ちゅ~るの自作 - 犬・猫用(人が食べてもおいしいよ!)


家で「チャオちゅ~る」を作る(老犬用介護流動食)

ちゅ~る・自作

家で飼っている老犬の咀嚼力が弱くなり、食事に不自由するようになってしまいました
ですが、「CIAOちゅ~る」のような流動食であれば、まだ喜んで食べてくれます(そこで、自作することにしました)

なぜ、わざわざ自作しているかと言うと、「買うと高い!」からです
自分で材料を購入し、手作りで作ると、とても安く作ることができます

このページでは、備忘録がてら、自作ちゅ~る(ペット用流動食)の作り方を紹介します

この流動食のコンセプトは、香りが良く食欲が湧く、食いつきが良い、食べておいしい、喜んで食べる、栄養価が高い、というものになっています
あくまでも食の細った老犬のために作りましたので、与えるワンちゃん(猫ちゃん)が太り気味の場合や、カロリー制限中の場合は、砂糖をカットするなど、適宜調整してください

基本的に高タンパク食です。砂糖を加えているのは、食後すみやかに血糖値が上がって、元気も出やすいようにと考えてのことです

また、レシピの作成においては、シリンジで口内に直接流し込みやすいよう、粘度を抑えています
犬・猫が元気であって、食事皿から直接食べたり、舐め取ったりできる場合は、加える水の量を300~200mlにして、粘度を上げて濃い目に作ったほうが良いかと思います

一応、犬用として作りましたが、猫用としても、問題なく喜んで食べると思います
さらに言うと、人間が食べてもおいしいです(安心して食べられます)

自作「ちゅ~る」の材料・レシピ

材料(何食分になるかは、犬・猫の体重によりさまざまです)

 鶏ささみ  300~350g
 ツナ缶   210g(70g x 3缶)
 卵     2個
 鰹節粉   大さじ 2
 砂糖    大さじ 3
 黒砂糖   大さじ 1
 水     200~400cc

できあがり分量
薄め  水400mlの場合:約1000ml ちゅ~る約85本分
中間  水300mlの場合:約 900ml ちゅ~る約75本分
濃いめ 水200mlの場合:約 800ml ちゅ~る約67本分

(「CIAOちゅ~る」は1本12gです)

自作「ちゅ~る」の作り方

鶏ささみは、白い筋を取って、適当な大きさに切り、中くらいの鍋に入れるる その他の材料を、すべて鍋に投入する
中弱火で、ゆっくり火を入れる

あらかた火が入ったら、ハンドブレンダーを使い、ペースト状にしたらできあがり
ブレンダーがない場合は、ミキサー、もしくはフードプロセッサーでも問題ないでしょう
(ハンドブレンダーは、鍋の中に直接突っ込んですりつぶすことができるので楽です)


効率良い調のためのアレコレ

ささみの筋(筋膜)を取っておく
ささみには根本の中央付近に白い筋(筋膜)があります。この部分は硬めなのであらかじめ外しておきます
(ペースト状になりにくく、シリンジの穴に詰まりやすいためです)
元気な犬猫にお皿で与える場合は、わざわざ外す必要はありませんので、混ぜ込んでしまっても問題ありません

先に筋の周囲から肉をおおまかに切り取って外し、包丁の背で筋をこそぐようにすると、きれいに取れます

肉は小さめに切っておく
後で、ブレンダーでペースト状にしてしまうので、ブレンダー的にOKならどんな大きさでも良いです
だたあまり大きすぎると、回転刃にかかりにくいため時間がかかります。2~3センチ角以下の小さめに切るのが一つの目安です

完成時の粘度調整
加える水の量を400mlにすると、ほぼスープ状になります(冒頭の画像参照)
ブレンダーにかけていても、撹拌と同時に液体がブレンダーの刃に吸い込まれるような流動感がでます

シリンジなどの口が細いもので与える場合は、先端で詰まらないよう、水を多めにしてしっかりブレンダーにかけ、粒状感をなくしてあげて下さい
実際にシリンジで吸い込みテストを行い、吸い込みと吐出が、問題なく可能かどうかテストしてみると良いでしょう

胸肉ではダメなのか?
皮さえ取ってしまえば、胸肉でも同様の調理は可能です。ただ、加熱後の肉のばらけ具合が今一つで、ブレンダーでかき回しても粒状に残りやすい感じです。単純比較すると、ささみの方がペースト状になりやすく、シリンジ先端に詰まりにくい印象です

