トマトソースのレシピ

最終更新日: 作者:月寅次郎

手作りトマトソースのレシピ(作り方)

トマトソースのレシピです
自家製ピザを焼くときによく使っていますが、ピザ以外にも、スパゲッティ・ポモドーロなど、さまざまな料理に使いまわしが可能です

玉ねぎもオレガノもあえて入れず、トマトの酸味と甘みを活かしたシンプルな仕立てにしています。(玉ねぎの半端な使い残りが出ないので、作りやすいです)

ピザ トマトソース レシピ
トマトソースの材料
  • ホールトマト1缶(400g)
  • オリーブオイル 大さじ2(24g)
  • にんにく 1片
  • 塩 4.0g

トマトソースの作り方(簡単説明)
  1. ニンニクをみじん切りにして油で炒める
  2. 潰したホールトマト入れ、塩を加える
  3. 煮立ったら弱火で3分火を通す

レシピを削ぎ落すと、たったこれだけになります

イタリア料理を作りなれている人なら、この説明だけで問題ないと思いますが、ニンニクの火の通し方や、トマトをどう扱うかなど、押さえておきたい重要なポイントもいくつかあります。
料理初心者の方や、あらためて基本を確認したい場合は、下の説明に目を通して見てください

家庭で作る場合を考慮したうえで、かなり詳しく解説してみました(新しい発見があるかもしれません)

トマトソース レシピ
材料についてです

このトマトソースレシピはシンプルなだけに、使用材料の良否がそのまま味に反映されます
極端に高価な材料を使う必要はありませんが、ある程度信頼できる材料を使用しましょう

 ● ニンニク
中国産の安いニンニクは、妙な辛みがあったり、風味がいまひとつです
国産のニンニクか、それと同等の高い品質のものを使用しましょう

 ● ホールトマト缶
ホールトマト缶も、極端に安く売られているものは避けた方が良いです
(画像に写っているトマト缶は、ディスカウントストアで購入したもので、悪くはないですがそんなに良くもありません)

 ● オリーブオイル
味の素のオリーブオイルは癖がなくて使いやすく、入手のしやすさと価格を考えるとおすすめです

スーパーで簡単に手に入るオリーブオイルというと、「味の素」と「BOSCO」が双璧ですが。わたしは和風大根サラダで何度も食べ比べた結果、味の素のオイルに落ち着きました。

「エキストラバージンオリーブオイル」か、それとも「ピュアオリーブオイル」か?
画像では、「エクストラバージンオリーブオイル」が写っていますが、今回はオイルを生で扱うわけではなく、火を通す料理ですので、実は「ピュアオイル」でも構いません。

にもかかわらず、ここで「エキストラバージン」を使っているのは、前述の和風大根サラダに多用しているからというのもありますが、2種類のオリーブオイルを家に揃えておくのは、台所の限られたスペースがもったいないからでもあります(要は個人的な都合です)

高価なエキストラバージンオリーブオイルの中には、香りが芳醇で実に素晴らしいものもありますが、それが裏目に出ると、料理の中でオイルの香りが突出してしまい、ひとつの料理としてのまとまりが出ないことがあります
皿の中でオリーブオイルが、「オレがオレが、俺が一番ウマい!」と、一人で連呼しているような感じです

そういう意味では、味の素のエキストラバージンオリーブオイルは、良い意味で前に出過ぎることもなく、それでいて適度にオリーブの香りを感じさせてくれます。要はバランスが良いのです
生でそのまま使う場合でも、火を通す場合でも、汎用的に使えます

結局のところ、「どのオリーブオイルを選んだらよいか分からない」という時は、最初の一本として、味の素のオリーブオイルを買っておけば、あまり間違いがありません

補足: 速水もこみちさんのように、自分自身の中に「この料理には、このオイルが合う!」という基準をお持ちの方は、ご自分でセレクトしたオイルをお選び下さい

トマトソース レシピ
冷たい状態の鍋に、オリーブオイルを入れます

ここではきっちり計量していますが、オイル量の多い少ないは、ある程度までは許容可能ですので、あまり神経質になる必要はありません

大さじ? それとも、キッチンスケール?
ここでは、大さじを使わずに、キッチンスケールで分量を量っています
計量スプーンを洗う必要がないのでおすすめです

また、スプーンに付着して入りきれない分量や、表面張力による過剰投入など、余計な要素を考慮しなくて良いので、正確に計れます
(慣れてしまえば、鍋底に対するオイルの広がり具合だけで、おおよその投入量を判断できるようになります)

