スノーピーク・ギガパワーデルタポッド(CB)
スノーピーク・ギガパワーデルタポッド(CB)について
わたしがつかっているのは「CB」タイプで、カセットボンベ(CB)が使えるタイプです
(上の画像・右側の製品)
登山用ガスボンベ(OD缶)対応の製品もあり、そちらは製品名に「CB」が付いていません
(上の画像・左側の製品)
このページでは、スノーピーク・ギガパワーデルタポッドの分解・修理(オーバーホール)の仕方について説明します
スノーピーク・ギガパワーデルタポッドの分解・修理
以下に分解手順を示しますが、本来このような修理作業は、推奨できるものではありません
(製造メーカーに依頼するか、買い直すかどちらかにすべきです)
また、どうしてもDIYで修理したい場合は、自己責任において作業してください
作業としての難易度は、それほど高くありませんが、
DIYスキルと安全管理能力は、人によって大きく差があるものです
ちなみに、
わたしはDIYスキルは、このくらいです。
こちらも参考になるかな?
状態確認
オーバーホール前の状態です
圧電素子のボタンが溶融し、押し込めなくなっています
こうなった原因は、焼き肉の油です
上に焼き網を載せて「豚バラ」を焼いた際、網の上で引火した油が下に落ち、ストーブの下まで炎が回ってしまったからです
幸い燃焼に関する部分には影響は出ませんでしたが、圧電素子が部分的に溶着し、作動しなくなってしまいました
…というわけで、今回の修理の目的は「圧電素子の交換」ですが、長期滞在型キャンプをしたときは、「日々の生活のため、3度の飯の度に使っていた」というくらい酷使しましたので、ついでに全体を分解・清掃し、ガス経路も様子を見てオーバーホールをしてみようかと思います
スノーピーク・ギガパワーデルタポッドの分解・修理
圧電素子の交換・脱着
プラグコードを抜く
プラグコード(導電ケーブル)を抜いて外します
プラグコードはスパークプラグの底部の針に刺さっているだけです。そのため引っ張るだけで外れます
言い換えると、このケーブルは強固に固定されているわけではありません
誤ってケーブルを何かに引っ掛けたりしてプラグから外れてしまうと、火花が飛ばなくなります(気をつけましょう)
火花が飛ばないようであれば、後述のようにスパークプラグを本体から外し、プラグとケーブルの接続を確実にしてから火花テストを実施してみましょう
プラグを本体から外さない状態で、ケーブルをプラグ側に押し上げるだけでは、碍子の縁が邪魔してなかなか針に刺さりません
一旦プラグを外すことで、確実なトラブルシューティングが可能です
圧電素子の取り外し
圧電素子は、ステーに付いている2本の爪状の部材で固定されています
小型のドライバーなどで、爪の部分をこじって開き、圧電素子の固定を緩めます
圧電素子ホルダーには「ケーブル通し穴」がありますので、プラグコード(導電ケーブル)をこの穴から抜いて、圧電素子を取り外します
※ ステーから圧電素子を取り外しにくい場合は、後述のようにステー自体を本体から取り外すと、作業がやりやすくなります
スパークプラグの取り外し
1.5ミリの六角レンチを使用し、スパークプラグの碍子(火花を飛ばす箇所の絶縁材)の固定ボルトを外します
使われているのは、かなり小型のイモネジ(六角穴付止めねじ)です
こういう箇所に「イモネジ」を使って面一(ツライチ)に仕上げるあたりが、実にsnow peakらしいです
圧電素子固定ステーの取り外し
圧電素子ステーのジョイント部の「E型のスナップリング」を外します
(画像は外した状態です)
ある程度大きなスナップリングは、専用のスナップリングプライヤーを使ったほうが賢明ですが、こういった小型のEリングであれば、ラジオペンチの先端を使い、押し出すように挟んでやれば外れてくれます
ただ、外れた瞬間に飛んでいきやすいので、紛失しないよう要注意です
取り外した圧電素子ステーと、ジョイントピン、ピンを固定するE型スナップリング …です
わざわざ圧電素子ステーを外さなくても、圧電素子の取り外しは可能です
ただ、ステーを外した状態の方が「固定爪」を緩めたりする作業はしやすくなります
着火装置の取り外しが完了
着火装置の取り外しが完了しました
ネジやボルトの細かいパーツは、そのへんに置いておくと紛失の可能性が高まります
必ず「パーツトレイ」に入れて保管しましょう
(マグネットの付いた専用のパーツトレイも市販されており、持ってもいるのですが、ここで使っているのは「プリンのカップ」です)
取り外したパーツを並べてみました(ステー以外)
-
スパークプラグ
-
プラグホルダー
-
プラグ固定用イモネジ
-
圧電素子
プラグホルダーは金属製で、火花を受ける役割も果たしています
プラグホルダーは、テンションで嵌まっているだけですので、ホルダー側をぐっと押し下げるとプラグから外れます
