかなどについて、市は把握できていない」…とのこと、意図的な犯罪が疑われます

6月2日 千葉県市原市(100回分廃棄)
説明では、(電源が抜けており)「近くにあった保冷ボックスが、何らかの原因でコンセントに当たったとみられる」となっています
繰り返しになりますが、「物を当ててプラグを抜く」というのは物理的に極めて難しいです(押して抜くことになるためです)
何かが当たって抜けた場合は、プラグのブレードが曲がるなどの損傷が発生します。物理的にコンセントを破損させるくらいの力を加えなければ、「当てて抜く」のは難しいのです。そうなった場合は当然「当てた痕跡」が残ります
プラグというものは、「引く方向の力」を加えないと抜けません。嘘だと思ったら押すだけでプラグが抜けるものなのか、実際に検証してみると良いです

6月1日 千葉県印西市(60回分廃棄)
集団接種会場にて発生
「6月1日の朝、ワクチン保管用冷蔵庫の扉が開放されたままとなっていたことに気付き…」とあります
見つからないよう、人気のない夜間に犯行に及んだものと思われます
ワクチンの温度上昇は「冷蔵庫の扉開放」によるもので、「電源プラグ抜け」とは異なりますが、類似例として掲載です

6月1日 大阪府堺市(210回分廃棄)
集団接種会場「ホテル・アゴーラリージェンシー大阪」にて発生
発見は朝(午前8時30分に会場の運営責任者が発見)、発見時の庫内温度は20度

「5月31日17時30分にフロントのスタッフが電気を消すために会場内の部屋に入り、誤ってブレーカーを落としたことが判明」とあり、犯罪扱いではなく事故とされていますが、同じ会場で6月10日に再び事件が起こっていることを考えると、事件性が疑わしいケースです

2021年5月 ワクチン廃棄案件


5月27日 神奈川県横浜市(247回分廃棄)
ワクチンの温度異常に気づかないまま接種してしまったという、非常に残念な案件がこちら
異常が判明したのは、27日の接種開始後、具体的には「午前11時過ぎに接種を中断」となっています
庫内温度が上昇を始めたのは26日午後4時半ごろとされており、(推測ですが)庫内温度の計測ロガー等の記録により、後日上昇開始時刻が判明したものと思われます

原因は「主電源と冷蔵庫をつなぐ延長コードのプラグが抜けかかっていて、通電していなかった」とのこと
横浜市瀬谷区の集団接種会場にて発生、発見が遅れたため、適切な温度管理のできていないワクチンを119人に接種してしまったという、最も管理不備の著しい案件の一つ
他案件では、朝に温度異常が発見されることが非常に多いですが、これは開場時の朝一番に温度確認を実施している会場が多いためです。人目につかない夕方から夜間の犯行が多いというのもあります)
朝に異常が発見できていたとすると、366回分(247+119)のワクチン廃棄となったはずです


5月25日 兵庫県猪名川町(30回分廃棄)
「電源装置のキャスターはロックがかかっておらず、この日、何らかの理由で装置が動いてプラグにぶつかり、外れてしまったとみられる」…プラグを抜くには、「つかんで引く」という動作が必要。キャスターが当たっても、せいぜい横方向から押す力が加わるものでしかない
逆に、「人為的にキャスターを当ててプラグが抜けるかどうかの追従実験」をして欲しいところだ
そもそも、電源装置がひとりでに動くはずがない
電源装置を動かして、事故を装ったのは誰なのだろう?結論から言うと、「その部屋に入れる人のうちの誰か」となるが、
朝日の記事では「19日は、保管庫があった部屋が町民対象の健康診断に使われていた」とあり、こちらの記事では、「18日までは適正温度であることが確認」となっている。これはもう、おおよそ予想がついてしまいましたね

5月24日 兵庫県神戸市(215回分廃棄)
「人の動線上にコンセントが配置されていたため足が接触してプラグが抜けた可能性がある」ということで、「あくまでも事故」という扱い
ならばなぜ、人が動いている日中ではなく、人がいなくなった時間帯に事故が発生するのだろう?不思議でならない
5月18日 神奈川県相模原市(24回分廃棄)
「保管していた冷凍庫の電源が切れ、溶けて液体になったワクチン24回分を廃棄。コンセントの不具合が原因とみられる」とのこと
発生場所は、相模原市の医療機関であり、医療従事者に接種を行う市内の「連携型接種施設」とされている

ケアレスミスによるワクチン廃棄より、圧倒的に多い電源プラグ緩み事故

ワクチンが使用不可になる事例としては他にも、解凍時のミス、希釈割合のミス(薄めすぎ)、配達手違いによる温度上昇(連絡・伝達ミス)等があります
これらは、人為的なミスでり、人間による勘違い、手違い、手順や方法の誤りなどにより発生しています
つまり「ヒューマンエラー」です

これらの人為的ミスも、一定の割合で発生してはいますが、件数としてはごく少数で新聞各紙を賑わすことはありません

一方で「電源プラグが緩んだ」という事例は、これはもう数が多すぎます
もともと電源プラグというのは、人が触れなければ何十年経過しても固定が緩むことはありえないのですが、「電源プラグ緩み事故」は、非常に高い割合で連日発生し続けています

本来、触らなければ何も変わらないはずの電源プラグ緩み事故が、人間が関わる頃による発生する上記のヒューマンエラー(ケアレスミス)よりも多く発生するということは、ありえないことです

「ワクチンの毀損を目的として、冷凍庫の電源プラグを抜こうとする者の存在」を認め、内部犯行と外部犯行の両面で対策を施さなければ、同様の「事故(犯罪)」は、起こりる続けるでしょう

国や自治体には、早急な対策が望まれます

闇の深さ

ワクチンを打つ・打たないは、個人の自由選択の範囲であり、尊重されるべきですが、
「他者のワクチン接種を妨害する目的で、ワクチンを毀損する行為」は、器物損壊罪にあたり、立派な犯罪です

このような、「自己が正しいと考える理念を、破壊行動によって他者に強要する思考形態」は、国内では過激派によく見られました

「わたしは正しいことをしているのだから、間違ったことはしていない」、もしくは、「崇高な目的遂行に伴う犯罪行為は正当化される」というたぐいのものです

「オウム真理教」によるサリン事件においても、このような心理的側面が強く出ており、このような思考形態に陥ったものに対しては、言葉による説得は意味をなしえません
「自分が正しい」という考えに凝り固まっており、自分を否定される言葉には一切耳を貸さないためです

現状で起きているのは、「国民の財産に対する破壊行動」です
繰り返しになりますが、国や自治体には、早急な再発防止策が望まれます