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スエヒロ G-8 #8000番 超仕上砥石(竹色)

最終更新日: 作者:月寅次郎

「スエヒロ G-8 #8000番」を、月寅次郎が使ってレビュー

スエヒロ G-8 #8000番

「スエヒロ G-8 #8000番 超仕上砥石(竹色)」
  • 分類:仕上砥石
  • 粒度:#8000番
  • 砥材:GC(炭化ケイ素)
  • 結合:ビトリファイド(焼成/焼結型)
  • ブランド:スエヒロの一般業務用砥石
  • 製造会社:株式会社 末広
  • 寸法:206 x 73 x 23

「G-8 #8000番 超仕上砥石(竹色)」は、スエヒロが製造・販売している超仕上砥石です。

G-8は、8000番という高番手でありながら、焼成砥石であり、さらに砥粒がGC(炭化ケイ素)という珍しい特性を持っています。

ちなみに、(わたしの知る限りでは)他社でこのタイプの砥石を作っているところはありません。
焼成砥石にこだわりのある、『末広』らしい砥石と言えるでしょう。

8000番以上の超仕上げ砥石となると、レジノイド、もしくはマグネシア型が主流であり、砥粒もWA(ホワイトアランダム)であることがほとんどです。
ちなみに、「北山」「キング G-1」はレジノイド砥石、ナニワの「エビ印 純白」はマグネシア砥石になります。

なお、よく似た製品として「スエヒロ W-8」がありますが、こちらはWA砥粒の焼成砥石で、G-8とは基本的に使用砥粒が異なるだけの兄弟商品です。#8000番の焼成砥石という意味では、こちらも稀有な存在です。

スエヒロ G-8 #8000番

スエヒロ G-8
#8000番

GC砥粒・竹色



スエヒロ W-8-DN
#8000番

WA砥粒
スエヒロ G-8 #8000番 超仕上砥石(竹色)のインプレ
  • 8000番という高番手だが、刃によくかかってきちんと下ろす。「研ぎ感」も非常につかみやすい。

  • 一般的な焼結型中砥石(キングデラックス等)と、似たイメージで研げるため、実に研ぎやすい(研ぎ圧を少し弱めるだけで良い)

  • 焼結型らしい安定した研ぎ味(空走感が無くグライド感を把握しやすい。クリティカルさを感じさせない)

  • しっかりした密度感、安心して圧力を加えられる手応え、レジノイドタイプの仕上砥石のように、表面に刃がかかってもゴリッと削れたりしない。

  • 砥泥の出具合、目詰りのしにくさ、研ぎ減り具合(平面維持度)など、全体的なバランスが優秀

  • 圧力が適正か、噛み込ませ過ぎになっていないかなど、砥石側からの様々なインフォメーションが豊富で明確(指先にしっかり伝わってくる)

  • 砥石自体に沈み込み感や弾力感がないため、高精度かつ超シャープな仕上げが可能(腕に覚えのある方に推奨)

  • 一言でいうと「実に素晴らしい。」(月寅次郎のお気に入り)

  • 「#8000番まで番手を上げるには及ばない」という場合は、 白峰(仕上砥石・6000番)や、 理華(仕上砥石・5000番) という選択も絶妙(実用性・コスパ重視の場合)

スエヒロ G-8 #8000番 超仕上砥石(竹色)の特徴
  • 8000番という超仕上砥石で焼結型、さらにGC砥粒、稀有な存在。(スエヒロらしい砥石であり、スエヒロしか造れない砥石)

  • ひび割れ、軟化、ゆがみ、白化など、マグネシア砥石特有の経年劣化とは無縁の安定性、長期にわたって安心して使える。(焼成砥石の特徴であり、メリットでもある)

  • 『竹色』は、GC砥粒(グリーンカーボランダム/炭化ケイ素)の色味由来。(刃の黒幕のように着色剤を混ぜているのとは異なる)

  • 兄弟商品に「スエヒロ W-8」がある。双方ともに8000番の焼成砥石だが、砥粒素材が異なる(研ぎ味はG-8(GC砥粒)の方がマイルド)

  • 「スエヒロ W-8」はWA砥粒(ホワイトアランダム)(他社製でも『純白』と名の付く砥石は、WA砥粒と見て間違いない)

  • 売れ筋の人気砥石ではなく、使っている人も少ない。取り扱い店も少ないが、焼成砥石が好みの人には特におすすめ。
スエヒロ G-8 #8000番

末広 理華
#5000番

上の画像のように、「打刃物用」と表示されたラベルが貼られていました。

実際のところ、本職の方でも充分納得の行く仕上がりが期待できます。

このような高い番手の砥石となると、『番手相応の滑らかさが出る』わけであり、番手が同じであるならば、切った時の感覚にもそれほど大きな違いが出るわけでもありません。
研ぎ味・研ぎ感の違いはあるけれども、切れ味の違いは(同番手であれば)あまり出ないと言って良いのです。
(ただ、砥石製造会社によって、番手メッシュサイズの規定の違いというものはあったりするので要注意です)

