目次
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ダマスカス包丁とは?
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ダマスカス包丁はおすすめか?
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ダマスカス包丁のデメリット
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ダマスカス包丁のメリット
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詳細解説ページ一覧
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包丁販売店の『方便』に気をつけよう
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包丁まとめサイトも、無責任
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包丁マニアのおすすめ包丁とは?
「ダマスカス包丁の真実」電子書籍化のお知らせ
これまでたくさんの方にお読みいただいてきた「ダマスカス包丁について」ですが、改めて加筆修正を行い、「
ダマスカス包丁の真実」として
電子書籍化いたしました。
有料版のリリースにともない、無料ネット版の方を一部非公開としています。
(ご理解のほど、何卒よろしくお願いいたします)
全文を読む場合は、こちらの
ダマスカス包丁の真実 にてお楽しみください。
(Kindle Unlimitedなら無料で読み放題です。未加入の方でも無料体験期間が使えます)
電子書籍版だけで読める内容
ダマスカス包丁の中でも、特に避けた方がよい例
「
こんなダマスカス包丁は、特に避けた方が良い」という、
見分け方の4つのポイントを、理由を添え、具体例も挙げて解説しています。
(どの包丁を買うべきか、検討中の方は必読です)
おすすめのダマスカス包丁
個人的にダマスカス包丁はおすすめしませんが、「これなら良いのでは?」と思えるものを挙げています。
ダマスカス包丁は、なぜVG10ばかりなのか?
ダマスカス包丁の芯材(切刃鋼材)は、
判で押したようにVG10(V金10号)が使用されています。
包丁メーカーが違っていても、芯材だけはなぜかVG10なのです。
なぜそうせざるを得ないのか、裏事情を解説します。
研ぎ傷の秘密、研ぎ傷が入る理由
小刃だけが砥石に当たるよう、正確に角度を決めて研いでいても、包丁の側面に傷が入ることがあります。
砥石に当てていないのになぜ研ぎ傷が付いてしまうのか、科学的に解説します。
(以上で「電子書籍化のお知らせ」を終わり、本文に戻ります)
ダマスカス包丁とは、何なのか?
ダマスカス包丁とは、ブレード外観を、古代の"ダマスカス鋼"に似せて作った包丁を指します
ブレード側面に独特の模様を出すために、中心に刃物鋼を挟んだ多積層鋼材で作っています
言い方を変えると、「三枚合わせ」の側面材に、多積層鋼を配した包丁ということもできます。分類上はクラッド鋼(異種金属接合鋼)です
三枚合わせ包丁と、機能的には変わらない件については、こちらの
ダマスカス包丁のデメリット1-2をご覧ください
本物の"ダマスカス鋼"とは?
そもそも
"ダマスカス鋼"とは何かというと、古代インドで製造されたウーツ鋼の別称です
ウーツ鋼は
シリアのダマスカスに渡り、刀剣等に仕立てられました
この古代都市で作成した刀剣の知名度が高まったため、「
ダマスカス鋼」の呼称が定着しました
"ダマスカス鋼"で作った刀剣は、うねうねした模様が刃面に浮かび上がり、特徴的な外観をしています
(実際の外観はダマスカス鋼(Wikipedia)のページで見ることができます。これらの模様は、鋳造時に鉄に混ざった不純物が、均一に分散せずに結晶化したことに起因すると言われています)
詳しい解説は、こちらの
本来『ダマスカス鋼』とは、何を指すのか?をご覧ください
古代においては最先端技術であった"ダマスカス鋼"ですが、現代の刃物鋼と比較すると、「
不純物混じりで結晶が大きく、炭化物が微細化できていない低品質鋼材」でしかありません
そのため、
本物の"古代ダマスカス鋼"を再現し、包丁に仕立てようというメーカーは皆無です
ですが現状では、多数の包丁メーカーが、"ダマスカス鋼に外観を似せた包丁"を、こぞって販売しています
これらは、
外観を模しただけで、本物とはかけ離れているため、「偽物のダマスカス」と言われても仕方ないのですが、だからといって改めようとするメーカーもありません
なぜかというと、買換需要の掘り起こしに苦戦している「
高級包丁が、いとも簡単に売れる」からです
現代のダマスカス鋼(…と称されている積層鋼材)
このように、現在流通している「
ダマスカス包丁」は、本来の"ダマスカス鋼"を再現したものではなく、外観をダマスカス風に似せて作ったものです
異なる
二種類の鋼材を積層することで、等高線状の模様を生じさせています
積層材だけですと、刃物としての充分な硬度が出せないため、中心に「芯材」となる刃物鋼を挟んでいます
模様を出している多積層鋼は、あくまでも側面を覆っているだけです
ダマスカス包丁は、本当におすすめか?
