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まな板が反る原因と、直し方


プラスチック(樹脂)のまな板が反ってしまう原因と、曲がったまな板の直し方について、まな板を製造しているメーカーに伺って、正確な情報を教えてもらいました

まな板が反ったり、曲がったりする原因

まな板

まな板が反ってしまう原因は、大きく分けて2種類で、『熱』と『置き方』です
置き方が悪い状態で熱を加えてしまうと、2つの原因が重なって簡単に反ってしまいます。気を付けましょう!

熱で、まな板が反る (原因1)

一般的に販売されている白いプラスチック製のまな板は、ポリエチレン製であることが多く、樹脂のために熱可塑性という特性を持ちます
これは、熱を加えると柔らかくなり、冷えると固くなるというものです

このため、立てかけて置いた状態で熱を加えると、柔らかくなり、自分の重みで徐々に曲がっていきます。この状態のまま冷えると、曲がった状態のまま固まることになり、結果としてまな板が反ることになります

家庭でよくあるケースとしては、食洗機のラックに斜めに立てかけて入れ、温水洗浄するケースが該当します

※ 補足
耐熱温度が高いことが、良いまな板とが限りません
下にも書いていますが、個人的には刃当たりの柔らかさや使い心地を重視しているため、意図的に柔らかいまな板を使っています

左上の画像「トンボ 超軽量抗菌まな板」は、耐熱温度が70度で食洗器非対応となっています
和光フレイズのまな板も、耐熱温度70度の製品は、食洗器非対応の表示になっていました

一方で食洗器対応型のまな板は、耐熱温度が90度~110度であることが多く、パール金属製は90度、トンボ製は100度(もしくは110度)となっていました

食洗器に使われる温水は、60~80度の設定が多いですので、このあたりは妥当といえるでしょう

置き方で、まな板が反る (原因2)

斜めに立てかけて置いておくと、徐々にではあるものの、自重で曲がっていきます
熱を加えたときほど顕著ではありませんが、常温の状態でも、時間をかけることで反っていきます

※エラストマー製のまな板は、樹脂とゴムの特性を併せ持ちますが、エラストマーも熱可塑性も持っていますので、反りに関しては、ポリエチレン製のまな板と同様に考えて良いでしょう

短時間の加熱なら大丈夫なのか?

熱によるまな板の変形は、局所加熱よりも長時間加熱のほうが、影響が甚大です

金属板を例に取ると、片面のみに熱を加えた場合、熱を加えた面が膨張して伸びるため、極めて短時間で反りが生じる場合があります

一方、まな板に使われている樹脂は、熱膨張性は高くないため、このような局所加熱で反ることは実質的にほぼありません
むしろ、まな板全体が暖まることによって全体的な強度が低下してしまい、形状を維持できなくなって結果的に曲がることがほとんどです

そのため、殺菌目的でまな板表面にお湯をかける場合は、(耐熱温度を上回る温度であったとしても)短時間であれば、反る可能性は低いです。平らに置いてお湯をかければ、まず反りません
まな板全体に熱が回らなければ、冷えている部分が硬度を維持してくれるため、形状を維持できるのです

プラスチック製まな板の耐熱温度とは

樹脂製まな板の耐熱温度とは、「それ以上だと、軟化して強度を保てなくなってしまう温度」のことです
要は、「まな板が柔らかくなる温度」なのです

そのため、耐熱温度を少々超えたからといって、まな板の樹脂素材が変質してしまうとか、いきなり溶けだすとか、そういうことはありません(メーカーさんが断言しておられました。安心してお使いください)

また、まな板の硬さと耐熱温度は相関関係にあり、耐熱温度の高いまな板は硬く、耐熱温度の低いまな板は、柔らかい傾向にあります(同一メーカーで、厚みも同一の場合)

※ 補足
耐熱温度の設定値については、まな板製造メーカーによってまちまちであり、業界で統一して定められた基準があるわけではないので、耐熱温度の高低をまな板の硬度だと捉えて一律に比較することはできません(参考値として使えるだけです)

