以前、アクエリアス(一日分のマルチビタミン)の再現レシピを作りました。
再現度に満足しましたが、市販のスポーツドリンクそのまんまの味ですので、夏季トレーニング時に使うには、少し塩分が足りません。また、甘さも少し落としたいところです。
というわけで、
夏季ガチトレーニング用として作った、自作スポーツドリンクレシピです。
(自称「月寅ブレンド」と呼んでいます)
一般的な市販スポーツドリンクに比べると、甘さは控えめで約半分。
塩分は、逆に2倍量に設定することで、経口補水液とほぼ同等の塩分量としています。
トレーニングの前後で体重が1~2kg程度減る(1~2L程度の発汗がある)程度の運動量を想定した配合です。
夏季ガチトレ用スポーツドリンクのレシピ
夏季ガチトレ用スポーツドリンクのレシピ(分量:1L希釈用)
DHC
ビタミンC
ハードカプセル
-
砂糖:24g
-
塩:3.0g
-
クエン酸:1.2g
-
ビタミンC:2000mg(500mgカプセル x 4個)
-
ビタミンB2:4mg
それぞれの材料を計量、混ぜて溶かせばできあがりです
ビタミン錠剤(カプセル)は、いつもの
DHC ビタミンCサプリ。
クエン酸も、いつもの太洋製薬のボトル入「無水クエン酸」です。
塩は、
カルシウム・マグネシウム分が多めの「浜御塩」を使っています。
(切らした時は、味の素の「瀬戸のほんじお」で代用しています)
ビタミンC・B2について
DHC製ビタミンCサプリを使うことで、この配合が簡単に実現できます。
詳しくは、ビタミンC、B2の計量と入手のページをご覧ください。
水量ごとの分量一覧(主なドリンクボトル)
材料/水量 |
360ml |
500ml |
620ml |
710ml |
1.0L |
砂糖 |
9g |
12g |
15g |
17g |
24g |
塩 |
1.1g |
1.5g |
1.9g |
2.1g |
3.0g |
クエン酸 |
0.4g |
0.6g |
0.7g |
0.9g |
1.2g |
ビタミンB/C |
1錠 |
2錠 |
2錠 |
3錠 |
4錠 |
カロリー |
35kcal |
46kcal |
58kcal |
66kcal |
93kcal |
※ 1錠 = DHCビタミンCサプリ 1カプセル
※ 360ml(シンプルハイドレーションボトル(旧タイプ)ランニング時に使用)
※ 500ml(ナルゲンボトル・登山用に使用)
※ 620ml≒21oz(サイクルボトル(ノーマル容量)ロードバイク時に使用)
※ 710ml≒24oz(サイクルボトル(ビッグボトル))
※ 砂糖(ショ糖)のカロリーを、1gあたり3.87kcalとして試算
使用材料と入手先
クエン酸 - 少量で充分です
スポーツイベント等でエイドを出すなど、大量に必要な場合や、団体で使用する場合は大きめの容量がおすすめですが、クエン酸は少量しか使いませんので、
個人で使う場合は100g入ボトルでも充分です。
当レシピの配合ですと、
クエン酸100gで約83リットルの作成が可能です(500gだと約416リットル)
●
クエン酸 100g(大洋製薬・amazon)
●
クエン酸 500g(大洋製薬・amazon)
(筆者使用品)
●
クエン酸 500g(健栄製薬・amazon)
●
クエン酸(楽天でクエン酸を検索)
※ クエン酸は食用のものを使用してください(食品添加物の記載があれば大丈夫です)
食用ではない清掃用のクエン酸は、飲料用としては不適です(ポットの水垢除去等に使います)
クエン酸は「クエン酸回路(TCAサイクル)」で有名ですが、一言でいうと体内に蓄えられたグリコーゲンをエネルギーに変換する重要な役割を担っています。
アミノ酸代謝、尿素回路、糖新生など、他のさまざまな代謝にも関わってくるため、非常に重要な代謝回路です。
塩 - カルシウム/マグネシウムを多く含有するものを
サラサラした精製塩の方が計量しやすく使いやすいですが、筋肉を長時間動かすことを考えると、ミネラル分が多めに入っている窯焚きの塩がおすすめです。
特に
カルシウムとマグネシウムの含有量は、注目ポイントです。
筆者は「浜御塩」と「瀬戸のほんじお」の両方を使っています。
(ここぞという時は「浜御塩」です)
●
浜御塩(400g・amazon)
(筆者使用品)
長崎県の対馬で作っている塩です。
ミネラル分豊富な塩で、100gあたりカルシウム953mg、マグネシウム640mg、カリウム223mgとされており、一般的な窯焚きの塩に比べても、かなり突出した数値を持っています。
