手作りピザ(家庭で本格ナポリ風)

最終更新日: 作者:月寅次郎

ピザ・手作り
これは、わたしが自宅で焼いたナポリ風手作りピザです
ピザ生地は、小麦粉をこねて作った自家製で、トマトソースも手作りです

石窯のような特殊な設備も、オーブンも使っていません
フライパンとクッキングバーナーだけで焼きあげました

何度も試行錯誤を経て練習を繰り返したおかげで、自宅でも大いに満足できる、美味しいピザを焼けるようになりました

このページでは、家庭で作る、ナポリ風ピザのレシピを公開します
(ページ末尾の方では、失敗例も併載しています)

当ページのレシピは、「誰でも簡単、手作りピザ!」でいう内容ではありません

むしろ、一歩踏み込んだ本格的な内容になっています
さして費用はかかりませんが、料理に対する情熱と根気は必要です

解説している内容も、一般的なレシピサイトに比べると、格段に長くて詳細です
ですがこれが、本当においしいピザを自宅で焼こうと奮闘し、試行錯誤した結果でもあります

「本当においしいピザを、家庭で焼きたい!」という方は、どうぞ参考にされてください
ちなみに、生地とソースさえ作ってしまえば、アウトドアに持ち出してキャンプでピザを焼くことも可能です
(キャンプ仲間にとても喜ばれますので、個人的によくやっています)

家庭で作る、石窯焼き風ナポリピザ - 目次

  1. 材料合わせ(ピザ玉をつくる)
  2. ピザ生地をこねる
  3. ピザ生地の発酵
  4. 生地を伸ばす(クラスト作り)
  5. ピザソース(トマトソース)を作る
  6. 生地にトッピングする
  7. ピザを焼く
  8. 他のレシピで焼いた感想
  9. 初期に作ったピザ(下手な頃)
  10. 失敗例から学ぶ

追記:ピザ作りを詳細に解説しているうちに、テキスト量や画像が膨大なものになり、重くて表示に時間がかかるページになってしまいました

そのため当ページでは、全体の流れをつかみやすいように、説明を簡易に留めています
詳細な工程は、下の別ページでご覧ください

※ こちらは各工程を詳しく解説した詳細ページです(各工程のポイントやコツを解説しています)

  1. 詳しく解説 材料合わせ(ピザ玉をつくる)
  2. 詳しく解説 ピザ生地をこねる
  3. 詳しく解説 ピザ生地の発酵
  4. 詳しく解説 生地を伸ばす(クラスト作り)
  5. 詳しく解説 ピザソース(トマトソース)を作る
  6. 詳しく解説 生地にトッピングする
  7. 詳しく解説 ピザを焼く
  8. 実際の調理例 ピッツァ マルゲリータ

生地の材料を合わせ、ピザ玉を作る

ピザ 生地 手作りレシピ

ピザ生地のレシピ(5枚分)

 ● ピザ用小麦粉(カプート サッコロッソ クオーコ)400g
 ●  240g(小麦粉重量の60%)
 ●   12g(小麦粉重量の 3%)
 ● ドライイースト 2.0g(小麦粉重量の0.5%)

ピザ用小麦粉が無い場合 (一般的な小麦粉で代用する)
日清カメリア(強力粉)と、日清フラワー(薄力粉)を、6対4の割合でブレンドして使用してください(グルテン量が丁度よくなります)
小麦粉全体の量を400gとする場合は、強力粉240g、薄力粉160gで6対4になります

ピザ用小麦粉
カプート
サッコロッソ

(1kg)
作り方
1.大きめのボウルに、水と塩、ドライイーストを入れ、溶かします

2.イーストが均一に溶けこんだら、小麦粉を徐々に加え、全体が均一になるまで混ぜます
(鍋の中で押してこねながら、小麦粉と水分を一体化させます)
最後の100gは、なかなか馴染んでいきにくいので、混ぜたりこねたりしながら、少量づつ加えていくとよいでしょう
鍋の側面や鍋底に、水分と馴染んでいない小麦粉が貼りついたりしますので、時おり丁寧にこそいで、生地と一体化させてください

