関孫六 茜
「関孫六 茜」の三徳包丁
筆者が使うのではなく、「家で使う台所用」として購入しました。
なぜ、「関孫六 茜」なのか?
なぜ、茜を選んだかと言うと、実用的でタフだからです。
この包丁は、筆者専用ではなく、家の台所で使う共用の包丁として調達しましたが、我が家には包丁の使い方が荒い人が多いのです。
家人の場合、包丁を使った後は、汚れたままの状態で洗わずに、びしょ濡れのまな板の上に放置するパターンがほとんどです。
ブレードもハンドルも、ずっと濡れっぱなしで、何時間も放置されます。
ですので、そのような荒い使い方にも耐えられるタフさが必要です。
もちろん、
刃物としての切れ味や、刃持ちの良さも、充分なものが必要です。
タフなだけではなく、実用性も充分に高いという観点から選んだのが、「関孫六 茜」でした。
関孫六 茜のメリット、良点
「関孫六 茜」は、ハンドルが樹脂製で、この部分の耐久性の高さは折り紙付きです。
その分高級感には乏しいですが、ここは
実用性の高さを評価したいところです。
樹脂ハンドルの包丁となると、国内メーカーの包丁の場合は、安物と相場が決まっていますが、茜はそうではありません。
そこそこしっかりしたグレードの鋼材を使用しています。
樹脂ハンドルにもいろいろあり、安物のプラスチック素材は、すぐに表面が白化してきます。
ポリアセタール樹脂か、ポリプロピレン樹脂かで、耐久性が大きく違ってきます。
「関孫六 茜」の樹脂ハンドルは、耐久性の高いものが使用されています。
● 関連ページ:包丁の樹脂ハンドルは、どれも同じではない
樹脂ハンドルのメリット
茜の樹脂ハンドルであれば、洗い桶に入れて、水に浸けたまま放置しても、中子が傷むことは、まずありません。
本通しや、背通し構造の包丁と違い、中子が外側に露出していないからです。
食洗機で洗えるという点も、ポイントが高いです。
水に長時間浸けた場合、中子は傷まなくても、刃体に孔食が出ることはあるので、気をつけましょう。
刃物用ステンレス鋼材は、炭素鋼に比べると、相対的に錆びにくいだけであって、錆びないわけではありません。
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研いだ感触
中砥石で刃付け
中砥石(キングハイパー 1000番)で刃付け
実用的でしっかりした刃が付きました。
ステンレス刃物鋼でも、安物のたぐいは、カエリを取ろうとしても反対側にめくれて出ることがあり、カエリの取りづらい鋼材がありますが、そのようなヤワな鋼材ではありません。
きちんと刃付けをすれば、家庭用として使うには、必要にして充分な切れ味が出せます。
仕上げ砥石で刃付け
仕上砥石(キングS-1 6000番)で刃付け
仕上げ砥石を当てた場合でも、しっかりと応えてくれました。
滑らかで、実用に耐える、充分な刃が付きました。
安物のステンレス鋼材を高番手の砥石で仕上げた場合、刃筋のエッジのキザギザが落ちて、「滑りがちな刃」、「刃がかりがイマイチの刃」に仕上がる事がありますが、茜の場合、そういう事はありません。
10000番以上の極端に高い番手を当てた場合はどうなるか、試していないので判りませんが、6000番程度であれば、充分に反応します。
ブレードのスキ具合
低価格帯の包丁としては、良心的なシェイプをしています。
旧来型の低価格包丁には、和包丁でもないのに、ビシッとしのぎ筋の立った製品があります。
これは個人的な意見ですが、洋包丁なのに、しのぎ筋が立ったままで、それを削り落としていない包丁は、
はっきり言うと好きではありません。
切り抜けが悪いからです。
「関孫六 茜」は、刃筋のラインから峰側に至るまで、なだらかに繋がるようなスキ具合となっています。
「関孫六10000CC」や「関孫六10000CL」などの高価格帯の包丁と、厳密に比べてみると、スキ具合に違いがあることが判ります。
このあたりは、関孫六プレミアシリーズとの差別化が感じられるところです。
とはいえ、茜のスキ具合も、妙に出っ張った部分があるなどと言うことはなく、限られた製造コストの中で、しっかりとした刃体整形がなされています。
刃体をどのようにすき落とすか(削ぐか)というのは、コストと技量の両面で、メーカーの腕の見せどころであり、差の出るポイントです。
一方で、消費者側が最も意識しないポイントでもあります。
「関孫六 茜」は、手頃な価格の包丁ですが、ブレードのスキ具合についても、一定の水準を保っており、
総合的に見ると、非常にコストパフォーマンスの高い包丁です。
ネガティブなポイントを上げるとすれば、高級感が感じられないところですが、それは、高コスパの裏返しと言っても良いでしょう。
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