(はずれない場合は、ドライバーの先端で溝を押し広げ、テンションを弱めてやりましょう。あまりやりすぎるとゆるゆるになって嵌める時に困ります。気をつけましょう)
着火装置の重量を測ってみると、実測15gでした
着火装置が必要ない場合は、これらを取り外すことで15g軽量化できるというわけです
スパークテスト(火花テスト)について
取り外した状態のスパークプラグとプラグコード(圧電素子)を接続し、導電性の有るものにプラグの針を近づけ、ボタンを押下するとスパークテストが可能です
この状態でしっかりと火花が飛ぶようであれば、「圧電素子+スパークプラグ」のスパークテストは合格です
これらをストーブ本体に取り付けた状態で火花が飛ばないようであれば、「プラグとプラグコードの接続不良」や「火花ギャップの間隔不適正」などの原因が考えられます
圧電素子の比較
上側が、今回用意した圧電素子です(購入先は下記リンク参照)
下側が、溶着して壊れた古い圧電素子です
この新しい圧電素子、純正パーツよりもわずかながら寸法が太いです(ケーブルも太い)
取り付け時に加工の必要が有るのは判っていましたが、こちらの方がPanasonic製で価格も安かったというのもあり、敢えてこちらを選択しました
全く同じ寸法と思われる製品もあり、そちらの方は「ポン付け」できると思います
この「太いやつ」をステーに押し込んで固定するのは、それなりに苦労しますので、特にこだわりがなければ、純正と同形状の圧電素子の方が無難でおすすめです
圧電素子をステー(ホルダー)に取り付ける
ステーには位置決め用の「ポッチ」があるのですが、これが邪魔をして素子がぴったり収まりません
仕方がないのでヤスリで削り取りました
(純正と同サイズの素子を使う場合は、この作業は必要ありません)
純正に比べてケーブルが太く、そのままではステーの「ケーブル通し穴」に入らないため、穴を棒ヤスリで広げました
圧電素子のボディも、強度を損なわない程度に削っています
ここまでやって、ようやくステーにぴったり収まるようになりました
本体ボディに取り付け、スパークテスト
ケーブルを適当な長さにカットします
(ケーブル外径が太くて入らないため、先端部分のみ外皮を削って細くしています)
プラグへの接続は、プラグ側の針に押し込むだけですが、実際の接続は、ガスストーブ本体の「穴」にケーブルを通してから行います
(説明を割愛していますが、脚やガス経路も外しています)
この状態で本体に装着してみました
この状態で一旦「スパークテスト」を行い、無事に火花が飛ぶことを確認しました
うまくいきそうです
装着手順についてですが…
ステーを(画像のような)外側に開いた状態ではなく、直線的に伸ばした状態にして、ケーブルをホルダー内部に送り込む
すると、ケーブル先端(断面)が、ホルダー上部から露出する
露出したケーブル断面の中央に、プラグ底部の針を押し込み、ケーブルとプラグを接続する
プラグをホルダーに挿入し、イモネジで固定する
…となります
ちなみに、プラグとコードを先に接続してしまうと、本体の穴を通らないので装着できません
また、プラグを本体に取り付けた状態で、ケーブルを差し込むのも意外に難しいです(碍子の縁に当たって入らないことが多い)
コードを本体の穴に通し、プラグと接続した後に、プラグを穴に入れて固定するのがベストなやり方だと思います
言葉の説明では分かりづらいと思いますが、実際にやってみるとわかると思います
まだ清掃が完了していないパーツもありますが、ひとまず脚やガス経路を取り付け、暫定的に使用できるようにしました
(並行して各部の清掃、ガス経路のクリーニング等の作業を行っています)
ガスボンベを装着し、実際に着火・燃焼させてみて、正常な作動を確認しました
他の画像
全体を分解した状態です
ジェネレーターの固定ボルトが熱で固着したため、外す際にねじ切れてしまいました
ドリルで揉んで、タップでネジ穴を立て直して対処する予定です
「各部の清掃」や、「ガス経路のクリーニング」については、現在編集中です
脚を磨いて積年の汚れを落としているところ
ガス経路に「こより」を突っ込んで、内部の汚れを確認しているところ
ジェットノズルの取り外し
手の力では無理だったので、バイスプライヤー(ロッキングプライヤー)を使っています
ジェットを取り外し、内部の状態を確認
黒いスラッジが確認できます
ジェット内部に収められていた、スチールウール状の極細金属メッシュ
推測ですが、ガスを安定して満遍なく気化させるためのものと思われます
パーツクリーナーでスラッジやガム状になった残留物を溶かして落とします
キャブレタークリーナーがあればベストですが、手持ちのパーツクリーナーで代用しました
火口はねじ込み式なので、回すだけで外れます
ガスケットはボロボロになっていましたので、新しいものを切り出して作る予定です
取り付けネジが一本短いのは、途中でねじ切れたからです
これもなんとかせねばなりません
( 現在対処中です )