おにやんま君(パラコード)の自作

最終更新日: 作者:月寅次郎


おにやんま君

釣具店で販売されている「おにやんま君」と同様の効果を狙った、パラコードで作る「虫避けストラップ」です。


おにやんま君
装着イメージは、こんな感じ(ザックに付けた場合)
内径21.6mmの大型リングを使っているため、上の画像のように、幅20mmのストラップに取り付けることが可能です。

おにやんま君
こちらは、短尺タイプの『パラコードおにやんま君ミニ

ファスナーに取り付けて、ポケットの引き手(ジッパータブ)として使っています。
こちらは内径18mmのリングを使っています。

ちなみに以前は、下の画像のような「リアルタイプ(自作品)」を使用していました。

『自作 おにやんま君』(初期型・リアルタイプ)

おにやんま君

3Mスコッチ
マスキングテープ

これはこれで悪くはないのですが、風が強いと羽根が煽られることもあり、決して「シンプル&タフ」なものではありません。

ピクニックのような山なら良いですが、藪こぎなどしようものなら、すぐに壊れてしまいそうです。そして何より、いくら精巧に作っても、見た目がダサいです。
これが何かを知っている人であれば良いのですが、そうでない場合は、「どうしてトンボ付けてるの?」と、いちいち聞かれます。


ちなみにこの「リアルタイプ」の、材料は…。
  • ボディ本体:食品用スチロールトレイ(黒色のもの)
  • 羽根:袋入りミニ煎餅(ミニサラダ)のトレイ
  • :ケーブルタイ(本体ボディに穴開け挿入)
  • 黒色:黒色ビニールテープ(全体に巻き付け)
  • 黄色縞:3Mスコッチのマスキングテープ(カット&貼り付け)
  • 目玉部分:アルフォート大袋の裏面(アルミラミネート素材)を本体に貼り付け、緑色マジック(マッキー)を塗る
 …と、このような素材で、できています。

このリアルタイプをより機能的にしたのが、下のストラップ型です。

形状的にトンボに似せることにこだわるよりも、黒/黄の縞模様を強調させ、視認性を上げた方が効果が高いのでは?」との考えに基づいています。

『自作 おにやんま君』(パラコード・ダブルリング)

おにやんま君

上の画像は、最初に作ったストラップ型のおにやんま君です。

パラコードを編んで作っているため、風雨に強くタフで、汚れても洗えるのがメリットの一つです。
リアルタイプよりも幅広なため、被視認性が高く、よく目立ちます。

作りやすいように、両端にキーリングを装着した『ダブルリング型』として制作しましたが、工夫すればリング一つで作れるのではないかと考え、試行錯誤の末完成したのが、現行型の『シングルリング型』になります。

おにやんま君(パラコードタイプ)の作り方

材料、必要な道具(パラコードおにやんま君)

  • 4mm幅(5/32in)のパラコード(黒/黄 2本)
  • キーリング 1個
  • ライター
  • ニッパー(ハサミでも)
ここで紹介している編み方(フィッシュテール編み)では、70cm x 2本のパラコードで、12~14cmの長さ、幅は16mm程度に仕上がります。

ユルユルに編むと16mm幅には仕上がらず、より太くなります。
ビシビシに締め込むと、15mm幅ぐらいまで追い込むことも可能ですが、16mm幅ぐらいまでできればひとまずOKだと思います。

2本のパラロープを繋ぐ(溶着)

おにやんま君・自作

ライターで炙り、黒と黄のパラコードを溶着させます。

溶かしすぎるとなかなか冷えないため、再びバラけてしまってくっつきにくいこともあります。
溶着が甘いと、途中でバラけたり切れたりします。

何度かやっていると、丁度よい塩梅がつかめてきます。

リングに通す・ベース板に固定

おにやんま君・自作
ニッサチェイン
リング 22mm

上の画像の要領で、パラコードをリングに通し、ベース板に固定します。

ここではニッサチェインの22mmリングを使っています。(左の商品です。画像が表示されない場合は広告ブロッカーをOFFにしてみてください)

つなぎ目を少しずらしておくことで、完成時につなぎ目が見えなくなり、外観的に良くなります。つなぎ目を屈曲部に持ってくると、強度的にも落ちますので、こちらの方がおすすめです。

