削ったら最後、元に戻すことはできません
DAITONA
サンドペーパーセット
#320,#600,#1000
オピネルのオイル漬けに合わせて行うカスタムとして、ブレード取付部の隙間をヤスリで削って広げ、刃を出しやすくしている方が多数見受けられます
ブレードの出し入れが固めであるがゆえの対策だと思われますが、
真似をするのは危険なカスタムです
一時的には良いかもしれませんが、長期的に見ると、開閉が緩くなって節度ある手応えが失われる恐れがあり、フォールディングナイフとしては甚だ危険で、推奨できません
どうしても隙間を削る場合に留意が必要な点は・・・
● 削るタイミングをよく考える
● ハンドル木材の水分量が低い状態で作業する
・・・ということが重要です
それでは、順を追って解説してみましょう
購入直後は、馴染んでないので開閉が固め
平面出し用
当て板
紙やすり用
ウェーブ
やすりスティック
そもそも、オピネルの隙間を安易に削るべきではないのですが、百歩譲って「削るとしたら、いつやるか?」ということについて考えてみましょう
購入直後は、ブレードの当たり面とハンドルの木材が馴染んでおらず、やや固めになっていると思います
なんでもそうですが、最初は当たりが出ていないため、固いのです
使用するに従って、徐々に馴染んでいき、ちょうどよい塩梅になっていきます(そうなるように、あらかじめ調整されています)
木製ハンドルには、そういった、
使い込んで馴染んでいく、エージングの妙というものがありますが、そういう風情をさっさと捨てて、購入直後に削ってしまうというのは、
「何のためにオピネルを買っているのか?」と思います
オピネルも工業製品ですので、「固め・緩め」など、単体での個体差もあろうかとは思いますが、それでも削る場合は、最低でも半年から一年程度使用して馴染ませた後、「どうしても開閉が固く、使い込んでも改善されないこと」を確認してからでも遅くはありません
つまり、オピネルの隙間を削るのは、最後の手段なのです
どうしても削る場合は、乾燥後、もしくは乾燥した時期に
オイル差し
極細ノズル付
刃物用
椿油
さらに、どうしても削る必要がある場合は、最も乾燥した季節に合わせて行うのがベストです(降雪地でなければ冬季です)
湿度の高い時期に削って調整すると、乾燥した季節に木材が収縮して隙間が広がり、開閉が緩くなってしまう恐れがあります
一度削ると元に戻すことはできませんので、誤って削りすぎないよう、乾燥した時期を選ぶことが重要です
オピネルをハンドルごと洗うなどして水分を吸わせてしまった場合には、冬季も夏季も関係ありません。この場合は、最低数週間は乾燥させ、ブレードの動きが軽くなるかどうか、しばらく様子を見ましょう
乾燥するにつれて、徐々に開閉が軽くなり、元の状態に戻ります
重要なのは、
ハンドルが吸湿した状態で削って調整すると、乾燥した時には緩くなりすぎる、ということです。それだけは避けましょう(元に戻せません)
ブレードが固いので隙間を広げて緩くしようというのは、判らないではありませんが、
「経年変化による馴染み」や「削るタイミング、吸湿の有無」などを考慮した上で、注意深く行う必要があります
まずは、
ブレードの摺動部(ピボット部分)にオイルを少量刺して潤滑し、充分に油を馴染ませてからでも遅くはありません
オピネルも公式に、少量の油を刺して潤滑させることと、ハンドルの状態(乾燥しているかどうか)を確認することを推奨しています。こちらのページに、日本語訳を記載しましたのでご覧ください
ちなみに、
わたしのオピネルは購入後30年近くになりますが、非常に良い当たりが出ていて、節度のある、気持ち良い操作感を生み出しています
どうしても、「ゆるゆるのスカスカでないと気が済まない」
もしくは、「中二病なので、ワンハンドオープンをして、格好つけたい」
・・・という場合を除いて、オピネルを安易に削るのはやめたほうが良いでしょう
●人気のページ:
オピネルのまとめ
包丁・ナイフ・刃物 のメインページに戻る