和風大根サラダ(コク旨・ふわふわ・つゆだく)

最終更新日: 作者:月寅次郎

和の出汁とオリーブオイルの風味を効かせた大根サラダ

大根サラダ

コク旨・ふわふわ・つゆだくの和風大根サラダです。

大根をベースに、海苔と鰹節で旨味はしっかり
さらにマヨネーズでコクを加え、オリーブオイルの香りをほのかなアクセントとしています。

野菜好きの方や、食物繊維をしっかり取りたい方におすすめですが、適度に油分を加えているため、この一品だけでも(多めに作れば)そこそこの満足感が得られます。
補助食として上手に活用すれば、ダイエット中の方にも良いでしょう。
(味は和風ベースですが、優しい味で、お子様から高齢者の方まで、幅広く好まれると思います)

後述のように、包丁の使い方(切り方)次第で味や食感が大きく変わります。
細く切るほど、柔らかくふんわりと仕上がります。
(好みもあると思いますので、自分の好みの塩梅を見つけてくださいね)

● 関連ページ:ズボラ大根サラダ
和風大根サラダ(コク旨・ふわふわ・つゆだく)の、超手抜き版です。

和風大根サラダのレシピ(作り方・一人分)

  1. 大根を切る
    大根を細めの短冊切りにして、器に入れる。
    (太さにもよりますが、幅6センチ分の大根で、おおよそ一人前です)

  2. ドレッシング材料を、上からかけて和える。
    白だし:大さじ1(大根の上からかけ、一度混ぜてなじませる)
    オリーブオイル:大さじ1/2(さらに上からかける)
    マヨネーズ:大さじ1(これも上からかける、さらに混ぜて全体をなじませる)

  3. トッピングをする。
    鰹節と焼き海苔をトッピングする(多めがおすすめ)
    (ツナ缶を少量加え、上から醤油を数滴垂らすのも良いと思いますが、まずはこのシンプル版で試してみて下さい)

サラダを平らげると、お皿の底には、大根から滲み出た大根ジュースと合わせ出汁が溜まっていると思います。

これはこれで非常においしいですので、残さず頂きましょう。

分量を「1人分」としていますが、これは野菜好きでサラダをバクバク食べる人の1人分です(サラダ好きでない人の場合、1.5人分くらいの量になると思います)

おいしく作る(切り方編)

桂剥き

おいしく仕上げるポイントは、よく切れる包丁で大根を切ることです

包丁の切れ味が悪いと、大根の表面がバサバサになって、みずみずしく仕上がりません。
包丁の腕に覚えのある方は、大根を桂剥きにして「けん」を作り、サラダに仕立てると良いでしょう。

上の画像のように薄めに剥いて、細く繊細に切ることで、ふわっとした柔らかな食感を出すことができます。


こちらのように、やや厚めの桂剥きにしても、全く問題ありません。
(少しシャキッとした食感になります。これなら普通の三徳包丁でもやりやすいと思います)

大根サラダ
剥き終わったら、帯状になった大根を適当な長さに切り、並べて重ねます。

【 ここで登場している包丁 】
上の画像の小さい方の包丁は、『堺一次』の関東型薄刃包丁です。
(修復・手直しして使っています)

5寸サイズでやや小ぶりですので、剥きものに使うことが多いです。
修復の様子や、入手時の状態など、包丁の詳細は下記リンク先で解説しています。
● 関連ページ:堺一次の関東型薄刃包丁

大きい方の包丁は、『菊一文字』の菜切り包丁です。

菜切包丁と薄刃包丁は、よく混同されますが、「裏」のある片刃の包丁が薄刃で、裏のない両刃の包丁が菜切です(表面では、鎬の有無で判別可能です)
(『裏』というのは、片刃の和包丁の凹んだ部分のある側の面、及び、その面の砥石に当たる部分を指します)