※ 『カプート サッコロッソ』は、左の画像の商品です。
(実売価格が表示されない場合は、広告ブロッカーをOFFにしてみてください)
ピザ 生地 手作りレシピ
プレミアム・モルツ
きれいにピザ生地の材料をまとめることができました
ピザ玉の完成です。ピザ玉ができたら、次は、「こね」の工程に入ります

慣れるまでは、周囲が粉だらけになったりもしますが、上手になると粉をほとんどこぼさずにまとめ上げられるようになります

詳細解説ページ(ピザ生地の作り方)はこちらです。こちらのページでは説明を簡単にしています

CAPUTO(カプート) サッコロッソ クオーコ 買うならこちら

ピザ生地をこねる

ピザ 生地 手作りレシピ
ピザ生地の材料を合わせたら、次はピザ生地をこねる段階に入ります

ピザ生地をこね、上手に伸ばしてあげると、グルテンが均一に成長します
(グルテンの密度や強さで、焼き上がりの膨らみ加減が左右されます。グルテンが均一に分布することは、生地の伸びや厚みに直結する重要な要素です)

ここで重要なのは、「気長に、やさしく、丁寧に」です

※ 生地をこねている画像が無くて申し訳ないのですが、こねる際は両手を使うため、カメラを構えることができません。こねる画像や動画を撮ることができたら、おいおいアップしたいと思います(それまではテキストで我慢してください)

FUKAI
石窯ピザメーカー

基本動作は、「押して、ゆっくり伸ばす」です
ゆっくり押して、畳めるくらいに平たくなったら、二つ折りにして90度回転させます

そこからまた少し押して伸ばして、半分の厚みになったら、また畳んで90度回転
 ・・・これの繰り返しです

時間は、10分程度で充分です
より長いこね時間を指定しているレシピもありますが、とにかく生地をこねれば良いというものではありません
あまり力を入れてゴリゴリ捏ね上げると、グルテンがブチブチと切れて、生地の表面があばたのように凸凹になります
この段階では、完全にツルツル表面の生地を目指す必要はありませんが、あまり表面がボコボコになってしまうのも、よくありません

ゆっくり優しく丁寧にこねて、きれいな生地玉を作り上げてください

詳細解説ページ(ピザ生地をこねる)はこちらです(こちらのページは、要約した簡単解説です)

ピザ生地の発酵

ピザ生地を室温で発酵させる

ピザ 生地 手作りレシピ
尾上製作所
コンパクト
ピザオーブン

こね上がったピザ生地に濡れ布巾をかけ、そのまま45分ほど放置します

生地が落ち着いて、ボコボコした外観からつるっとした表面に変わってくるはずです
ここで生地を取り出し、5等分にしてピザ1枚分の量に切り分けます

切り分けた生地を丸めて成形し、並べて置いて再び濡れ布巾をかけ、さらに45分ほど休ませます
45分+45分で1時間半生地を寝かせることになりますが、質の良い生地を適正に発酵させると、表面が艶やかにしっとりとしてきて、とても柔らかく(伸ばしやすく)なります

ピザ 生地 手作りレシピ
画像は、合計で1時間半少々寝かせた状態の生地です
生地の上に掛けた布巾の布目が付くほど、柔らかくふわふわになっています

ピザ生地を、冷蔵庫で長時間・低温発酵

冷蔵庫で長時間・低温発酵させると、下の画像のように「しっとり・つやつや」の生地に仕上がります
ピザ 生地 発酵

詳細解説ページ(ピザ生地の発酵)はこちらです(冷蔵庫で寝かせて発酵させる、低温・長時間発酵はこちらで解説しています)

生地を伸ばしてクラストを作る

ピザ 生地 手作りレシピ
ピッツェリア
プロント
ピザオーブン


デロンギ
ピザストーン

カプート サッコロッソ クオーコ00(イタリア産のピザ用小麦粉)で作ったクラストです(ピザ生地)
発酵によって生じた気泡が生地表面にみられ、なおかつ潰れていません

