ブライトホルン登山6(マッターホルン周辺を散策しながら降りる)

最終更新日: 作者:月寅次郎

ブライトホルン登山6(マッターホルン周辺を散策しながら降りる)

クライン・マッターホルンからツェルマットまでは、ロープウェイで降りていきます
ロープウェイの駅を風景画像に当てはめると、下の画像のようになります

ブライトホルン~ツェルマットのロープウェイ
これまで、1~2の行程を歩いて下山したわけですが、2~6はロープウェイとゴンドラで、6~7は徒歩で移動します
「3.トロッケナー・シュテーク」、「4.シュヴァルツゼー」では一旦下車して、周囲を散策してトレッキングを楽しみました

それではまず、「2.クライン・マッターホルン」からスタートです

クライン・マッターホルン(Klein Matterhorn)にて

マッターホルン東壁と南壁
マッターホルンの南側も、これで見納めです
右側1/3くらいが東壁で、残りは南壁です

ブライトホルンの西側
先程登頂したブライトホルンです

この西側の壁面がツェルマットの村から見えれば、この山の知名度も上がると思うのですが、残念ながら見えるのは北面です

ブライトホルンの北面は、溶け落ちたアイスクリーム、もしくは木の瘤のように見え、捉えどころのない山容をしています。どうかすると、スター・ウォーズに出てくる「ジャバ・ザ・ハット」の顔のようにも見えます

表向きは残念フェイスなので人気が今ひとつの山ですが、西壁はイケメン顔、南斜面は美人さんの山なのです

クライン・マッターホルンのロープウェイ
クライン・マッターホルンからロープウェイに乗り込み、トロッケナー・シュテークへと降りていきます

トロッケナー・シュテーク(Trockener Steg)

トロッケナー・シュテーク Trockener Steg
トロッケナー・シュテーク(Trockener Steg)は、標高2939mの位置にあります

スイス観光局のホームページには「マッターホルンとFace to Face」と書かれてありましたが、まさにその通りですね

冬は一面の雪に覆われ、スキーやスノーボード客で賑わうようですが、夏は雪が引いており、ガレた岩肌が露出しています

トロッケナー・シュテークから見るマッターホルン
湖の色が今ひとつ綺麗に見えないのは、周辺に氷河が多数存在するためです
氷河が岩を削るため、水に岩石の破片が混じり、水の色を濁らせています

トロッケナー・シュテークからの展望
ここからはマッタータルを含めた、周囲の山々の様子が一望できます
ヴァイスホルン、メッテルホルン、ドム、テッシュホルン、贅沢な景色です
ブライトホルンの山頂からは、山陰が邪魔をしてツェルマットの街があまり見えませんでしたが、ここからはよく見下ろせます

腰を下ろして景色を眺めている方がおられますが、そうするにはいい場所です

観光客も少なく、ざわざわとした喧騒もありません
静かに山に浸ることのできる、いい場所です
サンドイッチでも齧りながら、ゆっくり眺めていたくなる景色です
スネガなどは、有名スポット過ぎて、マッターホルンを眺める観光客でごった返しており、騒がしいことこの上ないです

後で調べてみたのですが、谷の奥に見えているのは、アレッチホルン4193mのようです
(ユングフラウとメンヒは、方角でいうとほぼ真正面に見えるはずですが、メッテルホルンの影になって隠れているようです)

トロッケナー・シュテークから見上げるブライトホルン
見上げるとそこには、ブライトホルンとクライン・マッターホルンが鎮座しています
距離が近いため、迫力のある感じで映えています

シュヴァルツゼー(Schwarzsee)

シュヴァルツゼーのトレッキングコース
シュヴァルツゼー(Schwarzsee)まで降りてきました。ここの標高は2583m
トロッケナー・シュテークは3000m近かったので、岩と氷のガリガリの世界でしたが、ここまでくると、緑が豊富で、自然の息吹を感じます

シュヴァルツゼーからマッターホルンを見る
「スネガ(Sunnegga)で見た時のマッターホルンと、角度がほとんど同じだな」と思ったので、後で確認してみたのですが、スネガとシュヴァルツゼーとマッターホルンは、地図上でほぼ一直線上に並ぶ位置関係です

…というわけで、ここシュヴァルツゼーからは、スネガから見るマッターホルンと、ほぼ同じ角度でマッターホルンを見ることができます
ただ、こちらのほうが距離が近いですので、仰角がついて見上げる形になります

やはり、この角度からのマッターホルンは、惚れ惚れするいい面構えをしていますね

シュヴァルツゼーから見たマッターホルン
レンズを望遠にして撮り直してみました
目を凝らさないと判りませんが、ヘルンリ小屋の屋根が、麓のところに見えています

シュヴァルツゼー
トレッキングを楽しむ人も、ちらほらおられます
この日は好天でしたので、誰もが楽しそうに歩いています

こういう素晴らしい風景の中を散策できれば、一生の思い出に残ることでしょう
人も決して多くないので、大自然を満喫できます

「この風景を独り占め」というような表現がありますが、まさにマッターホルンの近影を独り占めしやすい、素敵な場所だと思います

ツェルマットの観光客は、スネガやゴルナーグラートなど、谷の東側の人気スポットに行くことが多いのですが、こちらの南西側はどちらかというと穴場になっています

シュヴァルツゼー周辺は、観光産業的ないやらしさも少なく、自然がそのまま残っている風景が多く、山好き・自然好きにはおすすめできるエリアだと思います

シュヴァルツゼー
少し登ったところから、シュヴァルツゼーのゴンドラ乗り場を見下ろしてみました
L字型の建物が、ゴンドラ乗り場です

シュヴァルツゼーからの眺め
画像左から、モンテローザ、リスカム、ブライトホルン、右端がクラインマッターホルンです
ゴルナー氷河もちらりと見えています。カストルとポルックスは、ブライトホルンツヴィリングの影になっているようです

シュヴァルツゼーのゴンドラ乗り場
シュヴァルツゼーのゴンドラ乗り場に戻りました
これからフーリ、続いてツェルマットへと降りていきます

シュヴァルツゼーのゴンドラから見る景色
ゴンドラから見下ろす景色も、実に素晴らしいですね

ゴンドラのケーブルの先には、フーリのゴンドラ乗り場が見えています
そしてその奥には、ツェルマットの町並みがあります

正面にはミシャベル山群の稜線が、凛々しく空を切り取っています


クライン・マッターホルンからここまで、途中下車しながら降りてきましたが、
● クライン・マッターホルンは、雪と氷の世界
● トロッケナー・シュテークは、岩と雪渓(残雪)の世界
● シュヴァルツゼーは、水と緑の世界 …でした

それぞれ標高が異なるため、周囲の景色が異なり、停車駅ごとに違った印象で見ていて飽きません
ブライトホルンの登山に半日を使っていたため、あまりゆっくりできずに、急ぎの途中下車の旅となりましたが、一日かけてゆっくり廻るだけの価値のあるエリアだと思います

ツェルマットから見たマッターホルン
ロープウェイを乗り継いで、ツェルマットの街に降り立ちました
登山後の道中も楽しむことができ、実に素晴らしい山行となりました



さて、ようやくツェルマットまで降りてきましたが、寝る場所に戻るまでが「下山」です
次のページでは、キャンプ場に戻ってからの様子をお送りします
キャンプ場から見上げるブライトホルンは、どんな風に見えるのでしょうか?
スイスの地元の方が愛飲している、おいしいビールの情報とともにお届けします

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