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三徳包丁と牛刀は、どちらがおすすめ?

最終更新日: 作者:月寅次郎
三徳包丁
包丁選びのポイントとして、よく挙げられるのが、
三徳包丁と牛刀は、どちらを選ぶべきか?」という問題です

三徳包丁にも牛刀にも、それぞれの良さがあり、メリットとデメリットが存在します

一言でいうと・・・
一本で済ませるなら三徳包丁、ペティナイフと併用し、セットで使うなら牛刀です

三徳包丁は一本で何でもこなせる汎用性がありますが、何でもできるということは、言い方を変えると、どれも中途半端であり、それぞれの用途に特化した専用の包丁には、どの分野でも負けてしまう。
 ・・・と、言えなくもないのです

ですので、料理が好きな方や切り方まできちんとこだわりたい方であれば、牛刀をおすすめしたいところです (だからといって三徳包丁がダメなわけではありません)

月寅次郎が使っている包丁の一覧はこちらです

家庭で使いやすい三徳包丁、プロが好む牛刀

三徳包丁の特徴

冒頭で、1本の包丁ですべて済ませる場合は、三徳包丁がおすすめといいましたが、まさにこの通りです

三徳包丁は汎用性に富む包丁です。これ一本あれば、大抵のことはできてしまいます
「万能包丁」という商品名で販売している会社もあるほどです

刃渡りは通常16.5cm(5寸5部)であり、このサイズ感が絶妙で良いのです
(18cm/6寸の三徳包丁を販売しているメーカーもあります。15cm/5寸になると「小包丁」と呼ばれます)
この刃渡りであれば、長すぎて持て余すこともないですし、リンゴの皮をくるくる剥くような「剥き物」にも対応可能です

これ一本で基本的に何でも対応可能ですので、「最初の一本」としては三徳包丁がベストの選択です

三徳包丁がおすすめのケース

  • 最初の一本として、包丁を買う場合
  • 包丁の費用を安く抑えたい場合(一本で済む)
  • 包丁を何本も使い分けるのが面倒
  • 包丁の収納スペースが限られている(キッチンが狭い)
  • 単身者、大学生の一人暮らしなど、そもそもあまり料理をしない
  • 手が小さいので、包丁も小さめが好み

牛刀の特徴

牛刀+ペティナイフというように、複数の包丁を用途に合わせて使い分ける場合は、牛刀がおすすめです

簡単に言うと、料理に凝りたい方や、切り方(刃の入れ方)までこだわりたい方は、最初から「牛刀」を買った方が良いです

三徳包丁とは何か?

三徳包丁というのは、肉・魚・野菜の3つの食材のどれも扱えるため、徳が三つで「三徳」という由来になっています

もともと日本発祥の包丁の形であり、西洋にはこのタイプの包丁は存在しません
ですが、日本の包丁が世界的に評価されるようになるにつれ、「SANTOKU」という名称で海外でも販売されるようにもなりました

本当に、肉と魚と野菜のどれも得意かというと、実はそうではありません
そのような表現をしているサイトもありますが、必ずしも正解ではありません

肉や魚については、「やや不得意」だと言って良いでしょう
ただ、現代の台所事情では、肉も魚も「切り身で」で売られていることが多く、包丁で肉を切り分けたり、魚をさばいたりすること自体が少ないのが現状です

そのため、魚をさばいたり、塊肉を切り分けたりなど、少し踏み込んだ料理をするのでなければ、三徳包丁のデメリットは、家庭ではあまり顕在化しないのも事実です

関孫六10000CL
上の画像は、わたしが使っている三徳包丁(関孫六10000CL)です。手をかけてカスタムしていますので、市販品とは若干外観が異なります

三徳包丁の得意分野(メリット)

三徳包丁は、刃幅が充分にあるため、野菜を薄く切るのに向いています

特に、キャベツを千切りにする場合などは、包丁の側面が添える指から離れることないため、スムーズに切ることが可能です
まな板の上で「タタタタタン!」と、続けざまに切る場合には、この刃幅の高さがメリットとして活きてきます

ですが、食材を二つ割りにする場合などは、指を「猫手」にして添える必要がありませんので、このメリットはさほど活きません
(牛刀でも構わないと言えるケースです)

