Tully's coffee BLACK(ブラック) - 月寅次郎のコーヒーレビュー

最終更新日: 作者:月寅次郎

Tully's coffee BLACK(ブラック)

同ブランドの姉妹品

Tully's coffee キリマンジャロブレンド

コーヒー豆の詳細

  • 分類:レギュラーコーヒー(粉)
  • 内容量:80g
  • 実売価格:494円(2024年01月調査・税込)
  • 豆(原産地):ブラジル、タンザニア、その他
  • 製造所:伊藤園 静岡相良工場(注1)
  • 販売者:伊藤園
  • 挽き方:中細挽き
  • 豆種:アラビカ種100%
  • コピー:深煎りが引き立つブレンド、香り高く深いコクが特徴
  • 10gあたり実売価格:約61.7円

購入履歴:2023年05月 534円(税込)80g 約66.8円/10g
購入店及び、価格調査の場所:地元ドラッグストア

※ 2023年05月に購入した時は税込534円でしたが、翌年の2024年1月に同店舗で価格調査したところ、494円に値下げされていました(40円の値下げ)

注1:
パッケージには「+HI」という製造所固有記号しか記載がなく、製造会社、製造所共に不明だったが、消費者庁の「製造所固有記号制度届出データベース」で調査したところ判明した。

「HI」、「伊藤園」で検索すると、「静岡県牧之原市女神21」という住所がヒットする。
この住所に所在があるのは、伊藤園 静岡相良工場なので、この工場で製造しているもよう。

Tully's coffee BARRISTA'S ROAST BLACK

総評

  • 高い、少ない、でも旨い
  • キリッとした上質の苦味
  • 曲玉無しの、直球ど真ん中
  • ブラックコーヒーの王道を邁進
  • ウェルバランスで、取って付けたような個性の押し売りがない
  • コスパは良くない
  • 価格は高いが、一度は買って飲んでみてほしい

Tully's coffee BLACK(ブラック)

Tully's coffee BLACK(ブラック)の印象


同ブランドの『キリマンジャロブレンド』と同様に、豆のクオリティはしっかりしている。アラビカ種100%は頷けるところだ。

ローストは適度に深く、上品な苦味を湛えている。
厚みやコクも上々だが、ベタベタした嫌らしさはない。

実にまっとう、奇をてらったところがない。
非常にオーソドックスであり、ウェルバランス。

ブラック向きコーヒーとしての、王道を邁進している感じだ。

全体的にバランスが取れており、どこにも破綻がないために、個性に乏しい印象を与えかねない部分もあるが、このあたりは飲む人にもよるだろう。

これはオーディオの世界でも言えることだが、本当に良い音というものは、どこにも強調感がや違和感がなく、バランスが取れているため、『とても普通』に感じられてしまう場合がある。
(小音量で聴くと、特にその傾向が強まる)


Tully's coffee BLACK(ブラック)

演出過多のコーヒーと、小細工なしの直球コーヒー

同ブランドのキリマンジャロブレンドも同様の傾向があったが、安いコーヒーを装って何も言われずに提供された場合、ただゴクゴクと飲んでしまいそうな気もする。

ただそれは、良い意味で、妙な演出感が施されていないということでもある。

他社を引き合いに出すと、コーヒーの本質とはいささか離れた部分を強調して販売しているコーヒーもあったりする

そういうコーヒー商品には、「スイートブーケのような華やかさ」、「完熟ベリーのような余韻のある甘さ」といった、うすら寒いコピーが踊っている。

パッケージは実に上品で美しく、色使いも絶妙ではあるのだが、コーヒーの本質で勝負しなければ、コーヒー専業の名が泣くのではないかと、余計な心配をしたくなる。

このタリーズコーヒーBLACKを飲んでいて、「コーヒーは、小細工なしで正々堂々と、ど真ん中ストレート勝負で行くべきなのだ!」と、改めてそんなことを感じてしまった。

