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オピネルに赤棒でバフがけ(下地だしやり直し)

最終更新日: 作者:月寅次郎

バフがけの道具を揃える

電動ルーター・バフ

電動ルーターは、プロクソン製のミニルーターがありますのでこれを使います
最初からこれを使うべきでしたが、物置の奥の方にしまってあり、取り出すのが面倒だったのです(言い訳)

ルーターのアタッチメントとして、ゴム砥石やワイヤーブラシは手元にあるのですが、バフとバフ用の研磨材は持っていないので、改めて購入しました

バフ用の研磨材は、一般的に「 赤棒 」、「 白棒 」、「 青棒 」の三種類がありますが、今の作業に必要なのは、切削力が高い粗目の「赤棒」です
白棒と青棒に関しては、コンパウンドでの手磨きでも同等の作業が行えそうなので、今回は購入を見送りました(ちなみに、後で買い足しました)

これまでは、地道な手作業でオピネルを磨いてきましたが、電動工具を使用することで、一気に作業効率が上がります
バフを使用することで、耐水ペーパーよりも当たりが柔らかくなり、ブレード表面の凹凸が平滑になり、均一の下地が出てくれることを期待します

ミニルーターについて

PROXXON
ミニルーター
No.28400
画像のミニルータは、わたしが長年使っているPROXXONの「NO.28400」というモデルで、550gとやや重めですが50Wの強力タイプでトルクも充分です

元々は、乗用車のエンジンをオーバーホールする際、吸排気のポート研磨や堆積したカーボンの除去目的で購入したものです
その時の様子は、こちらのページで見ることができます
シリンダーヘッドのオーバーホール

なお、使用した感想や、ミニルーターの選び方のポイントについては、こちらの ミニルーター - PROXXON(プロクソン) のページをご覧ください

バフと赤棒を使い、オピネルを粗磨きして下地を出す

オピネルにバフ掛け

ヤナセ
フェルトバフセット
バフは砲弾型のフェルトバフを使用しました。赤棒を付けて、磨いていきます

電動工具は、手作業と比べて効率があがりますが、取扱いを間違えると、大きな怪我につがなります
エッジ周辺を磨くときは、ブレードが跳ね上がらないよう、バフの回転方向を考慮して作業に当たりましょう
研磨物をしっかり固定していないと、すっ飛んでいくこともあります

写ってはいませんが、画像の左方向に防護用のダンボールを立てて置き、万一ブレードがすっ飛んでいっても、ダンボールに刺さるだけで済むようにして、破損事故が起こらないよう対策をしています

オピネルをバフ磨き
ペースト状になった赤棒が、ブレード表面で伸び、波目模様を作っています
このような模様が出るのは、回転工具特有の振動のせいです

ブレード表面にバフを押し付けると、回転に伴って共振が発生します
大きく共振が発生してバフがブレると、磨きムラが出やすいので、気をつけなければいけません

バフを早く動かそうとすると、大きめの共振が発生します。だからといって、バフの動きをゆっくりにしすぎたり、一箇所で止めてしまうと、そこだけが深く削れてしまい、よろしくありません

早すぎず遅すぎず、共振を起こさない一定のペースで、ブレード全体に均一にバフを当てるのが重要です


KOYO
サイザー46

なお、赤棒と書いてはいますが、実際には光陽社(KOYO)の「サイザー46」を使っています
(左の画像の商品です、実売価格が表示されない場合は広告ブロッカーをOFFにしてみてください)

通常、赤棒(トリポリ)の砥材はシリカ(二酸化珪素)なのですが、今回は研磨対象の硬度が高いため、シリカでは分が悪いだろうと考え、高硬度金属に対応可能なサイザー46を選択しました
(サイザー46は色が赤いので一見赤棒に見えますが、実はアルミナが使われおり、高い切削力を持っています)

アルミナ砥材の研磨剤を赤棒と呼ぶのは、分類的に考えると微妙なところですが、ここでは「粗磨き用の固形研磨材」というくくりで、便宜的に赤棒としています

バフでオピネルの下地出し
また、この程度のバフがけで焼きが戻ることはありませんが、一応、研磨でブレードが熱を持ちすぎないよう留意します
熱に驚いて反射的に手を動かすことが、事故や怪我をまねく可能性があるためです

このルーターは、自然対流に任せた空冷式で、強制空冷ではありません
長時間連続運転を続けると、モーターが熱を持ちますので、時々作業を止めて休憩をはさみながら作業に当たりました
過度の連続運転はリューターの寿命に影響を与えます。初めて使う方は、説明書によく目を通すことをおすすめします

鏡面下処理の済んだオピネル

赤棒を使い、粗磨きのバフがけをすることで、下地の状態がここまで仕上がりました
ピンホールや溝状の傷は、ほとんどわかりません。「下地が出た」と言って良いでしょう
鏡面仕上げのための準備作業が、ようやく終わりました

細かいところをよく見ると、電動工具特有の磨きムラも見て取れます。「FRANCE」の刻印の右下の部分を見ると判りますが、わずかに表面が波打っています
ですがこれは、この後にコンパウンドで手磨きすることで解消できるでしょう

粗目コンパウンドをかけて、下地の仕上がりを確認

鏡面手前のオピネルの刃

Holtz
ラビング
コンパウンド

まずは、粗目のコンパウンド(ホルツ ラビングコンパウンド)で磨いてみました
前に比べると、ピンホール跡が目立たなくなり、そこそこ良い下地が出たと思います

下地さえきちんと出ていれば、粗目のコンパウンドだけでもここまで仕上がります
鏡面仕上げは、高い番手の研磨剤を使えば良いというものでなく、下地の仕上がり具合如何にかかっています

下地をきちんと仕上げることで、鏡面のベースができあがり、高い番手に挙げていくことで、金属表面の平滑度が増していきます。
これに伴い、光の反射方向が均一に揃うことで、見た目の『くもり』が晴れ、オピネルの鏡面仕上げが完成します

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