ブライトホルン登山3(登攀開始)
いざ登坂開始です
登りだしてみると、緩斜面に見えていた南面も、実際にはそれほど緩やかではありません
とはいえ、登山で言われるところの「壁」というほどでもありません
すでに4000mは超えていますので、呼吸を乱さないよう意図的にペースを落とし、心肺に余裕をもたせて登ります
雪崩や落石の危険があるエリアの場合、危険地帯を早く抜けるために、それなりにペースを早める必要がありますが、ここにはそういう要素はあまりありません
おかげで、楽に呼吸ができる程度の、ややゆっくりとしたペースを取ることができました
視界は良好、トレースもはっきりしており、雪質も良くてアイゼンもよく効くという、この上ない好条件でした
ブライトホルン登坂開始
露出した岩の下を通過します
この日はしっかりトレースが付いていたので、割と安心して登ることができました
後ろのパーティの方が、少しだけペースが早かったので、安定した場所を選んでトレースを外し、道を譲りました
道を譲ったパーティを後ろから撮った様子です
最後尾の方は、谷側にストックを置いて、山側にピッケルを刺しており、手慣れた感じです。歩調もかなり安定していました
よく見ると、腰回りや太腿の太さが、前を歩く人達と明らかに違っています。おそらく経験豊かな方なので、最後尾を受け持ったのでしょう
こういう方の後ろは、幾分安心して歩けます
(それでも一定の距離は、必ず開けるようにしています)
見下ろすと、眼下にすり鉢状の台地が広がります。ブライトホルンプラトーです
右端の方にクレバスが出ており、雪の下は氷河になっていることが判ります
この画像では、
向こう側がイタリア領で、手前側がスイス領なのですが、標識などは無いため、どのあたりが国境なのかよく判りません
左下方の取り付き点とその斜め上方に、登山者が並んでいるのが判ります(あまりにも小さくて、蟻のようです)
カメラの水準器を使って、水平を出して撮影してみました
トレースは斜めに走っていますので、斜度がきつい感じはそれほど感じませんが、斜面を直登すると、そこそこの傾斜角になるでしょう
雪面のわずかな凸凹に、強風で氷の粒子が張り付いたのか、不思議な造形を作っています
上方に人影が見えてきました。あそこが山頂でしょうか?
しかしまだまた、距離がありそうです
はやる心を抑えて、一定のペースで登ります
右に曲がって、ルートが東の方角へと変わりました。どうやら山頂直下の最後の登りのようです
そこそこ急な斜面だとは思いますが、雪面の状態が良く、アイゼンの刃がよく効きましたので、手を使うほどではありません(脚だけで登ることができました)
ブライトホルンの山頂に到達
どうやら、山頂に着いたようです
ブライトホルン4164mの山頂です
誰彼ともなく、拍手をして迎えてくれました
山頂にいる人は、誰もが皆、自然と笑顔になっています
登山の道中ですれ違った人が、山頂でニコニコしながら出迎えてくれるというのは、本当にいいものです
同じ山でも、人が多すぎると、なかなかこうはいきません
しみじみと、登頂の喜びを噛み締めました
ようやくブライトホルン山頂に到着しました!
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