カルシウムとマグネシウムの両方の含有量が共に高いのが良いところ。レース後半での脚の攣りに悩まされている方は、一度試してみると良いかと思います。
●
瀬戸のほんじお(1kg・味の素・amazon)
(筆者使用品)
食品大手の「味の素」が販売している塩ですが、製造元は「日本家庭用塩株式会社」です。
岡山県玉野市で製造されており、原料の海水も岡山の海水が使用されています。
(このあたりは、メキシコ/オーストラリア製海塩を使っている「伯方の塩」とは異なり、安心して使えます)
大手流通品としてはミネラル分が多い方で、100gあたりのカルシウムが160g、マグネシウム300mg、カリウム880mgとされています。
(カリウム分が多いところに目が行きがちですが、カリウムはバナナやオレンジジュース等でも摂取可能です)
●
粟国の塩(250g・amazon)
価格がやや高めなので筆者は使っていませんが、浜御塩を超えるマグネシウム含有量が特徴です(カルシウムについては浜御塩の方が高い)
100gあたりのカルシウム250mg、マグネシウム1660mg、カリウム480mg
砂糖・ブドウ糖・粉飴
●
グラニュー糖(1kg・amazon)
普段使いにはグラニュー糖をおすすめします。白砂糖よりもサラサラして計量しやすく、1グラム単位の調整も容易だからです。
●
粉飴(マルトデキストリン)(1kg・amazon)
当レシピでは使用していませんが、本番のレースやトレーニングで追い込む場合は、(砂糖ではなく)積極的に粉飴(マルトデキストリン)を使用しましょう。
マルトデキストリンは、ブドウ糖と同程度の速さで吸収されますので即効性があり、消化・分解に使われるエネルギーも極小です。そのため内蔵にも負担がかかりにくく、食べること自体がきつい時でもカロリー補給の支えになります。
ウルトラマラソンや、アイアンマンレース(ロングディスタンスのトライアスロン)など、競技時間が長く「何を食べ、どうエネルギーを補給するか」が重要となるレースでは、多くの競技者に使用されています。
ちなみに市販品のKODA(旧shotz)は、マルトデキストリン100%です。
● 関連メモ:粉飴とマルトデキストリンの違い(shotzを食べた感想も)
ビタミンC・B2
ビタミンCはコラーゲンの合成や抗酸化作用に効果があり、パフォーマンスに直接的に影響するわけではありませんが、
長時間日光に晒されるランナーは積極的に摂取しておきたいところです。
(メラニン色素の生成を抑え、皮膚や毛細血管を健康に保つことから、美肌・美白系サプリには必ず入っています)
ビタミンB2は、糖質・脂質・タンパク質の代謝、エネルギー産生に関わりますが、特に脂質の代謝を助けることから、
エンデュランス系の競技には欠かせないビタミンです。
市販栄養ドリンクのほとんどに配合されており、アリナミンVには2mg、リポビタンDには5mg配合されています。
また、清涼飲料水の分野でも、デカビタC(ビン入)には約1.6mg、オロナミンCには2.4mg入っています。
(当ドリンクレシピでは、500mlあたり2mg、1000mlでは4mgの摂取が可能です)
●
DHCビタミンC(120粒・amazon)
ビタミンカプセルの中身を全量使う方法
大洋製薬
食添クエン酸
ビタミンのカプセルは、パカッと開けて投入しますが、カプセルの奥の方に詰まったビタミンは、なかなか出てきません。
爪で弾いたりして、中身を全部出すのが定石ですが、より簡単で思い切ったやり方もあります。
それは、
カプセルをパカッと開けたら、カプセルごとボトルに投入する…という方法です。
医薬品やサプリ用のカプセルにはさまざまな種類がありますが、DHCのビタミンCサプリは、
ゼラチンカプセルです(※1)
ゼラチンカプセルは、すぐに水に溶けて無くなるわけではありませんが、ボトルの中で水に浸ると次第にふやけていき、そのままドリンクと一緒に飲むことができます。
(気温にも左右されますが、しばらく経つとカプセルの形状が失われ、いつカプセルを飲んだのかわからなくなります。また微量ではありますがタンパク質が接種可能です)
上は、ドリンクの中にカプセルを入れた実際の画像ですが、ボトルの下の方にふやけて大きくなったカプセルが見えます。
これは投入数分後に撮影したものですが、この後徐々にカプセルの輪郭が分からなくなってきます。
走っていると振動で中身がシェイクされますので、常温でも充分溶け込みます。
(寒い時期はそうなりにくいかもしれません)
※ カプセル錠剤で、原材料に「ゼラチン」の記載があるものは、たいていゼラチンカプセルです。