まな板は、耐熱温度よりも使い心地を優先したい

アサヒ
クッキンカット

左の画像の「アサヒ クッキンカット」は、耐熱温度の高さよりも、刃当たりの柔らかさと使い心地を優先させたまな板です
※ 「食洗機の使用は避けてください。変形する場合があります」との表示有り

わたしも家で実際に使っていますが、包丁を通して手首に返ってくる感触が柔らかく、木のまな板のような優しい使い心地があります
ページ冒頭の画像に写っているまな板がそれです。木材に似た色や質感です

耐熱温度の高いまな板は、食洗器対応というメリットがありますが、硬すぎるというデメリットもあるのです
包丁を使っていると、「トントン」ではなく「カンカン」という高い音がして、手に返ってくる反動がきついのです

耐熱温度よりも使い心地を優先したい場合は、クッキンカットのような柔らかめのまな板を使うと良いでしょう(エラストマー、もしくはゴムまな板と表示されていることが多いです)

刃当たりが柔らかい分だけ、包丁の切れ味が長持ちし、研ぐ回数が減る分だけ包丁も長持ちします
切っている時の感触が気持ち良いので、お料理が楽しくなるプレミアムな「まな板」です

反ったまな板を平らにする方法

ここまでは、まな板が曲がる原因を明らかにしてきました
次は、反ってしまったまな板を、元に戻す方法です

  1. 熱湯に浸けるなどして、まな板全体をよく温める
  2. 充分に暖まったまな板を、平らな場所に置いて荷重をかける(やけどに注意)
  3. そのまま常温になるまで放置する

京セラ
シートまな板

これは、まな板の熱可塑性を逆手に取った方法です
ある程度の量の熱湯が必要ですので、火傷に気をつけて行ってください

耐熱温度が70度のまな板であれば、80度程度まで温めてあげれば効果的です
逆に、耐熱温度が100度以上のまな板が曲がってしまった場合は、お湯では可塑性が生じる温度まで上げられないため、家庭で修正することは難しいと思ってよいでしょう

なお、この作業を流し(シンク)で行う場合には、排管のプラ素材を痛めないよう気をつけて行ってください
シンクの配管部分等に使用されている塩化ビニールは62~72℃で軟化してしまうため、大量の熱湯がそのまま排管に流れ出ないようにするなどの配慮が必要です(だからと言ってすぐに溶けたりはしませんので、過剰に心配する必要はありません)

まな板の反り具合や厚みによって、必要なお湯の量も様々だと思います。また、冬季などで室温が低い場合などは、まな板の温度が充分に上がらず、反りが戻りにくい場合もありえます。その時その時の状況によって、適切に判断して作業しましょう


まな板を反らさずに使う、正しい使い方のまとめ

  • 収納時は垂直に立てる、もしくは平らな場所に置く
  • 斜めに立てかけたり、シンクに渡し置きしたままで放置しない
  • 熱湯消毒する場合は平らな場所で行う、冷えて硬度がでるまで、そのまま放置する
  • 食洗機のラックに立てかけて温水洗浄すると、耐熱温度が高い製品でも反りが出やすい
  • 食洗機にかける場合は、食洗器対応のまな板使うか、平らに置いた状態で洗浄する
  • 耐熱温度が高めのまな板は、反りを直すときにも高い温度が必要なので、修正も大変
これらの情報は、複数のまな板製造メーカーに伺って、いろいろと教えていただいた内容をもとにしております(メーカーの皆様、ありがとうございます)

これまで、まな板の耐熱温度は高い方が良いのだろうと考えていましたが、耐熱温度はやや低めのほうが、まな板としては柔らかく、包丁の刃当たりや刃持ちも良いため、結果として使い心地が良いということもわかりました

柔らかい分だけ、反りやすくもなりますが、「プラスチックのまな板は、熱や自重で曲がる性質がある」ということを理解して正しく使用すれば、全く問題ありません

逆に、耐熱温度が高めのまな板でも、誤った使い方をすると、簡単に反りや曲がりが出てしまいます。正しく使って平らな状態を保ちましょう

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