作業前後の比較、データ一覧
CPU交換後のパソコンの状態です
計測には「HWmonitor」を使用しています
HWmonitorのダウンロード はこちら
結論から言うと、CPUコア温度は大幅に下がり、ファンの回転数は大きく低下しました
結果として、ファンの音がほとんど感じられないレベルの超静音マシンができあがりました
PCは、耳の位置からおおよそ1メートルの距離に設置していますが、前後面を開放した棚の中に納めてあるため、高周波の直接音が遮られていることも静音に寄与しています
CPUファンの回転速度
低負荷時(最低回転数):交換前1250RPM → 交換後706RPM
高負荷時(最高回転数):交換前4115RPM → 交換後777RPM
ファンの回転速度が大幅に低下しました
特に高負荷時の回転数が、4000回転以上であったのが、1000回転以下になったのは驚きです
逆に、これまでが酷かったと言うべきか…
CPU温度(コア温度)
低負荷時:交換前50℃ → 交換後25℃
高負荷時:交換前97℃ → 交換後62℃
CPU温度(コア温度)も大幅に低下しました
アイドル時で25度低くなり、高負荷時では35度も低くなりました
作業前(高負荷時)は、4000回転以上でファンが回っていたにもかかわらず、100度近い高温になっていましたが、
作業後は、1000回転以下の低回転でも、約60度程度で安定推移しています
交換前は室温17度の時に計測、交換後は室温19度で計測しています
静音性(体感)
交換前
ネット閲覧時は1500回転以下のため、ほとんど音を感じない(実際には回転音が出ているが、PCの置き場所を工夫することで、ほぼ無音に近い状態になっている
なお、振動対策を施しているため、共振による振動音は皆無
2000回転を超えると音が出ていることを感じる
動画視聴時は2000回転超になるため、静かなシーンでは少し気になることもある
動画編集時や編集後の書き出し時は高い負荷がかかり、回転数が4000回転前後まで上がるため、盛大に音が出る。体感的には「早く終わってくれないかな~」と感じてしまうような音量(ハンディ掃除機を稼働させている感じ)
交換後
アイドル時の回転数は700回転少々。動画を書き出してCPUに負荷をかけても770回転までしか上がらなかった
あまりに静かなので、もしかして何か不具合が発生しているのではないかと思い、念の為CPU使用率を確認してみたが、平均で80%程度、一時的に95%まで上昇しており、実際には充分な負荷がかかっていた
公称回転数は900~2000回転とされているものの、わたしのPCでは700回転台で静かに回転している
最大負荷時でも無音に感じられる
なにしろ最大負荷でも780回転以下なので、音が出なくて当然かもしれない
CPUクーラー交換とサーマルグリスの塗リなおし(作業後の感想)
ここまで
大きな効果が出るとは予想しなかったため、
正直言って驚きました
実売1,000円以下のファンを交換し、清掃して
CPUグリスを塗り直しただけで、ここまで変わるとは、実に驚きです
やってよかった、いや、
もっと早くやればよかったと、本当に思います
今回の作業は、CPUクーラーから異音が出たため、必要に駆られて嫌々やったものです
今後は、2年か1年に一回の頻度で筐体を開け、ヒートシンクの清掃とグリスの塗り直しを行ないたいと思います
放熱・冷却・静音の決め手は?
ヒートシンク清掃によるエアフローの向上と、
CPUグリス塗り直しによる相乗効果により、
効率的に放熱・冷却できているもようです
作業後のファン回転数は、ほぼアイドル状態と言えるような
1000RPM以下の低回転になりましたが、その状態で
充分な冷却能力が確保できています
結果的に、ファンの回転が高くならず、
静音性が非常に向上しました
パソコン設置位置を工夫することで、
静音パソコンを超えて、「
無音PC」と言っても語弊のない状態に仕上がりました
実際には無音ではなく、10~20デシベル程度の音は出ているはずですが、耳の位置とPC設置場所の距離関係から、聴覚限界以下の騒音レベルとなっています
非常に快適なPC作業環境が整いました(もっと早くやれば良かったと思います)
※ PCスペックが高くなく、そもそものCPU発熱量が低いことも寄与しています
ゲーミングPCに使用されるような、コアが10以上スレッド20以上ののCPUだと、発熱量そのものが大きく静音マシンにするのもそれなりに苦労すると思います
わたしはPCゲームをやらないので、並以下のスペックマシンでも充分間に合っており、簡単に静音化することができました
HDDはSSDに換装済みですので、ハードディスクの作動音もありません
CPUの放熱・冷却、静音性に関するポイント
CPUの放熱・冷却、静音性に関して、配慮すべきポイントは、以下の通りです
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ヒートシンク(放熱フィン)を定期的に清掃し、エアフローを良好に保つのは非常に重要
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放熱効率が上がるとCPU温度が下がり、ファン回転数が下がるために、結果的に静音性が向上する
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CPUグリスの性能(熱伝導率)はさほど重要ではない。ネジ締めを丁寧に行ない、ヒートシンクを隙間なく密着させることで、グリスの性能差は無視できるほど小さくなる(クリアランスが生じてグリスの介在が増した場合はこの限りではない)
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経年劣化が進み、粘度の大きくなったCPUグリスを再利用しないこと。CPUグリスが適切に広がらず、厚い膜状となって介在するため、ヒートシンクに直接熱が伝わらず、放熱の阻害要因となりうる
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締結時の歪み量が大きくなると、局所的にクリアランスが生じ、熱伝導に悪影響を与えてしまう。この場合はグリスの性能差の違いがコア温度の差異となって観測される場合がある(ネジ締結時のトルク管理は適切に行う)
今回の作業のきっかけ
パソコン稼働時に、
ゴロゴロという異音が発生するようになり、耳を近づけて音の場所を探ってみると、どうやら
CPUクーラー(ファン)から音が出ていることが判明しました
異音の原因は、
ファンのベアリング(軸受)の経年劣化であると思われます
大きな音ではないものの、耳障りな感じがするため、不快な感じが否めません
完全に駄目になる前に、
CPUクーラーを交換することにしました
それに伴いヒートシンク清掃と、CPUグリスの塗布を行いましたが、結果的に静音性が向上し、非常に満足しています
交換したCPUクーラー
GELID Silent8
静音ファン 80mm
上の画像の左側、ホコリが付いている方が、パソコンに取り付けられていた古いCPUクーラーです
右側が、今回交換するために購入した、新しいCPUクーラー「
GELID Silent8」です
「サイズ:8cm、回転数制御:PWM、リブ無しタイプ」に該当します
スペックを下に記しますが、
最低回転数がやや低めとなっており、静音重視型であることが伺えます
(左の画像の商品です、実売価格が表示されない場合は広告ブロッカーをOFFにしてご覧ください)
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製造元:GELID solutions
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販売元:株式会社サイズ
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商品名:Silent8
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回転数:900~2000rpm
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音量(静音性): 10~21.5dBA
GELID CPUクーラー公式ページ
純正CPUクーラーの型式
純正CPUクーラー:Taisol製 12VDC BallBearing
サイズ:縦8cm x 横8cm x 高2.5cm
タイプ:PWM制御(4ピン)
リブの有無:リブ無し
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