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スエヒロ 修整砥石


スエヒロ 修整砥石(溝付・セラミック)

スエヒロ 修整砥石

わたしが使っているスエヒロの修整砥石(WA300)です

ごくごく普通の溝付の修整砥石で、番手は300番、砥材がホワイトアランダムの焼結タイプ(セラミック型)です

すでに5年以上使用していますが、意外に減っていません
現状の厚みを計測したところ、実測2.5cmでしたので、2mmしか減っていないことになります(公式寸法の厚みは 2.7cmです)

このページでは、修整砥石についていろいろと解説してみたいと思います

凹んだ砥石では、正確に研ぐことができない

スエヒロ 修整砥石
スエヒロ
修整砥石

WA300
砥石は、使用に伴って中央がくぼんできて、徐々に平面度が崩れていきます

面の出ていない歪んだ砥石で研ぎ続けると、正確なエッジを作ることができません

和包丁や、鉋、ノミ、切り出し小刀など、面で研ぐ片刃の刃物の場合は、砥石が歪んでいると鎬筋や刃筋が丸まってしまい、シャープなエッジを形成することが難しくなります

洋包丁の場合、面ではなく線で研ぐため、比較的影響は少ないのですが、「線で研ぐ」というのはマクロ視点で見た場合の話であり、実際には小刃は1~2ミリ程度の幅があります

この数ミリ以下の小刃を正確・かつシャープに形成するには、きちんと平面を整えた砥石が不可欠です

刃物を研いで高い切れ味を得たい場合には、砥石の平面を整えるというのは、研ぎの基本となる重要なポイントです
「どの砥石を使うか?」で悩むよりも、「今、その砥石は平面が出ているか?」、「その面の状態で研ぎ続けて大丈夫か?」を考えた方が、研ぎの技量があがるというものです

片刃の刃物の場合はもちろんですが、きちんと平面の出た砥石を使って正確に研ぐと、自分の意図した通りの刃付けを行うことが可能です

包丁の刃
上の画像は、包丁の小刃を顕微鏡で撮影したものですが、エッジの際に極細い糸刃が付いていることが判ります
この刃付けは、わたしが行ったものですが、意図した通りの刃を付けることができました

これは一つの例ですが、砥石の平面が整っている状態で正確に研ぐと、研いだ通りの刃が付くのです。当たり前といえばそれまですが、砥石の面が整っていなければ、どれほど正確に研いだとしても意図した通りの刃には仕上がりません

刃が付いて、使えさえすればそれで良いと言うのであれば、砥石の平面度が崩れたままでもさほど気にする必要はありませんが、刃付けが上手になりたいとか、自分の意図した通りの刃に仕上げたいというような、こだわりの刃付けを施す場合は、その都度砥石の平面を整えて望むべきでしょう

以下のページで紹介している わたしが持っている砥石は、どれも大きく面が崩れないよう、適度にメンテナンスしていますが、すべてこのスエヒロの修整砥石だけで仕上げたものです
あまり平面度にこだわりすぎると、砥石が余計に減ってしまうため、厳密な平面度を追求するのではなく、ほどほどに整えています

鉋の薄削り大会でミクロン単位の技を競うような場合は、後述の電着ダイヤ砥石などを使用し、より厳密な平面を出した方が良いですが、実用を重んじる研ぎの場合は、このような普及型の修整砥石でも、全く構いません(充分実用に足ります)

砥石同士の「こすり合わせ修整」は?

凹んだ砥石を平面に戻すのは、砥石同士をすり合わせることでも可能です
ただ、いくつかのデメリットがあります

まず1つは、お互いの平面度が出てくると、砥石同士が貼り付くようになり、作業がやりづらいということです
専用品である修整砥石は、あらかじめ「溝付き」にすることで、この問題を解決しています

2つ目は、不必要な砥石の減りが出るため、もったいないということです

例えば、1000番の中砥石と3000番の仕上げ砥石を持っていたとしましょう
通常の場合、1000番の中砥の方が使用頻度が高く、主に減るのはこちらになります

ここで1000番と3000番同士をこすり合わせて平面を出すと、3000番の方はあまり減ってもいないのに、1000番の修整のために不必要に摩滅することになります

1000番の方が相対的に研磨力が高いことも裏目に出ます

このようなわけで、砥石同士をこすり合わせても平面を出すことは可能ですが、砥石の平面出しには、専用の修整砥石を用意した方が、いろいろと具合が良いです

電着ダイヤモンド砥石は?

ツボ万
アトマエコノミー

中目
今回取り上げているのはセラミック製の修整砥石ですが、電着ダイヤモンド砥石を使うという選択もあります

研磨粒子にダイヤモンドを使用しているだけあって切削力が高く、砥石を効率よく削ることが可能です

有名どころとしては、ツボ万の「アトマエコノミー」が挙げられます
砥石の平面度が重要な「鉋研ぎ」をする方の定番として使用されています

和包丁を主に研ぐ方も、アトマが良いでしょう(平面精度の信頼度が、比較的高いです)
主に洋包丁を研ぐ場合で、コスパを重視するならSK11製でも構わないと思います

電着ダイヤ砥石・使用上の注意

SK11
両面ダイヤ砥石


ツボ万
アトマエコノミー

取手付
電着ダイヤは、金属の板にダイヤモンドの砥材を埋め込んだものですが、これは、めっきの薄膜層を一種の接着剤のようにしてダイヤ粒子を貼り付けています

そのためダイヤの固着力は、それほど強力ではありません。あまり力をかけてゴリゴリやると、ダイヤ粒子の剥がれ量が多くなってしまいます

使用開始の初期状態で、電着が甘い粒子などが剥がれてしまうのは、(ある程度は)致し方ありません
また、初期状態では電着ダイヤの角が立っており、高さの微妙なばらつきなどもありますので、研ぎ傷が顕著に出やすいものです

少し使用して研磨粒子が落ち着くまでは、あまり力を入れずに優しくあたるなど、配慮をして使った方が良い結果が得られます
このあたりは、サンドペーパーも似た傾向があります

また、使用する場合は、指先を擦って手を怪我しないように注意して使用しましょう。
仕事などで使用頻度が高いなどの理由で、怪我リスクを避けながらも速く楽に仕上げたい場合は、取手付きのアトマを使うという選択もあります

ダイヤモンドも摩滅します

ダイヤモンドは最も硬い鉱物の一つですが、あくまでも硬度が高いというだけで、すり減らないわけではありません(程度は緩やかですが、使用に伴って徐々に摩滅します)

強い衝撃を与えると砕けますし、炭素ですので一定の熱を与えると燃えてしまいます

包丁の刃にしても、金属の中ではかなり硬度の高い部類に入ります
食材やまな板は、包丁の刃と比較すると非常に柔らかい素材であす。決して硬いものではありません

ですが、また板の上で食材を切っているだけでも、包丁の刃は摩滅して徐々に減っていくのです

このように、かなり大きな硬度差がある場合でも、減ることは減るのです

ダイヤモンドの研磨粒子とて同じです。硬度の高い金属を削り続ければ、角の部分は徐々に丸みをおびてきて、摩滅していきます

「ダイヤモンドは永遠」といった幻想を抱く人も多いようですが、研磨砥材としてみた場合、アルミナやカーボランダムと比較して、相対的に硬いというだけでしかありません


砥石 わたしの使っている砥石

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