● 関連ページ:月寅次郎が使っている包丁一覧

大根サラダ
桂に剥いた大根を、重ねて千切りにします。

今回は、大根の繊維に沿って切っていますので、「縦ケン」になります。

ドレッシングと和えると大根がしんなりしてきますので、その状態でもある程度の張りと食感を保てるよう、「縦ケン」で切っています。

「横ケン」の方が好みの方は、横ケンでお試し下さい。
繊維を断ち切る方向で切るのが「横ケン」です。

和食の板前さんがやるように、極薄に桂剥きをして、極細のケンに仕立てると、「ふわふわ」を通り越して腰が無くなり、「しなしな」の食感になりかねません。

ついつい手癖で薄く剥きすぎてしまった場合は、千切りの工程で幅を持たせるなど、適宜調整してみて下さい。
ベストは2mm角くらいかなと思います(今度、きちんと測ってみたいと思います)

大根サラダ
切り終わりました。

「つま」として使う場合は、このあと水に晒してパリッとさせるところですが、それはいたしません。
大根の味と香りが、水に流れ出てしまうのを避けるためです。

ボウル替わりに使っているのは、愛用のラーメンクッカーです。

ラーメン作りにちょうど良い小型鍋ですが、料理の下ごしらえなどでも多用しています。
(本来はキャンプ用のコッヘルです。角型なのでそのまま冷蔵庫に入れて保管する場合に収まりやすく、重宝しています)

● 関連ページ:ラーメンクッカー

大根サラダ
改めて料理の完成画像を見てみましょう。

大根から自然に滲み出た「おつゆ」で、ひたひたの「つゆだく」になっています。
これは…、
  1. よく切れる包丁で、切断面の細胞を潰すことなく、滑らかに切る
  2. 細く切って、ドレッシングと触れ合う表面積を多くする
…という、2つの条件が重なることで実現するものです。
(決してドレッシングを多めに入れたわけではありません、水分のほとんどが、大根から滲み出た「大根ジュース」です)

和食の世界では「包丁の切れ味で味が変わる」ということが言われますが、この大根サラダも、切れ味と切り方次第で、如実に違いが現れるレシピです。

大根サラダ
上の画像は、少し雑に切った時のものです。

やや太めの千切りにしたため、大根ジュースがあまり出ず、「和え物サラダ」のような外観となっています。

おいしく作る(和え方編)

このレシピでは、「最初に白だしをかけまわし、一度ざっくり混ぜる」としています。
これは…、
  1. 塩分による浸透圧の違いを利用して、大根から水分を引き出してしんなりさせる
  2. 大根の表面が油で覆われる前に、塩味を先に染み込ませる
…という2つの目的があります。

オリーブオイルを先にかけてしまうと、表面が油分でコーティングされてしまうため、大根から水分が出にくくなり、味も染み込みにくくなります。

白だしを先に入れて一度和えているのは、それなりに理由があるわけです。
(ただ最終的には、加えた油も乳化されてしまうため、それほど大きな違いが出るわけではありません。時間がなく簡単に作りたい場合は、一度に加えてまとめて混ぜてもOKです)

※ 通常のドレッシングは、先に材料を混ぜて完成させた後、野菜にかけて食しますが、このレシピではそれが必要ありません。

大根のアミラーゼ酵素の作用なのか、マヨネーズの中の卵黄のせいなのか、よくわかりませんが、箸で軽く混ぜるだけで水と油が混ざり、均一に乳化します(先に材料をシェイクして、ドレッシングを作る必要がありません)

おいしく作る(食材編)

大根の部位

大根サラダ

大根のどの部位を使うかというのは、以外に重要です。

大根の一番上と、下の先端の部分は、できれば避けたいところです。

葉側の最上部は、少し硬めで青味もあり、旨味の乗りも今ひとつです。
下の方の細くなっている部位は、「もさっとした味」で、清涼感に欠けています。
言い換えると、皮の部分の雑味(嫌な感じの味)が乗っている感じがあります。
これは、生の状態で実際に食べ比べてみると、よく判ります。


上の画像でいうと、まな板の上に乗っている部分が、サラダや生食で食べる場合に美味しく頂ける部分です。
さらに言うと、下に並べて置いている三徳包丁と重なっている箇所がベストです。

