「
マルセイバターサンドの中身だけを、思う存分食べる」というのを一度やってみたくて、
さまざまな試行錯誤の末にレシピ化しました
持ち寄りパーティなどに持って行くと、よく「
作り方を教えて!」と言われることもあり、備忘録も兼ねてここに書き留めています
簡単に言うと、レーズンを湯通しして、生クリームとラム酒に漬けるだけです
(テクニックも製菓用の器具も必要ありません。誰にでもできる簡単レシピです)
マルセイ
バターサンド
結果としての出来上がりは、マルセイバターサンドのものとは、少し違っているかもしれませんが、さほど気にすることはありません
どうかすると、
こちらの方がおいしいんじゃないかとも思えるからです。
※ 後日2つを食べ比べてみましたが、確実にこちらの方が美味しいです
嘘だと思ったらやってみて下さい。マルセイの方はカスカスで、バタークリームのような感じに思えるでしょう。
一方の自作レシピの方は、しっとり感があり、生クリームの豊かな感じとラム酒の芳醇な香りが秀逸です
ご注意下さい
ダイエット中の方、体脂肪率を管理している方など、カロリー制限をしている方はくれぐれもお気をつけ下さい
一度食べだすと、意志の力で止めることが困難な、「悪魔の食べ物」です
なお、今回紹介する分量で作った場合、できあがりの総カロリーは、約1300kcalです
(実際は、レーズンを湯通しする際に、若干糖分が抜けますので、計算よりも少なくなっているはずです)
なあに、一度に食べなければいいだけの話ですよ
生クリーム・ラムレーズンのレシピ
生クリーム・ラムレーズンの材料
-
レーズン 150g
-
マイヤーズラム 20cc
-
生クリーム 200g(1パック全部)
材料はたったの3種類、これだけです。
(このデザートは砂糖を使っていません。甘みは葡萄に含まれる自然な糖分のみです。)
ラム酒は、20cc程度で丁度良い塩梅になると思いますが、お好みで量を加減してください
(しっかりラムを効かせたい方は、やや多めに。お子様と食べる際はやや控えめに)
生クリーム・ラムレーズンの作り方
1.レーズンの下処理
レーズンを計量(レーズン同士がくっついている場合は、バラバラにほぐしておく)
鍋にお湯を張り、レーズンを投入する
軽くかき混ぜ、レーズン表面の糖分や油分を落とす
洗い終わったらざるに上げ、湯切りをする
キッチンペーパーを使ってレーズンを優しく揉み、さらに水分を吸い取る

上の画像は、湯通し後のレーズンをキッチンタオルの上に広げ、水分を飛ばしているところです
2.材料を合わせる
清潔な保存容器を用意し、レーズンとラム、生クリームを入れる
軽く混ぜて、容器の蓋をよく締め、保管する
容量サイズは、500ml以上あれば充分ですが、少しサイズに余裕があった方が楽できます(漬け工程時の混ぜる際に、やりやすいです)
当ページの画像では、500mlのラストロウェアが写っていますが、820mlのジップロックコンテナの方が作りやすくておすすめです(ただ、パッキンが付いてないので横倒し厳禁です)
3.漬ける
生クリーム漬けにしたレーズンを冷蔵庫に入れ、冷暗所で保管します
1.6~12時間経過したら、スプーン等でよく混ぜ、
2.おおよそ1日経ったら、さらにもう一度かき混ぜ
3.さらに寝かせて、だいたい2日経ったら完成です

漬けたばかりの状態は、このような感じです
寝かせているうちに、レーズンが水分を吸って膨らんでいきます
生クリーム・ラムレーズンをおいしく作るポイント・コツ
レーズンの湯通しのポイント
雪印
生クリーム
レーズン
250g
レーズンの湯通しを省略してもできないことはありませんが、とても下品な甘さになります
食べた時に必ず後悔しますので、湯通しの工程は省略しないことをおすすめします