リングの反対側は、ケーブルタイとテープを使って固定していますが、しっかり固定できれば何を使っても構いません。

フィッシュテール編み

おにやんま君・自作
パラコード
ブラック 4mm

パラコードを、このような形に組みます。

慣れるまでは、この部分の通し方を間違えやすいですが、
何度かやると慣れてきます。

おにやんま君・自作
パラコード
イエロー 4mm

同じ要領で、どんどん編んでいきます。
(編み方は、フィッシュテール編み)

おにやんま君・自作
パラコード
ブラック 4mm

さらに編みます。

この画像では、やや「ゆるゆる」になっています。

実際には、「紐を締める」と、「紐を上に押しやって隙間を詰める」を、繰り返しながら編んでいきます。

編み上がり

おにやんま君・自作
おおよそ編み上がりました。
この時点で、21回編み込んでいます。

ここで一旦ベース板から外し、『締め込み』をかけます。

締め込み

おにやんま君・自作
隙間や緩みが生じないように、ビシビシに締め込んでいきます。

一つ一つの編み目を爪でつまんでキュッと締め、緩い編み目をビチっとした編み目に変えていきます。

締め込みは、最も面倒で時間の掛かる工程です。
ずっとやっていると爪が痛くなりますが、これを怠るとゆるゆるのみっともない仕上がりになります。
仕上がりに差が出るポイントです。作り手の技量が顕(あらわ)になる部分でもあります。

締め込みは3~4回ほど繰り返します。締め込むことで生じた新たなスペースは、編込みを増やすことで埋めていきます。この時は最終的に3回分編み込みを増やすことができました。
実際に数えると判りますが、ベース板に装着した状態での編み込み回数は21回、取り外して締め込み後の状態(上の画像)では24回となっています。

ビシビシに締め込むことで緩みが無くなり、外観的にも引き締まっていい感じになります。

末端処理・抜け止め

※ この工程は、一部ダブルリング型の末端処理画像を掲載しています。
作業自体は基本的に同じです(ご容赦ください)

おにやんま君・自作
余ったパラコードを切断し、このぐらいの長さにします。
※ ここでは黒紐のみをカットしています。

おにやんま君・自作
SOTO スライド
ガストーチ

ライターの火で炙り、押さえ込んで先端を平たくし、抜け止めにします。

周囲をテープで巻いているのは、熱が当たって溶けないための養生です。
リアルタイプの縞模様を作ったのも、このテープです(スコッチ3Mの塗装用マスキングテープ)

※ この画像では、黒紐のみを末端処理しています。

● 関連ページ:上の画像に写っているライター、「SOTO スライドガストーチ」の分解修理のページ

おにやんま君・自作
パラコード
イエロー 4mm

上の画像は、シングルリング型の末端処理例です。

やっていることはダブルリング型と基本的に同じです。ただこちらの場合、黒・黄を一本づつ仕上げずに、一度に両方溶かす「一発仕上げ」で、2本のケーブルを互いに溶着させています。

2つのケーブルを溶着させずに、一本づつバラバラに仕上げても、先端を平たく仕上げることで充分な抜け止めとなり得ます。(さほどこだわらないのであれば、一本づつのバラバラでも構いません)

双方を溶着させるかバラバラに仕上げるかは、作業者判断でどちらでも良いと思いますが、いずれにせよ、入念にやろうと頑張りすぎると、編み込み部分まで溶けてしまい、これまでやってきた作業がすべて水の泡となります。(気をつけましょう)

末端処理の失敗事例

おにやんま君・自作
熱が当たって溶けた失敗事例がこちら。
リング部分を通るコードが溶けています。

熱を当てる方向を考慮し、熱源の上方向にパラコードがこないよう、位置を考えて熱を加えることがポイントです。

パラコードの末端処理は、最も失敗しやすいポイントです。

編まない状態の末端処理ならさして難しくもありませんが、編んだ後にやるわけですから、「末端部のみを溶かして、編んだ部分は溶かさない」というのが難しいのです。

わたしも何度も失敗しましたが、失敗しても気を落とさずに、また最初からやり直してください。
こういう作業は、失敗を繰り返してそこから学ぶ人ほど、上手に作れるようになります。
締め込みもゆるゆるで末端処理も適当だと、失敗すらしないと思いますが、それではなかなかきれいに造れるようにはならないと思います。

完成品

おにやんま君
パラコードおにやんま君」の完成品です。

全長:約16cm
ストラップ部長さ:約13cm(リング部含まず)
リング:内径21.6mm(耐荷重4kg、破断荷重34.5kg)