DHCのビタミンCサプリの場合、機能成分であるビタミンCとB2を除くと、ゼラチン、着色料(カラメル・酸化チタン)の記載が見られます。
(酸化チタンは紫外線の遮断用です。カラメルも色を濃くして日光を遮る効果があります)
※ ビーガンの方のために、動物性タンパク質を使用しない、セルロース製のカプセルもありますが、ゼラチンカプセルの方が主流です。
計量・保管・使用ボトル
計量 - 0.1g単位のキッチンスケールで
タニタ
キッチンスケール
0.1g単位
計量には、できれば0.1g単位で計測が可能なキッチンスケールを使用しましょう。
砂糖の分量は少々アバウトでも構いませんが、塩分量は0.1g単位できっちりコントロールしておきたいところです。
また、クエン酸は少量違うだけでも、酸味が大きく変わってくるため、味と飲みやすさに影響が出ます。
保管・使用法
砂糖、塩、クエン酸を計量した後は、
小分けのチャック袋に入れて冷蔵庫で保管しましょう。
冷蔵庫に入れておけば、
吸湿してベトベトになることはありません。
筆者は、サイクルボトルとラン用のボトルの容量に応じて、2種類の小分け袋を用意しています。
(トレーニングに出る前に、その都度計量して混ぜるのは面倒なので、まとめて作って保管しています)
小袋の中身をボトルに投入し、分量に応じたビタミンカプセルを入れ、あとは水を注ぐだけで出来上がりです。
(わざわざ混ぜなくても、走っているうちに自然に溶けて混ざります)
小袋とカプセル、そして水さえあれば、いくらでもスポーツドリンクを作れますので、登山やポタリング、ロードバイクのトレーニング時には、携行しています。
ボトル
Camelbak
ポディウムボトル
筆者が主に使用しているのは、
Camelbakの620mlポディウムボトル(現行品)と
シンプルハイドレーションのボトル(旧タイプ)です。
ポディウムボトルは旧型の頃から使用していますが、現行品は飲み口が改善されて分解・洗浄が簡単になっています。
サイクル用としては定番の商品で、ロードバイクに乗る前から登山で使っていました。
オートルート全工程やブライトホルン登頂にもこのボトルを持参しましたので、10年以上使っていることになります。ただ、2022年の沢登り時に不注意で流されてしまい、現行品に買い直しています。
シンプルハイドレーション(SIMPLE HYDRATION)の旧ボトルは360mlで、この容量はランニングやトレラン用に設定されています。
(この容量・重量だとずり落ちにくく、10kmランにはピッタリです)
側面に窪みが設けられているのが特徴で、この部分を
ランニングポーチやランパンに引っ掛けて携行することができます。
おへそのあたりに置いて走れば、揺れも少なく気になりません(走ることに集中できます)
筆者が使用しているのは旧モデルです(現行品は18oz・530ml)。輸入業者が取り扱いをやめたのか、旧モデルはもちろんのこと、現行品も入手困難となっています。
代替品(類似商品)としては、シェイクハンズのランニングボトルがあり、こちらはamazonで購入可能です。
なお、シンプルハイドレーションボトルと合わせて使っている
ランニングポーチはこちらです。
CUBATTYという中国製商品ですが、スマホ、補給食、鍵等を収納した状態で、さらにハイドレーションボトルを引っ掛けても安定して走れるため、重宝しています。
サイクルボトル・ランニングボトル、買うならこちら
自作ドリンクの味・飲みやすさ
一言でいうと、
甘みが薄めで、適度な酸っぱさがあり、わずかに塩味を感じるスポーツドリンクという感じです。
安静時に飲む分には、決しておいしいというものではありませんが、持久系スポーツをやっている方であれば、飲めば判る味だと思います。
(ハアハア言ってる時に飲むと、ゴクゴクおいしく飲めるような加減に調整しています)
マラソンイベント等のエイドで支給される、意図的に薄く希釈したスポーツドリンクに少し似た感じです。
発汗時に合わせて味を調整していますので、
トレーニング中に飲むと、スコスコとおいしく喉を通る感じです。
(クーラーの効いた室内で飲むと「ナニコレ?」と感じるかもしれませんが、そういうものです。経口補水液の「OS-1」も、熱中症手前の状態で飲むとおいしく感じますが、平時に飲むと激マズです)
糖分・甘さの調整
甘さに関しては、現状で1Lあたり砂糖24gとしています。
24gを基準として、味覚的な好みや、必要とされるカロリーに合わせ、自分で調整・アレンジしてみてください。
ちなみに、