生地を上手に伸ばしていくと、このように気泡をつぶさずにクラストを作ることができます
冷凍ピザでは真似のできない、「生地から手作り」ならではの仕上がりです
(おおよそですが、直径20㎝程の大きさに伸ばしています)

生地の状態が良好であれば、伸ばしてクラストにするのは決して難しいことではありません
押しても引っ張っても、きれいに伸びて、思い通りの形に仕上げやすいものです

逆に生地の状態が悪いと、思い通りに伸びずに非常に苦労します

慣れないうちは、生地をまな板に乗せて、指先で徐々に押し伸ばしながら10センチ程度まで広げ、後は周辺を引っ張って伸ばしていきます

慣れてくれば、生地を手に持ち、左右にパタパタと持ち替えながら、自重と遠心力を利用して伸ばすことができるようになります

ピザ 生地 手作りレシピ
こちらは、日清カメリアと日清フラワーを半々にブレンドして作った時のクラストです

気泡の成長がさほど見られず、のっぺりしたクラストに仕上がっていますが、こだわらなければこれでも問題ありません

詳細解説ページ(ピザ生地を伸ばしてクラストにする)はこちらです

ピザソース(ピザ用トマトソース)の作り方

ピザ トマトソース レシピ
キャプテンスタッグ
畳めるピザ窯

トマトソースのレシピ(シンプルなタイプ)
 ● ホールトマト1缶(400g)
 ● オリーブオイル 大さじ2(24g)
 ● にんにく 1片
 ● 塩 3.5g

作り方
冷えた状態の鍋にオリーブオイルを入れ、にんにくを荒めのみじん切にして投入
アーリオ・オーリオの要領で、ゆっくり火を入れていく(重要)
にんにくがわずかに色づく気配を見せたら、ホールトマトをつぶして投入

中弱火で、時折混ぜながら徐々に温めていきます
混ぜる手を止めるとぐつぐつ言うようになったら、火力を極弱火に落とします

そのままの火加減で、時折混ぜながら3分程度煮込み、火を止めます

トマトの甘みを引き出しながらも、酸味をしっかり残すという点がポイントです(ドロドロに煮込まないということが大事です)

詳細解説ページ(ピザ用トマトソースを作る)はこちらです

生地のトッピング

さまざまなトッピングを載せることで、いろいろなピザができ上ります

ここではモデルケースとして、トマトソースとモッツァレラチーズ、ソーセージを使った、シンプルなトッピングのピザで説明しましょう

フライパンの準備(油返し)

ピザ 生地 手作りレシピ
鉄のフライパンを加熱して油返しを行います
余分な脂はキッチンペーパーなどで拭き取り、ピザ生地(クラスト)をフライパンに乗せます

トッピングする

ピザ 生地 手作りレシピ
トマトソースを塗り、カットしたソーセージとモッツァレラチーズを乗せます

「ナポリ風を名乗りながら、ソーセージを乗せるとは何事か!」と怒らないでください
ナポリ風といっているのは、ナポリ風の生地に仕立てているということです(少なくともシカゴピザではありません)
詳細解説ページ(ピザのトッピング)はこちらです

ピザを焼く(家庭で石窯ピザに迫る味を出す)

島本製作所
フライパン

さて、ようやくピザを焼く工程です

鉄製のフライパンにピザ生地を乗せ、ガスコンロとクッキング用バーナーを使って、上下から加熱します

ピザ生地の発酵と、焼き上げの両方を適正にコントロールすることができれば、縁がプクッと膨らんだ「コルニチョーネ」ができ、絶品ピザとなります

※ テフロン加工のフライパンを使うと、バーナーの熱でフッ素樹脂が分解し、有毒ガスが出る場合があるので止めましょう
眼が痒くなったり、涙目になるとおもいます。またテフロン樹脂も熱でやられやすく、「ノンスティック加工」が、早くダメになりますのでおすすめできません