ダマスカス包丁は人気があり、売れ筋の包丁です
さまざまなサイトで、
「ダマスカスが一番のおすすめ!」などと紹介されており、高級包丁として確固たる位置を確立しています
見た目にもインパクトが有り、いかにも「
切れ味が良さそう」という雰囲気を漂わせています
わたしも一時期、購入を検討しましたが、調べれば調べるほど興味が薄れていき、結局購入を見送りました
今では買わなくて良かったと思います(後悔していたと思うので)
※ 筆者が、
実際に使っている包丁については、こちらをご覧ください
洋包丁9本、和包丁6本、12本の砥石を掲載しています
ダマスカス包丁のデメリット
ダマスカス包丁のデメリット は…
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「装飾用積層材」や「模様出し加工」など、切れ味とは無関係の部分にコストがかかっており、包丁としてはコスパが悪い
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下手に磨くと模様が消えたり薄くなる懸念があり、取り扱いに気を使う
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研ぎ抜いてブレード形状を整えることができない(模様が台無しになるため、小刃付けしかできない)
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模様の出方を優先させると、刃厚が厚くなりがちで、切り抜けの良い刃体形状との両立が難しい
…などが挙げられます
包丁は、使用に伴って刃が減ってくると、刃筋付近の厚みが増してきます
厚みが増して切り抜けが悪くなると、刃先のみを研ぐ「小刃付け」だけでは、良質の切れ味を維持することが難しくなります
「包丁を研ぎ抜く」(研ぎおろす)というのは、このような場合に必要になりますが、研ぎ傷が入ることにより、模様が判らなくなるため、良心的な研ぎ師の方は、ダマスカス包丁の研ぎ依頼を敬遠しがちです
ダマスカス包丁のメリット
一方、
ダマスカス包丁のメリットを挙げるとするならば…
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外観が特徴的で格好良い(個人の好みにもよります)
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利益率の高い高級包丁がバンバン売れる(これは販売側のメリットであり、消費者側にはデメリットにしかなりません)
このように、メリットとデメリットを比較すると、デメリットの方が確実に多く、包丁として決しておすすめできるものではありません
(機能は二の次で、外観を重視したい人は別です)
実際に、「
関孫六ダマスカス」よりも、模様のついていない「
関孫六10000CL」の方が、
コスパで上回っているという実例もあります
個人的な意見を言わせて頂くと、
「ダマスカス包丁を積極的におすすめしている販売サイト」は、最初から信頼しないほうが良いでしょう
単に高い包丁を買わせたいだけであり、包丁に詳しくない人を、言葉巧みに購買誘導しているだけだからです
結論
ダマスカスが人気の包丁だからといっても、必ずしもおすすめできるものではありません
通常の三枚合わせの包丁と機能的にはさほど変わらず、少なくとも、使う人のことを本当に考えた製品とは言えません
ダマスカスの最大の能力は、見た目のインパクトで、消費者の財布の紐を緩める力であり、機能的には普通の包丁と何ら変わることはありません
つまり、あの模様は「装飾」でしかないのです
それでもあえて、ダマスカス包丁を選ぶ場合は、こちらを参考にしてください
数は少ないですが、良心的な造りの製品を挙げてみました。「さすがにこれはちょっと?」と思うような包丁も、こっそり書いています(探してみて下さい)