胸肉の方は弾力とある程度の硬さがありますが、ささみは肉の繊維が細く、柔らかくて繊細な感じです
この肉感の違いが、調理後の態様の差異を招いているようです
(ペースト状になりやすいかどうかは、あくまでも相対的な比較です。事前に包丁でよく叩いてから肉を投入し、丁寧にブレンダーにかければどちらもペースト状になります
また、目の細かいザルで裏ごしする工程を挟めば、粒状に残った部位を除去したり、再加工することも可能です

ちゅ~る・自作

画像は水の量を200mlに減らして作った状態ですが、粘度が高いため粒々感が残る感じになり、いくら撹拌してもなかなか自動流動しません。
ただ、元気なワンちゃんや猫さんに与える場合は、食感が楽しめてこちらの方が良いでしょう(あまり水っぽいと食べる際に跳ねてしまい、周囲を汚すというのもあります)

調理完成後の保管・保存

ちゅ~る・自作

大型犬や、多頭飼育などで、作った分量を短い日数で食べ切ってしまう場合は、冷蔵保管で充分かと思います

小型犬や猫などが一匹(一頭)のみの場合は、すぐ使う分を冷蔵保管、残りを冷凍保存すると良いと思います

冷凍の際は。ジップロック等のフリーザーバック、ジップロックコンテナなどに小分けして保管する
もしくは、製氷皿に流し込んでキューブ状に凍らせた後、フリーザーバックで保管する
 ・・・などが良いでしょう

調理に使用した調理器具、ハンドブレンダーなど

調理には、ペースト状にすりつぶす工程で, 貝印のマルチブレンダー DK-5043を使用しました(下の画像左端の商品)

鍋に直接突っ込んで使えますので、とても楽ちんです。快適にペースト状に仕上げることができました
(大量に作る場合は、3分以上の連続運転をしないようにしましょう。モーターが熱を持ち、製品寿命が短くなることがあります)

貝印
DK-5043
貝印
マルチブレンダーDX
バーミックス
M300 ベーシック

なお現行機種は、上の画像中央のマルチブレンダーDXとなっています

ブレンダーについては、バーミックスが定評のあるところですが、値段が高すぎます。先端のガード部分が削りだしの無垢材になっており、コストがかかっているのはわかりますが、それにしてもとにかく高いのです
その点、貝印のマルチブレンダーは、ガード形状・アタッチメント形状ともにバーミックスと同じですし、お値段お手頃で実に良いです
ちなみに、パナソニックやブラウンなど、他の製品のほとんどはガード部がプレス成型になっています

また、パナソニックは大手であることが逆に災いしてか、誤動作防止用機構の入念さが仇となって、二段階スイッチが使いにくいとも言われます(大手企業は訴えられる事があるので、防衛のため過剰と思えるほどに保護機能を付けている場合が多いです。ただ、家庭に小さなお子さんがおられる場合は、こちらのほうが安心です)

ブレンダーは現行品を新品購入しても良いですが、離乳食用に購入した後、成長と同時に使わなくなって、中古品として出回ることも多いですものです。価格の下がっている「型落ち中古の良品」が見つかるようなら、お得な買い物になるでしょう(わたしもそうやって価格の落ちている型落ち中古品を購入しています)


また、画像に写っているIHコンロは、ドリテックのDI-0214BKで、省スペースのポータブルタイプです
現行製品ではありませんが、後継機種として216BKが発売されています
(中身はほとんど同じで、ディスプレイが数字表示になったくらいです)

鍋は、パール金属の、取っ手のとれる炒め鍋20㎝(深型フライパン)を使っています

ドリテック
DI-214BK
ドリテック
DI-216BK
パール金属
炒め鍋20cm


実際に犬に与えた感想

小型の木製スプーンですくって与えてみましたが、食いつきもよく、本人(本犬)に好評でした
試しにシリンジ(容量:10ml)で与えてもみましたが、吸い込み押し出し、ともに問題なく使用できました

人が実食した感想

ツナの風味が効いていて若干の甘みがあり、なかなかおいしいです
人間が食べてもなんら問題ありません(もともと人用の材料で作っています)

口内の病気や歯の疾患、老齢や病中病後などで流動食が好ましい場合にも、このレシピが流用可能です
人間の場合は、水を200mlにして粒状感を残し、醤油を少し加えると、より一層美味しいと思います