また、湯に浸す時間が長すぎるとレーズンが水分を吸ってしまいます。湯洗いは短時間(60秒以内)にして、手際よく水を切りましょう
湯通しした後で、色が白濁し、水分が浸みこんでグズグズした感触になったレーズンが見つかることがあります
レーズンに割れや痛みのあることが原因ですので、見つけたら取り除きましょう(このような割れたレーズンは、まったく膨らみません)
おいしさの秘密は・・・
● 生クリームに含まれている乳清の旨味を、レーズンに染み込ませて水々しくさせる
● 生クリームの乳脂肪分を凝縮させ、半生バターのような状態にさせる
・・・の2点です(このレシピのキモです)
ですので・・・
● 湯洗いは短時間、水切りはすばやくして、レーズンになるだけ水分を吸い込ませない
● レーズンに付着した水分はよく拭き取る、広げて水分を飛ばす(乾燥させる)
・・・の2点は、必ず守って作るようにして下さい
漬けこみ中、かき混ぜのポイント
マイヤーズ
ラム酒
700ml
漬けこみ中の「かき混ぜ」についてですが、レーズンの表面を傷つけないよう、やさしく混ぜてあげてください(レーズンの表面に傷ができると、充分に膨らみません)
2回目は、忘れてしまっても影響は少ないですが、1回目の「かき混ぜ」は重要です
一度も混ぜずに寝かせておくと、レーズンが充分に水分を吸い込めなくなるため、きちんと仕上がりません
レーズンは生クリームの水分を吸って膨らんでいくのですが、吸い込めるのは周囲の水分のみです
そのため、混ぜずに放置しておくと、上層の生クリームは液状のまま残ってしまい、底に沈んだレーズンは、膨らみかけの状態のままで塊状になって固着します
混ぜる目的は、この二層に分離した状態を、混ぜることによって均質化させ、レーズンの周囲に液状の生クリームをまとわせるためです
マイヤーズ
ラム酒
200ml
できあがりの状態は、このような感じです
レーズンは、生クリームの水分を吸収してふっくらと瑞々しくなり
生クリームは濃厚に凝縮され、バターに似た感じとなり、色もベージュ色に変化します
ラム酒の香りも、ツンと尖っていたところが、柔らかくまろやかになってきます
上手に混ぜれば、1日後には画像のような仕上りになりますが、あくまでも見た目がそうなるだけです(味については、また別なのです)
食べたくなるのを我慢して、最低2日は待ちましょう
(レーズンの風味が生クリームに移り、味が馴染み、奥行きのあるまろやかな感じになります
おすすめの、おいしい食べ方
オリーブウッド
カッティングボード
ヴーヴ・クリコ
● 薄切りにしたバゲットに、こんもりと盛り付けてカナッペに
● クラッカーやリッツに乗せて…
(ナビスコよりも、ルヴァンがおいしいです)
● 直接スプーンでパクパクと…
● ワインやシャンパンに合わせて
マルセイバターサンドのように、クッキーで挟んでも良いかと思いますが、バゲットやクラッカーなど、甘みの無いものを合わせた方が、このレシピには合っていると思います
極薄に切ったバゲットに贅沢に盛って、口に放り込み、最後はワインかシャンパンで流し込むのが一番です
見た目を素敵に演出したい場合は、
オリーブウッドのカッティングボードの上にきれいに並べてサーブすると良いでしょう
モエ・エ・シャンドン、もしくは
ヴーヴ・クリコなど、素敵なシャンパンと供に提供すれば、もう言う事がありません
わたしはそれほど見た目にこだわっていないので、よくシートまな板の上に乗せて出していますが、これだとどうしても見栄えがいまひとつです
いつかオリーブ製のおしゃれなカッティングボードを買ってやろうと、そう考えています
バゲット(フランスパン)に載せて食べる際は、パンをなるだけ薄く切りましょう!