今回使う鉄のフライパンは、左上の画像のような「手で振れるフライパン」を指します
鋳鉄製のスキレットも一種の鉄のフライパンですが、厚みがあるために熱容量が高すぎて火力のコントロールが難しいと思います

加熱開始時の「火の立ち上がり」が悪く、火を止めても予熱で火が入り続けるためです
厚みのある肉にゆっくり火を入れたい場合には最適ですが、タイミングが重要なメニューにはあまり向きません
慣れている人なら上手に作れるかもしれませんが、最初からこれで試すのは少々難しいと思ってください

ガス火で下から加熱

Ooni
ポータブルピザ窯

下からの加熱は、家庭用のガスコンロを使います

登山・キャンプ用の携帯用ガスコンロやカセットコンロでも代用可能ですが、ガスボンベに輻射熱が伝わらないよう配慮して行ってください

IHクッキングヒーターでも焼けないことはありませんが、側面に火が回りにくいので、ガス火の方がきれいに焼き上がります
実際に何度か試しましたが、かなり温度が高めの加熱になりますので、上手にやらないと「空焚き防止機能」が働いてしまい、加熱が止まることがあります

火力は「中火」で良いですが、フライパンが充分暖まってきたら、火力を弱めるか、フライパンを持ち上げて遠火にします

クッキングバーナーで上からも加熱

クッキングバーナー
イワタニ
クッキングバーナー

クッキングバーナーで上からも加熱します

炎とピザは一定の距離を保ち、焼き始めは「焦がす」ではなく、「温める」くらいの柔らかい加熱にします

「生地に充分火が通って、あとは表面を焦がすだけ」になったら、炎を近づけ、炙って生地の表面を焦がします

ピザ 生地 手作りレシピ
画像は、焼き上がりのピザを食べてみたところです

縁の部分にプクッとした大きめの気泡ができており、部分的ではありますが、ナポリピッツァらしい「コルニチョーネ」ができ上っています

ピザ 生地 手作りレシピ
こちらは生地の裏側です
あまり焦がしすぎると、炭のような味が出てしまってよろしくありませんが、適度に焦がすのは香ばしさが増して、カリっとした歯ごたえに仕上がり、食べていて実においしいです

ピザ底面の焼き具合は、目では見ることはできませんので、立ち上る香りと経験が頼りです
何度か焼いて、失敗と成功を繰り返すうちに、ちょうどよい塩梅が掴めてくると思います(練習を繰り返すしかありません、がんばりましょう)

ピザを切り分ける

ピザ 生地 手作りレシピ
ピザカッターを使わなくても、包丁で問題なく切ることができます

包丁の刃をピザにあてがい、背の部分に手を添えてぐっと押し込めば、ザクっと切れてくれます

(標準的なサイズの包丁ですと、刃渡りが直径の長さに足りませんので、半径の長さで切り分けてください)

詳細解説ページ(ピザを焼く)はこちらです

これまでに試作したピザ生地レシピと、その感想

檸檬堂
定番レモン

このレシピに至るまでに、主に3つのレシピを参考にしました

参考になる」と感じたものもあれば、「これは、どうなの?」というものまで、さまざまでしたが、それぞれのレシピの感想を記しておきたいと思います

先に謝っておきます、「勝手なことばっかり書いてスミマセン
(あくまでも個人的な意見です)

日清製粉 こむぎ粉くらぶ「ピッツアを焼こう」

日清製粉 こむぎ粉くらぶ「ピッツアを焼こう」

粉量が300gで4枚分、家庭で作るには作りやすい分量だと思われます

粉の内訳は、強力粉と薄力粉が半々の割合で、グルテン量としては無難なところ(ほんの少し強力粉の割合を多くしても良いでしょう)
水分量は、粉との重量比で66.6%
食塩は2%と、かなり薄味の設定
オリーブオイルを大さじ2も加えているが、正直いらないのではないかと思う(粉と塩とイーストだけのレシピだと、そんなシンプルで大丈夫かと思われてしまうのは理解できるが)

一番の突っ込みどころは、盛大に発酵させようとしすぎなところです

ドライイーストを、粉との重量比で2%も入れています。正直多すぎると思うのです
また、砂糖を加えて人為的に発酵を促進させようとしているし、水にしても「40度前後もぬるま湯を使用」という条件付きで、どれだけ爆発的に発酵させるつもりなのか? …と疑問に思います(よほど短時間で作りたいのでしょうか?)