ダマスカス包丁は、なぜVG10鋼材ばかりなのかについては、左記リンク先をご覧ください
ダマスカス包丁だけでなく、包丁価格の裏事情がよく判ると思います
包丁業界の本音
現代の品質管理できちんと作られた包丁は、数十年程度の耐用年数を持ち得ます
丁寧に扱えばさらに長持ちします(家庭での一般使用の場合です)
昔と違って包丁が長持ちするようになったため、買替需要は激減し、大手以外の包丁メーカーは生き残りに必死になっています
たとえ今の包丁が十分使えたとしても、「包丁を新しく買い替えてもらいたい」というのが、包丁業界の本音なのです
これに関しては自動車でも家電でも、どの業界でも同じですが、包丁は「古くなったから買い換えよう」と思われにくい道具の一つでもあります
ダマスカス包丁は、そういった買い替え需要を引き出すための、包丁業界の苦肉の策の一つなのです
ダマスカス包丁について:詳細解説ページ一覧
- ダマスカス包丁のデメリット 1~2
ダマスカス積層材は、外観を美麗に仕上げるために費用がかかっており、その分のコストが製品価格に上乗せされています。決して高い分だけ切れ味が良いわけではありません
装飾のために費用がかかっており、そのために製品価格が高額になっているのです
また、積層材を薄くしすぎると、せっかくのダマスカス模様が際立ちません。波紋模様の本数が減ってしまうのです。そのため、どうしても厚みのある包丁になりがちです
切り抜けが悪くならないよう、包丁の厚みを適正に納めつつ、なおかつ流麗な模様を出すのは、技術と精度の要求される大変な作業です。このような「普通の包丁には全く必要のない、難作業の加工コスト」も、当然ながら製品価格に上乗せされています
- ダマスカス包丁のデメリット 3
ダマスカス模様は、何年経っても美しく輝いているのでしょうか?
そうだとすれば素晴らしいのですが、それを実現するためには、包丁を使わずに飾っておくしかありません
なにしろ包丁は実用品なのです。使っていれば傷も入ってきます。ダマスカス模様が消えた場合に、再び「模様出し」をしてくれるメーカーもありますが、もちろん有料です
- ダマスカス包丁のデメリット 4
包丁を研がずに使い続ければ、どんな優れた包丁でも「なまくら」になってしまいます
包丁を研ぐと、大なり小なり傷は入るものです。切れ味を取るか、模様を取るか?さあ、どうしましょう?
- ダマスカスナイフの場合、デメリットは顕在化しない
同じダマスカスでも、包丁とナイフはかなり違います。ナイフはコレクション的な要素が高いため、使わずに飾っておいてもさして困らないのです
包丁の場合は、ダマスカスのデメリットが盛大に出てしまいますが、ナイフの場合はさほど問題とはなりません
- ダマスカスのメリットは、製造販売側の甘い汁
このように、ダマスカス包丁は消費者にとってさしたるメリットはなく、高額で見栄えが良いだけの包丁でしかありません
ですが、ダマスカス包丁のメリットを存分に享受している方々もおられます。一体、誰なのでしょう?
それは、製造メーカーと販売業者です。模様を付けるだけで、なかなか買い換えられることのない家庭用包丁が、飛ぶように売れるのですから、こんなおいしい話はありません。結果として、ダマスカスこそが究極至高の包丁であるかのように、褒め称える販売ページが、ネット上に乱立することとなりました
- 本来『ダマスカス鋼』とは、何を指すのか?
現在市販されている「ダマスカス」は、すべて似非(えせ)でしかありません
似て非なるものであり、ありていに言ってしまえば偽物です
それでは、本物のダマスカス鋼とは、どのようなものだったのでしょうか?
- ダマスカス鋼の呼称問題
ダマスカス鋼の偽物が堂々と販売されているのに、消費者庁が規制をかけないのはなぜなのでしょう?