経口補水液(大塚製薬のOS-1)と全く
同じ糖分設定にしたい場合は、
1Lあたり18gとなります。
経口補水液は「身体に水分を補給する」ことを主目的としているため、筋肉を動かすためのカロリー補給についてはあまり考慮されていません。
あくまでも熱中症予防、および熱中症に至った場合の経口補水を目的としてものであり、持久系運動時の総合補給用飲料としては、カロリー的に不足があるのです。
運動持久力が必要とされるマラソン、トレラン、ロードバイク等の競技(トレーニング)の場合は、保水と同時にカロリー補給も必要です。
また、筋肉のバルクアップを図る場合も、ある程度の炭水化物を接種する方が効率が良くなります。
ここでは暫定的に「1Lあたり24g」としていますが、(お好みに応じて)適度に増減させる、もしくは
粉飴(マルトデキストリン)を加えるなどしてみてください。
ちなみに、
アクエリアスと同じ糖度にするのであれば、
1Lあたり砂糖45gとなります。ここまでいくと
かなり甘いです。
安静時、もしくはウォーキング等の軽い運動時に飲む分には、甘くておいしく感じますが、汗がバシバシ流れるようなトレーニング、もしくは最大心拍の75%以上の運動強度での最中に飲むのであれば、24g前後がいい塩梅だと思います。
数時間を超える持久系のトレーニングの場合は、エネルギーをいかに補給するかも重要な要素となってきます。
そのような場合は、あえて糖度を上げる、もしくは前述のように粉飴を加えるなどして、カロリーを上げるのも一つの方法です。
(ドリンク側には手を加えず、補給食を定時的に摂取するのも一つのやり方ですが、運動中に固形物を咀嚼するのが苦手な方や、固形物が受け付けられず、飲み物しか喉を通らないという場合は、ドリンクのカロリーを高めるしかありません)
塩分量(ナトリウム)の調整
ここでは、
1Lあたりの塩分量を3.0gとしています。
大塚製薬のOS-1は、1L換算の食塩相当量が2.92gですので、それとほぼ同等の塩分量に設定しています。
この塩分量は、市販スポーツドリンクの約2倍です。
これは、一度のトレーニングで1~2L程度の発汗をするような、夏季のトレーニングを想定とした配合(レシピ)ですが、酷暑時の建設現場、鋳物、鍛冶、ガラス工芸など、炉を使用する現場での熱中症対策にも適応可能です。
(サウナにも良いかと思います)
多量発汗を想定した場合、おおよそこの塩分量で良いかと思いますが、お使いになる場合は自分の舌で確かめた上で、必要であれば調整を加えてみてください。
安静時と発汗時では、塩味の感じ方に大きな差が出ます。
両方の状態で確認して、ベストな塩梅を探ってみてください。
安静時に味わうとわずかに塩味を感じますが、運動時・発汗時に飲むと、塩が入っているとは思えなくなります(全く気にならなくなります)
厚生労働省が健康維持のための数値目標として定めている塩分摂取量は、1日あたり7g未満です。
(2024年度に制定される「健康日本21」に記載されています。それ以前の塩分目標値は「10.1g」でした)
ただこれはあくまでも、どちらかというと運動不足になりがちな、通常の生活を送る一般人を想定としたものです。健康の増進を目標としたもので、より高い運動パフォーマンスを達成するためのものではありません。
言い方を変えると、アスリートや、それに準じるレベルのスポーツ愛好家を考慮したものとは言えません。
世の中には、真っ赤に燃える炉の前で、身体を守るために塩を舐めながら働いている人もいるのです。汗を吸った衣類は、塩を噴いて白くなることもあります(そのくらい塩は分泌・消費されています)
一方で、腎臓を悪くして人工透析に通っているため、極端な塩分制限が必要な方もおられます。
このように、どの程度の塩分(ナトリウム)を接種するのがベストかというのは、その人その人によって大きく変わるもので、一概に言えるものではありません。
厚生労働省の指針は、あくまでも「あまり運動をしない人のための目安」と考え、自分自身の身体や運動量に適した塩分摂取量を適宜判断し、必要に応じて調整しましょう。
(夏季と冬季、季節によっても変わってきます)
筋肉の痙攣予防(ガチ勢のためのCaとMg)
Mag-on
エナジージェル
粟国の塩
浜御塩
アスリートレベルのトレーニングにいそしむ方は、
精製塩ではなく、カルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)を含んだ塩を使用すると良いです。
でなければ、マグオン(Mag-on)のような、マグネシウム配合ジェルで補うしかありません。