【 このレシピを実際に作った時の、覚え書きメモ 】

きちんと軽量して作ったつもりだが、水量が多いのか生地がべたついてしまい、生地としてまとまるまで時間がかかってしまった(手にまとわりついてしまい、正直苦戦した)

水量は、足らなければ後から足すことができるが、多すぎるとどうにもならない
確実にこの水量でOKだという確証が無ければ、最初はわずかに少なめにして、あとから足りない分を足すのもありだと思う(一回で決められればそれに越したことはない)

盛大に発酵するため、焼く前の生地を食べてみると、イースト臭の嫌らしさが強く感じられ、「雑な発酵だなぁ」と感じてしまった(実際に、匂いに雑味があり、フルーティな発酵臭とは対極の仕上がりとなった)
小麦の旨味が感じられない。生の生地を食べて旨いという感じがしない。ただそれでもピザ風の食べ物として成立はしているので、焼いてしまえばそれなりに食べられる

正直言うと、ピッツアとしてはこのレシピは個人的に受け入れられない
ピザを作っているというよりも、パン作りの発酵工程のように感じる

砂糖やオイルを入れずに、温めない室温の水で作り、イースト量をギリギリまで落としたレシピの方が、焼き上がりの小麦粉の香りが立って、よどほおいしいだろうと思う

● 実際にこのレシピで作ったピザの画像
ピザ・手作り
わたしが初めて作った「手作りピザ」がこれになります

日清カメリアと日清フラワーを半々のブレンド
具は入れずに、トマトソースとピザ用チーズのみで作りました

バーナーでの炙り具合が下手なので、焼き目がまだらで今一つですね
グルテン量がやや多目なのか、淵の部分がパンのように膨らんでいます。これはこれで悪くはないのですが、「ナポリ風」とは程遠い感じです

誰も教えてくれない ナポリ ピザ生地(クックパッド)

誰も教えてくれない ナポリ ピザ生地(クックパッド)

日清製粉のレシピを試し、「こりゃダメだ」と思い、2度目に試したのが、このレシピです
「ピザ 手作り」で検索すると、結構上位に表示されるレシピです

このレシピの特徴
 粉量は、500gで6枚分
 粉は強力粉のみを使用
 水分量は、粉との重量比で58%
 食塩は(ナポリ風の場合)4%となっており、塩味が強めの設定
【 このレシピを実際に作った時の、覚え書きメモ 】

コカ・コーラ
ラベルレス

食塩4%の「ナポリ風」で試してみたが、実食時に、「いくらなんでも塩辛いのでは?」と感じた
サラダ油をごく少量(小さじ1)加えてあるが、ここまで少なくするのであれば、入れなくてもほとんど変わらないだろう
ドライイースト量を、3~5gと季節に合わせて変えているのは良心的(年間を通して何度も作ったのだろう)
イースト量を4gとした場合は、粉との重量比は0.8%であり、無難なところだが、もう少し減らすこともできると思う

日清製粉のレシピとは異なり、砂糖は入っておらず、イーストやオイル量もほどほどで、それなりに無難なレシピだと思う
長時間冷蔵発酵が最も美味しいとあったので、生地を二分割して、室温(28度)と、冷蔵庫との二通りを作成してみた

個人的に引っかかる点があるとすると、強力粉のみで生地を作っている点

これではグルテン量が多すぎる。そのため、焼き上がりの生地の縁が、膨らんだパンのように盛り上がりすぎている。グルテン量が適正だと、小さな風船状の膨らみ(コルニチョーネ)が形成されるものだが、それが全く感じられない