それは、そもそも消費者が偽物だと認識していないことが主要因です。さらに、本物のダマスカスを製造販売する主体が、現代に存在しないからでもあります。「偽物に商標を侵害された」と訴える主体が無ければ、警察も省庁も、自発的に動くことはないのです
だからといって、消費者の誤認を誘発するような名称や説明は、許容されてよいのでしょうか?
- ダマスカス包丁よりコスパが良いのは?
「ダマスカスはコスパが悪い」と書いているページは、ネット上にも散見されますが、「実際に、どれだけコスパが悪いのか比較してみました」というページは、なかなか見当たりません
それでは本当に比べてみようと思い、実際にいろいろ調べてみました
包丁の製品価格と使用鋼材を、じっくり比較検討したところ、ダマスカスの方が商品価格が高額なのに、鋼材は低グレードになっている実例が見つかりました
- ダマスカス包丁を買わなかった理由
わたしが初めてダマスカス包丁を知ったのは、テレビの番組でした
「この包丁が、海外で大人気、すごい切れ味~!」とやっていました
海外で人気があるのは確かですし、砥いだばかりの包丁は、(よほど酷い製品でないかぎり)どれも素晴らしい切れ味が出るものです
ですから、別に嘘でも間違いでもないのですが、今から思えば、「切れ味は目では見えないのに、恣意的な演出で、いかにもテレビ的だな~」…と思います
結局わたしは、いろいろ調べて、鋼材にこだわった別の包丁を購入しました
えっ? ダマスカス包丁を買わなかった理由ですか?
そもそも消費者に誤解を与えかねない製品は、購入に値しない、というのもありますが、これ見よがしで外観重視の包丁を使っていると、逆に、使っているこちらの方が、格好悪くて仕方がないからです
- おすすめのダマスカス包丁を選ぶ - 包丁マニアの裏話
このページでは、おすすめのダマスカス包丁を紹介する上で、「おすすめできない例」も併せて紹介しています
どういった製品は避けた方が良いのか、その根拠は何なのか、きちんと把握することで、包丁に対する理解が深まり、おのずと質の高い包丁を選べるようになるからです
ただ、丁寧に解説しようと熱が入るあまり、業界的には口外が憚られるような、「あんなことや、こんなこと」も書いてし… 続きを読む
- ダマスカス包丁は、なぜVG10鋼材ばかりなのか?
表向きの理由は「どの包丁メーカーも、武生特殊鋼材の鋼材を使用しているから」ですが、それだけでは説明できない裏事情があります。
さて、それは何でしょう?
包丁の製造販売に関わると、本当のことは言いづらくなってしまう
包丁の製造販売に関わる方からすると、ここに書いたことは耳の痛いことばかりたと思います
実際のところ、わたしは業界関係者ではなく、ただの「
刃物好きの包丁マニア」ですので、何のしがらみもありません
そういうわけで、忌憚のない意見を書かせていただきました
かなり思い切ってダマスカス包丁を切り捨てましたが、それほど間違ったことは書いていないと思います
疑問に感じるようでしたら、Yahoo知恵袋で、「
ダマスカス包丁の購入を検討中なのですが、あれは包丁としてどうなのでしょう?」と質問してみるとよいです
包丁、ナイフの分野を超えて、さまざまな刃物マニアの方々から、「ダマスカス包丁は、おすすめできません!」というアドバイスが、多数投稿されるはずです