ただあれは、やたらと高価です(実売価格は左に表示していますが、画像や価格が出ない場合は広告ブロックをOFFにしてお試し下さい)
カルシウムイオンやマグネシウムイオンは、筋肉の収縮と弛緩に不可欠で、不足してくると筋肉の痙攣が起こりやすくなります
LSD(ロング・スロー・ディスタンス)など、強度の低い運動の場合はさほどこだわる必要はありませんが、ガチで望む場合のロードレースやウルトラマラソンなど、持てる体力を出し切る場合には、これらのミネラルにも配慮が必要です
もちろんナトリウムやカリウムも重要なのですが、これらはスポーツドリンクに含まれている塩分やバナナなどで、容易に補給が可能です
ちなみに、
精製塩にはMgやCaがほぼ含まれていません(成分表示を見ると判ります)
精製塩ではない料理用の塩というと、「伯方の塩」や「瀬戸のほんじお」あたりが有名です
これらはスーパーの棚に大抵置いてありますので入手が容易ですが、Ca/Mg含有量でいうと、それほど多くは入っていません
「伯方の塩」のCA/Mg含有量は、Ca:50-200mg、Mg100-200mg(100gあたり)
「瀬戸のほんじお」のCA/Mg含有量は、Ca:160mg、Mg300mg(100gあたり)
Ca/Mgの含有量が多いのは、「釜炊きの塩」になります
具体例を挙げると
沖縄の「粟国の塩」が挙げられます
CA/Mg含有量は、Ca:250mg、Mg1660mg(100gあたり)とマグネシウム値が高いです
塩としては少々お値段高めですが、マグネシウム入りで有名な「Mag-on」のスポーツサプリやジェルに比べると、かわいいものですし、料理にも使えます(レースシーズンが終わった後に、使わなかったスポーツサプリがどっちゃり余って賞味期限切れになり、困ることもありません)
なお、個人的には、Ca/Mg含有量に優れ、価格もリーズナブルな
長崎県対馬産の「浜御塩」を使っています
「浜御塩」は、CA/Mg含有量が、Ca:953mg、Mg640mg(100gあたり)となかなか優秀です
(粟国の塩に比べるとコスパが高く、CaとMgの比率も後述の「2RUN」に近いため、安心して使えます)
ちなみに、「にがり」を入れると、簡単にマグネシウム濃度をあげることができますが、あまりおすすめはしません
入れすぎると下痢になるため、確実にタイムロスします
(酸化マグネシウムが主成分の便秘薬があるくらいです。商品名大正製薬 コーラックMg)
探究心が強く、躊躇なく自分を実験台にしてデータを収集し、自己責任で最適量を処方可能な人なら良いかもしれません
脚の痙り予防に効く、梅丹(Meitan)「2RUN」
梅丹(Meitan)
2RUN
一時期、
ロードバイクを漕いている際に、頻繁にふくらはぎが痙りそうになったことがあったのですが、その頃は、
梅丹の「2RUN」を飲んでやり過ごしていました(これが実に良く効きました)
「これ以上の力でペダルを踏み込んだら、確実に痙っちゃうなぁ」という状態が、ピタッと治まるのです
「2RUN」(攣らん)は、言ってみれば、ナトリウムとカリウムが少々と、マグネシウムとカルシウムがこってり入っている錠剤です
CA/Mg含有量は、Ca:250.6mg、Mg124.3mg(1包=2錠あたり)
「2RUN」が効くのは確かですが、攣りそうになってから慌てて錠剤を慌てて飲むのも大変です
前述のように、ドリンク自体にCa/Mgを混ぜ込んでおけば、水分補給の度に(こまめに)MgとCaを微量づつ補給することになり、ミネラル分が枯渇しにくくなります
それで攣らずにゴールできれば何よりですし、それでもダメな時のために「2RUN」を一包ポケットに忍ばせておくというのが良いと思います
ちなみにこれは、アレルギーのために肌の炎症が酷かった時の話です。この頃はほんの少し運動強度を上げただけで、簡単に脚が攣るようになっていました
ただの肌の炎症でも、病膏肓に入ると筋収縮に影響を及ぼします(ホントの話)
日焼けも一種の「炎症」ですので、ロングのトライアスロン(アイアンマン)やウルトラマラソン、紫外線の強い長丁場のトレイルランでは、紫外線を浴びすぎないよう配慮して、ベストタイムを目指しましょう
自分で作る「経口補水液」
国・自治体が紹介している経口補水液レシピ
経口補水液のレシピ
このレシピはごく一般的なもので、
国や自治体などが「経口補水液の作り方」として紹介しているものです
経口補水液のポイントですが、レシピ分量を見ると判るように、塩の量が一般的なスポーツドリンクの2倍前後となっています(水1リットルに対し、塩3g)