(アレルギー等の問題がなければ離乳食としても使えるのではないかと思います、赤ちゃんに必要な栄養素や禁忌についてきっちり調べたわけではありませんので、明言は避けたいと思います)

また、調理の際はグツグツ煮立たせるのではなく、火入れを柔らかくして弱火で少しずつ暖め、80度くらいで加熱を止めると、旨味成分が増して味が引き立ちます。時々味見しながら、美味しく作ってあげてください

老犬介護用流動食(栄養強化版)の材料・レシピ

材料

 鶏胸肉   2枚(皮を取る)
 ツナ缶   350g(70g x 5缶)
 卵     4個
 納豆    2パック
 魚油(EPA DHA) 8錠(8g)
 タウリン  4錠(2000mg)
 乳酸菌   2錠
 鰹節粉   大さじ 4
 砂糖    大さじ 6
 黒砂糖   大さじ 2
 水     800cc

出来上がり分量は、おおよそ2000mlです
何食分になるかは条件によってさまざまです

食欲がどれだけ残っているか、小型犬か大型犬かなどによって変わってきますが、わたしの犬(体重約10㎏の雑種犬)の場合はこの分量で約1週間程度持ちます
上記分量で作ると、ジップロックコンテナ(820mlの容器)3個にきれいに納まりますので、調理後に冷蔵保管しています

「自作ちゅ~る」との違いについて

納豆(腸内環境の改善と大便状態の向上)
納豆を入れるようになってから、大便の状態が明らかに向上しました
納豆を入れずに作っていたころ(「自作ちゅ~る」のレシピ)では、便の状態が緩く、排便後の処理が大変でした
納豆をレシピに加えるようになってからは、便の硬さが程よくなり、本人も排便の兆しが把握しやすくなったのか、鳴き声で訴えてくるようになり、大便で粗相をすることがほとんどなくなりました(このため、介護側の負担が少なくなりました)

さらに特筆すべきは、便の悪臭がほとんどしないことです
あまりにも悪臭がしないため、便の回収時に匂いを確認してみたのですが、胸元まで近づけたところで、ようやく便らしい匂いを感じ取ることができました

納豆を入れることで、味的には「う~ん、なんだかなぁ」という印象になりますが、それは人間が味見した場合であって、犬的にはおいしく感じているようで、食いつきも良く喜んで食べています

ただ、若い時に納豆を食べた経験のない犬が好んで食べるかどうかは、実際にやってみないと判らないかもしれません
うちの犬は、どちらかというと納豆好きで、元気な時にもあげると喜んで食べていました(どちらかというと購入直後の納豆が好きだったようで、発酵が進んだ納豆は食べませんでした)


乳酸菌
腸内フローラの環境を整え、大便の状態を良くするのは納豆のみでも充分な効果がありますが、乳酸菌を加えることで、より腸内フローラの多様性を確保することができます

納豆が苦手な犬の場合は、納豆を加えずに乳酸菌を倍量にするなどしてレシピを調整すると良いと思います
納豆菌はかなり熱に強い菌ですので鍋に投入して加熱していますが、乳酸菌は納豆菌ほどの熱耐性はありませんので、調理完了後に粗熱が取れてから加えています

タウリン(アミノ酸)
タウリンは、市販の老犬用調整食などにも入っており、有用なアミノ酸です
(猫の場合は、タウリンを自力合成できないため、食餌で与える重要性が増します)

タウリンもアミノ酸の一種ですので、熱で変性しない様に粗熱が取れてから混ぜ込んでいます
以前は、カプセルを手で開けて中の粉だけを入れていましたが、わたしが加えているタウリンのカプセルはデンプン組成のものだと判ったため、すぐ使用する場合を除いてカプセルごと投入しています
冷蔵保存している間にカプセルが水分で溶けるため、コンテナを開けたときにかき混ぜて使用しています
(セルロースカプセルの場合は溶けないので要注意ですが、たいていデンプンカプセルだと思います)

魚油(EPA DHA)
こちらも介護食によく入れられている栄養成分です
たいていゼラチンのカプセルに入っており、1カプセル1gのものがほとんどです

最初はカプセルを切って中の魚オイルのみを投入していましたが、ゼラチンカプセルは調理時の熱で自然溶解するということが判ったため、それ以降はカプセルのまま鍋に投入しています
ゼラチンはタンパク質であり、語弊を恐れずに言ってしまえばコラーゲンの素みたいなものですので、栄養的にも加えた方が良いです