(刃物に詳しい人達は、皆一様にそう思っているのです)
また、刃物屋さんに赴いた場合は、店員さんに尋ねてみるとよいでしょう(ダマスカス包丁と一般的な包丁で、おおよそ同じ価格の物を一本づつ選び、比較する感じで尋ねると分かりやすいと思います)
「こっちの(ダマスカスの)方が、凄い模様が付いていて、とても切れ味が良さそうに見えるんだけど、模様のない普通の包丁よりも切れるんでしょ?」 …とか
「ダマスカス模様の
層の数が多ければ多いほど、切れ味がいいんですよね?」 …とか
「ダマスカス包丁と普通の包丁を比べたら、
誰でも切れ味の違いが体感できるくらい違うんですよね(そのぐらいダマスカスはスゴイんですよね?)」 …といった質問が有効です
刃物に詳しい良心的な店員さんほど、「
そんなことはありません」と丁寧に否定して、本当のことを優しく教えてくれるはずです
「おすすめ包丁」の、まとめサイトには気を付けましょう
話が飛びますが、営利目的のキュレーションサイトや、包丁まとめサイトの解説ページも、
ダマスカス包丁を持ち上げるばかりで、包丁に対する専門的知識が非常に疑わしいです(そもそもこの手のサイトに倫理観を求める方がおかしいのかもしれません)
あの手のまとめページは、「その道のプロライターが執筆している」ことになっていますがが、ほとんどは外注委託されたライターが、1ページ1000円以下で、やっつけ仕事で書いています
(ライター名を検索しても本人がなかなかヒットしないことがほとんどです。「本人は、実在するのか?」と勘繰りたくなるレベルです。知名度が非常に低い、「自称」専門家なのかもしれません)
その手のサイトが「おすすめ包丁」として一押ししているのは、たいてい、
ダマスカス包丁と
オールステンレス包丁です
オールステンレスの包丁を評して、「刃身と柄が一体型のオールステンレスで衛生的!」と、安易な宣伝文句を垂れている時点で、かなり底が浅いことが判ります(そのような
受け売りの能書きしか書けないのです)
そのような専門知識の乏しい「自称」専門ライターは、ダマスカス包丁のデメリットを知らずに、究極至極の包丁だと思い込んで執筆しているケースも多々見られます(もしくは、知っての上で購買行動を起こさせるために、メリットしか語らないかのどちらかです)
さらに、「
おすすめの包丁15選!」といったページを見ると、おすすめの根拠が全く明らかにされておらず、
ただのamazon売れ筋順ランキングのコピペだったりします
DeNAのキュレーションサイトが社会問題化して以来、少しはましになるかと思いましたが、依然として酷い状態です
ダマスカス包丁に限らず、包丁を購入検討中の方は、当サイトの他のページも併読して、自分の用途に合った最適な包丁選びのヒントを見つけてください。(下に、主だった解説ページのリンクを設けました)
内容的にマニアックに踏み込んだものや、一部の売れ筋商品を手厳しく批判したものもあり、あくまでも個人的な意見ではありますが、それほど間違ったことは書いていないつもりです
包丁マニアのおすすめ包丁とは?
ダマスカス包丁を「デメリットだらけの虚飾に満ちた包丁」をこき下ろしてしまいましたが、それでは具体的には
どの包丁がおすすめなのでしょうか?