このため、スポーツドリンクに比べると、あまり美味しくは感じません
実際に大塚製薬のオーエスワン(OS-1)を何度も飲んだ経験のある友人の話では…
「経口補水液」は、身体の水分量が適正な状態で飲むと、決して美味しいとは思えない(塩気を感じるため、まずく感じる)
一方で、スポーツや暑い場所での作業など、
身体の水分が多量に失われた状態で飲むと、かえって美味しく感じる
…ということでした(わたしも全く同じ感想です)
身体が塩分を欲している時に飲むと、美味しく感じるというのは頷けるところです
アクエリアスやポカリスエットなど、スポーツドリンクとして販売されている商品は、ある程度の飲みやすさ(美味しさ)も必要ですので、飲んだ際に塩気を感じるほどのナトリウム量は配合されていません
極めて発汗量の多いトレーニングや、脚が攣ることが想定される程の、高い運動強度の競技を行う場合は、経口補水液の塩分濃度を参考にしてみるのも良いと思います
ただその場合は、事前のトレーニング時に試飲を行い、自分の身体でどう感じるか、しっかり確認してからにしましょう(いきなり本番で試すのは避けたほうが無難です)
電解質タブレット(海外販売品)について
電解質タブレットについて、備忘録としてここに記述します。
(まとまったら別ページとして分離する予定です)
電解質タブレットは、海外ではよく市販されていますが、日本ではあまり見かけません。
水に溶かす、パウダータイプのスポーツドリンクは国内販売されていますが、タブレット型の商品は、現状では皆無と言ってよいでしょう。

ただ、このタブレット錠剤は、結構使いやすいのです。
上の画像は、「nuun hydration」のレモンライムフレーバです。
パッケージに、"Electrolytes"とありますが、これは電解質の複数形です。
主目的は電解質の補給であり、カロリーの補給では無いことがポイントです。
(カロリーの補給については、別に補給食等を用意しましょう)
電解質とは?
電解質とは、水に溶けると電気を通す物質の総称です。
具体的には、ナトリウムやクロール、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどがあります。
塩化ナトリウム(NaCl)は、水に溶かすとナトリウムイオン(Na+)とクロールイオン(Cl-)になります。
● 関連ページ:電解質とは(大塚製薬)
市販の電解質タブレットは、16オンスの水(473ml)に1タブレット入れるだけで、簡単に電解質ドリンクを作ることができます。
登山やロードバイク時の補給として簡単手軽で、水さえあれば短時間で運動時補給用ドリンクができあがるので、非常に楽なのです。
(長丁場のトレランやウルトラマラソンなどでも重宝します)
また、サイズが小さくかさばらないため、運動時に携行しても邪魔になりにくいです(この点も、非常に重要なポイントです)
味については、薄味です。
市販スポーツドリンクのようなベタつく甘さはありません。
タブレット自体は、それほど大きなものではありませんので、そのサイズに固められるだけの粉末量しか入っていません。
(電解質を補給することが主目的ですので、糖質があまり入っていません)
逆に言うと、運動時に携行して使うための、必要最低限ドリンクとも言えるでしょう。
なお、「微炭酸」となっており、舌を刺激するようなシュワシュワ感はありませんが、飲んでみると、わずかに炭酸が感じられます。
上の画像は、成分表を撮影したものですが、
1タブレットにつき、総砂糖量:1gとの表記が見られます。
この糖質量からも、カロリー補給用のドリンクではないことが分かります。
電解質ドリンクの成分一覧(NUUN成分表)
総糖質量:4g
砂糖:1g
ビタミンC:38mg
カルシウム:13mg
マグネシウム:25mg
ソディウム(塩):360mg
ポタシウム:100mg
カロリー量:10kcal
ロードバイク勢は、体温を下げる目的で、サイクルボトルの水をヘルメットの上からかけたりします。
ただこれを、砂糖が多量に入っている市販スポーツドリンクで行うと、身体がベトベトになってしまいます。(自転車もベトベトになる)
電解質ドリンクは、砂糖含有量が非常に少ないですので、間違えて身体にかけてしまった場合でも、ベトベトしにくいというメリットがあります。
なお、ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアなど、プロロードレーサーの世界では、電解質ドリンクと水ボトルを両方携行し、併用することが多いようです。
