「タイムドメイン・ミニ」 の吸音材を再調整
前回は、
「タイムドメイン・ミニ」 専用、吊り下げ式スピーカースタンド
でした。
今回は、吸音材の再調整です。
実際は、「天井吊り」 の前に実施したのですが、アップするのを忘れていたので、遅ればせながらのコンテンツ追加です。
吸音材については、
ティッシュ製のテトラパックで 「これで良し」 としたのですが、スピーカーユニットを、「タイムドメイン・ミニ」 純正から、AURA SOUNDのWHISPERに変更してからは、少し事情が異なってきました。
音量が小さな状態ではとても良いのですが、
音量を上げると音が暴れる感じがして、今ひとつの状態になっていました。
パイプオルガンやチベタンボウル(共鳴で音を出すお椀状の楽器)など、正弦波に近い波形の音は、さほど問題なく(むしろ音量が上がった感じで)鳴るのですが、打音が入った音楽になると、とたんに音が暴れだします。
振動板に対するダンピングが適正でなく、少々弱い感じです。
スピーカーユニットを交換することで、実質的なQ0値が変わってしまい、それまでの吸音材では、空気を通じて振動板に付与するダンピング力が不足してしまったのでしょう。
吸音材の素材を変更することで、振動板に対する制動力を高め、この状況に対処したいと思います。
(画像は、「タイムドメイン・ミニ」 の純正吸音材です)
クラフト紙で吸音材を作る
クラフト紙をテトラパックにし、吸音材として入れてみました。
音が暴れなくなったのは良いのですが、「ティッシュペーパー製」 と比較すると、いくぶん制動が強いような感じがします。
それまでの
「トランジェントの良好な再生音」 が、いくぶん普通の音っぽくなってしまい、どちらかというと
「ありふれた音」 に近づいてしまいました。
和紙で吸音材を作る
今度は 「和紙」 です。
クラフト紙よりは、制動力が弱いようです。
最終的に…
最終的に、
和紙製を4つと、ティッシュ製を4つ入れた状態で落ち着きました。
ある程度の音量でも音が暴れにくく、なおかつトランジェントも悪くない …という、わたしなりの妥協ポイントです。
改めて、吸音材は奥が深いと感じました。
【 小音量再生とトランジェント 】
WHISPERとティッシュ製のテトラパックの組み合わせは、音量を大きくすると音が暴れましたが、逆に、小さな音量で再生した時には、(小音量であるにも関わらず)リニアリティのある再現ができていました。
この場合、使用用途を
「深夜などに小音量で聞く用途」 に限定するというのであれば、あえてティッシュ製のテトラパックを使った方が、魅力的な再生音を得られると思います。
振動板に対する制動力が弱まり、
小音量でもトランジェント(過度特性)の良好な再生を楽しむことができます。
【 吸音材と制動力 】
これまで、さまざまな素材の紙製テトラパックを、「吸音材」 として使用し、音の違いを確かめてきました。
いろいろとやってみた結果わかったのですが、グラスウールにしろテトラパックにしろ、「吸音材」というよりも、
「(間接的な)振動板のダンピング調整材」 だと思って扱ったほうが、現状に即しているようです。
いずれにしろ、使いすぎるとダンピングが効き過ぎて、ろくな音になりません。
必要にして最小限のダンピングに抑えるように調整することが、スピーカーユニットの能力を最大限に引き出す 「コツ」 のようです。
「テトラパック」 がそれなりに効果的なのは、ダンピング力が弱めにもかかわらず、キャビネット内の定在波を拡散させる能力が高いからではないかと思います。
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