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刃の黒幕 - モス#220番(シャプトン・荒砥)

最終更新日: 作者:月寅次郎

刃の黒幕・モス#220番
刃の黒幕
モス #220番

シャプトン 刃の黒幕(モス・#220番)です

種類としては荒砥になります。刃筋の修整や刃の研ぎ抜きなど、刃体をおおまかに削って形を変えたい時に使用しています
錆の出ている包丁をレストアする時など、鋼材をガシガシ削って、腐食孔が刃筋に出ないようになるまで削るなどの用途にも使っています

あらと君
#220番

機会があれば、PA砥粒(※1)を採用している「あらと君」と比較してみたいものですが、そもそも荒砥を使う機会があまりないのが残念なところです
※1 PAとは、淡紅色アルミナ砥粒 Pink Alumina Abrasiveのこと、ピンク色をしているのが外観上の特徴

研ぐことを仕事にしている方でしたら、刃こぼれの生じている包丁は、きちんと削り落として刃こぼれをなくしてから納品するのが「正しい仕事」になるのでしょうが、こちらは単に趣味で研いでいます

そのため、切れ味にさして影響の出ないような小さな刃こぼれをわざわざ削り落とし、砥石と刃体の両方を大きく消耗させる必要もありません(使用に伴う研ぎ減りに従って、徐々に刃こぼれが小さくなって消えれば良いというスタンスを取っています。こちらのやり方ですと、刃も砥石も無駄に減りません)

そのようなわけで、どちらかというと荒砥は使用する機会が少ないのが現状です

ただ、下で書いているように年代物の包丁を入手したときなどは、これを取り出してゴリゴリ削り、刃筋を整えたり面を出し直したりしています

追記
その後、「あらと君」を入手して使ってみました。
「あらと君」の使用感はこちらのページに記載しています。

刃の黒幕・モス#220番
こちらは梅治の牛刀ですが、刃の先端の欠けている部分を修正しているところです
刃筋の方には手を加えず、峰側だけを研ぎ削り、先端を尖らせました

荒砥はあまり使う機会がないのですが、こういう時は持っていて本当によかったと思います。ものの5分もかからずに、刃の先端を尖らせる事ができました

この画像だけを見ると、元々先が折れていた包丁というのは、なかなか判らないと思います(意外にきれいに修整できました)

梅治 牛刀
修正前の状態がこちらです。先端が折れて丸まっています
刃体が真っ黒なのは、腐食による黒錆です

画像ではわかりにくいですが、下方向が峰側で、上側が刃筋になります

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刃の黒幕・モス#220番
使用前に、表面に水を張った状態です
220番の砥石ですので番手はかなり低いのですが、水を吸う様子もあまり見られず、すぐに使い始められます

刃の黒幕・モス#220番
こちらは、関東型薄刃包丁の「平(ひら)」を削っているところです

この包丁は数十年以上前に製造された古いものですが、内部に蓄積された応力ひずみが経年によって顕在化し、反りが出ていました。
(片刃で霞の和包丁は、何十年も放置していると、表側が伸びて裏面が縮むような感じで反ってきます)


曲げ棒を使って矯正したり、叩いて直すのも一つのやり方ですが、ここでは反って張り出した部分を削り落とす方向で修正しています
平の中央付近、灰色っぽく見えている部分が張り出した部分です。荒砥に当てることで結果として削られています。

刃の黒幕・モス#220番
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