電解質ドリンクは飲料用、水ドリンクは「冷やし用・身体かけ用」として使い分けているものと思われますが、取り違えてもダメージが少ないのはこの組み合わせです。
● 関連ページ:プロのロードレーサーのサコッシュの中身(ジロ・デ・イタリア)
国内で入手可能な電解質タブレット
amazon等で手軽に買えるのは「O.R.S」です。
現状で国内市販品となっているのは、この製品以外は見当たりません。
「電解質タブレット」としての販売ではなく、「経口補水塩タブレット」とされていますが、実質的には同じです。
千葉県松戸市にある、株式会社アドバンスという会社が販売していますが、製造元及び、製造国の記載が見られません。
容器の蓋の内側にある、乾燥剤保持とクッションを目的とした、らせん状のホルダーを見る限り、NUUMと同様の形状です
(これ以上はコメントを控えます)
NUUNの並行輸入品
並行輸入品で構わなければ、NUUNも購入可能です。
楽天でも販売されています(下記リンク先が販売ページです)
NOW Foods EFFER-HYDRATE
サプリメント大手の「ナウフーズ」も、電解質タブレットを製造しています。
商品名は「エファーハイドレート」、日本には正式輸入されていないようですが、個人輸入としての購入は可能です。
● NOW Foods エファーハイドレート (amazon)
※ Amazonでの出荷元は「iHerb」となっています。
iHerbはアメリカ(カリフォルニア州)に所在のある、大手のサプリメント販売業者です。
安心して購入可能ですが、国内に倉庫があるわけではなく、海外からの発送となるため、発送から到着までの日数は確認しておいた方が良いでしょう。
なお、NOW Foodsも大手のサプリメント製造会社です(信頼できます)
椎
● NOW Foods エファーハイドレート (楽天で検索)
※ 楽天に出品している業者も同様に、注意が必要です。
「米国直送」と表示があり、国内に在庫を持っていない業者も多いため、発送から到着にかかる日数と送料については、要チェックです。
(前述のiHerbも楽天に出品しています)
糖類について
以下の記述は、筆者の自分用メモ(備忘録)です。
粉飴とマルトデキストリン
「マルトデキストリン」と表示されている商品よりも「粉飴」の方がおすすめ。
(同じと思われることも多いが、デキストロース当量(DE値や重合度に違いがある)
理由:
デキストリンは、DE値10以下、重合度12位上。
マルトデキストリンは、DE値10~20、重合度6~10。
一方、粉飴は、DE値20~40、重合度3~6。
DE値(デキストロース当量値)は、ブドウ糖の還元力を100とした場合の相対的な尺度。
100に近いほどブドウ糖に似た特性を表している(0に近ければ、ほぼデンプン)
DE値が低いものは溶解性が低く、粉臭などの問題点がある。
一般的にはDE値の高い製品の方が、運動時摂取用として適している。グルコース鎖が短いため、低分子で吸収速度も早く、内蔵負担も軽い。甘みや溶解度も大きい。
また、デキストリンは、市販ドリンクに使われがちな「果糖ブドウ糖液糖」と比較すると、糖質量がある割には、水に溶かした状態での浸透圧が低めに抑えられる。
(浸透圧は、溶解している溶質の重量が同じ場合、分子量に反比例する)
このため胃に滞留する時間が短く、素早く腸に送られるため、水分と糖質の両方を速やかに吸収可能。
以前
Shotz(現在のKODA)を食べた時、「糊でも食べてるみたいだ」と思ったが、これはあながち間違いではない。
Shotzはマルトデキストリン100%。マルトデキストリンの分子量が上がったものはデンプンであり、糊は「デンプン糊」と言われるようにデンプンでできている。
なので、
分子組成としてはかなり似通っている。
グルコース、マルトース、フルクトース
C6H12O6の単分子(単糖類)はグルコース(ブドウ糖)、この分子が2つ繋がると二糖類となり、マルトース(麦芽糖)と呼ばれる。
マルトースはグルコースと比較すると、急激な血糖上昇が起こりにくい。
グルコースが3以上つながった低分子の炭水化物が「デキストリン」
グルコースが多数繋がった高分子の炭水化物が「デンプン」
フルクトースは果糖
スクロースが砂糖(ショ糖)
ちなみに蜂蜜は、フルクトース51%、グルコース42%、他の糖分は微量であり、ガラクトース4%、マルトース2%、スクロース1%とされている(天然物なので花による差異あり)