というわけで、同じ8000番の超仕上げ砥石であれば、切れ味的にはどれもあまり変わらないと言ってよいのですが、この砥石は、ほんの少し上を行っている感じです。かなりシャープな刃を付けることができます。
細かな違いですので、違いを感じ取れない場合もあるかもしれませんが、鋭敏に感じ取られる方なら判るのではないかと思います。(砥石の表面が全く沈み込まないため、刃先の際までビシビシに仕上げられます)

スエヒロ G-8 #8000番

スエヒロ G-8 #8000番

説明書きの紙と、表面を整えるための名倉砥石が付属しています。

G-8(GC砥粒・竹色)とW-8(WA砥粒・純白)の違い

スエヒロ G-8 #8000番
スエヒロ
純白 白峰
#6000番

G-8(GC砥粒・竹色)とW-8(WA砥粒・純白)の違いについてですが、この2つは「好みの違い」と片付けても構いません。(それほど大きな違いではありません)

ただ、敢えて言うならG-8(GC)は優しい滑らかな研ぎ感。
W-8(WA)はシャープな研ぎ感です。

硬度で言うとGCの方が少し硬いのですが、結晶形状でいうと、WA(白色アルミナ)の方が鋭角に尖った先端が出やすいため、鋼材への食いつきが良い印象です。

ショリショリと良く下ろす能力を重視するならWAのW-8がおすすめかもしれませんが、超仕上げ砥石として、滑らかでシルキーな仕上げ感を重視するのであればG-8の方が良いとも思います。

しかしこれらは、あくまでも相対的な比較であり、絶対的なものではありません。

台付砥石の台を外して「台無し」へ

剛研 富士
#8000番

G-8もW-8も、台付と台無しの両方の砥石がラインナップされています。

個人的には「G-8/台無し」を購入したかったのですが、人気砥石ではないせいか取扱店が少なく、置いてある店がなかなか見当たりません。

そんなところに、たまたま「G-8/台付」が安く出ているのを見つけたため、即ポチして入手しました。
(妥協ではありますが、「台くらい、なんとか外せるだろう」と考えたというのもあります)

と、いうわけで、『台付砥石』の台を取り外して、『台無し』に加工する手順を紹介します。

スエヒロ G-8 #8000番

真鍮製の釘を抜いて、砥石の前後を固定している樹脂製の薄板を取り外します。

コの字型の固定釘を抜き、台の足を取り外します。

スエヒロ G-8 #8000番

のこぎりを使い、砥石を傷つけないように、砥石固定板を切り落とします。

スエヒロ G-8 #8000番

砥石と板を分離することができました。

スエヒロ G-8 #8000番

砥石側に残った薄板状の木材は、スクレーパーを差し込み、ゆっくりじわじわと剥がしていきます。

G-8は焼成砥石ですので、硬度も強度もそこそこありますが、砥石が割れたり欠けたりしないよう、じんわりと丁寧に力を加えます。

スエヒロ G-8 #8000番

板を剥がすことができました。
「G17ボンド」のような、クロロプレンゴム系の溶剤型接着剤で固定されていたようです。

「板が剥がれるのであれば、切らずに最初から剥がせばいいじゃない?」と思う人もおられるかもしれませんが、切らずに剥がすのは(この砥石の場合)ほぼ無理です。

一旦木を切り落とし、薄板状の状態に加工することで、張り付いた板がしなるようになり、スクレーパーの刃を差し込んで、木をしならせながら徐々に剥がすことが可能となります。

スエヒロ G-8 #8000番

スクレーパーを使い、砥石側に残った接着剤を、大まかにこそぎ落とします。

スエヒロ G-8 #8000番

スクレーパーでは取り切れなかった残留接着材を、ダイヤモンド砥石を使い、面直しの要領で除去します。

スエヒロ G-8 #8000番

刃の黒幕 クリーム
#12000番

『台無し砥石』への加工が完了です。

砥石側に染み込んだ接着剤の溶剤成分が、白い跡となって残っていますが、これは研ぎ減っていけば自然に落ちるでしょう。
この後、実際に研いで試してみましたが、白くなっている部分は目詰りしたような感触でつるつると滑り、鋼材へのかかり込みが今一つでした。ただ、数度の使用でほとんど消えてきましたので、さほど気にしていません。

一つ必敗したのは、木材をカットする際に、砥石側に刃が入り、溝が掘れてしまったことです。
1~1.5ミリ程度の深さの溝ができてしまいましたが、使っているうちに徐々に浅くなって、消えていくことでしょう。


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