ピザ生地の作り方(生地をこねてグルテンを成長させる)
ピザ生地を作るには
1.
生地の材料を合わせる
2.こねて、グルテンを成長させる
3.
発酵させる
4.
伸ばしてクラストにする
という、4ステップに分けられます
このページでは、「2」の「
生地をこねてグルテンを成長させる」工程を解説します
ピザ生地をこねる
ピザ生地の材料を合わせたら、次はピザ生地をこねる段階に入ります
ピザ生地をこね、上手に伸ばしてあげると、グルテンが均一に成長します
(グルテンの密度や強さで、焼き上がりの膨らみ加減が左右されます。グルテンが均一に分布することは、生地の伸びや厚みに直結する重要な要素です)
ここで重要なのは、「気長に、やさしく、丁寧に」です
※ 生地をこねている画像が無くて申し訳ないのですが、こねる際は両手を使うため、カメラを構えることができません。こねる画像や動画を撮ることができたら、おいおいアップしたいと思います(それまではテキストで我慢してください)
ピザ生地をこねる - 基本動作
基本動作は、「押して、ゆっくり伸ばす」 …ということです
薄く平たく伸ばす必要はありません。この段階では、「
生地は基本的に球の形状を保つ」…でよいのです
ただ、生地が真ん丸のままだと、二つ折りにできないので、
折って畳める程度にまで伸ばすだけでよいのです
二つ折りにしたら90度回転させます
そこからまた押して伸ばして、半分の厚みになったら、また畳んで90度回転
・・・これの繰り返しです
時間は、10分程度で充分です
(半量で作る場合は、もっと短時間でも良いです)
より長いこね時間を指定しているレシピもありますが、とにかく生地をこねれば良いというものではありません
(「うどん」とは違うのです。ピザ生地に「コシ」は必要ありません)
ピザ生地をこねる - 重要ポイント
重要なのは・・・
1.こねた玉の水分量が均一になり、どこにも偏りがなくなっていること
2.
グルテンが適度に成長し、なおかつ(あまり)
ブチブチ切れた状態になっていないことです
1の「水分量のむらを無くす」均等については、数分もこねていれば、ほぼ均一になるものです
2のグルテンについては、むしろむやみにこねすぎて、グルテンをブチブチ切り過ぎないようにしたいものです
ある程度押したり揉んだりして、こね工程が進んでくると、生地を伸ばす際に、
ゴムの薄膜が切れたかのように、表層が薄く切れだします(「ごく小さくはじける」と言ってもよいでしょう)
これの「グルテンの切れ」が生じ出したら、こねるスピードを落とし、やさしく揉むようにしてあげます
グルテンがあまりブチブチ切れないように、ゆっくり優しく揉むのです
グルテンと優しく接する
FUKAI
石窯ピザメーカー
この状態で、「とにかく伸ばせばいいんでしょ!」とばかり、生地を性急に引っ張って伸ばしてしまうと最悪です
グルテンが切れて縮んでしまい、ボコボコのあばただらけの生地ができ上ります
実際に一度やってみると判りやすいですが、
生地を雑巾のようにどんどん絞り上げていくと、簡単にそうなります(生地の表面が、本当にボッコボコになるのです)
グルテンはゆっくり伸ばして成長させてあげることが重要です
無理に伸ばさず、ゆっくりやさしく伸ばしてあげると良いのです
ピザ生地の「材料合わせ」と「こね」の工程が上手になれば、
表面がつるつるした均一の状態に仕上げることができます
生地表面がボコボコになったとしても、あまり心配することはありません、この後の発酵の工程を経ることで、つるつるした滑らかな状態に近くなります
ただ、発酵前の状態で表面が均一でつるつるした状態に仕上げられれば、それに越したことはありません(上できです)
ピザ生地を作る - 他のポイント
力のかけ具合は?
手の力で充分です。
手打ちうどんのように、全体重をかけて足で踏む必要はありません
うどんの場合は、腰の強い麺を作るため、グルテン量の多い小麦粉が使われます
そのため、あのようにして力を加えないと、グルテンが伸ばしにくいというのがあるのですが、
ピザ生地の適正グルテン量は、うどんの生地のそれと比べると、かなり少ないです
ですので、手の押す力で充分「こね」が成立します
体重の軽いや力の弱い方は、生地をゆっくり押して下さい。ゆっくり押せばゆっくり生地が伸びていきます
決して、大パワーでガシガシ伸ばす必要はありません
力任せにやると、きめの荒いゴツゴツした生地に仕上がります
こね台は必要か?
製菓用
シリコンマット
今回のレシピ分量ですと、生地を伸ばすための専用の台を用意する必要はありません
家庭用のまな板の面積で、充分こねることができます
言い方を変えると、「
通常のまな板サイズを超えてしまうほど、平たく伸ばす必要はない」ということです
ただ、すでに
製菓用のペストリーボードや、パン用の
パンこねマット(シリコンマット)をお持ちの方は、そちらを使ってください(左の画像のような商品です)
まな板サイズよりもサイズが大きいですので、周囲が小麦粉で汚れることを防いでくれます
おいしいピザ生地を作るために
この
「生地をこねる」という作業は、変化もなく単調で、地道な作業です
生地と向き合って黙々とこねていると、数分で飽きてきて、途中でやめたくなります
ですがそれでは、グルテンが適切に成長しないのです。おいしい生地に仕上がらないのです
おいしいピザ生地を作るために、音楽でも聴きながら楽しくやりましょう(意外に重要です)
「ながら作業」で進めれば、ピザ生地を10分こねるとこも、さほど苦になりません
途中で気が付いて「音楽を・・」となると、手が小麦粉だらけでリモコンが扱えませんので、生地を合わせる段階からセットしておくとよいですよ
生地の状態を、よく観察しながらこねよう!
生地をこねる際は、
グルテンの成長度合いを観察しながらこねましょう(上で述べたように、伸ばした生地の表面が、ゴムが切れるかのような様相を見せ始めたら、グルテンがかなり成長したサインです)
また、
生地をこねている最中にも、発酵は進みます
手の暖かさが生地に伝わり、生地の温度が上がると、より早く発酵が進むようになります
そうすると生地が空気を含むようになり、生地が柔らかくなって伸びが良くなります
単に「生地のこね」を作業的にこなすだけでなく、生地の柔らかさや、伸びの良さがどう変化していくかを感じ取りながら行うと、
季節による室温の変化に対しても柔軟に対応できるようになり、「生地こね」の腕が上がります