PCケースを開ける

最終更新日: 作者:月寅次郎

PCケース 開ける
PCケース(筐体)の開け方手順について解説します

メモリ増設SSDへの換装、CPU交換ヒートシンクの清掃など、さまざまな作業でPCケースを開けることがあります

個人的に何度もPCケースを開けていますが、たまに「あれ、どのボルトを緩めるんだっけ?」となることがあるので、備忘録としてここに記載します

必要な工具は、ドライバー1本です
固定式のドライバーではなくラチェットドライバーだと、作業が早くなり、楽に進めることができます

作業対象となるパソコン

デスクトップパソコン
今回の作業対象となるPC(デスクトップパソコン)
「Lenovo 76981JJ」です

そこそこ古いマシンでCPUはCore i3-550ですし、メモリも4Gしか積んでいないのですが、HDDをSSDに換装してあるため、サクサク動いて快適です

PCケースを開ける

PC パネル

PB SWISS
ラチェット
ドライバー

作業開始です
今回はCPUクーラー交換のため、ケースを開けています

画像の中央左寄りの開口部(パンチングメタルになっている部分)が、このパソコンの給気口です

この下にCPUファンが設置されており、ファンの下にあるCPUヒートシンクへ向けて、空気を送っています

PCケース 開ける

Wera
ラチェット
ドライバー

背面のネジを3箇所取り外します(画像白丸で囲んだネジ)

背面には他のネジも多数ありますが、すべてを外す必要はありません
側面パネルを固定しているネジを外すだけで充分です

PCケース 開ける
取っ手に指をかけて手前にスライドさせると、側面パネルを取り外せます

PCケース 開ける

Snap-on
ラチェット
ドライバー

側面パネルが外れました

メモリーの増設やHDDをSSDに交換するなど、大抵の作業は側面パネルを外すだけで可能です

※ 画像に写り込んでいるのが、わたしが使っているSnap-onラチェットドライバーです
限定版のシグニチャーモデルのため、ツートンカラーになっている珍しいモデルです(ソフトグリップが出る前の「ハードシェルタイプ」の製品になります

PC マザーボード

Crucial
SSD 2TB

今回は、CPUクーラーを交換するため、CPUクーラーとヒートシンクを取り外しました

よい機会なので、マザーボード(基盤)に付いていたホコリも、軽くブローして清掃しました

このページでは、CPUクーラーの交換、CPUグリスの塗り直し作業の解説は割愛しています
実際の作業手順等については、下記リンク先にてご覧ください

CPUグリスの清掃・除去

ヒートシンクの清掃

CPUグリスの塗り方

組み立てと作動テスト

PCケース 開ける
組み立てる際は、分解時と逆の手順で組み立てていきます

CPUクーラー
パソコンを起動してみました

CPUクーラー(電動ファン)が回転し、送風が作動していることを目視で物理的に確認します

CPU 温度
「HWmonitor」を使用して、パソコンの状態をチェックしてみました

HWmonitorのダウンロード はこちら

CPU温度CPUコア温度SSD温度CPUクーラー回転数、すべて正常な範囲内で安定稼働しています

CPU温度について

Deepcool
CPUクーラー

ここで表示されている「CPU温度」は、(このパソコンの場合)CPUクーラー吸気口の温度センサーで計測された温度が表示されています
そういう意味では、「CPU温度」というよりも、「吸気温度」と呼ぶべきでしょう
実際この項目には、室温とほとんど変わらない温度が表示されており、CPUに負荷を連続してかけても、数度ほどしか上昇しません

実際のCPUが何度なのかについては、CPUコア温度で見るべきです
画像では「intel Core i3 550」の項目の、「Temperatures」の2つの温度です(コア毎にそれぞれの温度が表示されています)

吸気温度とCPUコア温度の差が極端に大きくなく、ファンの回転数も充分に低ければ、ヒートシンクによる放熱が効果的になされていると判断することができます

逆に、ファン回転数が高くなっているにもかかわらず、吸気温度とCPU温度の乖離が大きいようであれば、放熱が妨げられていることを疑う必要があり、ホコリ等が詰まっていないか確認し、必要であれば清掃等を行ないます

ネジの締め方・緩め方について

TONE
トルクビット
ラチェットセット


SK11
デジタル
トルクレンチ

ネジの締め方や緩め方の基本について、知らない人が以外に多いようですので、簡単に書いておきましょう
義務教育では教えてくれません

● ネジを締める時
ネジ締めは3段階に分けて考え、作業に当たります
専門学校等でこう教えるかどうかは知りませんが、わたしはこのように作業してます

  1. ネジ溝にネジを合わせる(確実なネジの挿入)
  2. 締め込みの手前まで、ネジを送り込む(送り込み)
  3. ネジを締める順番に配慮し、適性なトルクで締結する(締結)
この挿入・送り込み・締結を、一度にやってしまう人が多いのですが、これを一度にやると「ゆがみ」が大きく出ます
イケアやニトリの組み立て家具で、ネジ穴が合わないと言うのは、このパターンが多いです

先にすべてのネジをネジ溝に当てはめ、問題なく嵌ることを確認し、それからネジを順次送り込みます
最後の締結は、右回りや左回りに締めていくのではなく、対角線に締めていきます
「星を描く順番のように」と言ったら分かりやすいでしょうか?
これにより、締結に起因する歪が相対的に少なくなります
ネジを締める際には歪みは発生するもので、「いかに歪を少なくするか?」という考え方が重要です

締結も一度に規定トルクまで上げてしまうのではなく、最初は弱めのトルクで一通り締め、最後に「本締め」で規定トルクまで上げるというくらいの配慮はしたいものです

特に今回のように、CPUとヒートシンクとを、歪みを出さずに寸分違わずぴったり貼り付けたい場合は、それなりに配慮して締結すべきです
歪みがでて微細な隙間が生じた場合にも、その間隙をCPUグリスが埋めてはくれますが、CPUグリスの介在量が少なければ少ないほど、ヒートシンクにダイレクトに熱が伝わります

ですので、グリスの熱伝導率や塗り方よりも、ネジの締め方に配慮すべきです

● ネジを緩める時
ドライバーをしっかり押し付けて、押す力8に対して、回す力2ぐらいの気持ちで回します
これは、どのくらいの締結力で締まっているかにもよります
簡単に緩むようなら、ある程度押す力を緩めても問題ありませんが、固着して緩めることが難しそうなネジの場合は、押す方に最大パワーを加えます

ネジを上から押すことでカムアウトを防ぐだけでなく、ネジ溝がバネのように機能しているのを緩める効果があるためです
なぜネジ溝が噛み合って緩まないか?を、論理的に理解していれば、納得できると思います

● 錆などで固着している場合
錆などでネジ溝が固着している場合は、浸透潤滑剤をスプレーした後に、貫通ドライバーで叩いて固着を緩めたり、ショックドライバーを使ったりします
最近はネジザウルスという商品が人気のようですが、わたしから言わすとバイスプライヤーのほうがよっぽど使いやすいと思います(そこそこ太いネジでも、ガッチリ咥えて、ねじ切れるだけの嵌合パワーを出せます)

浸透潤滑剤の使い方に関するページ:OAチェアのガスシリンダー交換(整備上級者が教える小技)

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■ 関連ページ オフィスチェアのガスシリンダー交換・外し方
これまでネットで紹介された方法では、なかなか抜けません。その理由は?

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