キッチンナイフのページ
ビクトリノックス スイスクラシック ペティーナイフ
上の画像に写っている、
細身のペティナイフを使用した感想をまとめてみました(キッチンで役に立つ使い方や、
切れ味テストなど)
よろしければご覧ください
低価格のキッチンナイフですが、きちんと研げば、フランスパンを薄切りにすることも難しいことではありません
さらにひと手間かけて、おいしさをアップさせる
フルール ド セル
オレンジピール
カナッペにする場合は、パンやクラッカーに
バターを薄く塗ってから盛り付けると、よりコクが出ます
また、
少量の塩を振りかけるのもいいでしょう。甘さがより引き立って、乙な感じになります
こういう場合の塩使いは、結晶の大きさがポイントです
さらさらした精製塩を使うと、ただしょっぱくなるだけですので、舌の上でゆっくり溶けるような、結晶が大きめの塩を使いましょう
少量でもしっかりと存在感が感じられ、アクセントとしてよく働き、甘みを引き立てます
フルール・ド・セル(塩の花)を使えとまでは申しませんが、「
ちょっといい塩」を使うと良いのです
おしゃれに仕上げたい場合は、細かく刻んだ
オレンジピールやピスタチオ、スライスアーモンドなどを天に盛ると、見た目も華やかになり、素晴らしいデザートになると思います
食べるときはこっそりと、作るときも気を付けて
ジップロック
コンテナ
820ml
タニタ
キッチンスケール
食べるときは、できるだけこっそりと食べましょう。
美味しいデザートは人を幸せにしますが、周囲に配慮せずに食べると、「
なんで一人だけ、おいしいもの食べてるのよ」と、いらぬ怨恨を買ってしまいます。
作っている時も同様に注意が必要です。家族や兄弟、同居人に見つかった場合は、「
これは、ぬか床です」と真顔で言ってごまかしましょう。
(漬けこみ期間中は、容器に「ぬか床・触るな」と書いたシールを貼っておくと、うまくやり過ごせます)
中身はおいしいデザートだと知られてしまうと、後々やっかいです。厳重に隠しておかないと、レーズンがぷるぷるに仕上がる前に全量食べられてしまうことすらあるのです
たとえ家族の間柄でも、「
あたしのプリン食ったの誰?」という怒号とともに、戦争が勃発することはよくあります。
このデザートには、そういった火種になりかねない美味しさが含まれています。
(その危険度はプリンの比ではないことは確かです。まさに「食べるバルカン半島」と言っても過言ではありません)
「自分で食べる用」ではなく、「人にプレゼントするために作る」、「子供のために作る」といった場合も同様に、できあがるまでは秘密にしておいた方が賢明です。
漬かり具合を確かめるべく味見をしているうちに、量が大幅に少なくなってしまうことがあったりするのです(実話です)
万一そうなった場合は、思い切って全量食べて、すみやかに証拠を隠滅しましょう。
最初から無かったことにすればよいのです。完全犯罪成立です。
(出来上がるまで秘密にしておけば、何の問題もありません)
なあに、最初からもう一度作ればよいだけです。
「
さっきのは練習、これから作るのが本番…」と、爽やかに自分に言い聞かせれば、罪悪感も生まれません。
なにはともあれ、作る際はくれぐれもお気をつけて。
ちなみに、
プリンの作り方はこちらです
補足
ここでは、「デザート」という位置づけで紹介していますが、「生クリームラムレーズン」は、「ワインのおつまみ」としても、素晴らしいものがあります(高級ウイスキーあたりも、良く合うと思います)
ブリー・ド・モー(もしくは、フォロマジェ・ダフィノア)などの白カビチーズと、この「生クリームラムレーズン」、あとは付け合わせのバゲットがあれば、ワインがひと際美味しくいただけるというものです
最初はチーズで合わせておき、次第に酔いが回ってきて、身体が糖分を欲しがるようになった頃に頂くと、「締めのデザート効果」で極上の美味しさが味わえます(より一層、おいしくいただけます)
補足2
生クリームが余ってしまった時の『使い切りレシピ』としても使えます。
さまざまな料理を作っていると、生クリームが微妙に余ってしまうことはよくあるもの。
そういう場合、コーヒーに入れて徐々に減らしていく人が多いと思いますが、このレシピだと、残った生クリームを、一度にきれいに使い切れます。
使う生クリームの分量に合わせ、レーズンの量を適宜減らしてあげれば良いだけです!
基本割合は、生クリーム200gに対してレーズン150gですので、レーズンを重量比で3/4入れれば良いわけです。
全量の場合は…
200g x 0.75 = 150g ですので…
生クリームを50g使って、150g残っている場合は…
150g x 0.75 = 113g(レーズン量)
半量残っている場合は…
100g x 0.75 = 75g(レーズン量)
…となります。
ラム酒の分量は、生クリーム200gに対して20ccですので、1/10cc量を加えれば良いだけです。
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