皮はしっかり厚めに剥く

大根の爽やかさと甘みを堪能するには、もさっとした雑味のある皮の部分を入れないことが重要です。

大根サラダ
上の画像は、分かりやすいように大根を薄めにスライスしたものです。

断面の色をよく見ると判りますが、外周3~4mm程は白っぽくなっており、内側の部分と透明感が違います。この色の変わり目で、味も大きく異なります。

清涼感と甘みがあるのは、皮の内側の透明感のある部分です。
皮は思い切って厚めに剥いて、内側の部分だけを使って下さい。

大根サラダ
実際に皮を剥いてみると、このくらいの厚みとなります。

海苔は「なるだけ良いもの」を

海苔は、予算の許す可能な限り上質のものを使用し、ドカドカと大量に使って下さい。
(このページの「でき上がりイメージ画像」は、見た目を考慮して、海苔の量をやや控えめにしています)

最高級の海苔は、旨味の乗りが素晴らしく、非常に美味しい出汁が出ます

大根から滲み出たジュースに海苔をどしどし混ぜ込んで、ドレッシングに海苔の出汁を効かせた状態で食べるのが、このレシピの真骨頂です。

安物の海苔は、「食べられる黒い紙」のようなものです(そのくらいの違いがあります)
まさに、クラウド アンド マッド、雲と泥、雲泥の差です。

オリーブオイルは、個性控えめで

味の素
エキストラバージン
オリーブオイル

高価なオリーブオイルを使う必要はありません。
このレシピの場合は、普及価格帯で個性が抑えめの、クセのないオイルの方が相性が良いです。

あまりオリーブオイルが前面に出てしまうと、鰹節や海苔など、和の香りとバッティングするため、よろしくありません。
(和と洋が喧嘩するとよくないので、ここは『洋』に一歩引いてもらっています)

そういう意味で、個性的でしっかり主張してくる高級オリーブオイルは、この料理にはあまり合わないのです。
(あくまでも私見です。オリーブオイル好きの方は、自分の好みのオイルを使って、より香り高く仕上げてみるのも一興だと思います)

わたしが実際に使っているのは、「味の素のエキストラバージンオリーブオイル」で、ここ何年も、こればかり多用しています。
どのスーパーでも置いていて、入手も楽ですし、はっきり言うとBOSCOよりも好みです。

● 関連ページ:トマトソース
オリーブオイルとニンニク、トマト缶だけを使った、シンプルなトマトソースです。

白だしの選択

キッコーマン
極み白だし


ミツカン
白だし

白だしはとても便利なので、個人的に料理に多用しています。
(ちなみに「麺つゆ」は、だらっとした甘みが苦手で使っていません。)

これまで使った中で、「これは良かった」と感じて使い続けているのは、キッコーマンの極み白だしと、ミツカンの白だし 地鶏昆布です。
(右の画像の商品です。画像が表示されない場合は広告ブロッカーをOFFにしてみてください)

キッコーマンの極み白だし」は、販売しているスーパーが少ないため、なかなか買えないのですが、鰹・昆布以外にも、ホタテとしいたけが加えられており、奥行きのある旨味を醸し出しています。
これ一本で、そこそこ深みのある味を出すこともできます。

ただ、うがった見方をすれば、「味が完成しちゃってる」と言えなくもありません。
料理人の方によっては、「これを使うと、全部この味になっちゃう」と言う人もいるかもしれませんが、家庭で使う分には「とても頼もしい一本」です。

容器も、空気の入らない特殊容器が使われており、このあたりは「大メーカー」の企業努力のたまものです。

ミツカンの「プロが使う味 白だし 地鶏昆布」も、好きな白だしの一本です。
この白だしは、昆布も程よく効いているところが良いところです。

「どちらかというと、鰹節が勝ち過ぎているのでは?」と思う白だしが多い中、昆布が頑張っている白だしは、ありがたい存在です。

ここに挙げたキッコーマンもミツカンも、これ一本で味を決めることもできますので、家庭で重宝する調味料です。

どの白だしを使うか迷ったら、上に挙げたキッコーマンか、ミツカンを試してみて下さい。

派生レシピ(手抜き版)

● 大根サラダ(コク旨・ふわふわ・つゆだく)の超手抜き版 「ズボラ大根サラダ
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【 補足 】
マヨネーズは、味の素を使っています。
(酸味がしっかり有る方が好みなので)

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