おにやんま君
裏返した反対側は、このような感じです。

おにやんま君ミニ
スモールサイズの『パラコードおにやんま君ミニ

全長:約9cm
ストラップ部長さ:約6.5cm(リング部含まず)
リング:内径18.5mm(耐荷重2kg、破断荷重18kg)

おにやんま君(リアルタイプ)について

おにやんま君
以前は、このようなリアルタイプの「おにやんま君」(自作品)を使っていました。
(これは自作品で、市販品ではありません)

このようなトンボを模した虫よけは、『トラロープを切って吊るしておけば、虫が寄って来ない』という伝承から商品化されたものです。
元々トラロープでも忌避効果が確認されていましたので、無理にリアルにする必要はありません。

魚釣りの世界で、ルアーにヒレが無く、エギに脚がないのと同じ理屈です。スプーンになると光の反射だけで誘引してるようなものです。
言ってみれば、これは一種の「逆ルアー」です。

そのため、実物のトンボと全く同形状である必要はなく、実物に似ているほど効果が高いというものでもありません。
むしろ、実物の特徴をより際立たせ、被視認性を高めることで、実物以上の効果を得られる可能性もあります。

おにやんま君
(正規品)
安全ピン取付タイプ
パラコードで作る編み込みストラップ型は、市販の「オニヤンマ君」のような羽や目玉はありませんが、実際にはこれでも充分な効果があります。
スズメバチも黒と黄色の縞模様ですので、このカラーリングに一種の警戒効果があるのかもしれません(もしかすると、単に昆虫の視覚で視認しやすいだけの可能性もあります)

むしろ、取れやすい羽根や目玉が無いため、ぶつけても落としても大丈夫で、長く使えて実用的です。(転んだ際にも人体側に安全です)

それから本音を言ってしまうと「正規品のおにやんま君」は、身に付けるには、あまりにダサいので、できることなら避けたいとも思うのです。
(正規品は左上に掲載しています。画像が表示されない場合は広告ブロッカーをOFFにしてみてください)

市販品「おにやんま君」、能書きの信憑性

おにやんま君
(正規品)
ストラップ取付型
市販品「おにやんま君」の効能根拠についてですが…、
そもそも虎ロープを虫が避ける理由は、「縞模様のロープを虫がオニヤンマと誤認しているからだろう」という推測に基づいています(あくまでも推測なのです)

そこには根拠が無く、検証もなされていません
なぜオニヤンマなのか、ギンヤンマではダメなのか?という検証は全くなされていないのです。
ギンヤンマもオニヤンマと同じく、日本有数の大型トンボですが、体色や模様が大きく異なります。

「アブやブユは、オニヤンマを怖がるが、ギンヤンマは怖がらない」というのも少々おかしいでしょう。
とすると、外観がオニヤンマに似ているから避けるのではなく、単に細長い揺れる物に驚いて近寄らない可能性も十分考えられるわけです。
縞模様は単に被視認性を高めているだけであり、オニヤンマとは全く無関係の可能性もあるわけです。

オニヤンマ型の市販品は、「オニヤンマは日本最大・最強の肉食トンボ、虫の天敵だから、これを付けていれば虫が寄ってこない、効果抜群!」との能書きで販売されていますが、この理屈はどちらかというと、人間側を納得させるための営利的な売り文句のようにしか思えません。

あれだけ売れているのだから、実際に比較実験を行って検証すれば良いではないかと思うのですが、そういうことをやらないのは、「トラロープと効能が変わらなかったら、商品の説得力が皆無となり、売れなくなるから」ではないかと見ています。

おにやんま君(パラコードタイプ)の特徴

ロープを取り出せる

切ってバラすと、65cm程のロープが2本取れます。
結んで繋ぐと約130cmとなります。

高強度で壊れにくく、耐久性が高い

壊れにくく、ぶつけても落としても大丈夫。(折れたり割れたりしません)
装着した状態で万一転倒してしまっても、柔軟な素材でできているため身体にダメージを与えにくく、本体も壊れにくいです。

羽根が無いため、風に煽られにくく、悪天候にも強くなっています。

正規品(リアルタイプ)は、細い紐や安全ピンで装着する構造のため、作りとしてはかなり華奢です。
引っかけたりして強い力がかかると、バラバラになったり外れたりする恐れがあります。
登山や渓流釣り、沢登りなどアクティブな要素の強いアウトドアの場合はパラコード型のメリットが強く生きてきます。何でもすぐに壊しがちなお子様の場合も同様です。