栄養面についての考察

塩分について

一番気になるところは塩分(ナトリウム)です
基本的に犬・猫用のフードは、(人間用と比較すると)塩分があまり入っておらず、塩味が薄めに調整されています
ナトリウム等の塩分は、筋収縮に不可欠な栄養素ですので、全く入っていないのもダメですが、多すぎると腎臓に負担がかかりますので、あまりよろしくありません(特に老犬は腎機能が衰えてくることもありますので、配慮が必要です)

今回の自作チュールでは、ナトリウムの量が問題ないことを確認しましたが、犬齢・猫齢や、腎臓疾患の有無によって、適切なナトリウム量は変化しますので、後述の成分表を参考に、ツナ缶の量を増減するなどして、適宜調整してみて下さい(よりナトリウム量の少ないツナ缶を探すのも、良策だと思います)

塩分の量

まず、自作チュールに含まれている塩分量を計算してみましょう
ツナ缶以外のナトリウム量は無視して良い程度ですので、ツナ缶のみを計算します

実際に使用したツナ缶:「CGCライトツナ(フレーク)まぐろ大豆油漬」(3缶)
 1缶あたりの食塩相当量:0.9g
 0.9g x 3缶 = 2.7g(食塩相当量)

半量だと1.35gになります

犬の一日のナトリウム摂取量は、体重1kgあたり50mg、体重10kgの犬では500mgとなり
これを塩分換算してみると、体重10㎏の犬では1日:1.27gとなります

今回のレシピ分量の半量を、10kgの成犬に1日で与えると、塩分必要量の106%を摂取するかたちになります(老犬のため、実際はそこまで食べることができません)

※ ナトリウム量ではなく、塩分換算量です
※ 他の食材のナトリウム量は微量ですので、計算に入れていません

カロリー計算

各食材のカロリーを積算してみましょう
   603kcal ツナ缶:201kcal x 3缶分
  756kcal ささみ100gあたり:229kcal x 330g分
  152kcal 卵:76kcal x 2個分
  140kcal 砂糖大さじ1:35kcal x (2+2)杯分=
合計1651kcal ・・・となります

半量だと826kcalになります

体重10kgの成犬の必要カロリー量を、730kcalとすると・・・
今回のレシピ分量の半量を、1日で与えると、必要カロリーの113%を摂取できます

タンパク質の量

各食材の含有タンパク質量を積算してみましょう
   38.7g ツナ缶:12.9g x 3缶分
  82.5g ささみ100gあたり:25g x 330g分
  12.4g 卵:6.2g x 2個分
  00.0g 砂糖:0g x (2+2)杯分=
合計133.6g ・・・となります

半量だと66.8gになります

体重10kgの成犬のタンパク質推奨摂取量は24~28gですので、仮に26gとすると
今回のレシピ分量の半量を、1日で与えると、推奨摂取量の257%を取ることになり、かなり高蛋白フードとなります

我が家のケースでは、老犬であるために活動量も落ちており(寝たきりに近い)、実際にはレシピ分量の1/4~1/5程度しか食べることができません
そのため、蛋白質はなんとか必要量を取れているようですが、カロリー不足・塩分控えめとなっています
この足りない分量を、ヤギミルクや森永のドッグメンテナンスミルクで補っている状態です

飼っている犬・猫の年齢や健康状態によって、必要な量も食べる量もさまざまだと思いますが、参考にしてみて下さい

補足 : 糖分について

今回のレシピでは、加糖してカロリーを高くし、犬の嗜好性を高めています(犬は糖分に対する味覚反応が高いためです)
繰り返しになりますが、カロリー制限中の犬に与える場合は、糖分を入れずに作ってあげて下さい(入れなくても充分おいしいです)

※ 砂糖と黒砂糖と、2種類使っているのは、黒砂糖で風味をふんわり仕上げたかったのと、黒砂糖で少しでも多種の栄養素を補えないかと考えたものです(白砂糖一種類で作っても良いと思います)

ストルバイト(尿路結石)の症状がある場合は、カルシウム、マグネシウム、リンなどのミネラル類の摂りすぎはよくありませんので、白砂糖のみで作ったほうが良いと思います

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