トマトソース レシピ
にんにくをみじん切にして投入します

使用している包丁は、一点物のカスタム品です。カスタムの詳細はこちらをご覧下さい

トマトソース レシピ
できるかぎりの弱火で、ゆっくりゆっくり火を入れていきます(重要)
イタリア料理で言うところの、「アーリオ・オーリオ」の要領です

ニンニクの火入れのポイント

ニンニクに火を入れる場合は、60~70度あたりの温度をいかにゆっくり通過させるかが重要になります
こうすることで、ニンニク特有の臭みや辛みが消え、芳醇なニンニクへと変化していきます

最初に「冷たい鍋に油を入れ…」とあるのは、このためです

鍋とオイルが冷たい状態で、ニンニクを投入し、そこから極弱火でゆっくり加熱し、ゆっくりと温度を上げていくことが重要です

このテクニックは、ペペロンチーノをはじめとして、イタリア料理の基本ですので、しっかり押さえておきましょう

トマトソース レシピ
バリラ
No.5/5kg

にんにくの状態をよく観察しながら、徐々に火を入れます
にんにくがわずかに色づく、そのギリギリ手前の状態に仕上げます

泡の出具合や音なども充分参考になりますが、みじん切りのニンニクを炒める場合は、「ごく小さなニンニクのかけら」に注目してみましょう

ニンニクのみじん切りは、小さいものほど先に火が通ります
そのため、なるだけ同じサイズに統一して切った方が良いのですが、どうしてもごく小さな欠片は生じてしまうものです
小さな欠片の色が変わってきたら、オイルの温度が充分に上がっています。中くらいのかけらに火が入るのもまもなくです
このように、「小さなかけら」の色づき具合に着目しながら炒めることで、火を入れすぎを防止することができます

火をが入れすぎると、ニンニクが「カスカス」になったり、焦げ目が入ります
あえて焦がして香りを立てたい場合は別ですが、今回のトマトソースの場合は、浅めに火を入れて、ふっくらと仕上げたいところです
(芋類に上手に火を入れると、「ほっこりとした仕上がり」になりますが、あの「ふっくら・ほっこり」の状態を目指しています)

トマトソース レシピ
トマト缶は、ニンニクに火が入る前に開けておきましょう

缶を開けているうちに火が入りすぎて、ニンニクが焦げてしまう場合があります
これ以上火を入れたくない場合は、鍋をゴトクやヒーターから外してください(火を止めるだけでは、余熱で火が入り続けます)

トマトソース レシピ
ホールトマトと塩を投入します
極弱火から、中弱火へと、火力を上げます

トマトソース レシピ
ホールトマトを入れるステップでは、たいていのレシピサイトには、「ホールトマトを、手でつぶして入れる」と書いてあります
確かに手で握りつぶすと、作業的には早くて確実なのですが、木製スプーンなどで押しつぶしても大丈夫です(木べらや、スパチュラなどを使っても良いでしょう)

このやり方ですと、手早く潰すことはできませんが、手が汚れないのでとても楽です
肌が弱く、手荒れ(手湿疹)が酷い方などは、手を洗う回数を減らせるので、特におすすめです

トマトソース レシピ
時折混ぜながら徐々に温めていきます
画像は、スプーンで切るようにして、トマトを潰しているところです

スプーンの背で押したり、側面で切るようにすると、徐々にトマトが潰れていきます
この「潰す」ということが、そのまま混ぜることにもつながり、鍋内の上下の温度差をなくしてくれます

トマトソース レシピ
きれいにトマトを潰すことができました

画像では、木製のスプーン一本でやっていますが、この程度の量だと問題なく潰すことができます
大量にトマトソース作る場合は、手で潰した方が現実的でしょう(量が多いと、鍋の中で押しても逃げるので)