一般的に点滴用の高カロリー輸液にはグルコースが使用されているが、血糖値スパイクの起こりにくいマルトースを使用した電解質輸液も存在する。
ソルラクトTMR、ポタコール、マレントールなど(「5%マルトース加乳酸リンゲル液」と呼ばれ、「等張電解質輸液」に分類される)
● 外部解説ページ:
難消化デキストリンの特徴(農畜産業振興機構、DE値と甘みの関連性など)
アイソトニック、ハイポトニック、経口補水液の違い
アイソトニック
アイソトニックとは「等張液」、浸透圧が体液に近い(※1)
塩分0.1~0.2%、糖質4~6%のものが多い
※ 発汗時は身体から水分が失われるため、体液の浸透圧も微妙に変化する。そのため、「浸透圧が体液と同じ」との表現には注意が必要。
一般的には、285mOsm/L(ミリ・オスモル)あたりが、体液の浸透圧と見られており、アイソトニック飲料はこの値に近くなるように設定されている。
糖質がある程度入っているため、スポーツ前後のエネルギー補給としての利用が可能。
ただし、運動強度が高めの場合に、スポーツ中飲料として飲むと、その甘味が逆に作用し、胃に溜まって一定量以上は飲みにくくなる場合もある(実際にやれば、身体で判る)
具体例:ポカリスエット(大塚製薬)、アクエリアス(コカ・コーラボトリング)
ハイポトニック
ハイポトニックとは「低張液」、浸透圧が体液より低い
塩分0.1~0.2%、糖質4~6%くらい、浸透圧は150mOsm/Lあたりに設定されていることが多い。
浸透圧が低めのため、胃に溜まりにくく、速やかに腸へと送られる。
多めに飲んでも胃の中でタプタプしにくく、早めに胃が空になるため、強度が高めの運動時でもスコスコと飲みやすい。
経口補水液
経口補水液とは、脱水状態(もしくは多量に汗をかいた状態)での速やかな保水と電解質補給を目的とした飲料。
熱中症および脱水の疑いが強く、まだ自力で口から水分を接種可能な場合に用いられる。
浸透圧は体液より低く設定されているため。
経口補水液を浸透圧の観点から見た場合、ハイポトニックの範疇に入る。
平時に飲むものではなく、そういう状態で飲んでもおいしくは感じない(むしろマズイ)
具体例:OS-1(大塚製薬)
スポドリ以外で、発汗時に飲めるドリンク
リプトン レモンティー(森永乳業)
ロードバイクのトレーニング中に飲んでみたが、スコスコ飲めて、胃に溜まりにくい。
紙パック入の大サイズは、容量1Lではなく900mlだが、この900mlというサイズ感がまた良い。
コンビニで買ってその場で少し飲み、残りをサイクルボトルに収めるのにちょうど良い容量。そのため、ブルベやポタリングでの補給にも適している。
塩分量は多少異なるものの、
糖質量はポカリスエットとほぼ同等で、浸透圧から見ると
アイソトニック飲料と表現してもあながちおかしくない。
レモン風味が喉に爽やかで、乾きを癒してくれる。適度にカフェインを摂取できるという点も好ましい。
価格も安く、運動部の学生さんに好まれているというのも頷ける。
(発汗時に飲めばその良さがよく判る。ちなみにファミマで買った時は900mlパックが141円だった)
200mlあたりの成分:カロリー51kcal、食塩相当量0.021g、カリウム10mg、カルシウム2mg、リン2mg、カフェイン18mg
(1000ml換算ではカロリー255kcal(砂糖換算で65.9g)、食塩相当量0.105g、カリウム50mg、カルシウム10mg、リン10mg、…となる)
● 参考ページ:
森永乳業 成分表
※ 砂糖(ショ糖)のカロリーは、1gあたり3.87kcal
スポドリ自作一覧表(ボトル別配合量・筆者自分用メモ)
シンプルハイドレーションボトル 360ml(ラン・トレラン)
水量 |
砂糖 |
塩 |
クエン酸 |
ビタミン |
カロリー |
360ml |
9g |
1.1g |
0.4g |
1錠 |
35kcal |
粉末容量:およそ10ml強
※ シンプルハイドレーションボトル(旧ボトル)は公称13oz。
計算上は384.46mlとなるが、実際にはそこまで入らない(375ml付近が限界で、それ以上は蓋を閉める時に溢れる。また、根拠不明だが368mlと表示している通販サイトもある)
ここでは実用的な上限容量として、360mlと設定している。
CAMELBAK ボトル 620ml/21oz(ロードバイク)
水量 |
砂糖 |
塩 |
クエン酸 |
ビタミン |
カロリー |
620ml |
15g |
1.9g |
0.7g |
2錠 |
58kcal |
粉末容量:およそ20ml(密閉容器で保管する場合、容量30mlあたりが適正か)