6月13日封切、6月20日完飲

2回目に飲んだ印象

ブラックの名を持つだけあって、これぞブラックコーヒーという印象。
苦味がしっかりしているのだ。

ただ苦味が強いというのではない。苦さの中に、ソフィストケートされた上品さがある。

これ見よがしに苦味を強調したコーヒーというのはよくある。本当に、嫌になるくらいある。
「それしか取り柄がないのか?」と毒づきたくなるものだが、そのようなコーヒーとは一線を画している。

まったり・べったりした感じはなく、クリアでキリッとしているため、苦味が引き立っている
また、わずかながらも酸味はあり、それがクリアな感じをより引き立てている。

コク感とまったり感を強調した、スターバックスハウスブレンドとは対象的な感じだ。

7月31日封切、8月8日完飲

タリーズコーヒー ブラック 他の人のレビューも見てみよう

タリーズコーヒー ブラック (amazon 商品ページ)
※ amazonレビューでは、姉妹品の『キリマンジャロ』のレビューも同じページに混在しています。上手に読み分けて下さい。
「タリーズらしい味わい」、「タリーズのコーヒーが家で飲める」という声が多いです。


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Tully's coffee BLACK(ブラック)


コスパの悪さをどう評価するか?

内容量は非常に少ない。なんと内容量は80gしかない。
一方、価格は高く500円近くもする。

100g換算ではあたり617.5円となり、バリュー価格帯の280gパックに換算すると1729円となってしまう。

はっきりいうと、このコーヒーは高い。
旨いことは旨いのだが、コスパは必ずしも良くないのだ(はっきり言うと悪い)

このあたりはスターバックスハウスブレンドのページでも書いたが、ブランドで売るコーヒーの悪い点だ。

これまで2度購入したが、価格的にはより安くて楽しめるコーヒーも多々あるので、3度目を購入することは無いかもしれない。

ただそれでも、飲んだ経験の無い方は、一度はこのコーヒーを味わってみて欲しい。

なぜならば、このような方向性を持つコーヒーは、貴重な存在だからだ。

できれば、さまざまなコーヒーを味わって、自分なりの基準や評価が確立した後に飲むことをおすすめする。

売るために作られたコーヒーと、美味しさを追求したコーヒー

どのコーヒー会社も、商品の売上と利益を最大目標としてマーケティングにいそしんでいる。

「本当に美味しいコーヒー」が作れたとしても、その商品の顧客訴求力が乏しく、たいして売れずに廃棄がつのり、結果として利益が出せないのであれば、どの会社も商品化することはない。

料理の世界も全く同じだ、バズるのは、「電子レンジで簡単にでき、時間がかからず、誰にでもわかりやすい味のレシピ」だ。
高価格帯コーヒーの場合、個性が尖っていて、消費者の目を引き、飲んで印象に残るわかりやすい味の方が、商品として生き残れるし、利益も出しやすい。

企業としては、「優れた味わいのコーヒー」よりも「利益の出せるコーヒー」の方を優先させるものだが、このコーヒーの場合、前者を優先させている感がある。
(結果として利益が出づらい部分に関しては、価格を高くすることで相殺させている)

浮かぶイメージ(女性)

名の通った老舗和服店の娘。

幼少の頃より日本舞踊とバレエを習っていたため、意識せずとも立ち振る舞いが美しい。
ユニクロの無地の服を来て、ノーメイクで歩いていても、道を往く人に振り向かれてしまう。

モデル事務所に登録しているものの、「きれいなだけで個性に乏しく、人の記憶に残りにくい」という理由により、いつも最終審査で落ちる

結果的になかなか仕事につながらず、ほとんど無収入なのだが、家の金で食っているので意に関していない。

浮かぶイメージ(男性)

「変化球も取得しろ!」というコーチの説得に耳を貸さない、期待の新人投手。

球威で押して三振を取る」がモットーだが、それを口に出すと怒られるので、頭の中でこっそり唱えている。
時々勝負師の血が騒ぎ、失投のふりをして、わざと『ど真ん中』にストレートを投げることがある。
そして見事に打たれる。

結果的にこれといった成績を残せず、プロとしては短命に終わる。

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