また、グルテン量が多くなってしまうため、(室温発酵分については)生地伸ばしにかなり苦労した

グルテンの特徴ともいえるゴムのような弾力がありすぎて、生地を伸ばしてもゴムのように戻ってきて、なかなか伸びて広がらず、生地の成形過程に苦労した
(低温長時間発酵分については、グルテンがいい具合に「くたっ」となるのか、それなりに伸ばすことができ、それほど苦労しなかった)

ここでは、わたしの「作った時の覚え書きメモ」をそのまま掲載しています

このように、実際に作った時の感想や気づいたことを書き留めておくと、確実に次に繋がります

料理を作っていると、いろいろな「気付き」があるものです
それらを全部覚えていて、次回作るときに活かせると良いのですが、私の場合は残念ながら記憶力は良くなく、たいてい忘れてしまっています

そこで「備忘録」としてメモに残すのですが、そのメモがあるおかげで、前回よりはうまく作れたりしています(最終的には、このようなわたしのレシピ集にもなりました)

ピザに限らず、本当に料理の腕を上げたい場合は、このように料理メモを残しておくことをおすすめします

ナポリピッツァ生地の作り方(TOMIZのレシピ・牧島シェフ)

アサヒ
スーパードライ

ナポリピッツァ生地の作り方(こね)

前述の個人レシピを試し、「強力粉100%は、アカンやろ」と感じ、3度目に試したのがこのレシピです
牧島シェフのレシピ、いわゆる「プロのレシピ」です
ピザ専用の小麦粉でどこまで味が変わるのか、興味深く作りました

このレシピの特徴
 粉量は、1000gで13枚分
 粉はピザ用の小麦粉、「カプートサッコロッソ 00」を使用
 水分量は、粉との重量比で60%
 食塩は3%となっており、実にまっとうな塩分量
 イースト使用量はかなり少なく、生イースト1~3gとなっている。ドライイースト換算にすると、0.3g~1.0gになるはずだ
中間の0.65gで計算した場合、粉との重量比は0.065%であり、かなり少な目だ(逆に言うと、ここまで落とすこともできるということだろう)

オイルを加えるような小細工は皆無で、小麦粉と塩とイーストだけで作る、シンプル極まりないレシピになっている。そういう意味では最も本格的なレシピだと言って良い
作りやすさを優先させず、余計なものを削ぎ落して小麦粉本来の味を優先させたプロっぽいレシピになっている(実際プロによるレシピである)

ただ、作る分量が多い、多すぎる!
ピザ13枚というのは、家庭ではおいそれと消費できない量である
(冷凍するという手はあるが…)

掲載サイトがTOMIZ(冨澤商店)なので、もともとプロ相手のレシピとして想定しているのかもしれない(少なくとも家庭用の分量とは言い難い)
また、材料に「生イースト」を使っている。これは入手、保管ともに容易とはいえず、家庭用としてはあまり現実的でないだろう

このページの上の方で紹介している「わたしのレシピ」は、この牧島シェフのレシピを参考に、粉の量を400gまで落として家庭で作りやすい分量にし、生イーストをドライイーストに置き換えたものに近い
(わたしのレシピでは、水分の重量比と、塩分割合が全く同じで、ドライイーストの重量比だけが0.5%と異なっています)

初期に作ったピザ(まだ下手くそ)

ピザ・手作り
インドの青鬼
インディア
ペールエール

二回目に焼いた、モッツアレラチーズとピリ辛ソーセージのピザです
ちょっと小ぶりで、クラストの形もいびつに仕上がっていますが、味は美味しかったです

モッツアレラチーズをドカっと乗せると、とても美味しいです
ピザ用シュレッドチーズとは比較にならないというのは、この時に実感しました

友達と集まったときに作ったのですが、食べた人が口をそろえて「美味しい!」と言ったのが、このピザでした
(見た目はあまりよくありませんが、そこそこ美味しかったです)