なお、三徳包丁に優位性があると言えるのが、「豆腐のさいの目切り」です
これは完全に、三徳包丁に分があります

刃幅の短い包丁でも、切ることはできるのですが、刃を降ろした後に引き上げる際、刃の峰が豆腐に当たって、崩れてしまいがちだからです

欠けや崩れのない、四角四面のサイコロ豆腐を作りたい場合は、刃を降ろした状態で、峰の上端が豆腐よりも上に出ている方が良いのです

麻婆豆腐をきれいに作りたい方や、味噌汁に豆腐をよく入れる方なら、こだわりたいポイントです

そんな細かいことは、どうでも良い」 という方もおられるとは思いますが、角の崩れたグズグズな豆腐で麻婆豆腐を作っても、見た目も味もよろしくありません
料理の仕上がりにこだわりたい場合は「常に最適な包丁を選択する」ことが重要ポイントの一つです

既に牛刀も持っており、「たかだか豆腐のために三徳包丁を買い足すのは…」という場合は、下の画像のような安物の小包丁を買えば充分です
刃幅が三徳包丁と同じで刃渡りが短いだけですので、豆腐を切るにはもってこいですです
ただ、最も豆腐を切りやすい包丁は、実は「菜切包丁」です(刃筋が真っ直ぐなので、垂直におろすだけで確実に切れますし、刃先が四角いため、余裕を持って切れます)

小包丁
上の画像は、実際に使っている「小包丁(ヘンケルスのセーフグリップ」です

三徳包丁の得意とするところ

刃幅があるので、研ぎ減ってもバランスが崩れにくい

刃幅(刃の高さ)が充分にあるため、少々研ぎ減っても、使いやすいバランスを維持しやすいです

刃幅が短い包丁は、使い込んで刃が減ってくると、最も使いやすいバランスのところからずれてくるため、なんとも扱いにくく感じることがあります

そういう意味では、実はお買い得な包丁が三徳包丁です

ただこのポイントは、包丁をほとんど研がない人にとっては、何の意味のないことでもありますので、それほど気にすることでもありません

刃幅があるため、初心者でも研ぎやすい

三徳包丁は刃幅サイズが広めですので、砥石で研ぐ際に、指で押さえやすいのが良いところです
このため、三徳包丁は初心者でも比較的研ぎやすいのが特徴です

結局のところ、包丁の切れ味は、「砥石できちんと、定期的に研いでいるかどうか」で決まります
わたしのように、砥石を10本以上とっかえひっかえして研ぐようなマニアは別として、家庭内一般使用であれば、「どの包丁を選ぶか?」よりも、「いかに研ぐか」が決定的な要素となり得ます

ですので、砥石での「研ぎ」を習得するのは、「優れた切れ味」に直結する、重要な要素です

初心者でも比較的研ぎやすい「リーズナブルな価格の三徳包丁」を最初の一本として選び、それを使って研ぎ方を身に付け、熟練度を上げてから牛刀を買い足すというのは、理想的なステップアップです(わたしもこの道筋を辿りました)

ペティナイフ

上の画像のように、刃幅が短いパーリングナイフ(ペティナイフ)を研ぐ場合は、指を当てるスペースが少ないので、少々研ぎにくく感じることもあります
そういう意味では、初心者には比較的難しく感じられることでしょう
(慣れている方であれば、難なく研ぐことができます)

牛刀のメリットとは?

牛刀
牛刀の形状的特徴は・・・
  1. 刃渡りが長く
  2. 刃幅が短く
  3. 刃先が尖っている
  4. ローリング切りが可能な刃筋のカーブ
・・・の4点です

この4点が、食材を切る際のメリットとして、どのように活きるかがピンと来ないのであれば、無理に牛刀を使う必要はありません
単に、刃渡りの長い包丁を使っているだけであり、牛刀の良さを活かしきれないことになるからです

個人的に使っているのは、日本橋木屋の牛刀(Misono製)と、梅治の牛刀です

ミソノの包丁は、薄くしなやかで、高い硬度を出すことだけにとらわれておらず、実に良い塩梅です
梅治の牛刀は、カチッとした使い心地で、これもまた申し分ありません
どちらも良い包丁です

刃渡りが長い(牛刀のメリット)

「刃渡りが長いと、大きい食材を切れる」とも言えますが、それはいささか短絡的だと言わざるを得ません

刃渡りの長さが持ちうる真のメリットは、「刃渡り全体をフルに活かし、引いて切る」際に、活きてきます

柳刃包丁で冊を引く場合でも同じことが言えますが、引きながら切ることで、刃の角度が擬似的に鋭くなり、より滑らかで鋭利な切れ味を出すことができます

魚だけではなく、ローストビーフを薄く切る場合や、厚みのあるサンドイッチを潰さずに切る場合などに、特に有効です
そういう切り方はせずに、まな板を叩く音を高らかに響かせてばかりいるのであれば、無理に牛刀を買う必要はありません

また、刃渡りの長さというメリットは、みじん切りをする際にもいかんなく発揮されます
牛刀独特の刃筋のカーブを活かし、前後にローリングさせるように動かすと、手早くみじん切りができます
刃渡りの長さが、できあがりの速さに直結する部分です