汚れても、洗える

アウトドアで使用して泥々に汚れても、洗えます。

洗濯機にそのまま突っ込んでも問題ないとは思いますが、洗濯ネットの使用を推奨します。

編み目に泥や砂が入り込んだ場合や、長く大事使いたい場合や、は、水を張った洗面器等に入れて、柔らかめのブラシで大まかな汚れを落としたあと、衣料用洗剤を使って優しくブラシでこすり洗いをしてください。
(毛足の固いたわし等でゴシゴシやると、毛羽立ちや毛玉が発生することがあります)

被視認性が高い

市販のおにやんま君は、実物を模しているため、胴体の幅が5~6mm程度しかありません。

虫から視認されなければ、いくら形状が似ていても全く意味がないのですが、これでは少々心もとないです。

一方のパラコード自作タイプは、幅サイズが約16mmです。
被視認性の高さは「一つの性能」でもありますので、パラコード型の方がかなり目立ってハイスペックと言えるでしょう。
(縞模様の面積で比較すると、市販品の3倍以上の性能があります。)

人にはさり気なく、虫にはしっかりアピール

リアルタイプを身に付けていると、「どうしてトンボを付けているの?」と必ず聞かれます。
これが度重なると、結構面倒に感じてきます。

おにやんま君
上の画像は、ジッパータブ替わりに装着した「パラコードのミニタイプ」ですが、これだとそれほど違和感はありません。

色味は派手で目立ちますが、逆にザックの盗難予防にもなります(同色同メーカーのザックでも、このタブが付いているのは自分のザックだと特定できるため)

実使用時の感想

おにやんま君・使用例
沢沿いの登山道でブユ(ブヨ)が出た時の話ですが、虫の目の前で目立つように振ると逃げてゆき、他の人に向かうようになりました。
(その人は結局刺されてしまい、腫れが出て病院に行くことになったので、逆に申し訳なく感じています)

アブやブユなど、複眼で目が大きく、視覚の発達している虫に有効だという印象を持ちました。
(逆に、メマトイのような数ミリ程度の羽虫には、大きな有効性を感じませんでした)

虫側から視認されなければ効果は出ませんので、人の身体の動く箇所・目立つ位置に装着すると効果的です。(前後もしくは左右に装着すると、より効果的だと思います)

沢登りでの使用例

おにやんま君・使用例
実際に装着した時の画像です。
(左から二人目が筆者です。この時は、胸元のサコッシュに装着していました)

沢水に浸かると、わずかながら苔臭くなることもありますし、実際少々汚れもしましたが、洗濯後はビビッドな色合いが復活しました。

なかなかいい感じです。

おにやんま君・使用例

岩場を登ったり水流の中で立ち込んだりと、アクティブに渓流釣りをされる方なども、わたしのようにパラコード・ストラップ型をチョイスする方が良いでしょう。

おにやんま君・使用例

このような白く泡立つ急流に立ち込んだ場合でも、問題を感じません。

装着したまま水中に飛び込んだり、急流に逆らって歩いたりもしましたが、構造的に壊れにくく、外れる恐れもありません。沢登りに集中することができました。

なお、ロードバイク乗りの方がヒルクライム練習する際にも適していると思います。
平坦な場所を走る場合、虫に追いつかれることは無いですが、斜度15%を超える急坂だと、ブユを振り切るスピードが出せずに、延々とまとわりつかれる事があります。(多量に発汗している場合は、アブやブユが顕著に寄ってきます)
車両通行量が少なく、木陰に覆われた細い山道はヒルクライム練習にはもってこいですが、虫が多いのが難点です。

材料が必要な方は…

おにやんま君

パラコードが余ってしまったので、材料をお分けできます。(早いもの勝ちです)
下記連絡フォームより、必要個数、配送宛先、配送手段、をお知らせ下さい。追って振込先等を連絡します。

価格(パラコード1m):250円(黒色1m、黄色1mの合計2m必要なら、合計500円です)
価格(リング1個)  :30円
送料:定形郵便(実費、84円~)、クリックポスト(追跡可能185円)

※ 完成品が必要な場合は、800円にて承ります。
ヤフオクでは「おにやんま君効果の虫除け(パラコード・ストラップタイプ)」の名称で出品しています。


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元々は釣り用として買ったものですが、何をどうやっても、フォールディングナイフはシースナイフに勝てないのです(携帯性以外は)
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オピネルのブレード開閉が固くなって閉口したことのある方なら、一度検討してみるのも良いでしょう