必ずしも「ナポリ風ピッツァ」にこだわる必要はありません

ピザ・手作り
この時はトマトソースを切らしてしまい、「もういいや、チーズだけ乗せて焼いてしまおう」 …と思って焼いたのがこの「チーズしか乗ってないピザ」です

ピザ用チーズだけで焼いても、粉が良くて生地がしっかりできていれば、それなりにおいしく食べられます
(ドライバジルとチリペッパーを振りかけています)

ピザ・手作り
ちなみに、ピザクラストに何も乗せずに焼き上げると、このようになります
こうなるともう、「パン」みたいなものです
焼き立ての状態に、バターやメープルシロップを塗って食べるのもいいでしょう

また「ナン」の替わりとして使うこともできます
ヨーグルトや牛乳が入っていませんので、厳密には「ナン」ではありませんが、代用にはなります

手作りピザの失敗例

恥ずかしながら、ピザの失敗事例を公開します
手作りピザに慣れていない頃は、試行錯誤ばかりで失敗ばかりしていました

こう言ってはなんですが、「失敗」が最も勉強になります。ぜひ参考にしてみてください

ピザ生地・発酵の失敗(寝かせすぎ)

ピザ・手作り
生地を寝かせすぎて、生地の水分が下方に移動し、表面が乾いてしまった例です
(この時の粉は、日清カメリアとフラワーの半々ブレンドです)

この時は、冷蔵庫に生地を放り込んで寝かせていたのですが、日数が経過しすぎて生地の表面乾燥してしまいました(単純に、忘れていました)

生地の表面が、ベージュ色に変色しているのが判るでしょうか?
容器を傾けてみると、生地から染み出た水分が見て取れます
生地の塩分も少し薄味になります。舐めてみると判りますが、浸み出た水分に塩分が析出するためです

変色している表面の部分は、固くなるため、具合よく伸びてくれません
一方で、生地の底面は水分過多で緩くなっており、生地の均質性が取れなくなっています

この、どうしようもなくなってしまった生地を、無理やり伸ばしてみたのが、下の画像です

ピザ・手作り
見るも無残な状態で、生地の伸び具合にむらがありすぎて、まともに成形できませんでした
捨てるのはもったいないので、焼いて食べました

ピザ・手作り
こちらが、実際に焼いた時の状態です
クラストの状態としては相当に酷いのですが、ピザとして焼いてしまえば、(見た目はよくないですが)極端に不味いというほどでもなく、それなりにおいしく頂くことができました

強力粉100%+発酵温度の上がりすぎ

ピザ・手作り
こちらはキャンプでピザを焼いた時の様子です

失敗ポイントは2つあって、一つは強力粉のみで生地を作ったこと
そしてもう一つは、生地を保管している時の温度が上がりすぎて、発酵が進み過ぎてしまった点です

結果として、ピザというよりもパンのように膨らんでしまいました

この頃はまだ、生地作りに試行錯誤している最中で、(今ではやりませんが)強力粉のみで生地を作っていた頃です

さらに夏季で気温が高く、クーラーボックス内の温度が適正に保てなかったため、イースト菌の働きが旺盛になりすぎてしまいました

結果として、パンのように生地全体が縦に膨らんだピザができ上ってしまいました

生地の温度が上がって発酵過多になったとしても、グルテン量がまともであれば、このようになることはありません
グルテン量が適正な場合は、ミクロの気泡を維持するだけの生地の腰がありませんので、パンのように膨らまないのです
ミクロの気泡がグルテンの網目から抜け出し、適度にまとまり、大きめのプクッとした膨らみに変わります
そう、あのナポリピザ特有の、おいしいそうな「小さな風船のような膨らみ」が、縁のところにでき上るのです

「なぜ、このような焼き上がりになってしまったのか?」という原因をしっかり把握することで、同様の失敗を繰り返さなくなります
失敗を繰り返すほど、上手になっていきます。「失敗よ、ありがとう」なのです

レシピ一覧に戻る