牛刀の主なサイズは21cm,24cm,27cm,30cmです
語弊を恐れずに思い切って分類すると、21cmと24cmは家庭用、27cmと30cmはプロ用と考えてよいでしょう

人によって取り回しの感覚はそれぞれですので、どのサイズがベストかは難しいところですが、家庭内使用であれば、21cmか24cmを買えば間違いありません
(できれば購入前に実際に握って確かめてみるのが一番です)

個人的には21cmの牛刀を使っています(1~2人の料理を作ることがほとんどですし、キッチンスペースもそれほど広くないため、わたしにとってはは21cmが丁度良いサイズです)

刃幅が短い(牛刀のメリット)

牛刀は三徳包丁に比べて刃幅が短いため、切り進みながら刃を回すこともやりやすく、自由自在に扱えます
言い方を変えると、三徳包丁は「真っ直ぐ切る」ことに向いており、切りながら方向を変える事は不得手です

さらに刃幅の短い包丁が良ければ、「筋引包丁」という選択肢もあります
取り回しが良く、肉の切り分けにも向いています。また、刺し身包丁の代用としても使え、玄人の方に好まれています
ただこの、刃幅が短いというのは、デメリットにもなり得ます。前述の豆腐を切る場合や高さのある葉物野菜を千切りにする場合は三徳包丁や菜切り包丁の方が向いています

これらはあくまでも、「比較するとそうなる」というだけの話しです
包丁の扱いが上手い方は、牛刀でも難なくキャベツの千切りをやりますし、三徳包丁でもそれなりに上手に刺し身を引くことができます
包丁に慣れていない人は、用途に合った専用の包丁を用いても上手に切ることはできませんが、扱いの上手な人であれば、適した包丁を選択することで、より速くきれいに切ることが可能です

刃先が鋭い(牛刀のメリット)

肉の下ごしらえで筋を切る際や、魚をさばく際は、刃先の尖っていることがメリットになります
三徳包丁でもできないことはないのですが、やり易さに違いが出ます
出刃包丁も筋引包丁も刃先が尖っていますが、そこには意味があるのです

また、造りの良い牛刀は、刃先にきれいにテーパーをかけており、先端の厚みがペティナイフ並みに薄くなっています (安物の包丁は、板のように先端まで厚みが同じだったりします)

これは、刃先だけを使って玉ねぎに切れ込みを入れる時、とても具合良く刃が入ります
みじん切りにする際に、底部を繋げたまま切れ込みだけを入れる際に抵抗が少なく、スッスッと刃が入るのです

牛刀の先端は使い勝手が良く、慣れてくると実に器用に扱えます
これに慣れてくると、逆に三徳包丁を握りたくなくなるほどです
個人的には、この刃先形状の良さが、牛刀の最も好きなポイントです

ローリング切り(牛刀のメリット)

刃渡りの長さと刃筋のカーブを活かすことで、牛刀特有の「ローリング切り」ができます

「ローリング切り」というのは、わたしが勝手に言っているだけで、正式には何というのかわかりかねますが、いわゆる「牛刀特有の切り方」です

刃の先端をまな板から離さずに、アゴだけを持ち上げて切るやり方ですね
これを華麗にやってのけると、牛刀を使っている人が実に格好良く見えます

文字表現では判りづらいですので、人が実際にやっているのを見ないと、イメージしずらいとは思いますが、洋食の現場では良く見られる切り方です

刃をまな板に叩きつけるのではなく、ローリングするように切りますので、刃が潰れにくくて刃が長持ちする切り方でもあります

牛刀

牛刀のデメリット

メリットはデメリットの裏返しです

刃渡りが長いことは、単身者向けのスモールキッチンでは、持て余すこともあるでしょう
台所のスペースやまな板のサイズと、刃渡りが合っていることが重要です

また、長めの刃渡りが災いして、「剥き物」にはあまり向きません
できないことはないのですが、「皮を剥く」という場合は、ペティナイフを用いるのが適しています

牛刀が不得手な分野は、他の包丁で補ってあげてください

※ 「キナリノ」や「サキドリ」、「マカロニ」などのライターの皆様、当ページの内容を換骨奪胎してページを作らないでください(最近安易に内容をパクる人が多いので、先に釘を刺しておきます。YouTuberや個人ブロガーの皆様も同様です)
わたしこと月寅次郎は牛刀を2本、三徳包丁を3本所有しており、それぞれを使った経験からこのページを執筆しています
人の経験をパクってコンテンツを作るのではなく、自分の経験で語りましょう


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