一言で「おすすめの包丁」といっても、使う人によってかなり変わってきますので、ここでは簡単な説明に留め、触りだけを紹介したいと思います
興味のある方は、こちらの
「おすすめの包丁」記事一覧をご覧ください
関孫六 べにふじ(砥石で研ぐのが苦手な方)
「包丁を砥石で研ぐのは、難しそう…」という方には、「関孫六 べにふじ」をおすすめします
なぜこのような、普及価格帯の包丁をおすすめするかというと…
シャープナーの研磨粒子がへたりにくく、早く確実に刃が付くからです
これは言い換えると、
「中途半端な研ぎあがりの高級包丁より、低価格でもしっかりと刃付された包丁の方が、よく切れるから」に他なりません
また、耐蝕性も良好で濡れたままでもサビが浮きにくく、靭性も高いですので刃こぼれも生じにくいです
そのため、荒っぽい使い方にも耐えてくれます
詳しくはこちらの、
●
包丁の選び方(誰も言わないマニアな話)で解説しています
関孫六 10000CL(包丁を大切に扱いたい方)
包丁を大切に扱う人には、関孫六 10000CLをおすすめします
私も実際に使っている包丁で、気に入ったので
カスタムして使用しています
(画像はカスタム後の状態)
使用した感想はこちらのページに記載しています
コストパフォーマンスが良く、ハンドル形状も良く考えられており、見た目もスタイリッシュで優等生的な包丁です
関孫六プレミアシリーズの、おすすめ包丁ランキングにおいて、関孫六ダマスカスを差し置いて、
1位に選定したのが、この10000CLです
※
「包丁を大切に…」と書いたのは、
「洗う・拭く」をきちんと行うということです
このクラスになるとステンレス鋼材の含有炭素量が高いため、濡れたまま放置すると、赤錆の薄い膜が生じることがあります
(高級ステンレス刃物鋼と18-8ステンレスとでは、同じステンレスでも耐蝕性にかなりの違いがあるのです)
※ さきほどのランキングでは、
関孫六ダマスカスは、5位(最下位)、オールステンレス包丁の
関孫六10000STは4位に選定しました
人気の包丁をなぜ低い順位としたのか、理由も併記しましたので、興味のある方は一読して包丁選びの参考にしてください
動画で見る
わたしが実際に使っている10000CLは、YouTubeでも見ることができます
こちらのページで解説している通り、若干のモディファイ(カスタム)を加えていますので、メーカー出荷状態より美しい外観に仕上がっています
よかったら見てやってください。
(他の包丁や研ぎ方もアップしています)
月寅次郎チャンネル (YouTube 動画一覧)は、こちらです
(「いいね」をもらえると嬉しいです!)
関孫六 桃山(低価格で高い切れ味)
安い価格で高い切れ味が欲しいという場合は、
「関孫六 桃山」がおすすめです
切刃はハガネ(炭素鋼)で、側面をステンレスで覆った「炭素鋼複合材」が特徴です
前述のランキングで
2位に選定した関孫六10000CCも、これと同等の刃体を使用しており、
高級ステンレス包丁に引けを取らない切れ味の包丁です
※ 上の画像は「関孫六 桃山」の前モデルにあたる「
関孫六 4000CL」です
(口金部分に違いはありますが、基本的に同じブレードです)
「関孫六 桃山」の優れたポイントについては、
家庭用のおすすめ包丁(安い価格で、最良の切れ味を)のページで詳しく解説しています
MISONO UX10/EU鋼(料理玄人・プロの方)
料理好きや玄人はだしの方、プロの料理人の方には、
「ミソノ刃物」の「UX10」もしくは「EU鋼」(旧名称「スウェーデン鋼」)をおすすめします
この「UX10」と「EU鋼」は、少々お値段が高く感じるかもしれませんが、それは
「外観からはわかりにくい部分」に、手間とコストがかかっているからです。
(刃体の整形に手間を掛け、ブレードを薄く研ぎ抜いて、刃の抜けを良くしています)
「薄くしなやかで、抜けの良い刃体」というのは、ある程度の靭性を持たせないと難しいものです
包丁の良否は、HRC硬度の数字だけで判断できるものではありません
包丁もある程度高級なレベルになり、「使い手のことを考えたプロ好みの包丁」になると…、
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いたずらに硬度を高めるよりも、靭性とのバランスを最適化
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エッジ(刃筋)の切れ味だけでなく、刃体全体の抜けの良さ
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炭化物の仕上がりの良さ(微細球状化)
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耐摩耗性に方向性を振った「のっぺりした刃」よりも、「刃がかりの良い冴えのある刃」
…といったポイントのさじ加減が重要になってきます
ミソノの高級包丁は、これらのバランスが絶妙な塩梅に整えられています
ぜひとも「違いの判る方」に使っていただきたいものだと思います
※ 上の画像は、ミソノが製造した「日本橋木屋 No.6 スウェーデン鋼」を、わたしがフルカスタムしたものです。(現在のミソノ刃物のモデルですと「EU鋼シリーズ」が相当します)
おすすめの包丁ブランド(個人の意見です)
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