混ぜる手を止めると、ぐつぐつ言って沸騰するようになったら、火力を弱火に落とします

そのままの状態で、時折混ぜながら3~5分程度煮込みます
酸味がきちんと残っている状態で、トマトに甘みが乗ったら完成です

トマトソース レシピ
貝印
シリコーン
スプーン

今回使用したシリコン製のスプーンです

トマトをほぼきれいに掻き出すことができました

小型のスパチュラでも代用可能ですが、マーマレードやジャム、豆板醤や甜面醤などの小型の瓶にも使えるので、おすすめです

トマトソース レシピ
煮込みは短時間ですが、甘みが乗ってきたらそれで充分です
決して煮詰める必要はありません。酸味が飛んでドロドロになるだけです

火を止めた後も余熱で火は入っていきますので、それを見越して「少し手前」で火を止めるくらいの心持で作りましょう

このトマトソースは、ピザソースに使ったり、スパゲッティ・ポモドーロなどに、広く使うことを考えて作っています
そのため、香草を加えたり、煮詰めたりすることを、あえてしていません(そういうことは、実際に料理を作るステップで行えばよいのです)

でき上ったトマトソースは、味見をして甘みと酸味を確かめてください
しっかりした甘みと、トマトのフレッシュな酸味の両方が感じられることが重要です

新鮮さが感じられず、ドロドロのデロデロになってしまうと、あまり成功とは言えません
煮詰めるのは、ピザやパスタなど、実際の料理を仕上げる時にもできることです

ここでは、あまり火を入れすぎないことを重要視して、フレッシュに仕上げることを目標にしてください
そうすれば、ソースを口に入れるだけで、「おいしい!」…と、感じられるはずです


トマトーソースのあとがき

ディ・チェコ
No.11 まとめ買い

様々なレシピサイトを参考にし、いろいろなトマトソースを作ってみましたが、シンプルに作ったトマトソースが最も美味しいという結論に達しました(個人の意見です)


玉ねぎやセロリを入れ、イタリア料理で言うところの「ソフリット」の要素を加えるのもありかとは思いますが、あれこれ入れてごちゃごちゃさせてしまうよりも、トマトの甘さと酸味がぼやけず、ストレートでフレッシュな「トマト感」を出す方が、さまざまな料理に合わせやすいですし、ナポリピッツアにも合うというものです
(ナポリピッツァは南イタリアの料理ですので、トマトソースもシンプルな南イタリア式にするのが良いでしょう)

また、このトマトソースのレシピでは、バジルやオレガノなどの香草を加えていませんが、意図的に外しています(ソースに入れ込むのではなく、ピザを焼く直前、もしくは焼いた後に加えた方が良いというスタンスです)

トマトソースを作るコツ、ポイント

アルチェネロ
有機パスタソース
トマト&バジル


バリラ
パスタソース
ナポレターナ
トマトを入れたら、こまめに味を見ながら火を入れることがポイントです

最初はただのトマト味ですが、火が入るにしたがって甘さが乗ってきます
ちょこちょこと味見しながら火を入れていくと、トマトソースの味が変化してくのが判るでしょう
この、味の変化を感じ取りながら、火を入れてみてください

火入れを、「中火で5分」というように、火力と加熱時間のみで捉えていると、何年やっても料理の腕が上がりません(それはあくまでも、「参考数値」でしかないのです)

火を入れることで、どのような状態に仕上げたいのか、それをどうやって見極めるのか、そういった捉え方が必要です

このトマトソースでいうと、「酸味がしっかり残っていて、なおかつ、甘さが乗った状態」がゴール地点です
ここにたどり着くことができれば、火力や加熱時間は自由に設定してかまいません

ただ、わたしたちは日本人ですので、幼少の頃からイタリア料理に慣れ親しんでいるわけではありません
そのため、このような「イタリアのお袋の味」のゴール地点を見極めろ! …というのも(人によっては)難しいかもしれません

そういう場合は、有名どころの市販トマトソース(パスタソース)を買って、実際に自分の舌で確かめてみると参考になります
左上に、アルチェネロのトマト&バジルと、バリラのナポレターナを挙げてみました
トマト&バジルはその名の通り、香草のバジルを加えたもの、ナポレターナは人参や玉ねぎを加えたものです
イタリア料理でいうところのソフリットをトマトソースに加え、甘みと旨味を増したものです
いろいろと食べ比べて見ると、(それぞれに細かな違いはあるとは思いますが)味のゴール地点のイメージ構築に役立つと思います

※ 参考として市販のソースを取り上げましたが、「フレッシュな酸味が生きている」という点では、自宅で作ったものがベストだと思います(作りたては、特に素晴らしいです)

このトマトソースを使ったレシピ

ピザ・レシピ 自家製ナポリピザ
トマトソースを使って焼いた、自家製ナポリ風ピザです

お手軽・簡単なレシピではなく、かなり本格派のレシピになっています